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6 月 22, 2007
謝らないアメリカ企業のリスクマネジメント
パイレックス知ってます?耐熱ガラス容器です。1915年にコーニング社が発売。元々はホウケイ酸ガラス(Borosilicate)で作られてましたが、今はソーダ石灰ガラス製。現在では、アメリカの販売はWorld Kitchen社がやってます。
で、ですね、恐ろしいことに、このパイレックス、時として爆発するらしい。昔は大丈夫だった「ブロイラー(高熱のオーブンの上火)直下に置く」とか「オーブントースターに入れる」といったことで、原料変更後の現行製品は爆発、粉々になってガラスが飛びちるという危険物に。
昔パイレックスが普及していなかった日本では大丈夫だと思いますが、アメリカだと、「ひいおばあちゃんの代から、うちではパイレックスはこうやって使う」と、直火にかけたりして爆発沙汰になってる模様。
しかし、すごいのは、爆発することそのものより、爆発のクレームを受けたWorld Kitchen社の人の対応。
ComsumerAffairs.comのPyrex Panicいわく、
"We want to assure you that neither PYREX glass bakeware nor other glass bakeware 'explodes.' Glass does not explode but it can break. As glass bonds break, people may hear a noise and be surprised."
"When glass breaks, it may appear instantaneous, and may be described with violent words such as 'exploded' or 'disintegrated.' Instead of disintegrating, however, a glass failure generates from one or more fractures, each of which begins at a particular site and grows from there."
ポイントだけ訳すと
「ガラスは爆発したりしません。大きな音で驚くかもしれませんが、実際には、ガラスの結合が壊れただけです。」
すごいですねぇ。
「華々しくガラスを撒き散らして壊れる」という現象を否定することはできないので、「爆発」という用語を否定し、「ガラスの結合が壊れるだけ」と。
ConsumerAffairs.comは
Isn't this like describing an airliner crash as an "inadvertent impact with terrain?"
「この説明は、飛行機の墜落を、『予期しない地面との接触』と表現するようなものじゃないか?」
と言ってますが、その通りですなぁ。
会社としては、「爆発する」と知っていながら売ったとなると責任を問われるので、「そんなこと知りませんでした」というための訴訟準備として、こういう詭弁を使ってるのでしょう。一応「リスクマネジメント」ってヤツですね。しかし、これってより自分の立場を悪くするように感じるけどネェ・・・。陪審員がこんな会社の主張を受け入れるとはとても思えない。
とはいうものの、ここまでの詭弁を弄するとは見上げた根性である。いや、こんなことを褒めてはいけないとは思うのだが、あくまで謝らない態度も、ここまでくると喜劇的だと思う私でした。
なお、謝らないのは別にWorld Kitchen社だけではありません。そういえば、今年の母の日にダンナ側のお母さんに800Flowers.comというサービスで花を贈ったが届かず。「届いてないよ」とクレームしたら、「届けた」という連絡が800flowersから入ったが、母親に確認したら届いてない。再度クレームしたら担当者から「I am personally sorry, but let me investigate」といった内容のメールが来てそれっきり。同じく800flowers.comで花を送ったけれど届かなかった人いわく、クレジットカード会社に連絡して支払いを無効にしてもらうしか対抗手段はないそうです。くくく。
というようなわけで、大変面倒ではあるが、アメリカで謝らない会社のせいで自分が被害にあった場合は、頑張って反抗しなければなりません。じゃないと、世のため人のためにならないので。
勝手に期間を更新して、勝手に債権取立て屋を起用した保険会社と私の戦いは「再建取立て屋と戦う:Matter of Principle」をご覧くださいませ。
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6 月 20, 2007
uTube、YouTubeを訴えた上、転んでもただでは起きない
utubeはUniversal Tubes社のサイト。「YouTubeと間違えられて被害を受けている」ということで、YouTubeを訴えてます。
リンク先のNPRのサイトにあるuTubeの仕事場風景写真は笑えます。
本当にチューブ作ってるし。
1996年から細々とこのURLでサイトを運営してきたところに、突然YouTubeが登場。世慣れない人々が、uTubeとタイプして続々とやってくるので、サーバコストが大変なことに。もともと月間1000件だったアクセスが、なんと毎日15万件になったそうな。
しかし、転んでもただでは起きないのだ。
YouTubeの親会社であるところのGoogleから損害賠償をとろうとするのみならず、着メロサーチをサイトのトップにもってきた上に、出会い系サイトなど、「それらしき」広告も各種掲載。サーバ費用+訴訟費用は、この「新規ビジネス」で補ってるそうな。(というか、補って余りあるほど儲かってるんじゃないかと思いますが。)
uTubeサイトはこんな感じになってる↓(着メロサーチ&広告部分を赤い線で囲ってみました。)
結構良く出来てるじゃないですか。デザイン的に、赤で囲ったところと、その下の本業部分が割と融和。
しかもですね、さらにすごいのは、この会社の本業のチューブ作成業の方も、インターネット販売が75%だそうな。つまり、本業のコアユーザーにも、着メロサーチが見えちゃうというわけだが、それを強引に融和させてしまっている。(のか?)
