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3 月 31, 2008

アメリカの新聞の凋落

2007年の新聞広告費は全米で9.4%減。1950年に新聞広告費統計を取り始めて以来、最大の減少だそうです。

・・・というニュースを読む前に書いたアメリカの新聞の凋落に関するコラム。日経産業向けだったんですが、「あまりにも救いがない内容なので、もうちょっと緩和した書き方にして欲しい」と言われたので、では・・ということでボツにしていただきました。書き直すのって好きじゃないんですよねぇ。面倒ですし。以下本文でございます。

***

アメリカの新聞の凋落が激しい。ニューヨークタイムズ等、メジャー14社の企業価値は、2004年からの3年間で合計230億ドル、42%が失われた。世の平均株価が2割近く上昇する中での下落である。

シリコンバレーの中核紙、サンノゼマーキュリーでは、2000年からの3年間で求人広告収入が12千万ドルから1800万ドルに激減した。2000年から2007年にかけて、相次ぐレイオフでスタッフは半減している。ニューヨークタイムズでも、数年間の雇用凍結に続き、1300人の編集スタッフのうち100人を削減することが2月に発表された。

凋落の理由は広告収入の減少。広告が紙媒体からオンラインに移行するのは以前から言われていたことだが、ここ1年ほどその傾向が加速している。特に求人広告や不動産広告といった、従来米国の新聞の重要な収入源だった領域がオンラインに奪われていることが大きい。地域によっては、去年1年間だけで不動産広告収入が二割以上下落した新聞もある。 

もちろん、新聞側も手をこまねいているわけではない。たとえば、オンライン化に意欲的なニューヨークタイムズは、頭打ちの有料会員制から広告収入専門に移行するため、一時的な収入減を招く全文記事のオンライン無料化を敢行、SNS大手フェースブックとのリンクを強めたり、コンテンツサイトのAbout.comを買収するなど、様々な手を売っている。さらに2月には、ハースト、トリビューンなど他紙と共同で、各社のサイトに広告を配信する共同事業、クワドラント・ワンも始めた。120の新聞のサイトをカバーし、総計5千万人にリーチする大ネットワークである。

しかし、それだけの試みをしているニューヨークタイムズですら広告収入はジリ貧だ。読者数は、紙媒体の110万人と比べオンラインは750万人に達するにもかかわらず、収入の9割は未だ紙媒体からのもの。そして、オンラインの収入が増えるより速いペースで紙媒体の収入が減少している。今年1月時点では、トータルの広告収入は前年比10%減だった。 

新聞社が失った広告費の多くは、インターネット専業企業に流れている。グーグル一社だけでも年商は166億ドルと2兆円近い。この全てが新聞広告からきたものではないが、それにしてもインパクトは当然ある。

そして、さらに問題を深刻にしているのは、メディアに流れる広告費のパイ全体が減少しているのではないかということ。 

従来、広告は「半分は無駄だが、どの半分が無駄なのかわかないから全部続けるしかない」と言われてきた。しかし、インターネットだったらクリックスルー等で、より具体的に成果がわかる。結果として、広告の無駄を省ける。従来の半分のコストで同じ成果が出るのであれば、無理して同じ広告費を使う必要はない。浮いた分の広告費は、より多機能な自社サイトの構築など、従来型の媒体広告以外の分野に流れてしまうものも多い。たとえばナイキ社では、広告支出に占める媒体広告の割合は、10年前の55%から33%まで減少した。その代わりに、直接ユーザーが運動の成果をアップロードできるサイトなど、ユーザーとの継続的な対話でロイヤリティをあげる「エンゲージメント・マーケティング」に力を入れている。

つまり「記事を書いて読ませる」という伝統的な新聞のビジネスモデルをオンラインに移しただけではどうにもならない根本的な問題が発生しているのである。新聞業界がこの構造変化をどう乗り切るかの答えは未だ出ていない。アメリカでは寄付で成立しているテレビ局やラジオ局があるが、新聞も同様のNPO化が生き残りの道では、とまでささやかれる昨今である。

