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2009/03/27
Off | 日本のためではなく日本人のために何かをするんじゃだめなんでしょうか
JTPAシリコンバレーカンファレンスを受けての感想。私も設立当初から関与しているJTPAというシリコンバレーの日本人NPOが、シリコンバレーで働くことについてさまざまな角度から話をする丸一日のカンファレンスを実施、120人ほどが参加した、というもの。前後で何十件もの会社訪問や学校訪問、その他もろもろのイベントが催され、なかなか活発であった、、、と思う。
実はカンファレンス当日、私は自分の話す最終のコマしか行かなかったので、他のセッションで何が話されていたか皆目わからないのだが、聞いていた主催者側であるJTPAの人たちが異口同音に言っていたが
「『愛国心はないのか』『日本を救うために何をすべきか考えているか』という類の参加者からの質問が複数あった」
ということ。で、主催者側の人たちの中は、かなり反発を感じた人たちも複数いた模様。
というのも、JTPA側はみなボランティアでこのカンファレンスを開催したわけで、それは
「同胞であるところの日本人に貢献したい」
と思っているからであって、それだけ一生懸命やったのに「愛国心はないのか」なんていわれると、例えそれが一部の人の意見だとはわかっていても、なんかもうがっくりきますよね、普通。
(私は自分の分のセッションの話をするのと、翌日家でブランチを開催しただけで、まったく運営にかかわっていないので、べつにじっと手を見たりはしないのだが。)
「国をよくする」以外にも
「どうやったら日本の会社はよくなるのか」
という質問もちらほらあったようだ。私を含め、主催者側の多くの人は
「不満があったら、自分の環境が変わって欲しいと夢想しているのではなく、まず自分が変わるべき。転職するのもひとつの『変化』。自分すら変えられない人に、他のものを変えられるはずがない」
と思っている。
(私がカンファレンスで話した際に例としてあげたのは、「飛行機で、非常事態には酸素マスクが降りてくる。着用の注意として『例え自分の子供が横にいても、まず自分がマスクをつけろ。自分が気を失ったら、もう子供を助けることもできない』といわれる」というもの。)
だからこそ「シリコンバレーで働くという変化も面白いよ。(万人向けじゃないが)」という情報発信をするために、手弁当でこのカンファレンスを実行したのだと思う。
ま、とはいうものの、「JTPA側の人はこう思う」とまで言うと言い過ぎで、ま、いろいろな思いを持つ人がいると思うので、以下は私の意見だが
「『集団』を作っているのは『個人』である。その『個人』がそれぞれ変化していくことで、『集団』も動く(かもしれない)」
と思っているわけで、「まず集団が動くと、その中にいる個人も右に倣えで動く」という計画経済的なのは嫌いだし、(少なくとも先進国になってしまった後は)うまくいかないと信じている。
冒頭の「日本のために」という類の質問をされる方の頭の中では、「日本国」というのは、中のヒトであるところの「日本人」とは乖離した、別個の上位システムとして認識されているのではないかと思うが。
そして、時には、「所属する組織」を去る、ということが、その組織を改革に導くために一番いいことであることもある。
まぁ、卑近な例で言えば、どんなに客の扱いが悪いレストランがあって、それに不平不満を言っていても、みんながそのレストランに行き続けている限りは何も変わらない。が、客足が遠のけば、レストラン側も必死の努力で変わろうとするものである。
余談ですが、そういえば以前、日本から企業派遣で留学中の方に
「どうやったら日本も転職が容易な社会になるでしょうか」
と聞かれて、
「うーんそういう社会にしたいんだったら、まずあなたが転職してみたらどうでしょうか」
と答えたことがありましたが。
まずは隗より始めよ。
(ちなみに、「隗より始めよ」の元の逸話はかなり面白いので、興味のある方はグーグルしてみてください。)
09:50 午後 Offアーカイブ | 固定リンク | コメント (49) | トラックバック(1)
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» 先ず隗より始めよ from ソーシャルビジネス ベンチャー日誌
このブログ(http://www.chikawatanabe.com/blog/)で紹介されていた「先ず隗より始めよ」という故事だが、非常に納得できる。本来の意味は違うようだけれど、現在広く理解されている意味において。最近よく見聞きする話で特に違和感を覚えるのが「ベンチャーを支援したいん....... [Read More]
Tracked on 2009/03/28 7:42:11
コメント
