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12 月 28, 2009
アメリカ進出にあたってM&Aを活用すべき理由
アメリカで事業を始めるシリーズ。日本企業がアメリカに進出する場合で、売るものが決まっている場合は、ゼロから組織を立ち上げるのもありだ、と書いた。ありではあるのだが、そのためにはゴール設定を明快にして、高い報酬を払ってでも優秀なトップを採用し、戦略のズレが生じたらこまめに話しあって方向修正をし、だめだったらトップを切って他の人にする、といったことが必要だ、と書いた。
これ、ムチャクチャ難しいですよね?
実行するためには、今は存在しない外国の組織の3年後をイメージする、ってなことが必要です。
- 「そんな大言壮語するより、まず小さくやってみようよ」っていうのじゃだめなの?
ダメです。そういう人は、アメリカにこない方がいいです。失敗するから。こういう感じで来る会社を、大企業からベンチャーまで、たくさん見てきましたが、残念ながら
watch a train wreck in slow motion
です。「電車事故をスローモーションで見る」=惨事になるとわかっていながら、止めることができない、そして、なぜ事故が起こるかのディテールまでじっくり見えてしまう・・・ということ。なぜかというと
- アメリカのビジネス社会は「体でわかる」というのがものすごく難しい
アメリカには、東京のように、人材も、会社も、役所も、文化も何もかもが集積していて、その辺を歩きまわるだけで、なんとなくイメージが湧いてくる、という場所がない。
1時間のミーティング一つするのに、悪くすれば1泊2日かかる。東海岸と西海岸は、東京とバンコクぐらい離れているので。シリコンバレーの中の会社同士だって、片道車で1時間、なんてのは結構ざら。遠いのです。(サンフランシスコとサンノゼは、東京から筑波山に行くくらいある。)
その上車社会なので、たとえ住んで・働いても、自分の家の中と、近くの日本食屋と、自分のオフィス(自分しかいないかも)しかわからない、てなことになりがち。
- ゼロから組織を立ち上げるには、最初から大きな覚悟が必要
というわけで、日本から行った駐在員が小さく初めて、その成果を元に、日本の本社の意思決定者陣全員が納得行くような次のステップを取って・・・というやり方は、非常に厳しいわけです。(たまさか、駐在員の人がものすごく優秀で、ずばっと正解のプロセスを理解したとしても、日本側は「まぁまぁ、もうちょっとゆっくり行こうや」的になったり「オマエの言ってることわかんないし」的になったり、ということで時機を逃す。)
ゼロから組織を立ち上げるには、最初から大きなゴールを設定して億単位の資金を投下する意思決定をしないと、そもそもスピードの速いアメリカのビジネスのペースについていけない。
しかもその上、冒頭で述べたように、(良い評判があるとはいえ)海のものと山のものともつかないexecutiveを高給を払って雇って・・・と。
- M&Aの方がリスクが小さい
それくらいだったら、既に動いているアメリカの会社を買って、そこを足がかりに事業を広げる方がずっとリスクが少ないではないですか。既にそれなりに組織もあって、事業活動も行われている。
「見て」
わかるわけです。
「でも、M&Aはなかなか上手くいかないし」
と皆さんいいますが、ゼロから組織を立ち上げたってなかなか上手くいきません。
特に大企業の場合、アメリカで新事業を始める難しさを過小評価していることが多い。前のエントリーにどなたかからコメント頂きましたが、新しい営業事務所を国内に一個増やす、ぐらいの気持ちなんじゃないかと思われ。
その点、買収するとなったら、日本のマネジメントも真剣に検討し、相当な決意をすることでしょう。本当はゼロから組織を立ち上げる時も、それくらい覚悟して欲しいわけですが。
特に、「集団で物事を決断する」という傾向が強い組織(=日本のほとんどの企業)においては、その意思決定者全員がアメリカ進出の難しさを理解できるとは思えないので、「買収する」という決断の迫り方(そして、決意の共有)は有効と思われるのでした。
+++
ちなみに、余談ながら、実は結構大事なことが
- 「小さく始める」で就労ビザをキープするのは困難
世界中の殆どの国と比較して、アメリカの就労ビザ取得の大変さと言ったら、言語に絶する。これ、本当にやってみないと分からないと思うのだが。実は大商社の駐在員ですら、ちょっとイレギュラーな申請(別会社出向とか)だと却下されてることが結構あるのですよ。
既にアメリカで別事業出回っているオフィスがあり、そこに駐在員として出す、という場合はビザ手続き上は楽ですが、そうではなく、新しくオフィスを作る、という場合。これは、認可の基本が
「アメリカでどれだけ雇用を生み出すか」
ということになります。
E2とかL1Aというビザで来ることになると思うのだが、いずれも、最初は1年しか認可が降りない。(ビザの詳細はこちらの日本人移民弁護士の方の解説サイトを参照)。で、1年たって延長申請出したところで、
「あなた従業員ぜんぜん雇ってないじゃないですか。延長却下」
となるケースが大いにあり。(本当に日本に帰らなければならない。単なる脅しじゃありません。)
しかし、「とりあえずアメリカに行ってみて考える」なんて感じで渡米すると、1年なんて何もしない間に経ちます。なので、1年・・・というか、実質半年強くらいで「将来像を決めて、日本の本社の稟議通して、アメリカで何人も人を雇う」、というのができる、と思う方だけにお勧め。
というわけで、「アメリカで小さくほそぼそやる」のは本当に難しい、という話でした。
M&Aの具体的な話はまた追って。
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12 月 27, 2009
アメリカの偽札はババ抜きのババらしい
未だに紙媒体の新聞をとってますがそれが何か。
当地のローカル紙、San Jose MercuryにAction Lineというコラムがあって、これは、読者の様々なトラブルについて、担当記者の人が調べてくれたり、企業やお役所などに読者に代わって交渉してくれたりする、という大変役に立つコラム。昔私もグリーンカードでちょっとトラブったときにダンナがメールしたら調べてくれた。すばらしい〜。(この新聞の価値は最近、このコラムと、同じような趣旨でテーマを道路交通に絞った「Mr. Roadshow」というコラムの二つにしかないような気がするのではありますが。)
さて、そこに載っていたのがMy bank gave me counterfeit money。
「銀行の窓口でもらった100ドル札が偽札だったのだがどうしたらいいか」というもの。読者からの問い合わせの中で、私がびっくりしたのは
I called the Morgan Hill police, but they told me that they do not take reports on this sort of thing and I would have to contact the bank.
