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9 月 30, 2011
スタートアップからのシリコンバレー進出:「進出すべき会社」ではなく「進出に望ましい会社形態」
先週、東京のセミナーで話した中身を何回かに分けて書きます。
セミナーのタイトルは「スタートアップからのシリコンバレー進出」で、アーリーステージのベンチャーがシリコンバレーに進出するにはどうしたらよいか、という内容。ただし、「シリコンバレーに進出すべきベンチャーとはどのような会社か」という内容ではありません。
「シリコンバレーに進出するとして、そのために望ましい会社の形態はどういうものか」
についての説明なのであった。
前置き:シリコンバレーに「進出すべき」会社かどうかはなぜ二の次なのか
最近しみじみ思うのだが、「シリコンバレーに進出したい」という場合、「客観的に見てそれが正しいか」は、あまり意味が無いのではないかと。(会社だけでなく、個人がシリコンバレーで働きたい、という場合も同じデス。)
理由は2つある。
1.何が本当に正しいか誰にもわからない
シリコンバレーは、新しいものを開拓する場所だ。新しいものなんだから、過去の評価では計り知れないことが多い。地域全体が常時ブラック・スワン状態なわけです。(ナタリー・ポートマンではないのであしからず)。
「これはすごい」と誰もが唸った技術、10億、100億円単位で莫大な資金を調達したベンチャー、そうしたものの数多くが海の藻屑となった。一方で、最初は誰もが「なんじゃこりゃ」といったものが大成功したりする。そもそも何が「正しい」のかわからないのだから評価のしようがない。
2. マクロとミクロは別
仮に、「これが正しい」という指標があったとしても、その「正しさ加減」の「評価ピラミッド」で、どのあたりに自分がいるか(=偏差値いくつ?みたいな)と、実際の成果は100%相関するわけではない。ピラミッドの上の方にいれば、「成功確率が高い」というだけ。どんなに成功確率が低くても、確率がゼロでない限り成功する人はいる。
「確率1%でも、100回やれば1回はあたる」
わけです。
全体の最適化を考える政策などでは、この「確率」をあげることを考えなければならないわけだが、その中の一プレーヤーとしては、確率1%だったら、その1%になればよいだけの話。勝てば官軍、です。
もちろん、あなたがまだ中学生とか高校生で、これから「将来シリコンバレーで成功するための確率が高まるようなことを次にしたいが、どうしたらよいか」というのだったら、話は別だが、「今ある事業でシリコンバレーに行きたい」というのであれば、確率が高かろうが低かろうが挑戦するしかありません。
しかも、最初に言ったとおり、確率が高いか低いかすらよくわからない世界。
メジャーどころのVC、Kleiner Perkinsですら、20%の投資先は会社クローズ、20%の投資先は事業失敗後に買収、らしいし。
「私はシリコンバレーで成功しそうなピラミッドのどこにいるのか」を考えること自体、あんまり意味が無いかと。
トライしてみない限り絶対成功しないし。
とりあえず何でもありではないかと
セミナーでも
「シリコンバレーに進出する価値のあるベンチャーはどんな会社でしょうか」
という質問があったのだが、私の答えは、
「いや、別になんでもありなので、行きたいと思ったら頑張って進出してみたらいいんじゃないでしょうか」
という(超いい加減な)もの。
その時「シリコンバレーで起業するベンチャーは、何でもありです」の例としてあげたのが、Manpacks。
普通にアメリカ人が起業してるベンチャーだが、アメリカ人男性の過半であるところの、身だしなみに構わない人用に、きれいで(それなりに)かっこ良い(下着の)パンツと、ソックスとTシャツなどを、セットで定期的に送るオンライン通販事業です。(コンドームも買えるそうでございます。)
・・・・なんじゃそりゃ。
でも、メジャーどころのインキュベータの500 Startupsの投資を受け、さらにエンジェルラウンドもクローズ中とか。
理屈をつけるとすれば、「アメリカ独身男性のニーズを深く理解してる」とかいろいろ言えるかもしれないが、普通に考えたら、やっぱり
「なんじゃそりゃ」
ではないでしょうか。
Manpacksが成功するかどうかはわからないが、とりあえず出だしはこんなのもありなわけです。
以下本題:シリコンバレーに進出するにはどういう形態が望ましいか
いつもながら前置きがなくてすみません。進出「すべき」会社の望ましい事業の中身がテーマでないかわりに、いったい何が言いたかったのか。
それは、「これを外すと、事業の内容に関わらず、『シリコンバレーで成功するために鍵となる3つのこと』を実現するのが難しいのは何かを説明する」ということなのであった。
シリコンバレーで成功するために鍵となる3つのこととは、
- 米国投資家からの資金調達
- 現地での優秀な人材の雇用
- ファウンダーとしてシリコンバレーに渡る人のビザ取得
ではないかと。
それぞれを実現するために、「会社はどこで登記すべきか」「ストックオプションはどうあるべきか」「ビザにはどんな種類があって、どうすればそれがとれるか」などが今回のセミナーで私が話したことであった。
事業の内容という「本質的」なことにくらべて、かなり瑣末な形式的なことです。
しかし、世の中には、形式的なことを押さえていくうちに、段々と中身もそれにともなってきてしまう、ということがある。
特にアメリカは、社会のルールや評価が誰にでも(頑張れば)わかるようになっていて、しかも、それに則って行動しているうちに、いつのまにか正しい成果がついてくることが多い国である。
(資本主義が機能するためには、こうならざるを得ないので・・・・・。)
なので、こうした「形式的なこと」を整えることが大事だったりする。
もっと言うと、ビザがないと、そもそもアメリカで働けない。
日本からシリコンバレーに進出しようとする多くの会社が、こうした「形式」すら整えられないうちに終わってしまうのです。
とりあえず、形だけでも整えて進出する会社が増えれば、それだけ成功する会社が誕生する確率も上がる。
で、「まずは形を整える」といえば、茶道。お茶碗の回し方とかお辞儀の仕方とかうるさく言われますよね。で、それをマスターしていくうちに、段々と「茶道の心」もわかっていく、、と。
ということで、プレゼン資料の最初のページが茶道の写真となっております。
(当日利用したプレゼンはこちら。)
では、続きはまた後日。
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9 月 21, 2011
「スタートアップからのシリコンバレー進出」プレゼン資料アップしました
20日、トーマツさん主催で、スーパーベンチャー会計士の磯崎さんとご一緒させていただいて東京で行ったセミナーのプレゼンです。