以前、他人がスペルミスして出品したオークション品を狙って、正しいスペルで売ることで利ざやを稼ぐ「eBayバカアービトラージ」という話をしたが、こっちの方が人力がかからない分近代的。
なお、これをさらに進化させて
「サイトのURLを間違って入力した人が行きつきがちなURLをゲット、そこに広告をたくさん載せておいて広告料を稼ぐ」
というのを手広くやって、年商$70M、実に100億円となったKevin Hamという人の話が5月号のBusiness2.0に載っていた。このKevin Hamという人、カメルーン政府と話をつけて、カメルーンのサイトに来たトラフィックは全て彼の「広告サイト」にリダイレクトされるようにまでしたとのこと。カメルーンの国コードが.cmで、.comとタイプしようとした人がうっかりoを落とすと、カメルーンに行っちゃうから、と。やりますなぁ。
(なお、こういうタイプミスのドメイン専門で稼ぐ人たちをdomainerといいますが、一時期、ドメインネームを管理するregistrar会社そのものが、自ら管理するURLの中から失効したものを集めてこの商売をしてた、、、という噂も聞いたことがあります。あこぎですなぁ。)
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6 月 19, 2007
Google自販機
先週Googleのキャンパスに行ったら、「有料自販機」を発見。
Googleといえば、建材が全てお菓子のヘンゼルとグレーテルの「お菓子の家」のように食べ物があふれていることで有名。社食は全品無料で、半径150マイルでとれた食材のみを利用。(locally grownというのがアメリカの「正しい食事」のキーワードの一つ。遠くから運搬すると、そのために使われる燃料が地球にやさしくないので。)それ以外にも、様々なおやつや飲み物が共有スペースにふんだんに積んであります。
・・が、しかし、その「おやつや飲み物」の品数が、行く度にだんだん減っています。
持ち帰る人も多く、社員食堂以上にコストがかかっている、ということもあるようですが、それと同時に社員がジャンクフードを食べまくって不健康、という問題もある模様。
そこで登場したのが、「不健康さで値段が決まる、ジャンクフード専用有料自販機」。
「カロリー」「脂肪」「糖分」という三つのファクターそれぞれ単位あたりの値段が決まっており、それを合算して値段が決まる、という仕組み。
たとえば、ビーフジャーキーは10セントなのに、チョコレートチップクッキーの小袋は5ドル近い。板チョコは2ドル弱、と割合リーズナブル。(トランスファットが少ないからでしょうか。)
この値段を見て、
「おお、これがこんなに不健康度が高いのか」
と驚いてもらうという教育的効果はありますね。とはいえ、半分ジョークだと思いますが。(でも本当にお金を入れると買えます。)
Mountain Viewキャンパスの、確か43番ビルの一階なり。Googleに行かれた方は、話の種に見てきて下さい。
あと、木曜は毎週同じビルのあたりでfarmers marketもやってるので、ついでに野菜を買って帰るなんてこともできます。その脇にはビーチバレーコートもあります。
・・・って観光ガイドか?
しかし、今シリコンバレーでもっとも有名な観光地といえばGoogleなので、仕方ありませんかね。大統領候補もみーんなGoogleに演説しに来ます。はい。
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6 月 18, 2007
アメリカの結婚の今
「素敵なお姉さん風高学歴日本女性は婚期が遅れがち」というエントリーでは、思いがけずいろいろコメントいただきました。だから、というわけでも無いのですが、今日は、「アメリカの結婚の現状」について、最近読んだ記事のあれこれ。
1.結婚が人間を経済的に豊かにする
2.今度の大統領は、Bushよりずっと「普通の結婚」をしている人になりそう
3.専業主婦は贅沢な身分
- 1.結婚が人間を経済的に豊かにする
EconomistのThe frayed knot。
以前、「アメリカでは同じような収入の男女が結婚することが一般化し、世帯間の貧富の格差が拡大している」という話を書きましたが、今回のEconomistの記事はそれをさらに進め「結婚そのものが富を作り出す」という話。
Among the elite (excluding film stars), the nuclear family is holding up quite well. Only 4% of the children of mothers with college degrees are born out of wedlock. And the divorce rate among college-educated women has plummeted. Of those who first tied the knot between 1975 and 1979, 29% were divorced within ten years. Among those who first married between 1990 and 1994, only 16.5% were.