***

確かに、あまりに救いがない書き方だったかな。日経産業さんすみません。なお、原稿としては、

「アメリカの新聞業界は、大変だけどみんながんばってるよ」

みたいな感じだったらOKだったみたいなんですが、がんばるくらいではどうにもならない状況かと。今後淘汰が進み、全米で3紙 くらいしか残らないんじゃないでしょうか。Wall Street JournalとNew York TimesとUSA Todayとかかなぁ。

とはいうもののまじめなジャーナリズムには金がかかるわけで、それをどこから取ってくるか、というのは大問題なんですな。で、NPOという話しもありかと。一紙くらいはNPO化で優良新聞が残れるんじゃないかと思います。

それにしても新聞受難の時代。個人的には朝おもむろに紙の新聞を読むのが好きなんですが。

参考:

Newspapers' Fab 2007: $11 Billion of Market Value Vaporized

The Shrinking Merc (Nov 2006)

An Industry Imperiled by Falling Profits and Shrinking Ads

The New Advertising Outlet: Your Life

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3 月 27, 2008

アメリカの金融界は心臓に毛が生えているという話

先週は、アメリカ金融界が上を下への大混乱であった。私の感想は

1.すごい瞬発力
2.アメリカの金融コミュニティは心臓に毛が生えている

3月11日火曜から16日日曜にかけてはくるくるとめまぐるしく状況が変化(ここが瞬発力)、16日以降は、その変化のさらに裏をかこうとする人たちの躍進(ここが心臓に毛)が目立ったのでした。

1.まず瞬発力の一週間

こちらのWall Street Journalの記事によくまとまっています。さすがWSJですな。要約するとこんな感じ。

11日火曜:投資銀行への政府緊急融資2千億ドル(20兆円)を決定。これで一息、と思いきや、サブプライムでヤバイ橋をたくさん渡った全米第五位の投資銀行、Bear Stearnsの信用不安が広がる

(でも、Bear Stearns側は、「割とよかった今期の業績」の発表間近、と結構うきうきしており、信用不安の噂はBearの株をショートしているヘッジファンドの陰謀だし、、、とか思ってたらしい。CEOは、暢気にフロリダでメディアコンファレンスに参加中。)

13日木曜:事態は急転、$17 billionあったBear Stearnsの現金資産がたった2日で$2 billionまで減少。倒産は免れない、とFederal Reserve(アメリカの中央銀行です)に報告。Federal ReserveがBear Stearnsの資産の精査に入り、数百人が殆ど不眠不休で帳簿をめくることに。

14日金曜:国からBear Stearnsに28日間の緊急貸付を行うので、その間にBear Stearnsを買収してね、とFederal ReserveがJP Morganと話をつける。JP Morganは由緒正しい投資銀行なり。JP Morganは16のチームを作り、Bear Stearnsのデューデリジェンス(審査・精査)を開始。これで一息ついた、とFederal Reserveも安心。

15日土曜:Federal Reserveのチェアマン、Ben Bernankeがあちこちの銀行の頭取に電話で話した結果、「28日間の緊急融資」などという悠長なことでは他の銀行のBear Stearnsへの不安は収まらないことが判明。このまま週があけて金融市場が開いたらとんでもないグローバル連鎖金融不安になると判断、JP Morganに「24時間以内にBear Stearnsを買ってくれ」と依頼。JP Morganは(殆ど)不眠不休でデューデリ。

16日日曜:JP MorganとFederal Reserveのネゴの末、Bear Stearnsの損は300億ドル(3兆円)まで国が保証することで、JPのBear Stearns買収が決定。週明けに、日本の市場が世界で最初に開く前に発表。

・・・・すごい馬力だ。ひょえーですな。一旦金融不安のグローバルな悪の連鎖が始まったら止まらない、という理解の元、前代未聞の介入の嵐なわけです。

(余談ながら、金融界と言うのはオーソドックスなユダヤ人も多そうで、彼らは安息日の土曜には働けないはずなのだが、そういう人はいなかったんだろうか、、と疑問に思ったり。やっぱり安息日でも働ける結界がWall Street周辺にはあるのでしょうか。ユダヤ結界については、「パロアルト市、釣り糸でユダヤ結界化」というエントリーをご覧あれ。)