不肖私、全く勝手なアクションですが、勤務先(「情報システム専業大手」っちゅうやつです 笑)でこのコンファレンスを宣伝したり、「尖っている」若いのを何人か一本釣りしたりしてみました。何人か反応はあったものの、結局実際に参加した人はゼロだったようです。出先機関や旅行会社のアレンジでアゴ足枕付き、お客様気分で「シリコンバレーを見てきました~」なら喜んで行っても、こういうガチンコ系のイベントに自腹で行こうという根性のある奴は、残念ながらなかなか居ないようです(年度末っていうのもちょっとネックではあったようですが)。
「愛国心は?」と質問した人も、少なくとも今回参加するだけの志はある人物なわけですから、何かの誤解というか、お互いの思いがうまく伝わらなかった結果そういう印象を持ってしまった人がいた、という程度のことなのだと思いたいです。(あるいは、「愛国心」=「日本に住んで働いて税金を払うこと」しか捉えていないのかもしれませんが)
日本及び日本人のことをちょっとでも考えていない人達が、後に続く同胞のためによかれ、なんて活動をするわけがない。「自分にはそんなこと関係ない。ただ当地の日系コミュニティが大きくなればビジネス上有利になるだけだ。」とか仰るメンバーも確かに居そうですが(笑)、マクロで見ればそれはやはり「日本」のプレゼンスの一翼ということになりましょう。今後のJTPAの益々のご発展をお祈りするとともに、今後も勝手に応援させていただくつもりです。
Posted by: doih at 2009/03/29 21:28:18
「どうやったら日本も転職が容易な社会になるでしょうか」
と聞かれて、
「うーんそういう社会にしたいんだったら、まずあなたが転職してみたらどうでしょうか」
と答えるのはかっこいいですけれど、実際には転職が容易な社会に法律とかを変えられるリーダーが登場するのを待つ、というレベルでは同じな気がします。
で、結局、Chikaさんの文章にも端的に表れているような気がするのですが、
「わたしは…しただけで…べつに…したりしないけど」
というようなコミットメントの薄さが、責任あるリーダー的立場を期待する人々とのギャップを生んで、「日本を救うために何をすべきか考えているか」という発言につながるような気がします。
私達は草の根活動ですから、と堂々と言えばいいのだと思います。
Posted by: M at 2009/03/30 8:12:12
やっぱしそこは村上春樹風な受け答えをすべきだとおもいます。
「そう愛国心、ヘミングウェイが'日はまた昇る'で言いたかったことだ
誰しも一度は感激するあの感情の昂ぶり、すばらしいことじゃないか
よても刺激になるおはなしが聞けて光栄です」とか…、(まあ村上春樹がヘミングウェイを引用したりはしないだろうけど)
Posted by: のりたま at 2009/03/31 3:24:13
120人も集まったことに驚いたけど、5人引っ張るだけでうれしいということは、殆どの人は観光気分で集まったのかな。もっと、真剣なのかと思った。
Posted by: Shin at 2009/03/31 6:04:49
興味深いエントリですね。勿体ない話だ、と私は思いました。そういう質問を投げかけるぐらいだから、質問をされた方も「日本のために」という風な意識は持ってらしたかと思います。であれば、JTPAの皆さんとの違いは、目指すべき目標地点だとかアプローチだとかであって、相互に意見交換することが有益たりえたのではないでしょうか。
それでなくとも、コミュニケーションにおいては伝えたかったことではなく伝わったことが重要だ、という言い方もあります。
「反発を感じた」のなら、それは「自分が変わるべき」契機としての不満と捉えることが、より建設的ではないかと思います。
Posted by: z at 2009/03/31 22:34:59
ちかさんのおっしゃることに尽きます。
愛国心がないというのは、新興国からの調達をちらつかせて下請け値切りまくり、自らは内部留保しまくり、不況の空気が漂うと即派遣切りまくりの某自動車メーカーグループみたいなものだと僕は思います。彼らは業務としてこんなことを企画、実行したのです。
愛国心や会社を良くしたい人は、そこらに行ってみてはどうかと考えます。
Posted by: taka at 2009/04/01 5:55:48
こうしたすれ違いの話題はいつも面白く、考えさせられます。楽しかったです。
僕が主催者なら、と想像すると。。。「なんとかしてよ」と駄々をこねる参加者がいて、主催者側として「なんとかできる手助けをしているのに、それを無視するとは」でまず怒り、「何を甘ったれているのだろう」とあきれ、「まて、そもそも他人が面倒見てくれるはず、とこの人たちは思っているのだろうか」と不気味になります。反発よりも寒気を感じます。「愛国心」はなまじ言葉自体に力があるので、本当に便利で怖いです。実際にはみんな、自分の人生に不安なだけで、「国」は隠れ蓑だけなのに。発言者は自分が「日本」にどれだけ貢献しているのか、具体的に言えるのでしょうか?