At the bottom of the education scale, the picture is reversed. Among high-school dropouts, the divorce rate rose from 38% for those who first married in 1975-79 to 46% for those who first married in 1990-94. Among those with a high school diploma but no college, it rose from 35% to 38%. And these figures are only part of the story. Many mothers avoid divorce by never marrying in the first place. The out-of-wedlock birth rate among women who drop out of high school is 15%. Among African-Americans, it is a staggering 67%.
整理すると、
未婚のまま子供を産む割合
- 大卒の女性:4%
- 高校を卒業しなかった女性:15%
- 黒人女性:67%
90年から94年の間に結婚した人が10年以内に離婚した割合
- 大卒の女性:16.5% (しかも15年前に比べて大幅に減少)
- 高卒の女性:38% (15年前に比べて微増)
- 高校を卒業しなかった女性:46% (15年前に比べて大幅に増加)
ということ。「それで?」と思われるかもしれませんが、結婚している状態をキープしている人たちの方が経済的に圧倒的に豊か。
Those who marry “till death do us part” end up, on average, four times richer than those who never marry.
結婚して、しかもそれを持続させた人は、結婚しなかった人より4倍金持ち、と。
もちろん「それって、単にダブルインカムだからじゃないの?」という疑問は湧きますが、それについても
「同じ条件の人間でも、結婚によって経済的豊かさが増す」
という別の調査結果あり。「結婚により勤勉さが増す」「結婚すると、貯蓄・運用をまじめにするようになる」「片方が病気や失業した際にもう片方がセーフティネットになる」「夫婦間分業により、効率が増す」といった点が指摘されてます。
たとえば
Married men drink less, take fewer drugs and work harder, earning between 10% and 40% more than single men with similar schooling and job histories.
結婚した男性は、同様の学歴と職歴の独身の男性に比べて、10-40%収入が多いと。それ以外にも、様々なデータが出てるので、興味がある人は本文を読んで下さい。
とにかくこの記事のポイントは、
「経済的に成功するタイプの人がたまたま結婚もする」のではなく、「同じような条件の人でも、結婚がさらなる豊かさをもたらす」
ということなのでした。しかも学歴の高さと結婚の安定に正の相関があるよ、ということ。
- 2.今度の大統領は、Bushよりずっと「普通の結婚」をしている人になりそう
New York TimesのFirst-Family Values。今のブッシュ大統領と奥さんのLauraは「二人とも初婚のまま現在に至る、しかもLauraは夫に仕える家事好きで控えめな専業主婦」。何十年か前のテレビ番組ならいざしらず、いまどきこんな夫婦は稀。今出馬している有力大統領候補は、良くも悪くも「今風」のカップルが多く、やっと大統領一家が普通の家族に近くなる、という話。
具体的には、伝統的に保守的価値観で知られる共和党側の候補の多くに離婚歴があり、元ニューヨーク市長のジュリアーニとその奥さんはそれぞれ2-3回離婚済み。
一方の民主党は、ヒラリークリントンはもちろん専業主婦じゃないし、バラックオバマの奥さんは弁護士だし、ジョンエドワーズの奥さんは、選挙活動でダンナより目立つほどの大活躍。
「保守的なカップルは離婚」「民主的カップルは夫婦共働き」という状態なのであるが、いずれにせよ、そういうのが「アメリカの普通の家庭」と。
- 3.専業主婦は贅沢な身分
San Jose MercuryのCelebrate, don't criticize motherhood choicesは「専業主婦」「働く母親」の間のいさかいの話。ま、これは日本でもありますが、多分日本と違うのは、このいさかいに参戦できるのは高所得家庭の妻に限られる、ということ。いわく、
Of course, most women have to earn a salary to pay the bills, so they don't have time to ponder the question.
「殆どの女性は金のために働かなければならないから、専業主婦になるべきかどうか、なんていうことを考えている余裕もない」。
これまた別件ですが、先週の人生相談コラムDear Abbyは「外で働こうとしない妻を持つ、かわいそうな男性」についての相談。
"Joey" is a really nice guy, but his wife is driving him over the edge. She's obsessive-compulsive and, despite their financial problems, refuses to get a job. She says her mother never had to work and she shouldn't either.
金銭問題を抱えているのに働こうとしない妻の理屈は、「私のお母さんは働かなくても良かったから、私だって働く必要はない」と。回答者のAbbyさんは
The economic realities are very different for today's generation of women than they were when Joey's mother-in-law was married.