ちなみに、Federal ReserveチェアマンのBen Bernankeの専門は、1929年に起こった「世界大恐慌」なのであった。数々の論文をものしている。

世界大恐慌は、このせいで日独伊の全体主義を招き、第二次世界大戦のきっかけとなった恐るべきできごと。当時アメリカの大統領だったフーバーが「国家は市場・産業に不介入」と放任したため滅茶苦茶になった。

それを研究し尽くしたBernankeならではの、強引なまでのスーパー介入と言えるでしょう。これまで、神と崇められたグリーンスパンの後釜でなんとなく影の薄かったBernankeですが、その実力が最大限に試される時が今。しかし、このタイミングで世界大恐慌の専門家をFederal Reserveのチェアマンに据えるとは、知っていたのかアメリカ、って感じですなぁ・・・・。

長くなってしまったので、心臓に毛が生えている方の話はまた後日。(どっちかっていうと、こちらの話の方が個人的は興味深いんですが。)

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3 月 24, 2008

ナスダックに上場しているイスラエル企業は70社

いや、随分前に書こうと思ったエントリーなんですが、ばたばたしてたら10日も経ってしまいました。

San Jose Mercuryの記事より。ナスダックに上場しているイスラエルの会社が70社もある、という話。アメリカ以外の国としてはトップ。次が中国の60社、カナダの51社と続くそうな。Nasdaq全体では3000社以上が公開されているので、それと比べると大海の一滴ではあるのですが、結構大きな一滴。

「アメリカ在住のイスラエル人がスタートしたアメリカ企業」じゃなくて、イスラエルの会社です。イスラエルの株式市場、Tel Aviv証券取引所とNasdaq両方で公開している企業も多いので、Tel Aviv取引所とNasdaqとは2007年末には提携したそうな。

ちなみに、2007年にアメリカで上場した会社のうち、2007年末までに最も値上がりした会社トップ10のうち、3社は中国企業、1社はアルゼンチン企業でございます。(中国企業がJA Solar Holdings、Yingli Green Energy, China Architectural、アルゼンチンはMercadolibre)。

日本ではジャスダックとヘラクレスの統合(または非統合)が話題みたいですが、別に日本企業だからといって日本で上場しなければならないわけではありません。Nasdaqとまではいかなくとも、イギリスのAIMあたりだったら結構射程範囲内の日本企業もあるんじゃないでしょうか。

参考:
イギリスAIMは上場のオフブロードウェーです
ナスダックとジャスダックとイギリス新興市場比較

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3 月 14, 2008

borrow out?

家を改築するので、あれこれ部材のサンプルを取り寄せたりしている。で、とあるタイル屋に電話で問い合わせ、あれこれ話した後「サンプルを貸し出してもらえる?」=”Can I borrow it out?"と聞いたら、突然相手が

「君、ドイツ人?」

と聞いてきた。「違うけどなぜ?」と聞いたら、

「いや、僕お母さんがドイツ人で、そのお母さんがよく『borrow it out』って言ってたから。」

「あれ、borrow it outって変だった?なんて言ったら正しいの?」

「うーん、いや、なんて言うのかなぁ・・・わからないなぁ。borrow it outでも間違ってる訳じゃないんだけど・・・」

後で、ダンナに聞いたら

「多分outが付いてるところが変だったんじゃない?」

とのこと。borrow itでよかったんですね。私的には多分日本語の「貸し出し」という言葉に引きずられて「出す=out」とつけてしまったように思う。もしかしてドイツ語でも「貸し出し」みたいな表現があるのかしらん。

そういえば(前も書いたけど)昔、ドイツ語圏のスイスから来た友達が

「Look! Wash bear!」

と言ったのを聞いて、私はさっと

「wash bear=アライグマ、がいるんだな」

と脳内変換したのだが、周りのアメリカ人はきょとんとしている。しばし考えたらアライグマは英語ではracoonなんですね。

さらに、ドイツ語の相づちで、日本語の雰囲気そのままに「あぁ、そう」と言うというのもありますね。

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3 月 13, 2008

ストライキ続出のアメリカとストライキが姿を消した日本

シリコンバレーで大々的な看護士のストライキが予定されている。3月21日から10日間、4000人が参加予定。(病院側は代替となるテンポラリの人材を雇って医療行為は継続する。)同じ看護士のグループのストは、去年の10月、12月に続きここ数ヶ月だけで3回目。

