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1 月 31, 2007

いつもながらアメリカのいい加減なハナシ3

なんでもいい加減なアメリカの素敵なおハナシです。

  • 駐車場料金関係

サンフランシスコの立体駐車場に車を入れた。「午後5時半以降の入庫は一律15ドル」となっている。

私が入庫したのは5時26分。4分早いが、まアメリカ的には誤差の範囲内だから15ドルだ、と確信を持って目的地に向かう。

で、9時半ごろ駐車場に戻ってきて自販機みたいな料金支払い機にチケットを入れたら28ドルだった。納得イカン、と支払いをキャンセル、自販機の隣にある人間がいる窓口で

「たった4分の差なんだから、やっぱり15ドルじゃない?」

とヤンワリ抗議。

すると、窓口のオジサン(といっても私より年下かもしれんがな)は、私のチケットをスタンプマシーンのようなものに通してガチャリと押し、窓口から出てきて料金支払機にチケットを入れた。

表示は「14ドル」。

オジサンは私を振り返ると、

「How about this?」

私が「OK!」というと、にっこり笑って去っていった。

「15ドルにしてくれ」って言ったのに14ドルになった。しかし、How about this?と言うってことは、さらに「もう一声」とか値切れたんでしょうか?

  • スピード違反関係

2-3年に一回のペースでスピード違反で捕まる。そのたびに処理が間違っている。(こんな感じ。)

日本同様、交通セミナーを受講すると点が消える(罰金は払わないとならないが)、という仕組み。そのセミナーを受ける場所がトラフィックスクール。オンラインでも可能。今回はdriversed.comというオンラインスクールを受講したのだが、この学校、最後の筆記テストは、UPSのお店に行って受けないとならない。UPSはまぁクロネコヤマトみたいな感じのもので、その発送受付所があちこちにあるわけです。

で、私的にはいつものことながら、受講期限ぎりぎり最後の土曜にテストを受けに行くことになった。

前日の金曜にdriversed.comのサイトで確認したら、家の近くのUPSでは、土曜の営業時間は5時まで。午前中は用事があるのだが、5時までOKだったら楽勝だ、と鼻歌交じりに当日を迎える。

で、当日2時ちょっと前

「さて、UPSにテストを受けに行くか」

と思い、

「一応もう一回営業時間を確認しとこうかな」

と、今度は、driversed.comではなく、目的地であるUPSのサイトでチェックしたら「土曜の営業時間は2時まで」とある。

私は腰に手を当ててガッシと立ち上がった。

「ヤバイ、間に合わん!!」

一瞬気が動転したのだが、

「おっと、ここはアメリカ、店に電話して確認だ」

と、電話したら

「今日は4時までやってます」

ですと。2時も5時も間違ってます。ま、いいんですが。

ちなみに、この筆記テスト、とってもマニュアル。

UPSの店で申し込むと、店がdriversed.comにファックスを送る。するとdriversed.comからファックスで問題が送られてきて、それを店の片隅で解く。終わったら店の人に答案用紙を渡すと、それがまたdriversed.comにファックスされ、しばらくすると採点した紙がファックスで送られてくる・・・・という「スーパーマニュアル・リモートシステム」。

思い出すのは、90年代半ばにシリコンバレーで行われていた「ビデオ・オン・デマンド」のトライアル。これ、ユーザーからのリクエストが来ると、ハッシとビデオを棚から出してきてそれをガチャリとプレーヤーにいれ、それをケーブル経由ユーザーに送る、という大変高度な仕組みでした。

そういえば、90年代前半の三菱商事も同じような仕組みがあった。営業部門が、一定期間以前の取引データをコンピュータ端末からリクエストするとしばらくしてデータが表示される。これは実は、リモートサイトにあるデータセンター(当時はホストセンターと呼んだが)に2人のお兄さんが中腰でスタンバイしてて、リクエストが画面に表示されると、ダダダダっと棚に走って行き、指定のデータが入っているテープを取り出し、またダダダダっと走って戻ってきてテープリーダー(っていうのかな)にセットするのである。(実際走ってるお兄さんを見ました、私。)

ま、結果よければ全てよし、だ。全自動化ばかりが効率化ではないわけで。

(ご参考↓)

いつもながらアメリカのいい加減なハナシ
いつもながらアメリカのいい加減なハナシ2

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1 月 30, 2007

窓の外に来る鳥さんたちを淡々と記録するよ

我が家の怪猫ムスビがちょっと具合が悪かったので、夜になってから動物病院に連れて行ったら、2時間近く待たせられてしまいぐったりしたので、今日の夕飯はマクドナルドであった。