「母親の世代と経済事情が違うんだから、働こうとしない妻が悪い。」(カウンセリングを受け、それでもダメだったときの離婚準備で弁護士に相談するべし、と続く)。
***
うーむ、かるーく書こうと思ったのに、また長くなってしまった。
要約すると、
「高学歴」→「結婚」→「経済力」→「うまく行ったら専業主婦」
というのがアメリカの傾向である、という話でした。では。
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6 月 14, 2007
Second Life分析シリーズ2:割と年季の入った世界のオタクのコミュニティ
前回に引き続きSecond Life。今日は「一体全体、誰がSecond Lifeを使ってるの?」というテーマ。
結論から言うと、
「Second Lifeは、割と年季の入った世界のオタクのコミュニティ」
現状ユーザーのどれくらいがオタクかはさてはおきつ、「まずはこの手のユーザーに受け、それをバネに一般ユーザーに広げる」、という「二段ロケット型事業拡大」の道を推移している、というのは間違いない。
(ちなみに、オタク=geekです。褒め言葉ですので、お間違えなきよう。)
よく知られることだが、メディアで騒がれてる割には、アクセスしてみると閑散としているSecond Life。
前回も言ったとおり、1CPUあたり20-30人というのが大体のキャパで、1Sim(Second Life内単位エリア)が1CPUで、しかもSimは16エーカーと大きいので当然のことではある。
一応、予め大勢の人が来ることがわかっているイベントがあれば、複数のCPUをクラスター化することでもっと大勢集まることも可能らしい。一方、スクリプトをたくさんくっつけたアバターが集結するとかなり苦しい模様。佐藤さんは「鷹の爪の吉田君にトランペットを持たせて、ひよこが5匹後ろからついている」というアバターらしいが、こういう人がたくさん集結すると困るようだ。
CPUのキャパに近くなると、そのエリアはクローズしてしまい、誰も入れなくなる。
ということで、入れるエリアは閑散とした雰囲気。また、人がそれなりにいたとしても、「見知らぬ人同志が大勢で自然発生的おしゃべりに花を咲かせる」、みたいなことはまずない。(何かのセールスの人が声をかけてくることはありますが。)
じゃ、みんな何してるのか?無料で入れるので、「とりあえず様子見に来ました」という人もフラフラといることはいるのだが、多くが、粛々と3Dオブジェクトを作っているんです。
私の数少ないSecond Life内会話経験でも
1)通りがかりの家のドアを開けたら開いたので中に入った。そしたら中に人がいた。何してるの、と聞いたら
「ダビンチ柄のすりガラスを作っている」
とのこと。「このガラスどう?」と聞かれたので「きれいなんじゃない」と言ったら、「そう」といって会話終了
2)蜂をペット代わりに連れて歩いていたら
「自分で作ったの?」
いや違う、そこでもらった、と説明したら会話終了。
最初の質問が「どこで買ったの」とか「どこでもらったの」じゃなくて、「作ったの?」というところに「みんな自分で何かを作っている」というSecond Life特性が現れているかと。
もちろん、自分の狭い経験だけで判断するのはあまりに独りよがり。しかし、Linden Labの内情に詳しい人も
「アクセスしてるのは、少なくとも2006年前半時点では、変態と3Dグラフィクスを自分で作りたい人が大半だった。」
とのことでした。「変態」は、Second Life内でサイバーセックス行為にいそしむ皆さん。(teledildonicsなんていう単語もある)。ドイツ人のハードコアコミュニティがあるらしい。ただし、3Dオタクでない単なる変態が秘め事にいそしむには、Second Lifeはかなり敷居が高い。「局部」からして、自分で作るか、買ってきて装着するかしなければならない。ということで、「変態」は「3Dオタク」の部分集合であろう。
以上、多くの人がせっせと静かにものづくりに励んでいる、というのが少なくとも1年前までのSecond Lifeの在りようなのであった。
しかし、「3Dオタク」だけで、「登録者数百万人」なんていう規模になるのか?