いや、それにしても、日本でストを見なくなって久しいが、アメリカのストの多いことよ。

Wikipediaの日本語版には

1980年代以前(特に1970年代以前)には、日本・諸外国を含めかなり多かった。しかし、日本のみならず諸外国でも近年ではあまり起きない傾向にある。

とあるんですが、頭の中は?マークでいっぱい。

少なくともアメリカはストは頻繁にあるぞ。

フランスなんかはもっと沢山ストをしているように思うんですが、フランス在住の方いかがでしょう?数年前TGVでパリからアビニヨンに行ったとき、ちょうどストでひどい目に会った。さらにかの地では、カフェのウェイターまでストをするそうではありませぬか・・・。

アメリカに話しを戻すと、看護士というのはよくストをする。スタンフォードの大学病院の看護士も数年に一回くらいはストをしているし。(2003年のものはこちら)。

伝統的に戦う組合としてはUAWというのもある。自動車系の労働者の組合。ちょうど今も、デトロイトの方では2月26日からずっと3600人が自動車部品メーカーでストをしているらしい。(シリコンバレーではほとんど報道もされてないが。)

あと、最近の有名なものでは、脚本家12000人が11月から2月までストをしていた、というのもある。(争点は「インターネット動画配信利益のために戦う脚本家組合 」を参照)。さらに、今度は俳優のストが行われる可能性も浮上している。

過去半年くらいのメジャーなのだけでこんなにあるわけで、まぁ常に国のどこかで誰かがストをしそうか、ストをしているか、という感じな訳です。

とはいうものの、その頻度/激しさは、70年代までの比ではないようだが。

Washington Postの社長、Catherine Grahamの手記には、印刷工場の労働者がストを行い、さらに工場の機械を全て破壊した、という昔の激しい時代のエピソードがある。会社側が、ストをしている組合労働者を排除し、非組合員を新規雇用して工場を稼働させてしまうことがある。これを阻止するため、製造ラインそのものを破壊してしまう訳です。(これに怒り狂ったCatherine Grahamは組合と徹底抗戦する。)

別の例では、スト中の労働者が工場の周りにピケを張って中に入れないままストが長期化、経営側は別の場所に新しく工場を設営し、ある日ヘリコプタでスト中の工場の中に降り立ち、どうしても重要なものだけ取り出して、新しい工場で製造開始、なんていう話しも聞いたことがある。スト中の組合員は全てクビ。

つまり、昔のアメリカのストはほとんど「内戦状態」で、それに比べればずいぶんおとなしくなった、という感じなんですね。

また、組合活動そのものも下火である。KrugmanのThe Conscience of a Liberalによれば、1973年に39%だった組合参加率は、2005年には13%にまで落ちている、とある。(そしてこれが、アメリカからミドルクラスが消えた大きな要因の一つである、とKrugmanはしている。そして、組合が減った理由は「時代に即さない」というようなファジーなものではなく、政府の組合つぶし、企業保護の政策に寄る、というのがKrugmanの主張だ。)

と、アメリカでもストは昔に比べればずいぶん廃れているのだが、今の日本みたいに「ストってなんですか?」という状態では全くありません。残された13%の組合員はきちっとストしてます。

ただし、プロフェッショナルな仕事(含むエンジニア)では組合は稀。集団で戦うより、個人で交渉した方がいいし、条件のいい会社に転職してしまえばいいことだし。

珍しい例としては、数年前Electronic Artsのゲーム開発者が

「強制的な労働時間が長過ぎ。残業代払え」

集団訴訟を起こしたことはありましたが。(長過ぎ、といっても週70時間とか80時間とか。日本に比べると甘いですね。)結局Electronic Artsは残業代を払うこととなったのでした。

いや、日本も70年代までは、ストってあちこちであったもんですけどね。動労春闘で電車が毎年一回は盛大に止まる。子供にとっては、学校も休みになって、大人もみんな家にいるので、ストライキは楽しいもの、という刷り込みがあります。普段は入れない線路の上を散歩したりとか。

