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2008/07/28

Off | ブログ再開します&食べ物を語る本 The Omnivore's Dilemma

いやー、お久しぶりです。3ヶ月も休んでしまいました。ちょっと体調が悪くて。いろいろな方から「大丈夫ですか」とメールを頂き、私のブログに読者がいることがわかりました。めでたいめでたい。

さて、再開にあたり、いきなり読書感想文です。The Omnivore's Dilemma。「雑食動物(である人間)のジレンマ」というタイトル。ちょっと前の本ですが。

「正しい食生活とは何たるや」とあれこれサイトや本を読み漁ったうちの一つ。

「恐らく絶対体に悪そうな食べ物、というのはあるが、反対に必ずや体に良いという食べ物はない。何でも食べられる、というのはラッキーな反面、『何を食べようか』と常に頭を悩ませなければならないのが雑食動物たる人間のジレンマ」という感じですな。

本が書かれた背景として、そもそもアメリカ人の食生活はめちゃくちゃ。

朝ごはんアイスクリーム、昼ごはんピザとコーラ、夕ご飯ポテトチップ一袋、みたいな人が結構あちこちにいる。「ハンバーガーにはレタスとピクルスが入っているからバランスが取れている」てなことを本気で言う人も。確かにマクドナルドのマニュアルにはそう書いてあったのだが。

その上、猛烈な量食べるし。(一時期話題を呼んだマクドナルドのスーパーサイズは42オンス、1.2リッター強。1回一食一人分です。ごく普通に子供でも飲んでる「ラージ」ですら32オンス、1リッター弱もある)。

もちろん、一部の人はものすごく気を使っているのだが、その気の使い方が日本人の感覚からするとなんかちょっと違う・・・という感じの人も多い。

ポテトチップとかバリバリ食べながら、ビタミン剤を何錠も朝昼晩飲んで、「栄養満点」と宣言したり、ベジタリアン・・・なのはいいのだが、豆腐のようなオカラのようなモノで作ったなぞのパティ状物体にケチャップを大量にかけてハンバーガーとして食べてたり。

こうした食文化を背景に書かれたのがこの本。結構「えー!?」と驚くことがかかれてます。

たとえば、アメリカの添加物文化を作り上げたのが、とうもろこし=コーンだそうな。

ヨーロッパから移民してきて何とか小麦を作ろうとしたがダメだったが、とうもろこしはがんがん育ち、さらに改良を加えて、安価に大量生産できる農業体系ができたため、それをどうやって使うか、と頭を絞った結果、驚くほど多彩なものがコーンから取り出せるようになったそうな。

コーンスターチあたりはふむふむ、という感じだが、ビタミンC(ascorbic acid)、レシチン、マルトデキストリン、乳酸、リジン、キサンタンガムなんかも全てコーンから作られる。

そして諸悪の根源たるコーン派生物が、ハイフラクトース・コーンシロップ。(日本語では異性化液糖というらしい)。安く糖分が作れるようになり、その糖分がたっぷり入った炭酸飲料も安く作れるようになった。というわけで、1985年以降アメリカのコークはこれが入ってます。(ハワイでボトリングしてるコークは違うらしいが。)その後もどんどんハイフラクトース・コーンシロップは安くなっていくのだが、売上を増やすのは大変。どんなに安くしても普通の人間は一回に一杯しか飲まないから。「だったら一杯の分量を多くして売上を伸ばそう」、というマーケティングの論理で巨大化したのが、アメリカのスーパーサイズ飲み物群。

飲み物だけでなく、ファーストフードの食べ物にはありとあらゆるコーン精製物が保存料、味付け、ツナギ、等々として入っている。しかも肉牛の主たる飼料もコーン。フライドポテトをあげる油もコーン油が多い。ということで、飲み物と同じ論理でどんどんでかくなっていったらしい。つまり、ジャンクフードに依存するアメリカ人の食生活は、ひたすらコーンを食ベているような状態にある模様。