Posted by: Isao at 2009/04/01 19:06:26
同じくカンファレンスに参加した者です。
何かそのひと言が一人歩きしているようですが、そこまで問題視しなくてもよいのではないでしょうか。Michiさんんもおっしゃられているように、非難ではなく単なる疑問だったのかもしれません。
参加者は何かを吸収しようと来ているわけで、自分や周りに対して素直であるからこそ出た疑問だったのかもしれません。
当事者ではない私たちがどうのこうの推論しても仕方のないことだとは思いますが。
今回のJTPAカンファレンスは前回と比べ参加枠が広がって誰もが参加しやすくなったこともあり、多種多様な感想や意見が出るのも極自然なことではないかと思います。
それを”ノイズ”と捉えるかどうかは考え方次第だと思います。
そのようなノイズが出ないことを望むのならば参加者を限定したほうがよいでしょう。
個人的には皆一様な感想を持つより多種多様な感想・意見があったほうが、今後もより良い会になるのでは、と思います。
前回には参加しておりませんので比較のしようはありませんが、私は今回参加してよかったと思っておりますし、参加枠を広げ門戸を広く開けてくださったJTPAの皆様に深く感謝しております。
Posted by: tama at 2009/04/01 21:07:35
chikaです
>多種多様な感想・意見があったほうが
私のほうの意見も「多種多様」のひとつってことでいかがでしょうか。
あと、これ、私にとってはかなり大事なテーマなんですよね。
「みんなのために」と、みんなが「想像上の誰かの総体」を想定して、その総体像のために「よかれ」と思った行動を取ることこそが「日本の問題」の根底にあると思っている私。「想像上の誰かの総体」は、実態から乖離するので、いつの間にか誰も望まない方向に行くという・・・・。つまり「日本のために何かをする」という発想自体が日本にとって害がある、と思っているわけです。まぁその辺はそう思っている人にはまず伝わらないわけですが。
あと、私的には「感謝の気持ちがあるない」ってのも関係ないです。(主催JTPAメンバーの中にはもちろん喜んでくれる人がたくさんいると思いますが、あくまでコンファレンスのアイデア出しをしただけの者として)。かけらも感謝してくれなくていいから、一人でもたくさんシリコンバレーに来てこの地をエンジョイしてくれるとすごい嬉しい。
Posted by: chika at 2009/04/01 22:56:10
もう1つ、Hー1Bビザが取りにくくなっているという話もある様ですが、どうなんですか?
金融機関に始まって、それ以外にも広がっているとか。雇えアメリカンだって。
Posted by: K at 2009/04/12 11:28:33
いや、取りやすくなりました。笑
不景気でアプリケーションが減ったから。需要と供給です。
Posted by: chika at 2009/04/12 11:38:59
友人の紹介でこのブログ読んでます。
貴会の自己紹介によると、
"About JTPA
JTPAは技術を志向する日本人プロフェッショナルがシリコンバレーで働くのを支援するためのNPO団体です。 "
とありますので、日本から外国への頭脳流出を憂える(恐がりの)日本人からは『愛国心がないのか?!?』と怒鳴られるのは当然でしょう。
また、サンフランシスコに10年以上居る私ですが、私がどうも気になって仕方のないことは、いまだに日本人同士の日本語による会話では、日本は断固として「帰る」所であって「行く」所ではありません。私のアパートの大家は広東人の家族なのですが、彼らの里帰り旅行について「去(行く)中国」とは言いますが「回(帰る)中国」とは決して言いません。娘夫婦に至っては中国旅行なんて一切しません。べたべたの広東語訛りの英語しか話さないのに、、、
この違い、何なんでしょうね?