ま、私は、同居していた祖父が元地方の国鉄の組合のリーダー、かつバリバリの共産党員で、私自身も小さい頃から赤旗(共産党の機関紙)を読んで育ったので、これがストへの抵抗を低めてるのかもしれませんが。

で、そのストが日本からなくなったのは、ちょっと悲しい。

待遇は自分で勝ち取るもの。戦って好待遇を勝ち取る根性がないのだったら、与えられた条件に甘んじ、いいようにこき使われても仕方ない。転職で好待遇が勝ち取れる人はそうすればよいが、集団で戦わなければならないタイプの仕事をしているのであれば、ストをしてでも自分の未来は自分で勝ち取るべき。

そのためには少々世の中に迷惑がかかってもしかたないではありませんか。

・・・と私は思うので、ストをされても、

「ち、不便だな。でも、元気だね。がんばってね」

程度の感慨しかない。

ま、水道、ガス、電気、ガソリンあたりは止まったら心の底から困るが、それ以外はまぁなんとかします。

もちろん、ストの理由に納得性がある、というのは大事。

昔私が三菱商事につとめていた頃、「子供を私立の小学校に入れるのが大変だから給料あげろ」という主張を組合がしてたことがあって、組合員ながら「これはいくらなんでもダメだろ」と思いました。はい。そんな理由でストされたら単に迷惑ですなぁ。誰もしないと思うが。

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3 月 11, 2008

結婚式スリラー踊り

何度見ても笑えるYouTubeの素人ビデオ。結婚式の披露宴で、新郎新婦、その他付き添いの皆さん等々が全員総出でマイケルジャクソンの「スリラー」を踊るというもの。

そもそも、アメリカの披露宴では、最後に「ダンス」がつきもの。まず新郎新婦が粛々と踊り、それに続いてポップな曲が流れ、参加者の中で踊りたい人はみん な踊れる、という流れが普通。最初の新郎新婦の踊りはfirst danceと呼ばれ、超気合いが入る人も多い。このためにダンスクラスに通って、くるくるワルツとかジルバなんかを踊ったりした友達もいました。

いずれに せよ、披露宴の最もロマンチックな瞬間の一つな訳です。(私はやりませんでしたが。)

で、そのように期待がかかる場でいきなり「スリラー」。しかもビデオを見るとノリノリなのは新郎一人で、彼が言い出したのは自明。OKした新婦は中々いいヤツです。

・・・という前提でこのビデオをご覧あれ。 前列中央が新郎です。ちなみに、ビデオ内に新郎新婦以外に同じドレスを着た女子、タキシードの男子が複数いますが、これはwedding partyと呼ばれる人たちで、なぜかアメリカの結婚式ではこういう「お付きの人たち」が新郎新婦に付くのでした。新郎側は男子の友達、兄弟等がなり、新 婦側は女子の友達、姉妹がなる、というのが普通ですが、最近では、新郎の親友が女(または新婦の親友が男)で、混乱したwedding partyになることも。

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3 月 10, 2008

サブプライムバブル崩壊はテクノロジーベンチャーにどう影響するか

新日本監査法人のIPOセンサーという季刊誌に掲載されたコラムです。書いたのは去年の12月なのでちょっと古いですが。

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2007年ファイナンス界最大の事件といえばサブプライムバブル崩壊であった。複雑な金融エンジニアリングを駆使した金融商品のせいで、株や債権といった異なるジャンルにまたがって影響が出たことに加え、その影響は、アメリカ国内に終わらず世界に広がったことが衝撃を呼んだ。

果たしてこのサブプライム問題はどんな風にベンチャーの動向に関係するのか?