ここまでコーンの精製技術が進歩する前、19世紀初頭は、大量に作られるコーンのはけ口として「コーン・ウィスキー」が大量消費されたそうな。私全く知りませんでしたが、当時のアメリカ国民一人当たりウィスキー消費量は5ガロン、19リッターもあったと。毎日平均誰もが50CCのウィスキーを飲んでいたことになる。赤ちゃんまで全部入れた平均値でこれだったそうです。朝・昼・晩ウィスキー、会社でも11時に「the elevenses」と称して会社支給のウィスキーが出るのが普通だったらしい。

で、もちろんアル中、その他の病気、家庭崩壊、暴力沙汰が蔓延し、ゆり戻しで禁酒法の時代に至ったわけです。

そして、今、当時のアルコールの代わりとなるのがハイフラクトース・コーンシロップ。恐ろしいことです。

なお、コーンから普通の砂糖より甘い糖を精製する酵素を60年代に発見したのは日本人だそうで、これがハイフラクトース・コーンシロップのブレークスルーになったそうな。(その後のアメリカ人の肥満ぶりをみれば、どんな戦争を仕掛けるよりこの酵素発見がアメリカにダメージを与えたかも。)

ちなみに、アメリカでは

「corn-fed beef」

というのが美味なビーフの代名詞として使われる。

日本語でも

「穀物飼料で育った優良な牛」

なんてな表現を見かけることがある。しかし、実は牛は「草」を食べる草食動物で、とうもろこしは体に合わないそうです。コーンはカロリーが高いのでどんどん大きくなり、14ヶ月で400キロ以上に達し、肉には脂がのる、というのが最大のメリット。しかも安い。

が、通常中性の牛の胃が酸性化し、そこから連鎖して肝臓がやられる。こうした中、牛の健康をキープするため大量に抗生物質を投与してなんとか1年ちょっと持たせる、というのが「corn-fed beef」なんですな。もっと正確に言うと、「投与」とかいうおしゃれなもんじゃなく、病気になる前から飼料に混ぜてバリバリと毎日食べさせて何とか一生を終えさせる、と。

アメリカの抗生物質消費のうち、殆どが家畜向け、だそう。

最近、カリフォルニアで

「立てないほど病気の牛を食用にしてはならない」

という法律ができて話題になりましたが、これを聞いて

「・・・・ってことは、今まで立てないほど弱った牛も食用になってたわけ?」

と背筋が寒くなった人も多いかと。実際そういう牛を、電気ショックや放水で追い立てて動かしている情景が暴露ビデオに撮られたのが今回の法律の元となったのですが、その牛は「学校給食」に使われていたという・・・・。

ま、しかし、結局歩ける牛も殆ど病気、なわけで五十歩百歩かも。

ちなみに日本の牛の飼料も殆どがコーンか大豆カスだそう。草で育った牛を求めるのは中々難しいことであります。

この本にはまだまだいろいろあるのですが、またの機会に。

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コメント

復活おめでとうございます。
日本に来た後から途絶えたので、よほど合わなかったのかと思ってしまいました。お体を大切に。

Posted by: haha at 2008/07/28 19:54:05

おかえりなさい!もう体調は大丈夫なのでしょうか?
ブログの内容はいつも楽しみにしていますが、体を
大事にしてください。

草を食べて薬をあまり使わなくて良い飼育方法の牛は、
無農薬有機栽培の野菜の様に、味がかなり変わるのではないかと想像します。

Posted by: 日高 at 2008/07/28 20:58:47

いや~お懐かしい
永遠の美女のブログ復活をお待ちしていましたよ(笑)

千賀さんは体調は優れなかったということですが、現在は
如何ですか?
またこれからも面白いネタをばりばりアップしてください。

On Offのrssをみてずっと外していない事を改めて気付きました。

Posted by: フジキセキ at 2008/07/28 21:14:57

お帰りなさい!
iGoogleの一等地にOn Off and Beyondを置いてあるので、毎日「まだ復活しないのかなー」とお待ちしておりました。
健康第一ですが、また楽しいブログを読ませてください。