「警察に電話したけれど、『その手の届け出は受け付けないので、元の銀行に聞いてくれ』と言われた。」
まじすか。新聞沙汰にならないはまだしも、警察沙汰にもならないわけですか。
そして紙面の回答も適当で、
「残念ながら最近多いんですよ、こういうの。銀行になんとかしてもらうしかないね。チャオ!」
みたいな感じ。回答の最後に
I'm off for two weeks. Happy holidays.
「明日から2週間休暇です。良いお年を!」
とあるので、きっとこれ以上フォローするのは面倒だったんでしょう。休暇だし。
それにしても。
・・・そうか、偽札をつかむということは、ババを引くのと一緒なのだな。引いた人がなんとかしないとならないと、そういうことなんですね。(なのか?)
ちなみに、counterfeit detector pen(偽札検出ペン)なるものがあり、これで札に線を書いて、黄色(琥珀色)だったらOK、黒とか茶色になったら怪しい、と。このペン、超お安い。Amazonで3ドルしません。普通の日本のボールペンより安いよ。これでわかちゃっていいの?でも、確かに、小銭で払うお店とかではこの手のペンでよくチェックしてる。
あと、「偽札受け取っちゃった」とスーパーのキャッシャーの人たちが話してるのも聞いたことがある。なんだか明らかに手触りが違うお札、というのも受け取ったことがある。(無事に使ってババ抜き勝ち)。確かに、たくさん偽札があるのでしょう。
なお、米ドルの3分の2は米国外にあるとのことで、(ドルで買い物できちゃう国は世界中にある)、アメリカにとって、なかなか偽札の流通を防ぐのは頭の痛そうな問題ではあります。(われながら結構面白い参考過去エントリー;トリビアの泉 日米通貨流通量)
(念のため、United States Secret Serviceのサイトによれば、「偽札を受け取ったら警察に通報しろ」、とあります。まぁ、「言ってみただけ」って感じでしょうか。または、偽10万ドル札、とかだったらとりあってくれるのかも。)
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12 月 26, 2009
プレゼン上達は見る+練習する
日本の会社がアメリカに進出するための会社・ビジネスの売り込み方では、まず本質的な中身ことを書いたが、プレゼンのハウツーもやっぱり大事。で、世の中には様々なノウハウが出ているので、「プレゼン」「上達」でGoogleなどで探してもらうとして、そのハウツーを体で覚えるために必要な二つのこと。それは
- 上手なプレゼンをたくさん見る・聞く
- 準備に時間をかける・練習する
大変だけど、これを避けて通ることはできません。
- 上手なプレゼンをたくさん見る・聞く
ここでは、「アメリカの」上手なプレゼンを見るのが大事。
「ITベンチャーが次から次へとプレゼンする」というDemoやTechCrunch50というコンファレンスの個々の会社のプレゼンは、ビデオアーカイブになっている。一社6分で説明して行くもの。まずはこのあたりを見てみて欲しい。
他の会社のプレゼンはこちらのリンク先からどうぞ
(上記、画面がまっくろのままの場合は、一番左の上下矢印ーReloadーをクリックすると画面が出てくると思います。)
他の会社のプレゼンはこちらのリンク先からどうぞ。
「アメリカに進出しよう」と思っている人で、この手のコンファレンスに参加したことがない場合は、ぜひなるべくたくさん見て欲しい。必ずしも全員がとてもうまいわけではないが、どこに水準があるのかはわかると思う。
大体の会社のプレゼンは、
1. つかみ
2. 問題提起
3. 解決方法(自社製品の説明)
という流れになっている。「つかみ」は、聴衆の関心を引くためのもの。基本的に「誰もあなたの話なんか聞きたくない」というのが聴衆の基本という前提でプレゼンを作るのが大事。だから、誰もが知っている映画のクリップを流したりして、「こんなの知ってるよね?」と問いかける。
そして、「問題提起」。自分たちが解決しようとしている問題が何なのか、それはどうして重要な問題なのかをわかりやすく平易な言葉で述べる。
最後が「解決方法」。提起された問題をどう解決するのか。ここで初めて自社製品の説明となる。
・・・というようなことを考えつつ、上記のプレゼンではどういう構成になっているか、もう一度見てみてください。
一対一で話すときは、ダレてる聴衆を相手にするほど「つかみ」は必要でないが、それ以外は基本的には上記の流れでOKです。
「英語が全く聞き取れない」という方は・・・・うむむ、仕方ない、TEDの字幕付きスピーチを見るあるよろし。
スピーチとしてはDEMOやTechCrunchより深みのある話が多いが、「会社・事業を紹介する」というフォーマットになってないところが「事業説明を上達させる」という目的においては玉に瑕。でも、字幕付き。サイト上で、左下の方にあるTechnologyかBusinessのカテゴリーなどいかがでしょうか。
サイトで、右上のOpen Interactive Transcriptというのをクリックすると全文出てくる。または画面の下のSubtitles Available inの右をEnglishにすると、画面に英語字幕が出る。
ただ見ても、何がどうすごいのかわからないかもしれないが、まずは見よう。ひとつでも二つでもいいから「どういう風にすると良いスピーチになるか」ということを自分で抽出してみよう。手の位置はどうなっているか、とかそんなことでもいい。
「これはベンチャーの派手なCEOがするもので、大企業がするプレゼンだったらこんなに気合を入れなくても良いのでは」