まずは、「2007年内に起こった影響」について見てみる。

サブプライム問題が顕著に表面化したのが2007年7-8月。一方、7-9月期のベンチャーキャピタルによるベンチャー投資額は71億ドルで、2006年同時期の5%増。つまり、特に影響なし。

一方、2007年1年間に米国でIPOを果たしたのは234社。こちらも堅調だ。ドットコムバブルの絶頂期だった1999年でこそ486件のIPOがあったが、これは例外で、2001年から2003年の年間上場件数は100件に満たない。景気が持ち直した2004年以降は200件前後で推移してきたが、2007年のIPO件数は過去7年間では最大。合計調達金額も536億ドル、6兆円規模と過去7年間で最大である。サブプライムで世界が青くなった後の10-12月だけで見ても、上場社数は2006年の70社から79社へと増加している。

さらに上場後の企業では、S&P500やNasdaq平均がそれぞれ2007年1年間で5%前後、10%前後の上昇だったのに比べ、Nasdaqの中でもコンピュータ関係企業だけに絞ると、20%強の上昇。こちらも堅調である。

個別の事例を見ても、全世界同時株安だった8月半ばに上場したIT関連企業VMWareは、快調な滑り出しを示し、2007年年末時点までに企業価値は上場時点の3倍、340億ドル(約4兆円)になった。ヘルスケア関係でも、病院モニタリング機器製造のMasimo社は同じく8月に上場、その後4ヶ月強の間に株価は2倍以上になった。

ベンチャーの増資状況を見ても、マイクロソフトがFacebook社の企業価値を150億ドル(1兆8千億円)とみなして2億4千万ドルを投資。また、女性向けウェブサイトのアグリゲーション事業を行うGlam Media社は、4億5千万ドルの企業価値で資金調達を行ったと噂されている。Facebookに比較すると随分小粒に感じるが、Facebookの今年の売り上げが2億ドルを超すと言われるのに対し、Glam Mediaは2千万ドル程度とFacebookの十分の1しかないことを考えれば、ほぼFacebookに匹敵する超絶増資ディールと言えるだろう。いずれも2007年秋から冬にかけての案件だ。

さて、ここまでを見て「サブプライムは米国ベンチャーの動向には関係ない」と言い切れるだろうか?

答えはNo。たとえば、2000年のドットコムバブル崩壊は3月の株暴落に端を発する。しかし2000年のIPO件数は前年1999年のピークから17%しか下がっておらず、完璧に市場が冷え込んだのはその翌年の2001年だ。(2000年のIPO件数は406件だったのに、2001年には83件にまで落ちた。)当然だが、ものごとにはタイムラグというものがある。

一方で、むしろ、サブプライムバブル崩壊でテクノロジー企業に一層資金が集まるのではないか、という声もある。ドットコムバブル崩壊後、それまでテクノロジー企業に流れ込んでいた資金が不動産市場に向かったのが不動産の高騰を引き起こし、サブプライム問題の素地となったという分析もあり。同様に、今回のサブプライム崩壊で行き場を失った資金が、テクノロジー企業やベンチャーキャピタルに向かう可能性は十分にある。

また、米国テクノロジー企業の多くは輸出産業なので、サブプライム疑惑から米ドル不振が広がりドル安が進むと為替益も出る。

ということで、プラス・マイナス、どちらの影響が強く出るのか。当面は、ベンチャーの動向観察が楽しみである。

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というわけですが、新日本監査法人の方から「反響が大きく好評だったので続編を」とのお言葉をいただいたのでした。

「一体全体何が好評?データがいろいろ載ってるからかな?」

とか思いつつ、先週ランチした日本人の友達と話していて、似た話しになった。彼はシリコンバレーでベンチャーキャピタルを始めて、今最初のファンドを集めているところ。目標額の6割方集まり、今はアメリカの機関投資家を巡っていて、かなり良い感触だ、とのこと。その彼が、日本出張に行ったおり、「機関投資家の手応えは悪くない」と言ったところ、日本の人たちは一様に驚き、ややがっかりしている風情ですらあった、と。

しかし。

クレジットクランチのせいで、debtで調達してまわしている事業はかなり苦しい思いをしていると思うが、ベンチャーキャピタルは借り入れとは無縁。equityの方は、むしろ上のコラムでも書いた通り、

「おっと、サブプライムで住宅系はヤバそうだ。他に資金運用先を探さないと」

てなこともある。巨額資金を運用している機関投資家等は、常に運用しなければならない定めな訳で。(個人レベルでも、こういう不景気時こそ投資の好機!と虎視眈々といろいろ見ている人は沢山いる。)