Posted by: sawa at 2008/07/28 21:45:56

おかえりなさい。体に無理のない程度に、ぼちぼちとやってくださいませ。

ところで、誰も本文のネタの方にはコメントしてないので、ぼくもついでに直接関係ないことを書くと、HFSC は HFCS が正しいです。High Fructose Corn Syrup ですからね。

Posted by: ひろしま at 2008/07/28 22:06:12

おかえりなさーい!いやー、とっても嬉しいです。

最近では、コーンでウィスキーの代わりに車に飲ませるものを作ってるわけですね。そう考えると、スーパーサイズのジャンクフードよりは、そのほうが世のため人のためのような気がしてきます。

Posted by: Michi at 2008/07/28 22:10:26

内向きな日本の空気感に嫌気がさしたのかと、寂しい気分になってました。
もしくは、これは何か実験的な試みなのかと考えてみたり。

なるたけ楽しそうな仕事だけして下さいませ。

とにかく、再開をずっと待ってました。ありがとう!

Posted by: merumo at 2008/07/28 22:11:28

おかえりなさいませ。
お待ちしておりました。

「体調が悪くて」と書かれた後のこの記事ですから、因果関係でもあるのかとうがってしまってすいません。

Posted by: とおりすがり at 2008/07/28 22:35:47

祝ご復活。体調はいかがでしょう?

以前、日本では「1日30品目以上バランスよく食べる」のがよいとされているんだよ、とアメリカ人に話したらギャグだと思われて大笑いされたことがあります。

アメリカ人って量はやたら摂るのに、品目は少ないんですよね。ランチがタッパーにつめたブロッコリだけとか。ランチがジップロックにつめたアーモンドだけとか。

それでも彼らはふつうに健康だし、体力もやたらにあるので「バランス良く食べないとだめ」というのは都市伝説なのでは、とすら思います。

Posted by: まるるん at 2008/07/28 22:50:22

ブログ再開お待ちしておりました。
どうしたのかと、思わず自分のブログにも書き込んでしまった始末です(;・∀・)

体調に気をつけて、マイペースな更新楽しみにしております。

Posted by: naga at 2008/07/28 22:52:34

おかえりなさい。忙しくしてらっしゃるのかと思って静観していましたが、体調を崩していたのですか。
ご自愛下さいませ。

Posted by: tko at 2008/07/29 0:26:03

再開をお待ちしておりました。
とりあえずあまりご無理をなさりませんように^^;

Posted by: a.c. at 2008/07/29 3:07:57

ブログ再開楽しみにしていました。
7/25のMixiニュースのタイトル「エンジニアはモテる?」に千賀さんのお名前がでていたので、お元気なのかな?と考えたり、ブログを休止している方に催促をしては、ご都合や体調もあるのだろうと思って遠慮しておりました。
再開本当に嬉しいです。
ブログ更新楽しみにしておりますが、ご自愛なさってくださいね

Posted by: dori at 2008/07/29 4:30:20

お忙しいのかなと思っておりましたので驚きました。
どうか無理なさらずぼちぼちで^^

Posted by: ひよちゃん at 2008/07/29 5:02:25

再開のニュース、ファンに一人としてうれしい限りです。
ゆっくりと更新して下さいな。

食の安全を考えると奥が深いです。
って言うか、何を信じて良いかわからなくなります。
ボチボチ考えたいと私も思ってます。

Posted by: splash at 2008/07/29 6:51:10

復活一発目の記事が、とても興味深い内容で、我が家でも牛肉は当分の間は、食卓にはのぼらないと思います。

ところで
>立てないほど病気の牛を食用にしてはならない

の”立てないほどの病気”と言うと、日本では狂牛病の牛をイメージする人が少なくは無いと思うのですが、カリフォルニアでは、立てない病気の牛の病名の具体名などの言及はされているのでしょうか?