と思うあなたは、甘いです。舞台で咆哮するSteve Ballmer(マイクロソフトのCEO)を見よ。
(あくまで参考です。これをあなたがすると、警備の人を呼ばれる可能性があるのでやめましょう)。
- 準備に時間をかける・練習する
さて、「どういうのがプレゼンのあるべき姿か」がなんとなくわかったら、今度は自分が話す方法。アメリカ人がプレゼンが上手なのは、ものすごく時間をかけているから。本当に大事なビジネスのプレゼンとなったら、丸一日リハーサルしまくる、なんていうこともあります。
しかもあなたにとっては外国語でのスピーチとなります。
慣れないうちは、
1. プレゼンの全文をジョークの一つにいたるまで全て文字で(英語で)書く
2. 鏡の前で、それをなんども練習する
3. (アメリカ人のプレゼンを見慣れている同業界の人に)それを見てもらって厳しくアドバイスしてもらう
4. 3のアドバイスに基づき原稿を修正、2に戻る
・・・・とこれくらいやって「普通」だと思ってください。なんといっても外国語なので。まぁ、何日かこれだけで終わると思います。で、練習が終わる頃には、原稿はほぼ丸暗記されている状態にしてください。完璧に丸暗記する必要はないですが、プレゼン資料を見た瞬間に何も考えなくてもさらさらと言葉が出てくるくらいにはすること。
さらには、「質疑応答」も練習すること。だいたい聞かれることは想像すればわかるはず。
「こう聞かれたらこう答える」
というのも、ほぼ原稿化して何ども口に出して練習しておくこと。
人前に立って話すプレゼンではなく「少人数とのミーティング」で話すのであっても、上記と同じことをすべし。
「棒読み」じゃ意味が無いので、「鏡の前で」ってのをお忘れなく。イメージは上記のビデオ(除くSteve Ballmer)。
慣れてくれば、全文原稿にする必要はなくなりますが。
重ねていいますが、プレゼンはスポーツみたいなもので、練習しなければうまくならない。練習過程においては、話しているのをビデオに撮ってもらって自分で見るのは非常に有効。で、そのビデオを見たあとに、上記のTechCrunchやDemoのプレゼンビデオを見て、どこが違うか見比べること。
多くの人は、いかに自分が聴衆の目を見ないで話しているか、いつも体がゆらゆらしているか、手が変に動いているか、などわかると思います。私も昔大学院時代にスピーチのコースを取って、そこで自分の英語スピーチのビデオを見ました。泣きたくなったです。はい。
(ちなみに、アメリカ人は、幼稚園の頃から人前でのスピーチを繰り返し学校で練習させられてるのです。大人になってもワークショップに通ったり、コーチをつけて精進している人もいる。それだけ努力してるから上手いのだよ。)
ちなみに、「エクセレントカンパニー」の著者で、年がら年中講演会をしているTom Petersのブログより。「スピーチの前はリハーサルするんですか」という質問に対し、
There's less of an easy answer than you'd imagine. I do not rehearse in the formal sense. On the other hand, I come close to staying up all night before a speech going over my slides—over and over and over. Perhaps over 100 times???? Of course I formally modify the slides, to the point of de-emphasizing one word and emphasizing (italics) another. But as I go through the slides I am also sub-consciously, semi-consciously going through phrasing I might use. So in a way it's damn near rehearsal, though you're also right in that the main rehearsal is 3,000 or so speeches over about 31 years.
赤字にしたのは私。67歳にして、過去31年間で3000回のスピーチをしたTom Petersにして
「フォーマルなリハーサルこそしないが、プレゼンのスライドを見ながら、何をどう話すかを何度も何度も考える。100回は見直すかな。ほぼ徹夜するくらい必死にする」
ということで、ローマは一日にして成らず、です。
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12 月 25, 2009
アバターとサンフランシスコのプラネタリウム
先週末、アバターを3Dで見ました。いやー、新しい時代の夜明けですなぁ。今まで、3Dってギミックだったのが、ついに本当に入り込める(immersiveな)3Dができたという感じ。
まぁそんなにじっくり3Dをフォローしてきたわけじゃないんですが、アバター以前に最後に見た3DはAngelina Jolieが出てた2007年公開のBeowulf。その時までの3Dって、注視点が定められない、というのが私の不満でございました。つまり、普通映画っていうのは、監督が見て欲しいところにフォーカスが合っていて、それ以外はかなり思い切りボケてるじゃないですか。なので、何も考えなくても、自然に「見るべき点」に目が行く。