Posted by: オスカル at 2009/04/14 9:18:20
以下の話は間違いですか・・・
しかしアメリカはもっと凄いことになっている。
http://starchart.tumblr.com/post/95913168
論点の整理
http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55/e/ad2c52d730a2f1cb4181de2c00841415
Posted by: K at 2009/04/14 15:06:20
こういう記事も。
米国就労ビザの新ルール、インドで怒りの声
これは「保護主義政策」であると米政府を批判
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090302/187757/?ST=print
Posted by: K at 2009/04/14 15:42:17
いろいろルールの変更はあれど、とにかくこれまでoversubscribeで抽選だったのが、抽選なしでも取れるようになった、ってのはでかい。これまでも、「同じ要件でのアメリカ人が採用できないので外国人を取る」という証明はいつも必要でした。
あと、実はインドのアウトソース会社がH1Bを濫用してきたので、彼らが取りにくくなるとまじめにコツコツ個人がH1Bを取ろうとしている日本人に取ってはいいことかもしれません。
要はトータルで見たバランスの問題として、抽選なしになったってすごいじゃん、っていう話しです。
あと、そういうこと抜いても、いつもこのブログでも言ってますが、アメリカで働くビザを取るのは、今までも、今も、これからも超大変なのです。裏道・抜け穴的に取るのは血を吐く努力です。(そういう日本人が大変多いのですが、その努力には頭が下がります。)世界から命をかけて密入国してでも働きたいと言う人が怒濤のように押し寄せる国なので、これくらいの苦労は仕方ないかも。
Posted by: chika at 2009/04/14 18:44:35
NHKクローズアップ現代の4月14日(火)放送、政治は変わる?~動き出した若者たち~ を見ました。
政治的関心事トップが、全世代では年金なのですが、20代に限っていえば外交・防衛なのですね。
今回のような話が出るのは、当然の帰結かもしれません。
>政治は変わる?~動き出した若者たち~
>若年層の投票率が低迷を続けている。前回衆院選では全体67%に対し、20代は40%台という調査もある。このままでは雇用や教育など、若者にとって死活的に重要な分野でも、意見が十分反映されないのではないか。危機感をもった若者の中から、若者の政治への関心を高めようという動きも出てきた。大学生が専門の携帯サイトを設け、投票率をあげようと取り組みを始めたり、春休みの間、国会や地方議員のもとで様々な体験をするインターンシップを体験する学生が急増。そうした新たな動きを伝える。
(NO.2723)
Posted by: K at 2009/04/14 21:09:13
>日本の状況を外から眺めていると、どうやらこの不況によ
>る閉塞感の影響で、日本の世論に国粋的な兆候が徐々に
>出始めているようです。北朝鮮のテポドンや、WBCなどの
>報道は加熱気味ではないかと思っています。
日本はWBCで勝ったんだから、それなりに報道も過熱気味にはなると思いますが。もしアメリカがその立場になれば同様だと思いますが。
北朝鮮のテポドンは、もしロケットが失敗して日本本土に落ちてきたら大変なことになるのはわかりきった話でしょう。
国粋主義的などと的のはずれた発言を広げるのは辞めてもらいたい。
日本にすんでいる人と心シリコンバレーに行っている人の違いではないでしょうか?
シリコンバレーで働くことはすばらしいことかもしれないが、シリコンバレーで住んでいる人には分からないことがあるんだよ。
私は思うのですが、特に外国では自分の国について説明を求められることはありませんか?日本がwbcに勝ったこと素直に喜ばず、報道が過熱して国粋主義になっていると外国人に言ってみなさい。たぶん疑問を持たれると思いますよ。どこの国の人も自分の国を悪く言う人はいないと思いますよ。
Posted by: やすさん at 2009/04/28 7:33:55
ちょっと話がそれるようですが、「北朝鮮のミサイル問題」も、アメリカから「冷静に」見ると、「なんでそんなに騒ぐの?」と言う感じでした。というのは、日本のマスコミは根拠もなく「落ちる落ちる」と言ってあおっていましたが、他のアメリカなどの報道は、そのニュースを探すのが難しいくらい。実際、落ちてきても、地上からのミサイル発射では打ち落とせる確率は低いことは明らかでした。
今の「インフルエンザが関西で大流行」というのも、「よく冷静に」考えれば、他の香港型などのインフルエンザのほうが強くて死ぬ確率が依然高いのに、と言う感じです。1年間に3万人以上の人が死んでいるとか。
今の日本人は、戦中、「大本営発表」に惑わされていたのと、同じ「集団ヒステリー」状態にされていると思います。でも日本人はそのヒステリー集団の中にいると、その集団が異常であることが気がつかないようですね。
Posted by: George at 2009/05/16 23:13:41
外からマスコミの報道だけ見ていれば、勘違いしますよ。
マンハッタンのエアフォースワン騒ぎと違い、パニックになって逃げ惑うような事も無かった。
だいたい、展示(配備)されていたミサイルは、イナート弾という実弾ではない訓練用のものです。政府もポーズだけだったという事です。
Posted by: K at 2009/05/17 19:51:12