さらに、ベンチャー投資と言うのは、製品が市場に出るまで数年、さらにIPO等のエグジットまで数年はかかる。開発にかかる期間中は、景気が悪い方が、人件費やらオフィス賃貸料やらが安くなり、人材も採用しやすくなる、というメリットもあり、こういう時こそ良い仕込み(投資)時でもある。

「アメリカのテクノロジー株は軒並み下がっている。公開企業は困るんじゃないの?」

と思うかもしれないが、これまた、会社の株の値段が下がっても、別に(短期的には)事業資金には関係ない。株の売却益が会社に入ってくるのは、新たに株を発行して調達する時だけ(IPOとか)。株価が下がると株主にとやかく言われて辛いとか、ストックオプションを持っている社員の士気が下がる、といったことはあるが、株価が半分になっても突然資金ショートを起こす訳ではない。

・・・・というわけで、せっせと事業の仕込みをしている会社が多々ある訳です。

シリコンバレーでは諸悪の根源の住宅相場もほとんど下がってないし、高速道路は混んだまま。「この世の終わり」みたいにはなってません。ま、これから先、景気が悪化する可能性は多分にあるが、それでも数年たったら復活するので、それまでの辛抱である。

少なくともシリコンバレーはそんな感じです。

「日本がこれほど辛い思いをしたんだから、アメリカにも地獄を見て欲しい」という方に取っては「がっかり」かもしれませんが。

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3 月 06, 2008

ソーシャル金貸しZopa日本進出

「個人が個人に金を貸すサイト」のZopaが日本に進出するそうです。2年ほど前に「P2Pローン、もしくはソーシャル金貸し」というエントリーで、主に競合のProsperのことを取り上げましたが。日本の金融ルール下でもできるんだ!という驚きが。

5年ほど前、Bay Areaの住宅相場・金利・日本経済というエントリーでこんなことを書きました。

リスクに見合った金利で資金を融通する仕組みがない」ことが、日本経済が立ち直らない理由だと思う。

アメリカでは、企業の資金調達でも、株式、債権の市場が充実しているのはよく知られているところだが、それ以外でも、例えば 売掛債権を割引して買ってくれるfactoringなんかが普通に存在する。もちろん、リスクが高ければ、その分金利(や手数料)が高いことでバランスが 取られている。しかし、日本ではこれは「手形割引」てな感じで電信柱なんかに張り紙がはってある、ちょっとアブナイ金融会社の世界。

日本で総合商社という、世界に類を見ない業種が繁栄したのも、正当なリスクに見合った金利で資金を提供する金融機関がないか らだと常々思っていた。おおざっぱに言うと、売り買いの取引の間に入り、売り手には早めに料金を支払い、買い手からは遅めに料金を受領して、ファイナンス 機能を提供するのが、重要な商社機能とされている。trade financeというかっこよい言い方をするが、要は手形割引を大々的にやってるだけともいえる。でも、まともな金融機関がこういう機能を提供しないの で、人気者になった。

というわけで、新しい形態の金融業が日本に登場するのは大変よいことだとは思いますが、しかし、結局アメリカのこの手のP2Pローンの金利設定は、借り手のクレジットスコアに寄るところが大きい。クレジットスコアは、過去の借金返済状況を記録したクレジットヒストリーに基づくもので、全米で3つの民間企業が握っている。「アメリカ人としての人間の点数」みたいなものです。で、P2Pローン申し込みで、どんなお涙頂戴のストーリーを書いても、結局はクレジットスコアで金利が決まる、と。

(クレジットヒストリーについては、クレジット支払い怖いをご覧アレ。)

これがない日本で、どうやって借り手のリスクを見極めるのか興味津々。「勤務先」だったりすると、今の銀行と変わらないですねw。

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アメリカ人が日本で買うべきガジェットはありますか?(ChumbyとかEye-fiのような)