だけど、3Dだと、見なくてもい背景とかもくっきりフォーカスが合っていて、ADD気味の私としてはいろんなところに注意が散漫に飛んでしまい、全くストーリーに入り込めないのであった。
あと、わざとらしく観客に向かって突き出される剣とかも
「どうだ、3Dだぞっ!」
という感じでいやだった。むかーし、初めてDisneylandでMichael JacksonのCaptain EOを見たときは、おおっ、と感動したのだが・・・。(余談ながら、Captain EO、来年の2月にDisneylandに戻ってくるらしい。CoppolaとGeorge Lucasの共同制作、という豪華作品なので、見たことない人はどうぞ。)
しかし、Avatarでは、フォーカス・意味のない突き出しのどちらも改善され、3Dが、単なるギミックから、作品世界を体感するためのものへと進化したですよ。
ストーリーも好き。・・・というのも、私はハリウッド娯楽大作、っていう感じの映画が好きなので。逆に、「インテリジェントな人が、インテリジェントな人のために作った、人生の暗さ・やるせなさを淡々と語る映画。もちろんアンハッピーエンディング。」みたいなのが苦手。なんで金払ってまで、悲しく・苦しい思いを地味に体験しなければならないのか、と。(Happily Ever Afterは、見てしまった自分に怒りを感じた。)
その点アバターは、「いやー、こんなに人間はっきり良い人と悪い人にわかれないし」と思いつつも、ちゃんと楽しめる。無駄なストーリーは殆どなく、すべてが後に起こることの伏線となっていて、見てて
「ああ、これがあるってことは、後でこうなるのね」
とわかってしまうところもある。要は「お約束」なストーリー展開なのだが、よくできた「お約束」だから許す。そして、「お約束」ゆえの安心感もある。
・・・・というか、その3D・CGの威力で、映画という媒体のあり方を塗り替える映画ゆえ、ストーリーまで複雑すぎると、見る人が混乱しちゃうんじゃないだろうか。sensory overloadですな。
細かいツッコミとしては、せっかく宇宙人の体まで作って宇宙人の社会に溶け込むのに、なんでTシャツにカーゴパンツ履いてるの?(じゃないと、原住民と見分けつかない、という理由はわかるのだが)。しかもそのTシャツ、Stanfordって書いてあるのは「反抗的で人道的っていうイメージ」を醸しだすため?それとも、単に着てるSigourney WeaverがStanford卒だから?<以下ちょっとネタバレ>主人公のJakeに一生を捧げてあっさり捨てられるドラゴンが気の毒じゃないか、とか。<ネタバレ終わり>
といろいろあるが、とにかく見るあるよろし。ストーリーなど関係なく、3DとCGを見るだけでも価値あります(必ず3Dで見てください。できればIMAXがよろしいと思います。)
見たあとで、メーキング裏話など見ると、さらに時代の変わり目を体感できるかと。(ケーブルチャネルのHBOで30分物が流れてた。)リアルには全く出てこない、モーションキャプチャーだけの女優さんまで、何ヶ月もマーシャルアーツのトレーニングをし、俳優を皆ハワイに連れて行って原生林を歩かせて勘を養わせた、みたいな、金に糸目をつけない映画作りがわかります。エンターテイメントってすごいなぁ。
+++
と、アバターの話が長くなってしまったが、サンフランシスコのプラネタリウム。アバターが映画媒体の新しい夜明けなら、こちらはプラネタリウムの夜明け(・・・って単なるプラネタリウムのプログラムみたいですが)。
それは、California Academy of Sciencesの中にあるMorrison Planetarium。
Academy of Sciencesは自然科学の歴史を展示する博物館として世界でもトップ10に入るもので、全面改装して2008年に再オープンした。
で、その中にあるMorrison Planetariumは世界最大のデジタルプラネタリウム。今年の夏に行って驚愕しました。子供の頃見たプラネタリウムとは別のものであった。私の見たのは、地球を飛び立ち、銀河系を離れ、宇宙の果てまで行って、また戻ってくる、という展開だったのだが、あまりにビジュアルが鮮明でリアルなので、自分の座席が動いているかの錯覚を覚えたほど。
宇宙について考えると、心がシーンとしてしまうものだが、このプラネタリウムを純粋な子供の頃見たら、宇宙の果てしない虚無を実感して鬱状態になったかもしれない、というくらいすごい。
これも、サンフランシスコに行く機会があったら行くあるよろし。Academy of Sciencesの他の展示もなかなか面白いのだが、このプラネタリウムだけでも行く価値がある。Academy of Sciencesに入ったら、まずプラネタリウムに行って整理券を貰ってから、他の展示物を見ましょうね。
California Academy of Sciencesのサイト
(全くの余談:私の考えるジャンル別No.1俳優)
- 地球外生物と対峙させたらNo1.=Sigourney Weaver(上記プラネタリウムのショーの一つは彼女のナレーションです)
- 人間外生物を演じさせたらNo.1男優=Kianu Reaves
- 人間外生物を演じさせたらNo.1女優=Milla Jovovich
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12 月 24, 2009
アメリカのセーフティーネット
クリスマスと言えばalms for the poor(慈善活動)・・・ってことで、今日はアメリカのセーフティーネットについて。さて、次の数字はなんでしょう?