というわけで、今日は私の仕事場の写真です。

My desk3
こんな感じで仕事しています。

窓の外には数多の鳥やリスがやってくる。あまりにたくさん来るので、以前どなたかのブログで見た
「食べたものを淡々と記録するよ」(だったかな?正式なタイトルは忘れました)
という、食事内容の写真記録に倣って、
「窓の外に来る鳥さんたちを淡々と記録するよ」
ってのをやろうかと、カメラを机の上においてあるのだが、鳥って意外にジッとしていないので、結構難しいんですなぁ、これが。常に逆光ぎみというのも苦しい。

がんばって撮ったのがこれ↓ かなりお気に入りの鳥。手持ちのField Guide to the Birds of North Americaによれば、Ceder Waxwingという種類ではないかと思います。(違ってたら教えてください。)ベリー類、虫、花びらを食べるとのこと。

Bird

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1 月 28, 2007

ホームコンサート行ってきました

本日はご近所のホームコンサートにお呼ばれ。ピアノはアツコ・D'Amourさん。バイオリンは新日本フィルハーモニーの塩澤菜美さん。菜美さんはただいまサバティカルでシリコンバレー在住。(4月からは新日本フィルに復帰。)危なげなくお上手です。(当たり前ですが。)

ベートーベンのバイオリンソナタ「春」、ブラームスのバイオリンソナタ第二番(難!)の演奏の後は、ピアニスト交替、フルートも入って、バッハ。室内楽を室内で聴くのはいいですなぁ。。

Concert at D'amour's

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1 月 23, 2007

アメリカ版きれい好き

本日の新聞人生相談Dear Abbyより。

I grew up with a mother who was a neat freak. We kids had to clean the house every day, even when the weekly cleaning lady came. Our pets were imprisoned in the basement. We were allowed to bathe only once a week so the bathroom would be scum-free. If a book or a coat was left on the sofa for a minute, we were spanked.

赤字に注目。「母親が常軌を逸したきれい好きで風呂場が汚れることを嫌ったため、我々子供たちは一週間に一回しかお風呂に入ることができなかった。」

うーむ、やりますなぁ。子供は汚くてもOKだが、家はピカピカであって欲しい、と。こういう人の話、時々耳にします。「台所が汚れるのがいやだから料理しない」とか。家は人を招く舞台ゆえ、モデルルームのようにしておきたい人たち。(一般的にはアメリカ人は毎日シャワー、という感じ。)

「常軌を逸したきれい好き」という意味のneat freakは、割とよく使う表現。逆に、何でも溜め込み、家がゴミだめのようになる人はpack ratといいます。はい。

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1 月 22, 2007

英語の小ネタ:humanizeとwomanize

humanizeという単語がある。「人間味を持たせる」みたいな意味。

The effort to "humanize" Clinton(中略)was in full swing just two days into her presidential campaign.

「大統領選へ向けての選挙運動が始まってまだ二日だが、(ヒラリー)クリントンに人間味を持たせるための努力はフル稼働中だ。」今日のWashington Postの記事より。

「硫黄島からの手紙」は日本人をhumanizeした、と言う感じで使われる。「顔の見えない敵」から「心を持った人間くさい人間」に日本人像を変えた、と。

ま、「humanにする」という単語であるからして、当然といえば当然の意味。

では「womanにする」というwomanizeはどういう意味か。

こちらは、「女をたらしこむ」みたいな意味なんですな。動詞としてより、womanizer(womanizeする人)という名詞で使われることが多い。

New York Magazineに、Womanizerという展示会の記事がある。その写真を見れば、womanizerがどういう意味か一目瞭然。(2人の肌も露な女性にキスされている男性の写真です。)一番近い日本語は「女たらし」でしょう。

というわけで、humanizeは「humanにする」という意味なのに、womanizeは「womanにする」という意味ではないのでした。用法的には、強いて言えば、日本語の「お茶する」みたいな感じでしょうか。

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1 月 20, 2007

不二家の期限切れ牛乳利用問題

最近、不潔に強い人間になるという強い覚悟という以前書いたエントリーへのアクセスが多い。不二家が期限切れ牛乳を使っていたという不祥事に絡んで、磯崎さんが不二家と内部統制と「クジャク化」する社会というエントリーで取り上げていただいたからでしょう。それ以外にも何人かの方がリンクしてくださってます。(リンクしてくださったみなさーん、Trackbackもどうぞ~)