ここには「英語オンラインビジネスは最初から国際事業になれる」という秘密があるのであった。
今年5月の国別 アクティブユーザーのうち、比率が1%を越す国はこのグラフのようになる。
ちなみに、アクティブユーザーとは、過去1ヶ月に1時間以上ログインした人、というのがLinden Labの定義。これを見ると、アメリカが4分の1しかない。一方、ヨーロッパ諸国を全部足すと48%と半数近い。
(ただしこれは、単純なユーザー数割合。ログインした時間総計での割合をみると、アメリカのユーザーが35%と多くはなる。しかし、ヨーロッパは時間総数でも46%とやはり半数近い。)
ということで、「3Dオタク」という、一国だけで見たらニッチな層でも、世界から集めれば相当数になりえるわけで、設立当初から世界を狙える英語圏の強みがここにある。(他の米国オンライン事業では、「海外ユーザー増加に、海外での広告営業が追いつかず、コストばかり増えて収入が伸びない」という問題を抱えるところすらある。)
***
次にユーザー数の推移を見てみる。
サービス開始当初の2003年9月からの登録者数と有料会員数の推移が下のグラフ。
赤線がアカウント数、緑がユニークユーザー数、黄色が有料会員数。Second Lifeは無料で利用可能だが、登録時にクレジットカード情報を入力する必要がある。これを元に数えたのがユニークユーザー数。一方、一人で複数アカウント持つことも可能で、それが赤線。
黄色の有料会員は、登録者総数と比較すると地を這っていてよくわからないので、有料会員数の推移だけ取り出すと下のグラフのようになる。こちらは、2005年1月からの数字。
ユニークユーザーは、「とにかくこれまでに登録した人全部」という積分値なのに対し、有料会員は毎月の会費を納めている人なので、よりサービス拡大の実態を反映していると言える。一時に比べると伸びは鈍化しているが、それでも、去年の秋口から一気に拡大しているのがわかると思う。
一方、ピーク時の同時アクセスユーザー数は、2005年末が5000人、2006年8月頃で1万人、今年の1月で3万人、最近が4万人程度。大体同時アクセスユーザーの10倍位が正味利用者という推定が業界的にはあるようで、そこから考えると、現在大体40万人くらいが正味ユーザーで、うち9万人が有料会員、という感じ。
話を戻して、世界のオタクを集積させるとどれくらいのサービス規模までいけるのか。
1年前くらいまでは、殆どのユーザーが単なる3Dオタクだったという仮説に基づけば、
- 有料会員2-3万人
- 正味のユーザー10万人
- 積分値登録アバター数100万人
くらいまでは軽くいける、ということになる。私の個人的感覚では、「1年前までは殆どオタク」、というのはかなり控えめな数値で、多分今でも相当数のユーザーがオタクと思われるので、そう考えると有料会員7-8万人、正味ユーザー30万人、積分値アバター500万人くらいまでは、世界のオタクでカバー可能かと。
***
さて、さらに、Second Lifeを利用する3Dオタクの中身であるが、今年の5月時点での年齢別利用者分布はこうなる。青い棒が過去1ヶ月に1時間以上ログインしたアバターの数で見た割合、橙色が利用時間で見た割合。
結構年がいっている人が多い、というのが他のバーチャルワールドと比較したSecond Lifeの特徴である。
45歳以上も10-15%いる。平均年齢は一般エリアが30歳。(これ以外に17歳以下専用のTeenエリアがあって、こちらの平均は15歳。)去年後半あたりでは平均33歳だったので、やや若くなってきてはいるのだが、それにしたって割合年がいっている人が多い。
どうりで、20前後の人がたくさん集まるSNSのようなノリノリ感がないわけです。
***
以上、Second Lifeは、「割と年季の入った世界のオタクのコミュニティ」というのが私の独断を交えた分析であります。少なくとも、その手のコアユーザーであるところまで立ち上がったところで、一般ユーザーも「どれどれ、ちょっと見に行ってみようか」とやってくるまでになった、というのが事業拡大の推移であることは間違いありません。
ちなみに、この手の
「一部のオタク(かっこよく言うとアルファギーク)に受けたゆえにその後一般層に広まる」
っていうのはオンライン系事業の一つの王道ではあります。(この間取り上げたFlickrも同様の拡大パターン。)日本だと、アニメ、アキバなんかがそういうパターンかな。オンラインビジネスではとっさに思いつかないんですが何かありますか??