- 7人にひとり(もうすぐ5人にひとり)
- 8人にひとり
- 4人にひとり
答え:
- 7人にひとり(もうすぐ5人にひとり):低所得者向けに政府が提供する健康保険、Medicaidでカバーされている人。
こちらの政府資料(pdf)の23ページにある通り、国民の14.1%。さらに、通ったばかりの新ヘルスケア法案で、新たに1500万人(5%)がカバーされることになる。
これ以外に、65歳以上の人は全員Medicareという政府の健康保険が全員にある。これでカバーされる人が全体の14.3%。さらに軍人・元軍人向けの健康保険があり、これが3.8%カバー。トータルでは29%が政府の保険でカバーされる。(新法案前で)。足し算があわないのは、ひとりで複数の保険の対象になる人がいるから。
というわけで、別にアメリカも「貧乏人は死ね」といっている訳ではない。というか、かなり盛大に弱者はカバーされている。無保険で困っているのはこの上の、7人中下から2−3人目くらいの、いわゆるワーキングプア層。今回の法案で救済されるのはその辺の人たちとなる。
- 8人にひとり
政府の食費補助を受ける人の割合。
- 4人にひとり
政府の食費補助を受ける子供の割合。
どちらもとんでもなく多いが、これは今が不景気だから。
食費補助は、これを持っていくと食料品が買える、というもの。元はFood Stampという名称だったが、Bush(息子)政権下で、Supplemental Nutrition Assistance(栄養補助、ですな)と名前を変えた。(でも、一般ではまだFood Stampという呼称が普通)。90年代には「こんな福祉はやめにしろ」という動きもあったのだが、それを覆し、「福祉ではない。栄養補助だ」として、広く必要な人が使えるように整備された。Bushも少しはいいことするじゃん。
今はクレジットカード風で、周りの人に「Food Stamp」を使っているとはわからないらしい。生活補助とは別。食費補助が必要な人の3人に二人はこのプログラムを使っているそうだ。最近では、さらに一歩進めて、
「せっかくの栄養補助なのだから、ジャンクフードではなく、栄養価の高い野菜や果物をプッシュすべきではないか」
という動きもある。(こんな記事とか、こんなラジオ番組とか。)
+++
これ以外に、民間の慈善活動が異常にさかん。
こちらにある通り、アメリカの家庭の7−8割が寄付をし、その寄付金額は家計平均1000ドル超。3分の1は宗教関係だが、残りはそれ以外であります。「税金控除があるから」という理由だけではないようで、実際、寄付の税金控除を申告するのは3分の1しかいない、と。
お金以外に自分の時間を提供するボランティアも、これまた異常にさかん。「お金+時間」で、たとえば無償で炊き出し、というのが毎日あちこちで行われている。だからホームレスでも食べ物にはあまり困らない。
+++
というわけで、アメリカ型の競争社会を国家として継続させていくためには、セーフティーネットもこれくらい盛大にないといけないのでありました。
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12 月 23, 2009
会社・ビジネスの売り込み方
アメリカで事業を始めるシリーズ。優秀なexecutive候補に出会うための方法で「自分の会社(や自社事業)の素晴らしさを売り込む」とサラッと書いたが、これ、難易度高いです。
日本だと、自社事業を売り込む相手は
1.すでに他社の同様のサービス・製品を使っている見込み顧客や業界内の人など、「自社事業の領域をよく知っている人」
か、
2.まったく何も知らない人
のどちらかになることが多いかと思う。なので、この二つに対応する「売り込み方」はその業界で長くやってきた方や、起業家の方だったら皆さんお上手。
1.は専門用語をちりばめ、前提条件抜きにいきなり細部を表現することになる。
2.は大雑把な売り言葉になる。
しかし、アメリカで事業を始めるとなったら、1と2の間の人たちを巻き込むことが大変重要。あなたと話して、その事業がすごいとおもえば、本人はあまり関係ない仕事をしていても、誰かほかのより関係ある人を紹介してくれるかもしれない。そしてそういうツテがとても大事だ。
つまり、
「業界のインサイダーでない、しかしビジネスのプロの人たちに自社を売り込めることが、人の関係でビジネスができていくネットワーク社会のアメリカでは非常に大事」
なのです。
そして相手は、「ビジネスのプロ」。「一般人向け」の大雑把で形骸的なことを言っても、関心を持ってもらえない。
ではどうしたらいいのか。
「話し方のコツ」とか「プレゼンのコツ」など、いろいろあるんですが、そういうhow toに入る前に本質的なことがあります。それは「自分の会社・ビジネスが『なぜ』すごいかのファクトを集める」ということ。
ステップ1:まずは自社の何がすごいのかを自分が理解する
「何がすごいか」は競合を含む「外の世界」と比較して初めて出てくるもの。なので、いろいろな外部の人とたくさん話をしていないとなかなかわからないものではある。ということで、まず「何がすごいのか」を頭をひねる。
特に大企業では、そもそも個別の製品スペック以外で自分の会社の「なに」がすごいのか、知らない人が多いので、このステップが重要。自分の会社の悪いところを列挙するのはとても簡単ですが、いいところをリストアップするのは結構勇気と知恵がいる。
ステップ2:すごさを証明するデータを集める-形容詞利用禁止
「速い」「わかりやすい」「精度が高い」「先鋭的」などなどの「形容詞(またはそれに類する表現)」はすべてNG。言うだけなら誰でもできる。本当にそうであることをファクトで実証しないと、相手は「何かいろいろ言ってる」としか思わない。
「XX秒でできる」
「初めて触ったユーザーのX%が、Y分で使いこなせる」
「誤差はXナノメーター」
「業界で初めてのYという機能を実装した」
などなど。
ステップ3:上記のファクトがなぜすごいかが、業界外の人でもわかる背景事情を付け加える
たとえば、あなたの業界内では、特定の処理を30秒でできることがすごいのかもしれない。だから、
「XY処理が30秒でできるんです」
といえば、業界内の人は「おおー」っとひれ伏すだろう。
しかし、それ以外の人に理解してもらうためには、
「XY処理が速いのはなぜ重要か」
「業界標準はどれくらいか」
の二つを説明しないと伝わらない。
注意事項:秘密主義は自分の首がしまる
「自分の会社のすごいところをいうなんて企業秘密を開示するのと一緒。よく知らない人になんか言えない」
という人、います。時々。日本では、「自分の直接の顧客以外に売り込んでも意味がない」ということが多いからではないかと思うのだが、上述したとおり
「業界のインサイダーでない、しかしビジネスのプロの人たちに自社を売り込めることが、人の関係でビジネスができていくネットワーク社会のアメリカでは非常に大事」
なのです。あまりに大事なので、赤字にしてみた・・・。
すでにアメリカで実績があるなら、何も言わなくても相手から門戸をたたいてくる、なんてこともあると思うが、「日本ではすごいことをやっていても、アメリカではゼロから」というときは、どれほど売り込んでも売り込みすぎることはない。
それに、これから立ち上げるビジネスの場合、たいてい「夢のような秘密」なんかない。むしろ、すべて教えて、ぜひそれを実現してくれとお願いしても、してくれないのが普通です。何も、すべての秘密を開示しろとは言わないが、「どこがすごいのか」を思い切り売り込まなければ、優れたアメリカの人的ネットワークを築くことなどできません。