私の元のエントリーの内容はこんな出だし↓。

私の人生のメジャーなゴールは「冒険に満ちた自由な人生を送る」ことである。
このゴールをサポートするマイナーなゴールが
「不潔に強くなる」
ということだ。

ブログ界的には、「会社が倒産するのでは」というほど不二家が叩かれるのは、犯した罪に比べて罰が重すぎでは?という疑念もあるようなのに加え、そもそも日本人の清潔好きは行き過ぎてないか?という疑念を持つ人もいて、それで私のエントリーへの参照がされてる模様。

本事件に関するうちのダンナのコメントは

「期限切れ牛乳で問題になった会社、前もあったよね。日本では、そんなに牛乳って高級品なわけ?」

アメリカンなダンナ的には「なんで、期限切れの牛乳を使うなんていう面倒なことを組織だってわざわざやるのかわからん」ということらしい。

ま、確かにアメリカの牛乳は安い。Safeway.comで確認するとWhole Milk(ローファットじゃない普通の牛乳)は、1ガロン2ドル25セント。リッターあたりに直すと約70円。(オーガニックだとリッターあたり210円ですが。)

牛乳が高い日本ではあるが、しかし、(ちょっとだけ)期限切れの牛乳をあえて使うことで一体どれくらいコストが浮いたのか?プリンの期限を1日長くすることで、いくら余計に儲かったのか?ものすごい額だったら、それはそれで

「お菓子版エンロン」

という感じの壮大な悪意を感じるが、超みみっちい金額の話だったら切ない。「がんばってコスト削減する」という現場のオジサンたちの「がんばり」がトンでもない方向に行ってしまったのだろうか?

"The road to hell is paved with good intentions"という英語の諺がある。直訳すると「地獄への道は善意で舗装されている」。「良かれと思ってがんばり続けることが最悪の事態を呼ぶ」とでもいいますか。

私個人としては、1日やそこら期限切れだろうが、なんとも思わないが、しかし食品会社としては非常にまずいと思う。「問題が会社ぐるみではなかった」というのが本当なら、内部の問題を発見できない社内体制の問題だし、発覚後もみ消そうとしたのが本当なら「嘘をついた」という一点において企業としてダメ。何事も一時が万事。ちょっとだけのつもりだった妥協が段々と積み重なって、取り返しの付かない事故につながるわけで。嘘は泥棒の始まり。

「日本の基準が厳しすぎ、求める清潔水準が高すぎる」
という意見もあるが、それはそれでいいんじゃないか、と思う。厳しい環境の中からこそ、非常に優れたモノが誕生することは多々ある。日本の基準が厳しいのは、日本の食品メーカーの競争力を強めこそすれ、弱めてはいないだろう。

(ちなみに、アメリカの会社ではあるがマクドナルドの清潔さの管理体制はすごい。殆どサイエンスであった。私が知ってるのは20年前の話ですが。)

とはいうものの、不二家問題が会社が倒産するほどのものか、といわれると、それはさすがにやっぱり行き過ぎだと思う。

というわけで、こういうときにこそ、どかーんと不二家に金を貸し出す、みたいなファンドがでてくるとかっこいい。転換社債でも優先株でも、金融スキームを駆使して、ハイリスクハイリターンな融資(でも出資でも、そのハイブリッドでも)。そして、不二家はその金を元に、心を入れ替えて会社を立て直す。(一回大きな痛手を蒙った会社ほど、その後非常によくなることは結構ある。)最悪、不二家がさらに傾いたら、乗っ取って、分割して事業を切り売り。不二家はかわいそうだが、元々自らの不祥事が招いたことゆえ、仕方あるまい。

既に、日本のprivate equityの皆さんは奔走してるのかもしれませんね。

(オマケ:以前書いた不潔関係エントリーには、フケツ道のその後というのもあります。)

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1 月 18, 2007

携帯カメラで犯罪現場の写真を撮って通報できるようになるらしい

ニューヨークで、ですが。Bloomberg市長が発表したそうな。今後数年かけてシステムを導入するらしい。

犯罪現場の写真を撮って、それを911(日本の110番です)に送る、または市のサイトに送る、という手はずになるそうだ。ものすごい写真が殺到しそう。(ニューヨークの犯罪は劇的に低下しているらしいが、でもやっぱりニューヨークだし。)

民間では、これまでも「他人の悪行を見た人がそれを通報するサイト」はいくつもあった。ひどい運転をしてる人、とんでもないナニー、駐車違反、などなど、いろいろなことを匿名で通報できる。

Wall Street JournalのSnoop Next Doorには、いろいろ例が出ています。(めずらしく無料記事)

There is a proliferation of new sites dedicated to condemning offenses ranging from bad parking (Caughtya.org) and leering (HollaBackNYC.com) to littering (LitterButt.com) and general bad behavior (RudePeople.com). One site documents locations where people have failed to pick up after their dogs. Capturing newspaper-stealing neighbors on video is also an emerging genre.