なお、Second Lifeに関するデータの出典は、Linden Lab発表のSecond Life Key Metrics。こちらでエクセル形式ファイルがダウンロードできます。こういう風にとことん詳細な数字をなだれのように提供されると、謎の分析オタク心が刺激される、というのもあり。世の金融・経済オタク系の人たちが、これまたせっせとSecond Life貨幣経済の分析などしています。この辺も玄人受け戦略の一環なんでしょうね。
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6 月 12, 2007
Second Lifeの収入とビジネスモデル
Second Lifeは3Dバーチャルワールド。誰でも自分のアバターを作って、ワールド内をうろうろできる。うろうろするだけなら無料だ。髪型、肌、洋服、アクセサリーなど、いろいろなものも、Second Lifeの住人が作って売っているが、適当に無料のものを集めて身につけることもできる。
とりあえず私は有料、無料のパーツを取り混ぜて今はこんな姿になっている。
さて、こんなSecond Lifeであるが、果たしてこれ、いくら儲かってるのか。試算してみました。
Linden Labの収入源は次の5つ。
- 会費
土地を所有するには月々9ドル95セント払って有料会員になる必要あり。
- 土地リース
初期費用と月々のメンテナンス代を払うとSecond Life内の土地をリースできる。(リースした人は、細かく区切って一般住宅として貸し出したり、店やアダルトショップ、カジノなどを経営。)
- 貨幣交換手数料
Second Life内の商取引には、Lindenドルという貨幣が必要。で、Linden Labは、LindeXという「米ドルとLindenドルのオークション市場」を運営している。Lindenドルの売り手と買い手が出会う場なわけです。で、通貨交換時には手数料がLinden Labに入る仕組み。Lindenドルを売って米ドルに変える際には3.5%、米ドルでLindenドルを買う際には1回当たり30セント。
- Lindenドル販売
LindeXは変動相場なのだが、大体の相場幅の間でLindenドルを買いたい人の方が多い場合は、Linden Labが直接Lindenドルを売る。(今1USドルは260-270Lindenドル。)
- リアルネーム
本名を名乗りたい場合は、リアルネームを「買う」必要あり。年間利用料を払う。
さて、一方でLinden Labは、Second Lifeの様々な「経済指標」を発表している。土地の大きさ、有料会員数、Second Life内貨幣であるところのLinden Dollarの発行数などなど。有料会員は4月時点で8万3千人。それ以外の細かい数字は、こちらを参照あれ。
これを元に試算すると、この4月時点での収入は6百万ドル弱とあいなります。
誤差はリアルネームと土地メンテナンス料から発生。前者はどれくらいの人が実際使っているか発表されておらず、後者の土地は、無料で有料会員に貸し出している分があるのだが、この試算では、全て有料で貸し出されているものとして計算してある。

土地の初期費用とメンテ代で70%弱。会費が15%で、Lindenドルの売り上げが12%、LindeX手数料が6%。土地が1-2割は無料で貸し出されているとすれば、ここから10%-15%くらい下方修正が入るが、それでも5百万ドルは行ってると思われます。
去年の11月からフォローするとこんな感じ。
噂では、去年の春から夏にかけて100万ドルを達成、昨年末に300万ドル規模の売り上げを見込んでいたらしいので大体こんなもんと思われます。
いずれにせよ、いや、結構売り上げあるじゃない、というのが私の正直な感想。
さて、もっと根本的に、どういうビジネスモデルなのか考えてみる。
7割を占める「土地リース料」は、これは何かと言うと、要はサーバホスティング事業。Linden Labでは、土地単位であるところのSim一つ(16エーカー)当たりCPUを一つあてがって運営している。Simの一形態であるプライベートアイランドを借りるための初期費用1675ドル、以降月々295ドルかかる。1サーバあたり4CPUとして、最初に7000ドル弱、月々約1200ドルで貸し出している、というわけです。
Second Lifeに行くと、閑散としていて驚く。1CPUあたりせいぜい10-30人くらいで技術的にマックスらしいので、仕方ないと言えば仕方ない。Sim一つ16エーカー、6万6千平方メートルあるのに、そこに数十人マックスなわけで。
しかし、閑散としてるのはLinden Lab的にはそれほど痛痒ない。一旦貸してしまったサーバーは、使われない方がメンテナンスが簡単。しかもアクセスしているユーザーが少なければ帯域もあまりいらないので安上がり。
巷では、Second Lifeはスケールしないのではないか、と懸念されている。実際、土地面積から逆算すると、既に9000CPUくらいあるはずで、これで同時アクセスユー ザー数は3-4万人しかいない。つまり1CPUあたり3人くらい、ということになる。World of WarcraftなどのMMORPGの常識からすると、
「なんですか、それ」
という感じなの だが、バーチャルワールドはMMORPGとは根本的に違うんです。いうなれば、Second Lifeは、「借りっ放しであまり利用しないありがたいユーザー」がたくさんいるホスティング事業なのであった。
とはいうものの。
