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2009/02/02
On | なぜ日本経済が諸悪の根源のアメリカより痛い思いをしているのか

最近日本に行くと、なんだかすごく暗い。一方、震源地のアメリカは意外に元気。ニューヨークに行ったら「この世の終わり」みたいな顔をした人がぞろぞろ歩いているのかもしれないのだが、それ以外は別に・・・・。いや、もちろん大変なんですが、日本のような暗さは全然ない。
「何事も悪くとりがちな日本の国民性と、能天気なアメリカの国民性の違いがでてるなぁ」
と思っていたのだが、そうじゃなくて、本当に日本の方が悪いんですね、びっくり、というのがEconomistの冒頭のグラフが載った記事。工業生産の対前年比です。
日本は、金融も企業も欧米ほど財務体質的に痛んでないし、消費者のバランスシートも健全なのに、近年にない最悪の落ち込みなのは、輸出依存で内需が弱いから、そしてそれは政治がぼろぼろだから、という記事でございます。
「国家財政が借金に喘いでいるのはわかるが、金利は低いし、どうせ日本国内から借りてるだけなんだから、もっとがんがん使えばいいのに」と。日銀もどうしちゃったの?と。
締めは、
So here is the irony: whereas the rest of the rich world, starting with America, desperately seeks to avoid Japan’s experience in the post-bubble years, Japan today is condemned by its own dismal politics to drag along behind everyone else.
訳そうかと思ったけど、暗いから、読みたい人だけ英語で読んでください。
なお、Economistの次の号(今出ているもの)の特集はアジア経済。「欧米みたいにじゃぶじゃぶな貸し出ししたわけでもないアジアが一番痛んでいるのはなぜ?」というもの。台湾、シンガポール、韓国、中国などなどのお話。
それは日本以上に輸出依存だから、ということで、内需拡大のために、企業ばかりに儲けさせないで一般家庭の収入を上げる、資本集約的な産業を保護しない、などなどといった当然のお勧め策が出とります。
たとえば、「資本集約型」の究極として無人工場などあり。こういうのがいくら増えても労働者が増えない→一般家庭の収入が増えない→内需拡大につながらない。
「低付加価値の仕事はどうせ海外に出て行ったり、機械に置き換えられる」という人がいますが、それは「仕事=製造業」という固定概念があるから。床屋とか、看護師とか、ベビーシッターとか、ペットシッターとか、電気工事の人とか、水道屋さんとか、そこにいる人にしかできないサービス業は一杯ある訳で。
09:53 午後 Onアーカイブ | 固定リンク | コメント (27) | トラックバック(3)
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Tracked on 2009/02/03 11:23:43
コメント
アメリカは戦争っていうカードもあるし、デブとバカが多いからマクドがあればそれほど辛くないのかもしれないですね。日本人は贅沢で少しでもおいしい食事を食べたいけれど、デブにはなりたくないとか色々と神経質なので、パニックみたいな事が起こるのでしょうか。
工業生産の動向の傾向とか詳しくないのでわからないのですが、日本が急激に減らしているのは、この先あんまり見込みが無いのを先読みして「少々減らしすぎ」という事は無いでしょうか。減らせる仕組みで増やしていたのかなぁとも思うのですが。
政治に関しては、チカさん、勝間さん、みなさんお出になって、新陳代謝を促していただきたいと思っております。
Posted by: haha at 2009/02/02 22:23:21
そのEconomistの記事は日本経済の記事は和訳されてますね。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/501
あと、アジアについてはこの記事が和訳されています。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/533
日本の財務省はあまりにも財政赤字増大を怖れているし、日銀は戦時中の経験にこだわって金融緩和を負け、金融引き締めを勝ちとする価値観が染みついてしまっているんですよね。
こういう話は元財務官僚で小泉政権のブレーンでもあった経済学者の高橋洋一氏の著書を読めば詳しく書いてますので、興味があれば読んでみてはどうでしょうか?何故日本の経済政策がこんな風になってしまっているのか、よく分かりますよ。
Posted by: Baatarism at 2009/02/02 22:44:13
>Baatarismさん
リフレについては、ヘリコプターからお金を撒けば良かったじゃん!って言っていた人が、ほぼそれと同じ事をしていて、しかし国債買取などは「経済学的にはやりたいけど政治的に出来ない」部分もあり戦っていますので、その優秀な人達の後追いをしても良いように思うのですが。
Posted by: haha at 2009/02/03 0:03:36
銀行の金利が低くても、大企業は銀行から借りていなかったでしょ。
景気が悪くなったら、銀行もお金を出してくれないでしょ。
好景気だったとはいえ、大企業がグローバル化を人質にして外注費を値切って作った黒字を内部留保しちゃったから国内消費が低迷。(しかも2%の好景気って本当に好景気?)