参考まで、最近のTechCrunchの記事でStealth Startups, Get Over Yourselves: Nobody Cares About Your Secretsというのがあった。Stealthは秘密モードで起業中、ということ。訳すと「ステルスのベンチャーへ。いい加減に気づいたら?誰も君の秘密なんか知りたくないよ」と。これに対するY Combinatorのアントレプレナー・アントレプレナー予備軍の皆さんのスレはこちら。
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12 月 21, 2009
優秀なexecutive候補に出会うための方法
アメリカで事業を始めるシリーズ。優秀なexecutiveを雇うためのゴール設定・報酬体系のありかたに引き続き、どうやって優秀なexecutive候補に出会うか、です。
こんな流れでしょうか。
- 仕事内容を定める
- ターゲット顧客であるところのexecutive候補に、求人情報を知らしめる
- コンサルタント契約から入ることも検討する
1. 仕事内容を定める
これは、当たり前田のクラッカー(←死語)、と思うかもしれないが、意外にもこれが難しかったりする。もちろん、最初から「わが社はアメリカでこれをする」という明快なゴールがあることもあるが、その方が稀だと思います。
あと、日本では、executiveを採用する場合に、あまり細かいバックグランドまでマッチできないのが普通で、
「いい感じの人だったら任せてみる」
みたいな、かなり暗中模索的な攻撃となることが多い。しかし、アメリカの場合、「コンシューマ系コンテンツ事業で売上をゼロから30億円にまでした」みたいなピンポイント採用。なので、「何をするか」が定まっていることがとても大事。同じビジネスでも、売上を伸ばす方法はマスマーケティングなのか、パートナー企業との関係づくりなのか。とか、それによっても、望ましい人のタイプは異なってくる。
「そんなこといっても、方向性を決めるためにアメリカで人が必要なのだ・・・・」
という場合は、下記3に飛んでください。
2. ターゲット顧客であるところのexecutive候補に、求人情報を知らしめる
ここはこんな方法があるでしょうか。
- 人に会って会って会いまくる
- ヘッドハンターを雇う
- LinkedInで探す
一番最初に理解しないといけないのが、相手にも選ぶ権利がある、ということ。
よって、「どうやって自分の会社の新事業の素晴らしさ、その事業を開拓 していくexecutiveポジションの素晴らしさを、ターゲット顧客(=優秀なexecutive候補)に知らしめるか」という「マーケティングの発想」が大事。
(ちなみに、なぜexecutiveは英語のままでポジションはカタカナなのか。それはexecutiveが最近日本でどうカタカナ化されるのかよくわからないからです。エグゼクティブ?エギュゼキュティブ?むむむ)
というわけで、まずは、人に会って会って会いまくる。
executive候補は、業界内の人。そしてそれなりのサイズの組織を統括した経験のある人。大企業の事業部長とかベンチャーの社長、大手ベンチャーのVPクラスなどなど。彼らの強みの一つが業界内のネットワークを持っている、ということ。よって、その「業界ネットワーク」を攻めるわけです。投資家であるところのベンチャーキャピタル・エンジェルインベスター、弁護士、業界内の著名人、業界に通じた大学の先生、などなど、ネットワークのハブになっている可能性のある人に片っ端から会って、「こういう人探してますけど誰か知りませんか」と聞きまくる。
次がヘッドハンターを雇う。大体雇う人の初年度年収の3ヶ月分くらいは成功報酬として取られるのでそれは覚悟。ベンチャーキャピタルではヘッドハンターを使って、投資先企業のexecutiveを探してくることもあるので、彼らにいいヘッドハンターを紹介してもらう、というのもあり。
そして、でました、LinkedInで探す。LinkedInは、実名で履歴書を掲載するのが基本のSNS。5000万人が登録している。業界によって探せる人の幅にかなり開きがあるがIT系は豊富。しかし、リテールとか医療機器とかでも、思いがけず結構たくさんの人がメンバーになっている。探してみて損はない。右上のSearchボックスの横にAdvancedというリンクがあるが、これをクリックすると、過去いた会社名、キーワード、ポジションなどを条件に検索出来るのでぜひご活用あれ。基本的には、知り合いでないと直接メールは出せないのだが、月会費を払うと一定数だけ「直接メール」を出せる権利ができます。また、名前さえわかれば、Google検索して、その人のメールアドレスを探し出し、もし見つかったら、それあてに出す、というのも可能。
3. コンサルタント契約から入ることも検討する
多分これが、このエントリで一番有効なアドバイスかも。
いきなり社員にしない、のです。まずは数カ月のコンサルタント契約を結ぶ。冒頭1の「何をするか」の方向性を定めるプロジェクトをやってもらう、というのもあり。
これは、相手にとってもメリットが大いにあって、コンサルタントとして働きながら様子を見て、
「本当に日本の親会社はアメリカで事業を育てる覚悟があるか・それを実行する能力があるか」
ということを見極めることができる。executiveは評判が命なので、「一旦引き受けて、やっぱりだめでした」という「バツがつく」のは好ましくない。
過去半年で社員が40人から100人に増えたとあるベンチャーで働く知人いわく
「新しく来たVP Marketingは驚くほど仕事ができる。彼が来て1週間で社内の雰囲気がガラリと変わった。マーケティングの方向性が定まり、社内でやるべき事も明快になり、それまでちょっとだらけていたエンジニアも必死になって仕事をするようになった。彼はコンサルタント契約でVP Marketingをしていたのだが、3ヶ月ほど会社の様子を見て、大丈夫そうだ、ということでフルタイムになった。」
まぁ、こういうことです。
何度もいいますが、普通の社員のレベルはアメリカより日本の方が高いことも多いですが、アメリカのexecutiveの馬力はすごい。あの馬力を見慣れてない日本人的にはかなりびっくりレベル。
なので、「こんなかんじかな」くらいのほのぼのとした「優秀さ」で妥協しちゃダメです。
「げげっ、こんな人がいるのか!」
と舌を巻くレベルの人を採用するのが大事。
シリコンバレーであまたのベンチャーのexecutiveをしてきた、という人の場合、executiveだから自分の手足が動かない、ということもない。50代でも、自分でパワーポイントのプレゼンを作って、それを持ってせっせと見込み顧客まわりをして、、、てな機動力がある人が多い。で、それをしながら、せっせとチームも作ってくれる。
アメリカでも、大企業のマネジメント経験しかないと、機動力に欠ける(部下がいないと何もできない)人もいますが、そういう人は「ゼロから立ち上げる」というときには向きませんので、そこはよく見極めましょう。
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12 月 19, 2009
危機感を共有するだけでは改革は起こらない
よく「日本は、みんなが問題に直面し、危機感が共有されれば、そこから向上していくのだ」みたいなことを最近耳にする。。。。んだけど、私はひとり「ふふふ、甘いな」と思っています。はい。
だって、もう既にかなーりにっちもさっちもいかないでしょ?
