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9 月 10, 2008
Google News、ユナイテッド航空の株価を76%下落させる
一昨日、ユナイテッドが倒産したという6年前のニュースがまるで今のことのように流れ、そのせいでユナイテッドの株価が76%下落するという事件がありましたが、これがなんとGoogle Newsのせいであった、という話が浮上。
こちらに詳しく経緯が書いてありますが、要は昔のニュースをGoogleのボットが拾ってきてGoogle Newsに現在の日付で表示したのがトラブルの発端だった、と。2002年のニュース元のフロリダの新聞The Sun Sentinelを所有するChicago Tribune社は
「以前から『昔のニュースをGoogle Newsのボットが拾ってしまう』という問題はわかっており、アーカイブ(も含め新聞のサイト全体)をクロールしないでくれとGoogleに要請していた。」
いわく、
1.9月7日の朝1時に、The Sun Sentinelのサイトで2002年のユナイテッド航空倒産のニュースを読んだ人が一人いた
2.真夜中だったので、ローカル紙のビジネスセクションを読んでいる人は殆どおらず、このたったの1ページビューにより、6年前の記事が"Popular Stories Business: Most Viewed"のタブの下に登場することになった
2.これをクロールしたGooglebotが、「最新のニュース」として、当日の日付でGoogle Newsに掲載
ということらしい。
これってものすごい訴訟になりそうですなぁ。
Tribuneも巨大訴訟になることを恐れ、懸命に何が起こったかを解明しようとした形跡がニュースからはありあり。1ページビューが発生したのは午前1:00:34と秒単位で発表。また、古い記事のURLに変更はなく、そのURLをGooglebotが9月2日、3日にもクロールしているのに、9月7日に当日の記事として扱った、とかいろいろ細かくGoogleの責任を追及。
リアルタイムでのサーチやらアグリゲーションってのはいろいろと難しいわけですが、こういう危険もあったのね、と深く頷いてしまったのでした。
偽情報といっても、ホテルカリフォルニアくらいだったらあまり害はないですが、企業価値が$1 billion、1000億円以上下落したとなると大事件なり。
ご参考まで、以下ちょっと長くなりますがことの経緯をニュース元より抜粋:
The article, headlined "United Airlines Files for Bankruptcy," was originally published in the Chicago Tribune in 2002, and appeared on the newspaper's website. It then became part of the online database of Tribune's newspapers. Our records indicate that the Googlebot crawled this story as recently as September 2 and September 3 and apparently treated it as old news.On September 7, 2008 at 1:00:34 ET, (Sept. 6, 2008, 10:00:34 PT) our records indicate that the article received a single visit. Given the fact that it was the middle of the night, traffic to the business section of the Sun Sentinel site was very low at the time. We believe that this single visit resulted in a link to the old article being created on a dynamic portion of the Sun Sentinel's business section under a tab called "Popular Stories Business: Most Viewed."Again, no new story was published and the old story was not re-published-a link to the old story was merely created. The URL for the old story did not change when the link appeared.On September 7, at 1:36:03 ET (Sept. 6, 10:36:03) a user of the Sun Sentinel's website, viewing a story about airline policies regarding cancelled flights, clicked on the link to the old story under the "Popular Stories Business: Most Viewed" tab. Fifty-two seconds later, at 1:36:57 ET (10:36:57 PT), Googlebot visited the Sun Sentinel's website again and crawled the story.This time, despite the fact that the URL to the old story hadn't changed, despite the fact that Googlebot had seen this story previously, it was apparently treated as though it was breaking news. Shortly thereafter, Google provided a link to the old story on Google News and dated it September 6, 2008. Google's dating the story on Google News made it appear current to Google News users.