中小零細企業で働くほとんどの国民は、輸入品が安くなって生活はどうにかできるので茹でガエル状態。
市中にお金が出回る仕組みが途切れてるんじゃないでしょうか。
政(力なし、理念なし)官(利権エゴ丸出し)財(サラリーマンのみ)の三すくみですよね。
本日(2/3)朝日新聞のドビルパン前仏首相インタビューによると、この不況は、文明の転換期にあたる長期的な「構造危機」だそうで、かつての日本のバブル崩壊のようないつか終わるような甘いものではないそうです。
この状況で、政・官・財が、”力”におもねることなくリアルな人間性にもとづく”正義”の理念を作れるかが、日本の課題のようです。
Posted by: taka at 2009/02/03 0:11:25
鉱工業生産指数って、国によって品目やウエイトが違うようだから、他国との直接比較は意味無さげだけど。(日本だと電力・ガスが含まれない等)
Posted by: K at 2009/02/03 0:21:23
リンク先の記事(の和訳版)を読みました。
「高齢者がとっとと隠居してくれたら、素早く立ち直る可能性がある」みたいな記述がありましたが、この点については大いに懐疑的です。 後進のために席を譲ってくれそうな、潔い高齢者は(自分の周囲では)あまり見かけませんし、お金のことを抜きにしても、働くことでアイデンティティを維持しているような人が多い世代ですので、追い出されるまでは仕事にしがみつくでしょう。(悲観的すぎますかね)
Posted by: kenjiro at 2009/02/03 0:33:49
>hahaさん
ヘリコプター・ベンですね。(今のFRB議長のことです)
まあ日本も全く後追いをしなければ円高が進んでしまうので、ある程度は後追いすることにはなると思うのですが。
平時から有事に頭を切り換えるのは、アメリカでもなかなか難しいのでしょうね。
Posted by: Baatarism at 2009/02/03 0:37:52
>Baatarismさん
ヘリコプターの話は、いろんな方がされるので印象に残ります。ばら撒くなら新宿がいいなぁと思っています。
Posted by: haha at 2009/02/03 4:12:38
一時期労働力不足の解消として外国人労働者を入れようという話もあったようですが、今ではすっかり影が薄くなりました。連日報道されるのは日本経済の悪化に係る話題ばかりです。
この危機に乗じてエネルギー・食糧の自給自足体制が構築出来ないのかなと思っています。
Posted by: kyon at 2009/02/03 4:37:35
日本の特異的な景気落ち込みについては、マクロ経済政策どうこうといった話(Web上では盛り上がりますが)より、日本の輸出産業があまりにも過剰反応し過ぎなだけという気がしてます。
確かに売り上げが前年比30%も落ち込むと、どうがんばっても損益分岐点は割り込みますが、元々はこれほどの落ち込みは金融ショック起因の一時的なもののはず。特にコモディティなら、元には戻りませんがそれなりに回復してくるでしょう。製造業各社が四半期レベルの収益を少しでも確保しようと極端な固定費削減に走っているさまは、ちょっとがっかりですね。当事者は多分パニック状態になっているんだろうとは思いますが。
Posted by: takeshi at 2009/02/03 7:26:47
外需低下と為替の超円高によるダブルパンチの状況下では、売るよりも買うポジションに置かれている訳ですから、妥当な状況かと思います。
内需や外需の刺激策が効果を出すまでにはかなり時間がかかるので、日本の立場で考えると、やはり急を要するのは為替介入ですが…。
この状況下で5,300億円の営業利益を見通している任天堂は恐るべしですね。
Posted by: eakas at 2009/02/03 8:36:14
パチンコ屋は資本集約型になりますか?パチンコ屋を潰せば30兆に達すると言う利益が消費に回ると言う意見もあるようですが・・。簡単に言うと日本政府はパチンコ屋を潰して公共事業をやれと言うことでしょうか?自分は国内の内需が冷え込んでいるのはリサイクル法などの個人消費の抑制を促すような政府の政策にもあると思います。普通の人は株とかやらないでしょうし・・。
Posted by: NK at 2009/02/03 11:02:33
>NKさん
パチンコは資本集約的な産業かもしれないけど、あれは心的な依存性があるからそれらをつぶしたって消費に回らないような気がする。仮に公共事業をやったって一時的には効果があるけど長期的にキャッシュフローが固定しない限り内需は盛り上がらない気がする。それとリサイクル法は昨今の環境問題を考えると必要だし、家電を買い換えるサイクルって2から3年に一回だと思うから(うちの実家は7から8年に一回です)あまり関係ないような。たぶんチカさんが言いたい事は日常生活で必要なもの、月々の家計の項目のうち、固定化されている項目となっているサービスで内需をうみだしたらいいんじゃんって事なんだと思う。「そこにしかないサービス業」ってそういう事なのかなと思う。間違っていたらごめんなさい。会計士の資格取ったらバイオ系の大学院に進学しようかと思ったけど、記事を読んでいると介護とか医療の方がいいのかなって思った。