少子化。国の借金のとんでも対DGP比。デフレ。円高。特に少子化が、例えウルトラ級の改善策を今打ち出しても、効果がでるまでに何十年もかかるというのが痛い。
既に平均ではこんなに貧乏になっている・・・。
そんな今の状況を見て危機感を感じてないんだったら、この先少々のことがあっても危機感を感じたりしないことでしょう。
多分、戦争になって敗戦する、くらいの「ほんまものの絶望」がこないと、どうにもならないのでは。
「人が変革のための行動を起こすには二つの理由が必要だ。ひとつは問題を認識すること。もうひとつは実行可能な解決策を知っていること」
とむかし、とある人にいわれた。その人は例として関東大震災をあげていた。
「東京に大地震がくることは誰もが知っている。しかしだからといって他に住むこともできないから、誰も何もしない。」
これで、思い出したのが別の人の話。前もどこかで話したことがあるとおもうのだが、旦那さんがアメリカのMBA受験中の奥様が
「夫にはスタンフォードとバークレーにだけは行って欲しくない」
と強く言っていて、その理由が
「サンフランシスコは地震があるから。」
で、それだけサンフランシスコ地震が怖い彼女は、当時は東京にお住まいでした。東京の方がサンフランシスコより危ないのにも関わらず。
(ちなみに、再保険会社、Munich Reの発表した自然災害リスクインデックスでは、一位の東京はスコア710点。二位のサンフランシスコの167点を大きく引き離している。こちらのリンク先のPDFファイルの12ページ目にグラフがありますが、東京のリスクはでかすぎて、チャートを突き破っている。)
でも、彼女にとっては、サンフランシスコは「行かない」という対策が具体的に講じられる場所であり、東京は「そうはいっても住まずに入られない」場所。(他にも彼女がサンフランシスコを忌避する理由は挙げられますが)。
えー、話を戻すと、人は「問題を認識する」だけでは行動をとらないのです。それに加えて「どんな実現可能な解決策があるか」を知っているのが必要。で、私の仮説は、
「日本の構造上の問題については、問題は認識しているが、解決方法がわからない(または面倒くさいと思っている)人のほうが多い」
というものでございます。(本当に解決出来るポジションにあるお年寄りは、「問題がより深刻化する頃には、自分はもう働いてないし。死んでるかもしれないし」てな感じでしょう。)
とはいえ、うら若き学生さんでは、「日本の問題の根の深さ」に気づいてない、ということもあろうかと「海外で勉強して働こう」というエントリーを書いてみたりしたわけですが。
しかし、このブログ全体では、ばか話も含め、「海外で住む・働くのも悪くないで」という、私がわかる・説明できる「個人としてとれる解決策」を提示しているのでありました。「海外」はなにもアメリカに限りません。最近、香港とシンガポールと行ったけど、景気良さそうだったし。
他の解決策だってもちろん、あると思いますが、それは他の人にお任せします。
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12 月 16, 2009
Roomba営業隊員
春にロボット掃除機、Roombaを買ったんですが、いやー、スバラシイ。歴史に残る家電の大発明ではなかろうか。感動した私は、それ以降、家に遊びに来る人たちにデモしてみせて、既に4人は買った。我が家のRoomba購入後「家に遊びに来た人」は多分30人くらいしかいないので、すごい確率です。さらにその人達の家でRoombaを見た人が買っている。
これって、何のネットワーク商法?