単に、肥満で不健康な牛と言う解釈に読めましたが。

Posted by: vulk at 2008/07/29 13:12:39

復帰おめでとうございます!
突然いなくなったので心配してたんですが、
無事体調もよくなったということで安心しました。
また面白いブログ、楽しみにしています。
でも健康にはくれぐれもお気をつけてほどほどに。

Posted by: まつーら at 2008/07/29 13:39:13

すごい復帰祝いのメールの数ですね。

体調を崩されて、食べ物に関心をお持ちになった様ですが、『フィット・フォー・ライフ』(ハーヴィー・ダイヤモンド)を健康に関心のある方にはお薦めします。

Posted by: レバレッジ君 at 2008/07/29 14:59:48

突然長らく空白だったので、心配していました。
復帰(?)との事で何よりです!
これからも楽しみにしています。

Posted by: eakas at 2008/07/29 15:05:37

復活お待ち申し上げておりました。
また読めるのでうれしいです。

健康第一ですな。
ブログを止める、という実験をされているのかと思ってました(笑)
のんびり気が向いたときにでも更新してください。

Posted by: EDGE at 2008/07/29 16:47:54

再開おめでとうございます!

日本の「霜降り」は人間で言えば糖尿病みたいなもんだ、と聞かされて、広い牧場で放し飼いになっているアメリカの牛の方が健康なんだろうと思っていましたが、そうでもないんですね。

そういえば牛は反芻の過程でメタンをガンガン出すので、環境にも優しくないそうです。

というわけで、豚肉を食べましょう!(笑)

Posted by: doih at 2008/07/29 17:22:25

ヒスチジンのコントロールが一番健康的なダイエットのようですよ。

アメリカなら、蒸かしたジャガイモを主食かつ比重を多くすればいいのかもしれません。ただし、絶対に油で揚げてはいけません。

食感でいえば、食べたぞーと実感しているのは、ヒスチジンの量で、依存性が強いようでもあります。日本の食材でいえば、サバとタラ、青魚と白身魚で比較すればわかります。面白いのは赤いサケ。それと、昔からの和食はヒスチジンがうまく押さえられつつ補充されるようになっていて、アメリカ食は、ヒスチジンのオーバー、最悪は、フライドチキンとか。植物油の多量摂取は、ヒスチジンの触媒になっているようです。

ということで、日本の方が優れていたんですねぇ。堕落なアメリカというところでしょうか。

Posted by: 石川 at 2008/07/29 17:27:49

お帰りなさい。
たくさんのコメント。
再開を待ち焦がれていたのは私だけではなかったのですね。
何よりも、お体、大切にしてください。

Posted by: bassface at 2008/07/29 18:48:40

お帰りなさいませ。(^^)

う〜ん、牛肉を見る度によろめいている牛を想像してしまいそう…。
怖いよー

Posted by: mokano at 2008/07/29 19:12:33

ブログ復活うれしいです!
これからもボチボチ更新してください。楽しみにしています。

Posted by: pianica at 2008/07/29 22:05:38

お帰りなさい!!! 復活おめでとうございます!
体を大事にして、ゆっくり復帰してくださいね。

Posted by: 秋山ゆかり at 2008/07/30 3:04:18

復活されて、何よりです。

・米テスラ、シリコンバレーに電気自動車販売店
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080724AT1D2300U23072008.html
等の記事を見たときも少し思い出したりしていました。

これからも期待しています!

Posted by: Leopapa1 at 2008/07/30 5:12:42

いや~、待ってました! + 良かったです
お体にはお気をつけください。

Posted by: INBN at 2008/07/30 8:55:51

chikaです。

皆様どうもありがとうございます。ぼちぼち書いていこうと思います。

HFSC→HFCS、ご指摘thanks。なんですが、実は本文書いてる途中で略すのをやめて全部ハイフラクトース・コーンシロップで統一したつもりなのが、一箇所直し忘れていた、というものだったので、カタカナで名を名乗る方式に直しました。

立てない牛の病名、トンと聞かないんですよねぇ(私だけかもしれませんが)。アメリカの畜牛農家は非常に力強い政治圧力団体なので中々に奥深いものがあります。まぁでも、多分確率統計的に見ても狂牛病はとても稀なんじゃないかと。それ以前にみんな病気・・・って感じかと思います。

Posted by: chika at 2008/07/30 11:43:47

ああ よかった
ほんとうに 心配していました。

Posted by: freeride at 2008/07/30 17:52:40






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