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2010/06/29

On | アメリカで大手を振ってベンチャー投資できるのはお金持ちだけ(その1)

日本証券業協会なるところが、「個人投資家から投資を受けたベンチャーは上場禁止にしよう」と提案中らしい。ひえー。シリコンバレー的には「エンジェル投資家(=つまり個人)からお金を集める」というのは、アーリーステージのベンチャーの大事なステップなのであるが、いきなり上場禁止??

ということで、ベンチャー会計士の磯崎さんがこの提案がなぜいけないかを書いていますが、提案書そのものを見てみるといわく

新規公開前に行われる不適切な自己募集を規制するための 「有価証券の引受け等に関する規則」等の一部改正について(案)

ということで開いてみると、しょっぱなから

新規上場を予定している発行会社においては、通常、上場前に個人投資家に対して自己の発行する株券の勧誘行為を行うことはないものと考えられるが

とありまする。えーーー、と思うが、まぁ、「勧誘行為」の定義次第では、「ふむふむ、それはもっとも」ともなりえる。実はなーんもビジネスをしていないペーパーカンパニーが「上場するから儲かりまっせ」とか言って、素人さんを大々的に勧誘したら確かにまずい。イメージとしては、テントに押し込んで羽毛布団売るみたいな?

が、その先を読むと、どこにも勧誘行為の中身の説明はなく、いきなり

未上場会社が上場前に自己の株券等について個人投資家に対し募集等を行っていた場合には、原則として、当該未上場会社の新規上場時の株券の募集又は売出しの引受 けを禁止する。

おそらくポイントは「原則として」というところで、「いや、ちゃんとした個人からの投資はいいんですよ」とかいうつもりなのかもしれないが、なんだかなぁ。しかも、「これから起業するベンチャーに限ります」とかいうgrandfather条項もなく、「え、じゃ、今までに個人投資を受けたベンチャーはもう終わったってこと?」という疑問も。

(grandfather=前も書きましたが、「新 しい規制から免除する」という意味あり。爺さんは免除かい)

・・・・うむむ、では、アメリカはどうしてるのよ?という疑問に、私の知る範囲で以下お答えします。

まずバックグランドから言うと、アメリカだって、「個人投資家100人からお金を集めてる」みたいな頭の痛いベンチャーもたくさんある。(私が実際に出会った超怪しい医療機器ベンチャーの話はこちら。最近も「個人投資家50人」みたいな会社に会った。これはサンフランシスコにあるまともな意思を持った会社ではあったがその後倒産した。)

そして、「投資詐欺」だって、それはたくさん過去に起こったでありましょう。ZZZZ Bestという有名なベンチャーがあって、1985年に上場するも、売り上げのほとんど全てが架空取引だったのでした。ファウンダーは、16歳で起業、18歳で上場、21歳で逮捕された、という人生早回りな人。(本人のインタビューはこちら

しかし、アメリカでは、ベンチャーキャピタル投資とエンジェル投資はほぼ同額。エンジェル投資を締め付けるなんてもってのほか。その大事なエンジェル投資の熱を冷まさずに、か弱い個人を詐欺会社から守るにはどうしたらいいのか。

VC投資=$17.7 billion   エンジェル投資=$17.6 billion

(と、実はここまでが前置きだ。長い・・・)

答えは、「ベンチャーに投資していいのはお金持ちだけ」というAccredited Investorsルールの導入である。SEC(証券取引委員会)の規定です。

「SECに報告せずに株式を売っていいのは、こういう人に売るときだけ」

という「売っていい相手」が定めてある。あれこれ法人やら、株式発行会社のある地位の人たちやらが定められているが、社外の個人の場合は

- 100万ドル(約9000万円)のアセットがある

または

- 過去3年のうち2年間、20万ドル(約1800万円)の収入があった(夫婦合算の場合は30万ドル)

という条件を満たさないといけないのですね。つまり「それだけ資産があるのだったら、頭を使って自分で考えてね。だし、少々痛い思いをしても自己責任で」ってことですね。

+++

さて、ここでふと悩ましいのが

「だったら、family & friends、親兄弟や友達からお金を集める、という生粋のスタートアップはどうするの?」

という問題である。ファミリーやフレンドがみんな条件を満たす人は問題ないが、そうじゃない人もたくさんいるであろう。

実際、条件を満たさないfamily & friends投資は多々行われている。

しかし、、、

とここまで書いて、夜も更けてきたので、続きはまた後日。前置き長すぎですね。

11:06 午後 Onアーカイブ | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック(0)

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コメント

こんにちは。いつもブログ楽しみにしてます。
さて、下記条文の変更ですが「募集等」という言葉がポイントかと思います。
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が、その先を読むと、どこにも勧誘行為の中身の説明はなく、いきなり

未上場会社が上場前に自己の株券等について個人投資家に対し募集等を行っていた場合には、原則として、当該未上場会社の新規上場時の株券の募集又は売出しの引受けを禁止する。

おそらくポイントは「原則として」というところで、「いや、ちゃんとした個人からの投資はいいんですよ」とかいうつもりなのかもしれないが、なんだかなぁ。しかも、「これから起業するベンチャーに限ります」とかいうgrandfather条項もなく、「え、じゃ、今までに個人投資を受けたベンチャーはもう終わったってこと?」という疑問も。
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上記の募集とは、金融商品取引法の募集を指すのではないかと。
簡単にいえば、募集=50名以上の普通の人々相手に法律の手続き*を経ずに株を売ること、です。ご参考↓
http://www.azsa.or.jp/b_info/ipo/200711/ipo_200711_01.html
*法律の手続きの主な部分は、有価証券報告書によく似た有価証券届出書という書類を作って、金融庁に届け出ること、投資勧誘の際に相手方に書類をちゃんと渡すこと、です。届出書には監査法人の監査証明も要り、通常の非上場会社だと会社は激レア。

つまり、一般投資家から投資を受けることが悪いのではなく、世紀の手続きを経ずに多数(おそらく不特定多数)の一般市民相手に、株式売ってはいけないよ、ということかと。
とはいえ、金融商品取引法上の、と断っていないあたり、パブリックコメントを募集するための文章としては、不用意極まりない表現だとは思いますが。

Posted by: masana at 2010/06/30 8:42:11

すみません。先程の投稿に補足です。

isologueさんを熟読しまして、ポイントは「私募」の方かと思います。私募をふくんでしまうと、おっしゃるように個人投資家から出資を受けると上場できない、となります。
したがって、当該条文も、「やっちゃダメ項目」から、私募を除けばまともだと思います。
↓私募=募集でない投資勧誘
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%81%E5%8B%9F

※分かりにくい投稿をしてしまいましたので、適宜カットしていただければ。

Posted by: masana at 2010/06/30 8:50:52

chikaです。

でも、公募だったら最初から報告義務があり、違反したらIPOできないと決まってますから、今回は私募を指していると思うのですが。

なんかこれ、通ったら楽しいんじゃないか、と思ってきました。最初からもう海外での上場を目指すという、楽しいインターナショナルベンチャーがたくさんでてくるんじゃないか、と。。。。わくわくわくわく

Posted by: chika at 2010/06/30 21:54:08






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