Roombaの何が素晴らしいと言って、「無能なのが賢い」というインターネットのような性能がスバラシイ。
基本は、部屋の中を真っすぐ進み、何か障害物に当たったら妙な角度で曲がってまた真っ直ぐ進む、というのを繰り返すだけ。これでも、一定時間繰り返していると、確率統計的に全体がカバーされるのです。「部屋の形を学習してその中で最適に掃除する」なんていう凝ったことをすると、頭脳部分が高価になり、アメリカの一般家庭向きの値段に抑えられないから、知恵を絞ってこういうことになったらしい。
一応これ以外に、
1)障害物(壁など)に当たると、それにそって動き、本体から突き出たブラシで、せっせと隅のゴミを掻き出して吸い込む
2)特に椅子の脚のような細い物体を検知したらくるくるとその周りを回って執拗に吸い込む
というのが加わって、あのシンプルな外見からは予想できないくらいきれいになるのであった。
段差があるところは自動的に検知して戻ってくる。
薄いので、ソファやベッドの下もせっせと掃除してくれる。
たまにコードを巻き込んだりして動けなくなると、「るるるる」と悲しい短調の音を発して止まるのもSad Mac君のようでかわいい。
家では隔日でタイマーで稼働させているのだが、知らぬ間に勝手に床が綺麗になる。
弱いのは、フローリングの床の一部に絨毯があるような場合、その絨毯のへり。ここはイマイチ綺麗になりません。
あと、数カ月で部品が壊れて新しいパーツを送ってもらったり、というトラブルはあったが、「これだけ掃除したら、少々壊れても許す」という感じです。
今日も、ディナーで一緒だった人が掃除機を買う話をしていたから、「それはRoombaにするべき」と、レストランの皿やナプキンを駆使して、Roombaの動きを説明、バーチャルデモをしてしまったよ。
うーん、Roombaの製造元のiRobot社から、渡辺営業隊員に懸賞金でも出ないですかね。
うちで使ってるのはこれ↓。Virtual Lighthouseという、「手前の部屋を掃除し終わってから奥の部屋を掃除する(こうすると、ゴミの取り残しが減る)」という機能が使える機種です。
これ、アメリカだと3万円台で普通に買えるので、アメリカに来る予定の方はこちらでお買い上げあれ。セールだと2万円を切る・・リファービッシュ品だと150ドル、14000円くらいです。すごい価格差だなぁ。
ちなみにRoombaは2002年に発売、2008年までに250万台売れたそうです。オンラインフォーラムを読み込んだダンナいわく、アメリカでは、ずぼらな人より清潔好きの人に受けているらしい。「毎日こまめに掃除機がかけられる」という受け方らしいです。
<追記:超タイムリーにも、今日のWootはRoomba。上記のよりは下位機種の530というのだがなーんと$129.99なり。Wootは日替わりで目玉商品をひとつだけ売る、というオンラインショップなので、みなさんがコレを読む頃には別の商品になってしまっているかもしれませんが。>
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12 月 15, 2009
戦略は文字通りに理解するアメリカ
アメリカで事業を始めるシリーズ。昨日「アメリカで優秀なexecutiveを雇うためにはゴール設定が大事」と書いたが、ここで設定した「ゴール」を、アメリカ人は本当に文字通り受け取るので要注意という話し。
昨日のエントリーにこのようなコメントを頂いた。
米国と日本ではゴールの重みが違いますよね。米国では、一旦コミットしたらもうそれに向かって一直線というか。ゴールの達成のためなら、組織やマーケティ ング戦略などの変更も大胆に打っていく。下手にチャレンジングな目標を与えると、大きなリスクを抱えた運営になりがちです。また、逆にゴールに含まれてい ない指標は悪くなってしまってもあまりケアされない。おそらく、多くの日本人のマネジメント層は、このゴール設定の重要さに気付いていないのではないかと 思います。
これ、日米間のビジネスで随所に出てくるんですよねぇ。
つまり
「日本側はあくまで『イメージ』として語ったことを、アメリカ側は額面通り受け取ってしまう」
という問題です。
例えば、
「2015年に売上150憶円を目指す」
とか。日本では「・・・という位の気概で挑む」というのが実は言外にあることが多い。つまり、本当に言いたいのは
「2015年に業界150憶円を目指す(という位の気概で挑む)」
ってことだったりするのですね。(すべての会社でそうだ、とは言わないが。)
しかし、これを聞いたアメリカのexecutiveは
「そうか、150憶円か。我々が2010年目に自社で売れるのはマックス3億。2015年に150憶円ということは、自社だけでやるなら毎年220%成長か。では、そのペースでセールス部隊を作らないとならないから、今年だけで40人雇って、3年後には300人のセールス部隊を構築だ。」
とか
「自社だけでオーガニックに成長できるのは毎年50%が限界。すると2015年の売上は20憶円にしかならない。よし、残りの130億円は買収するぞ。」
などと真面目に考えてしまうのです。
で、それを実行に移そうとすると日本側は
「えっ、いや、別にそんなつもりでは。その辺はまぁ適当にもうちょっと穏当に」
とかなってしまったり。
それ以外でも、例えば会議で、ドラスティックな案をアメリカ側から提示され、日本側はそんなのありえないと思っても、まぁどうせそんなドラスティックなこと起こるはずもないし、とたかをくくり、むげに断るのも大人気ないし、と
「そういうのもあるかもしれないね」
とか「空気を読んで」流したつもりが、相手は「自分の提案が聞き入れられた」と誤解してしまったり。
で、しばらくたって誤解だったことが判明すると、アメリカ側は
「どうしてこの人たちは、こんな大事なビジネスの決断の場で嘘をつくのだろう?」
と驚愕し、落胆するのでした。
+++
この辺は、本当に文化的なもので、「日本人はいつでも嘘つき」というわけではない。もちろん。
ビジネス関連であっても、例えば製品のリリース予定などでは、アメリカの会社の言うことは、日本人から見ると嘘ばっかり。アメリカの開発元は、できもしない機能を、できもしない期日でリリースするという予定を発表、それを信じて日本の代理店が顧客に売り込んでトラブルになって・・・・・みたいなことは、そういう仕事をされている方は皆さんご経験があると思います。
アメリカの会社からすれば、
「そんなぁ、予定は未定。ただの努力目標。真面目に信じたの?」
とびっくり、日本側は
「だってできるって言ったじゃない?嘘つき!」
と不信感で一杯になる。
というわけで、このあたりの判断は、本当に文化的な背景を知らないと難しい。
+++
・・・のではありますが、こと「社内の戦略実行」に関しては、アメリカ人は「軍人」だと思った方がいい。上層部からの命令は問答無用で遂行するのが軍人なわけですが、もう本当になりふり構わずゴールに突っ走るのがアメリカのexecutive。
なので、ゴール設定は
- 本当に実現出来ること
にして、かつ
- ゴール達成の過程において、すべきこと、してはいけないこと
も明確にしておかないとなりませぬ。とにかく「当たり前だ」と思うことに関してもきちんと話しあって言語化して共有するのが大事だと思います。途中でコースがずれてきた、と思ったら、即座に話しあって、軌道修正し、新たなゴール設定をすること。
そして、どうしてもゴール(と、それに至るパス)の共有ができない相手であることがわかったら、その人には辞めてもらって新しい人に来てもらいましょう。しかるべき報酬を惜しまなければ、代わりのexecutiveは必ず見つかります。