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偽物のホテルカリフォルニア
The EaglesのHotel Californiaといってもご存じない若者の方も多いかもしれませんが。
♪ Welcome to the hotel california♪
というのがサビの往年の大ヒット。で、このHotel Californiaのモデルとなったというホテルを先日見に行ってまいりました。場所は、同じCaliforniaでもBaja California、Mexicoなり。
直行便だったらサンフランシスコ空港から3時間のところにLos Cabosというメキシコのビーチリゾートがあるのですが、そこから車で1-2時間くらいのところにTodos Santosという町があり、そこの一角にあるのがこのHotel California。すっかり改装され、レストラン、雑貨ショップ、11室のホテルになってます。こんな写真のような感じ。
しかしいつものことながら微妙に疑って帰ってきた私。
調べたらやっぱり偽物でした。
こちらに詳しく経緯が載ってますが、要は地元の不動産業者が流したガセネタだった様子。
あまりに鄙びていて不動産が売れないので、「観光地になれば」と願ってと流した噂が、10年以上かけてアメリカのマスコミに伝わり、一つの新聞が「これがあのHotel California」という記事を出したところ、それを真に受けて参照したほかの媒体にも載った、ということらしい。Wall Street Journalまで取材に来たらしいです。
ある人が、「いろいろな媒体にまことしやかに載っているが本当だろうか」と地元の人に直接あれこれ取材し、さらにEaglesのDon Henleyにファックスで問い合わせたところ、本人から「全く違う」との返答をもらった、とのこと。
しかしここでさらに、この「偽物」という記事の方が偽物の可能性もあるわけですが、一応Todos Santosの半オフィシャルガイド的サイトの一部なので、まぁ本当かなぁ、と。
ちなみに、Silicon Valleyはスタンフォードのお膝元、Palo Alto市にもHotel Californiaがあります。絶対Eaglesの歌のモデルじゃないと見るだけで確信できますが。(歌に歌われている中庭どころか、ロビーもないので)。
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9 月 02, 2008
人材だけなく車も流動性の高いアメリカ
車の価格査定サイトのKelly Blue BookがiPhone版を出した。Kelly Blue Bookというのは「アメリカの車価格の聖書」で、これを見るとどんな新車も中古車もいくらで売買できるかわかります。
それも、「業者に売るのか」「業者から買うのか」「個人間で売買するのか」でそれぞれ違う価格が出てくる。当たり前だけど、個人間で売買した方が業者のマージンがない分高く売れて安く売れる。
さらには、個別の装備とか、走行距離とか、車の状態とか、売買の場所とか、とにかくありとあらゆる項目があって、それを黙々と入力すると値段が出てくる、という仕掛けです。
もともとは、紙ベースの本であった。多分今でも紙の本はあると思うが、もちろん今はサイト上で検索可能。たとえば「装備」を入れるところはこのスクリーンキャプチャのような感じになっております。30項目以上あります。細かい細かい。
「カリフォルニアのカープールレーンに入れるステッカーが付いたハイブリッド中古車の価値は、ステッカーなしのものより4000ドル高い」
なんていうニュースもあったが、これもKelly Blue Bookがデータ元。
カープール・レーンは、二人以上乗っていないと入れないレーンで、なるべく大勢で一つの車に乗ることを奨励するもの。でもそんな面倒なことする人は少ないので、朝晩の渋滞時も空いている。でこのカープール・レーンに、ハイブリッド車だったら一人乗りでも入れる、と。ただし、それようのステッカーを車に貼らなければならず、そのステッカーの数が限られていたのであった。
そして、Kelly Blue Bookが、カープールレーン用ステッカーのあるなしで別の値段を出していたことがニュースに引用されている。
というわけで、ダイナミックに変動する価格なんですね。変数の一つに「郵便番号」も入れられ、値段の地域差も表示されるから、「がんばって遠くまで行って安く買ってくる」なんていう人も出てくるわけですが。(ま、これは日本でもいるかもしれないが、どこでいくらかの情報が細やかにわかるのがKelly Blue Bookのすごいところ)。
出てくる値段も5ドル(500円くらい)刻み。とある中古車の価格を出してみるとこんな感じ。
Excellent $62,675
Good $59,655
Fair $54,320
中古車の価格がこうして透明に開示されていることで何が起こるかというと、個人間取引の増大でございます。理由としては、
1.個人間の取引がどれくらい得か、というのが数字で明快に出るのでインセンティブが強まる。(なんとなくこれくらい、じゃなくて800ドル、とかそういう風に出た方がイメージがわく)
2.個人間取引の市場価格がわかるので、売り手・買い手とも不安が少ない
と。もちろん、単に価格開示されるのみならず、買い手が一旦修理工場に持ち込んで車の状態を見てもらう、というのも一般的で、「本当に壊れてないか」がプロに予めチェックしてもらえる、っていうのもありますが。しかし、プロのチェックの方は別にアメリカじゃなくとも買い手が主張しさえすればできるし。
こうして中古車が広く取引される結果、さらに起こるのが「中古車の価値の増大」。
「中古車でババをつかまされるリスク」が怖いということが、往々にして実は状態の良い中古車の価値も引き下げてしまうわけで。怖いから新車を買う人が増えると、相対的に中古車の価格が下がる。が、中古車の価格が透明化されると買い手にも安心感があり、結果として新車のときに比べた中古車の値段が上がって、「その中古車が提供する価値」に見合った適正価格になると。
というわけで、アメリカの中古車は大抵日本より高いです。
買い手の消費者にとっては困ったことだと思うかもしれないが、そんなことはありません。売り手も消費者。適正価格で売れれば嬉しい。
というわけで、中古車の価値が広く誰にでもわかるようになっていることが、中古車のトランザクションコストを下げているわけです。トランザクションコストは「取引コスト」で、手数料とかそういう目に見えるものに加え、「よくわからなくて怖いから買いたくない」という気持ちにさせることも含まれます。トランザクションコストが下がると、取引が楽になるから売り買いが増えて市場が活性化する、と。
というわけで、やたらに中古車が流動しているのがアメリカ。アメリカはやたら転職が多い、というのと似た話ですが。
・・・てなことを日本でいうと、
「全ての人材を規格化して、30項目の評価基準で適正給与水準がでるようにしよう」
なんていう恐ろしいことを言う人がいそう。くわばらくわばら。