会費を除いたもう一つの収益源、「Lindenドル販売・Lindenドル交換手数料」は、要はマイクロペイメント事業みたいなもの。こちらを伸ばすには、ユーザー同志が活発に商取引をする必要があるわけで、それには賑わいがいる。
なので、あんまり閑散としていると将来こちらの収益が伸び悩む、ということはあります。
<おまけ>
Second Life内のショップ。髪型やら肌やらを売っている。

Second Life内クラブ。こういうところは結構人がいます。みんな派手な格好をしている。私のAvatarはバージョンアップ前で、謎のピンク髪OL風である。
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6 月 11, 2007
素敵なお姉さん風高学歴日本女性は婚期が遅れがち
怠け癖がついたので、ヨタ話で回復。
タイトルどおりの内容である。科学的根拠は無い。単に私の知り合いがそうだから、というそれだけの話。
名門と言われる大学を出てる、アメリカの大学院なんかも行っちゃったり、かつ総合職、的「君はペット」系(古いか?)の女性では、感じがいい人ほどいつまでも独身だ、という話。
性格が悪い、ルックスがイマイチ、ファッションセンス皆無、といった、一般的に悪条件と思われることは殆ど問題にならない。というか、そういう人ほど、さっさと相手を見つけて結婚しがち。傲慢で鼻持ちならないような人でも全くOK。
一方、誰が見てもいい感じで、ちょっとした女性ファッション誌の読者モデル、と言われればそうかなぁと思われるような素敵なお姉さんだったり、人当たりが良くそれなりに社交的だったり、というタイプは危険度が高い。全部兼ね備えるとかなり最強。
いや、別に人間、結婚するしないは本人の自由であって、その気が無いならそれはそれでよいわけで、「危険」というのも変な話なのだが。
しかし、
「私は結婚なんか絶対しないぜ!」
なんていう強いタイプではないことが多いんですな、「素敵なお姉さん」は。というか、そういう強い主張があるタイプは逆に適当な(もしくは適切な)相手が現れてさっさと結婚してしまったりしがち。
ま、この観察、母数がせいぜい数十人と限られているのではあるが、一体なぜであろう、と二つの仮説を考えてみました。
- 製品パッケージ問題
超高学歴、というところで、既に「ニッチマーケット狙い」である。
「そういう女の方がいい」
という男性はそれなりに存在するのだが、そういうニッチ層には実は癖のある性格の方が受ける。一方、「感じの良い人」を好むマスマーケット男性には、「なのに高学歴」というところが問題点となる。ということで、「主婦向けなのにものすごいグラフィクスカードを搭載したラップトップ」みたいな、ターゲットが不明確な製品となってしまう。
- 本人高望み問題
なんといっても本人は「素敵なお姉さん」であるゆえ、若い頃から結構もてる。その上仕事も出来ちゃったりするわけで、
「私の相手は、ハンサムで包容力があって、私のしたいことを好きにさせてくれて、その上仕事もバリバリ出来る人。しかも、私が仕事を辞めても生活水準が維持できるレベルの収入。」
なんていう基準値を当たり前に思ってしまうとか。しかし、最後の収入のとこだけでもかなり厳しい。年齢が高くなればなるほどそう。というわけで、年齢を重ねるにつけ、相手となる層は著しく減少する。
ま、本当のところは不明ですが。
この話を、昔のマッキンゼーのときの同僚の日本人男性にしたら、わりと真剣に考え込んでいた。彼は二人の娘を育てているのだが、娘には「性格良好、おしゃれ、高い教育レベル」を望んでいた模様。一方、彼も自分の知り合いをいろいろ思い出し、この3つを兼ね備えると結婚できないかもリスクが高いということに思い当たったのではないかと思われます。
ということで、
「私、まずいかも」
という素敵なお姉さんのあなた。
今から性格が悪くなるというのも難しいですよね。
そんなあなたには「見合い」をお勧めします。好条件の男性を知っていそうな職場の上司、知り合いの政治家、起業家等に、「いい人紹介してください」と頼んでみましょう。私の周りには、それでうまく行った人が何人かいます。
あ、関係ありませんが、Listen-ITの英語ヒアリング向上ポッドキャストアップしました。今回はZimbraのPresident兼CTOのスピーチです。よろしく。
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6 月 05, 2007
肩こりにリストブレース
最近こんなの使ってます。Royce Medical Exolite Wrist Braceなる代物。ちょっとサイボーグっぽい。
手首が、手の甲を内側にして曲がった状態だとエルゴノミクス上ダメだそうですが、どうしてもそうなっちゃうので。知り合いのプログラマの人は立ってPCを使うことで問題解決したそうですが、ずっと立ち通しというのもイベントコンパニオンみたいでやだな、と。
こんな感じの製品。
バンド状の物で締め付けるタイプも世にはありますが、これは硬いシェルがついているので、締め付けずに手首サポートがあって楽。PCに向かっている間は、いつも右手が氷のように冷たくなってたのが、ちょっと解消されました。
ま、10代、20代の皆さんにはなんのコッチャ、という感じだと思いますが。
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6 月 04, 2007
IPO候補企業を3つほど推定