Googleで携帯系の事業開発をする知り合いから連絡があり、

「日本出張するので、日本でしか買えないガジェットを教えて」

と。共通の友人でハードコア・テクノロジーオタクのA君がいるのだが、

「Aに自慢できるようなもの希望」

という指定付き。

Twitterで知り合いに聞いてみたところ推薦は

無限プチプチ
携帯制御チョロQ
フォンブレイバー

と。うーむ・・・。無限プチプチはちょっとしたお土産にはよいが、「ハードコア・オタクに自慢できるガジェット」かといえばちょっと違う。チョロQは普通に赤外線でコントロールするのはあんまりすごくないので、携帯で操れるところが肝だと思いますが、アメリカの携帯だと使えないみたいだし。フォンブレイバーは、すごい面白いのだが、アメリカで使うのは大変そうだなぁ・・・。

感じとしては、こんなのがよいのです。

Chumby_pearl_sunglasses_2

Chumbyである。タッチパネルスクリーン、モーションセンサー付き小型端末。Wifi経由でいろいろな情報を常時プッシュしてくる。どういう情報を得るかは、予めサイトで指定しておく。ハードは175ドルだが、それ以降のネットワーク利用は無料。Chumbyは情報プッシュ側から広告料を取る、というモデル。加えて、メールのチェックや、オンラインにアップロードした写真を見たり、などパーソナルな利用もできる。これも無料。めずらしい「オープンソースのハードウエア」でもある。

シリコンバレー在住日本人の皆さんは大挙してこれを買っており、一人で7個も買う人も。

タコさんロゴもオタク心をくすぐります。

あと、Eye-fiとか。カメラのSDメモリーチップで、Wifi経由、撮った写真を自動的に指定写真サイトにアップロードしてくれる。「オンラインに写真をアップロードするなんてとんでもない」という人には、自分のコンピュータにあげるオプションもあります。100ドルなり。

どちらも開発はカリフォルニアの会社で、これまでに500万ドル程度増資しただけの社員10人前後、というベンチャー。

・・・・そして、どちらも、できれば日本から出てきて欲しい類のガジェットなんですけどね。

以上、無限プチプチ以外は、全てワイヤレスを何らかの形で使ったネットワーク的なもの。このように、ネットワーク利用がガジェットの主流になってくると、

「オープンで、ユーザーの希望次第でどうとでも使える。器用な人だったら、ちゃっちゃとプログラムを書いて、自分でサービスを作っちゃったりもできる」

というものであれば、世界中に広めやすい。が、しかし、たとえば日本の携帯スタンダードへの依存度が大きいと、日本を出た瞬間に使えなくなってしまう。

(余談ですが、そういう意味で、i-modeをはじめとした自社基準を世界に広げられなかったドコモの責任は甚大。あれだけ日本のIT産業を翻弄した以上、自分たちのスタンダード自体をグローバルにする義務があった、と思う。そうしたら、それにぶら下がるいろいろな日本のサービスプロバイダも海外にもっと容易に出て行けたはず。・・・・しかし、もはやグローバル化の時期は逸したので、「義務があった」と過去形ですが。)

あと、実はChumbyも英語ができない人だと使えるサービスがかなり限られる。のではあるが、英語は世界のデファクト機軸言語ゆえ、ローカライズなくてもある程度は浸透可能。「日本語ができないと使えない」と比べると、国外での通用度は全然違う。残念ながら。というわけで、日本発の世界向けガジェットは、日本独自のインフラ依存がないのみならず、日本語依存もなしでないといけない、という足かせも。

というわけで、話を戻すと、「海外で使える日本の先端ガジェット」は何かないでしょうか?何かありましたらご推薦くださいませ。これがないと、日本が(少なくともITの世界では)パラダイス鎖国であることがより一層明快になってしてしまいますので是非。

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3 月 04, 2008

やっぱりマスコミの予想が当たらない大統領選

マスコミの予想が当たらないことで心洗われる大統領選」というエントリーを書いたが、やっぱり今日も当たっていない。スバラシイ。大方の予想は
「ヒラリー終わったな」
で、今日オハイオとテキサスでヒラリーがオバマに負けたら、ヒラリーは大統領選から降りると思われていた。CNNの解説者が「ヒラリーの臨死体験」とまで言うくらい。

が!オハイオは75%開票済みの現在、ヒラリー58%、オバマ40%。
テキサスも56%開票済みで、50%ヒラリー、48%オバマ。

しかし、これだけ盛り上がって、最終的にMcCainが大統領になったらかなりがっかりです。

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