Posted by: みね at 2009/02/03 12:56:24
Buy American条項とかってどの程度影響あるのでしょうか。仏独枢軸では当たり前のようにやっているとどこかで読みましたが、円安でも輸出が赤字になるケースは、ヤバい感じがします。
Posted by: haha at 2009/02/03 15:39:59
>みねさん
身近な需要が雇用に結びつけばうまくお金が回るようになると言うことですね。なるほどよく分かりました。ありがとうございます。
Posted by: NK at 2009/02/03 17:16:06
この前歩いていたら、「鳶職人大募集」って、畳2枚か3枚もの大きさで、思わず笑いつつ悲しくなりました。仕事は山のようにあるのに、働ける人がいないのです。それに、アメリカ人から比べれば、高い技術をもっていても、安かったりします。この構造が治らない限り、日本は当分というか永遠にダメかもしれませんね。ただ、そんなに暗いわけではありませんよ。暗いのは日本のお金持ちだけでしょう。一般庶民は、明るく楽しく、買わないショッピングを楽しんでいるようですよ。そろそろ、日本のお金持ちもチップをたっぷり払うようにならないといけませんね。そのうち、何もしてもらえなくなると思います。水道が壊れても後回しにされるかもしれませんね。同じ代金ならば、金持ちのところより仲間や身近の人を優先するのが職人ですから。
Posted by: 石川 at 2009/02/03 23:09:22
このグラフそれぞれの自国通貨ベースなんですかね。ドルベースでだと多分、お膝元のEUが一番ヒドイ悪寒。
それに諸悪の根源はアメリカというより超低金利政策続けていた日本、というか日銀と思われ。
Posted by: 佐藤秀 at 2009/02/04 5:20:56
当然のお勧め策といってますが、当然じゃないからそれほど力をいれてないのではないでしょうか?
「資本集約型」の究極として無人工場などあり。こういうのがいくら増えても労働者が増えない→一般家庭の収入が増えない→内需拡大につながらない。
無人工場を立てても意味がないということは、この時のコストを資本でなくサービス業に転嫁すべきという話ですが、
工場なら建てるときのほとんどのコストは建築会社などに流れるのではないでしょうか?建築会社はほとんど国内の労働者にお金が流れますし。国内に流れないお金は海外から輸入した素材ということになりますが、それが無人工場から得られるキャッシュフローでカバーできればプラスになります。なんだかんだ建てた後にいろいろ税金もとれるでしょうしプラスになる。
ならあってもマイナスでなくキャッシュフローがプラスということはお金が国内で使われるわけで。
今は利益が出てなくて批判されてますが、2005年から景気を牽引したのは建機・自動車などの企業だったわけで、資本集約型自体を問題視するのはどうかなと思います。実際資本集約型の産業がある地域は当然サービス業の消費も増えますし。
Posted by: fisher at 2009/02/04 17:26:21
はじめまして^^
戦後最長のイザナギ景気を何とかってず~~と言ってましたが、あの頃も、今も、同じ日本なので、為替やその他の外的要因でこうなる事は予測していた事でしょう?なんでこんなにも無策なのか?いや、無策を装っているのか・・・。国を弱めて騒乱に持っていきたい勢力が、何か考えているかと疑いたくなるほど、公の立場にある者の失態は続くし。ここから何が始まるのか期待と不安が入り混じった複雑な気分です。
Posted by: rabbit125cc at 2009/02/07 0:14:58
1)<ある商社マンのBlogより>QTE
世のビジネスマンは、みんな大変になってきた。大規模な雇用の削減が出始めると、切るほうも切られるほうも、実につらい。スティグリッツが言っているように、世界中どこでも、大多数の普通にちゃんとした事業家は、従業員の雇用を最後まで必死で守ろうとする。アメリカでも、インドネシアでも、日本でも。それが守れなくなっている今は、本当につらい。ビジネスマンは、もう、足元の火事を消すのに大忙し。資金繰りに目途をたて、従業員の雇用を確保し、辞めていく従業員へサポートすることに頭が一杯だ。
所詮、マスコミ、政治家、官僚連中なんて、害をなすか、あるいは、害をなすことが少なければ無駄をするかのどちらか。こんな忙しいときに、下手に動いて大災害を起こしてもらっては困る。それなら、もう彼らがぴーちくぱーちく議論しているのを放っておこう。まあ、これこそ日本社会に住む税金のようなものだと諦めるしかないUNQTE
2)ところで、「英国エコノミスト」は、足元の英国が、双子の赤字で経済がボロボロなのに、日本を批判をできる資格があるのか?