ちょっと前に、RSSフィード刷新&メルマガ始めました、というエントリーで「GoogleがFeedburnerを買収してくれないだろうか」と書きましたが、ちゃんと買収してくれました。めでたしめでたし。推定価格US$100Mということで小ぶりですが、多分たいした収入はないのでこんなもんでしょうか。
ソーシャルネットワーキングサイトや、ユーザージェネレーテッドコンテンツ系の、広告収益がメインの事業は、先にユーザー数がどーんと伸びますが、大きな収入が得られるようになるまでには時間がかかる。しかし、競争は激しく、いつまで優位が保てるかわからない(FriendsterのようにNo1事業でもダメになることもある)、ということで、今回のように売却というエグジットがありがち。
しかし、IT業界も大手に売却だけがエグジットとなると、製薬業界のようにマッタリしてしまうので、今後1~2年の間にIPOしそうな会社をいくつか推測してみます。
米国SNSでただいまMySpaceに続き2位。ファウンダーはハーバード中退の小僧・・・おっと、お兄さんであります。去年の推定売り上げ4-6千万ドル程度。(週当たり100万ドル~150万ドルの収益、というコメントが何度か取り上げられてます)。2007年には1億ドルになる模様です。韓国のサイワールドがちょっと前に年商1億1000万USドルということなので、妥当な数字かな、と。
ということで、メディアの期待は高まってます。といはいっても、早くて2008年後半以降だとは思いますが。
Facebookは昨年、Yahooからの7億5000万ドルの買収オファーを断った、という経緯もありますがどうなることでしょうか。
Second Lifeの運営会社。ひじょーに複雑怪奇なセカンドライフ経済データを公開してますので、これを元に試算すると、現在月収400-600万ドル。去年の春~夏にかけてやっと月収が100万ドルを越したという噂なので、このペースで伸びれば、今年の収入は7000万ドル超。話題性もあるし、結構いけるかな、と。
同社のSVPもTimesのインタビューに答えて、こんなことを言ってます。
“We’re open to an IPO or a sale, whenever that occurs. But there’s no rush,” Mr Fleck adds.
なんじゃそら、という感じの名前の会社ですが、バーチャルワールドお子様版のHabbo Hotelを運営する北欧の会社。パネルディスカッションでのPresident殿の話しでは、年間売り上げが既に5千万ドルで、毎年2-3倍ずつ伸びているということで、1億ドルも間近。
話題性ではイマイチ負けますが、収益だけ見たらLinden LabよりさらにIPOは近い。
Habboホテル、日本語版もあります。世界19カ国で展開、ユーザーの平均年齢が13歳ということで、何か問題があるとまずいので、220人の常駐監視員がモニターしてるそう。
会社説明のページにあるCEOのアバターはこんなの↓です。キュート。

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6 月 02, 2007
イノシシは2年半で500キロ育つ
11歳の少年に撃ち殺されたアラバマのイノシシですが、な、なんとたった2才半だったとのこと。2004年12月に生後6週間の子豚を買って育てていた人が、先月狩猟場経営者に売って、その4日後に撃ち殺されたと。
Phil Blissitt told The Anniston Star in a story Friday that he bought the 6-week-old pig in December 2004 as a Christmas gift for his wife, Rhonda, and that they sold it after deciding to get rid of all the pigs at their farm.
このイノシシブタを売り渡すシーンとか考えるとすごい。ブーフーウーなどのイメージと違い、彼奴らはすごい獰猛。しかも500キロもあるわけで。これをトレーラーかなんかに乗せて運ぶんでしょうか。命がけかも。そもそも「妻の誕生日プレゼントに子豚をプレゼント」ってのもさすがアラバマ。
・・・ということで、最初の報道に反して、もののけイノブタ君は野生じゃなかったんですな。それにしても、2年半で500キロってどういうこと?いや、ものすごいサイズなんで、まだ見てない方はこのリンク先など見るあるよろし。たまげるぞよ。
ちなみに、狩られた場所は柵で囲った150エーカーの民営狩猟場。150エーカー=60万平方メートル=東京ドーム13個分。私にはこれがハンティングをする場所として大きいんだか小さいんだかよくわかりません。はい。
よくわからんが、いずれにしても「釣堀」の陸上生物版なわけだな。なんとなく、日本とアメリカのスケール感の違いがでてるような。日本の釣堀が、アメリカだと500キロのイノブタ狩猟場になっちゃうという。(念のため言っておきますと、アメリカにも釣堀はあります。湖全部、だったりすることもありますが。)
あと、この間は鯨の親子がサンフランシスコ湾から内陸に150キロ入り込んだが、こちらは距離で言うと日本の軽井沢に鯨が出た、みたいな話。
というわけで、
日本のスケール感:アメリカのスケール感
=サカナ:もののけブタ
=ゴマちゃん:鯨
という感じでしょうか。「スケール感」はまた「大雑把さ」にも通じるし、神は細部に宿るわけでもあるので、別に、だから日本がダメといっているわけではありません。あしからず。