Gurdian やTimesの方が、良識があるのでは?
Posted by: snowbees at 2009/02/16 23:16:34
時間のある方は、下記を:
<第6回朝日アジア・フエロー・フォーラム議事録>
1-1 問題提起
1-2 全体討議
http://www.asahi.com/international/aan/hatsu/hatsu090216.html
Posted by: snowbees at 2009/02/16 23:40:25
>日本を批判をできる資格
Economistは単なるマスコミなので別に資格が必要なものではないと思われ。あと、悪の根源のアメリカの片棒を担いだ的イギリスより日本がぼろぼろってどういうこと?ってことでしょうか。(イギリスは、08 4QのGDP -1.5%、工業生産 -5.1%)
Business WeekのDupontの記事にも、「去年の10月にDupontの社長が日本の某大企業の社長と話した際、その会社はキャッシュショートの危険すらある、と言われ、『これはヤバい』と慌ててDupont社内リスクマネジメント委員会を招集した」てなことが載っていました。日本企業カナリア説。
http://www.businessweek.com/magazine/content/09_03/b4116036891021.htm
Posted by: chika at 2009/02/17 22:26:52
英国の対外純資産、純債務:
http://www.spectator.co.uk/coffeehouse/3078296/the-true-extent-of-britains-debt.thtml
Posted by: snowbees at 2009/02/18 2:25:27
>を招集した」てなことが載っていました。日本企業カナリア説。
+日本企業でも、信越化学の様に、危機管理に優れた企業もあると:
Shin-Etsu's financial management is similarly conservative. On a consolidated basis, Shin-Etsu's financing is roughly two-thirds equity and one-third debt. The financial structure of leading U.S. companies such as Dow Chemical and DuPont, hardly examples of financial recklessness, is more or less the opposite--their equity represents 25 to 30% of financing, and the rest is debt.
Kanagawa considers it a virtue to rely on equity as much as possible. So Shin-Etsu's debt load is likely to decrease further. For him, the financial structure of U.S.-based Shintech is exemplary. "That company is my brainchild, so this is the model for Shin-Etsu," he says. Shintech carries a debt load of only 12%, meaning that Shin-Etsu's own cash finances 88% of the U.S. business.
Posted by: snowbees at 2009/02/18 13:29:12
今週、観光庁主催の桐生、大間々、足尾を巡る旅行ツアーのモニターとして、参加したんですが、あの地域は、もう、若い人は少ないですよ。街もシャッター通りだし。
過疎化してます。
やっぱり、移民を入れて、年齢別人口ピラミッドを三角形型にしないと、日本は辛いかも。
内需するだけの余力があるのは首都圏だけなんじゃないの?
高齢化社会じゃ、元気も出ないよね。
Posted by: 洋三 at 2009/02/20 8:13:01
鉱工業を構成する産業のウエートの違い。日本は落ち 込みの大きい輸送機械(自動車等)、電気機械類(電子部品・デバイス、 電気機械、情報通信機械)、一般機械(設備機械等)の3業種で「全体の 約5割を占めている」のに対し、米国はそれに対応する業種の比率は「2 割程度」に過ぎない。米国では落ち込みの小さい食料品・たばこや鉱業 の比率が高くなっているほか、電力・ガスも指数に含まれている。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003007&sid=aU4Dgi2qbIOA&refer=jp_economies
Posted by: K at 2009/02/21 5:28:03
>やっぱり、移民を入れて、年齢別人口ピラミッドを三角形型にしないと、日本は辛いかも。
#三角形だろうけど、
移民を入れて、その人達が高齢者になる頃には、もっともっともっと沢山の移民を入れるんですか?それとも「高齢者はイラネ」って送り返すんですか?
それじゃ単なる問題の先送りでしょ。赤字国債なんかとかわりゃしない。経団連の爺さんどもは、その問題が表面化する頃にはとっくに墓の中に入ってるからいいけれど、負の遺産を遺された若者は一体どうすればいいんでしょうね。
Posted by: at 2009/02/22 13:13:25