ここに出ている「ニューヨークの嫌なヤツ通報サイト」、HollabackNYC.comは、携帯で写真を撮って送るもの。

しかし、
「中傷目的で嘘を書いて送る」
という人が出て、写真を露出された側から訴えられたらどうするんでしょうね。

訴訟大国アメリカではあるが、リスクテーカー・アメリカンでもあるので、まずはやってみる、とそういうことでしょうか。

実際記事には、根拠なく「運転マナーが悪い」と投稿され、しかも携帯電話などの個人情報も全部さらされて腹が立った、という人の証言も。

また、Yahoo!本社の駐車場で、車の停め方が悪いとFlickrにycantparkというタグで写真を載せられてしまうそうな。(実際どんな写真が載っているかはこちらのFlickrページを見るあるよろし。)

"I don't want to have my car posted up there so I definitely think twice about how I park," says Yahoo spokeswoman Heidi Burgett.

「自分の車の写真がアップされたらイヤだから駐車するときは気をつける」という社員のコメントもあって、結構抑止力になってます。(日本だったら、サイドミラーを倒さないだけで大騒ぎだが、こちらの人は線をまたがって停めたり、ほんといい加減。わざわざ二台分にまたがって停めるとんでもない人もいる。)

話を戻して、ニューヨーク市の「911通報で携帯の写真が送れる」、というのは、一般に写真がさらされるわけでもないので、かなり有効な手ではなかろうか。

ちなみに、日本では、
「救急車をタクシー代わりに呼ぶ」
というのが問題になっているようだが、これも
「のたうちまわって苦しむ病人の写真を送らないと救急車がこない」
というようにするのはいかがでしょう。アメリカでは、救急車は有料かつとんでもなく高額(現行相場はよく知らないが500ドルは下らないと思います)なので、タクシー代わりに呼ぶ人はあんまりいませんが。

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1 月 17, 2007

ビジネスを買って起業する

New York TimesのWhen Buyinga Diamond With a Mouse。(有料です・・。登録すれば14日間無料トライアル可能。)Blue Nileというオンライン宝石店のお話。

Blue Nileについては2003年に「来年のbig IPO候補」というエントリーで書いたが、その後2004年に順調にIPOし、2005年の売上が2億ドル超。メイン商品は婚約指輪。前に書いたエントリー(のコメントに私が書いたこと)を抜粋すると

アメリカでは、婚約指輪は男性が一人思い悩んで決意して買って、心臓バクバクで「結婚してください」と言って渡す、という昔ながらのプロポーズがま だ主流。買う側の男性は、知人・友人を頼りにすることが多い。それでも、宝石屋に入るのは恥ずかしいし怖いし、信頼できるオンラインショップは強い味方。

Blue NileのCEOのMark Vadonは、私の大学院のクラスメート。Markは、大学院の前はコンサルティング会社のBainで働いていたが、大学院に通う間もパートタイムで Bainの仕事をしていた。ので、最低限しか学校に来なかった(と記憶している)。で、卒業後もBainに戻るがすぐにBlue Nileを起業、現在に至 る・・というのは知っていたが、その起業の経緯が詳しく載ってたのがNew York Timesの記事。

いわく

Mr. Vadon stumbled on Mr. Williams's site after a frustrating visit to the Tiffany's in San Francisco, where he had gone in search of an engagement ring. This was late in 1998, and Mr. Vadon, a recent M.B.A. graduate from Stanford, was a well-paid management consultant at Bain & Company.

Yet as he tells it, the sales clerks initially ignored him, presumably because he was dressed in a T-shirt, shorts and Birkenstocks. He felt still more exasperated once one of their lot deigned to wait on him and was not much help. ''He said, 'Buy the one that speaks to you,' '' Mr. Vadon said. ''And I'm thinking, 'This is absolutely nuts.' ''

Tiffanyに婚約指輪を買いに行ったら冷たくあしらわれ、さらに店員に

「心に訴えかけてくるような指輪を選んだら」

という意味不明なアドバイスをされムカツいた、と。そりゃそうだ。指輪のよしあしがわかるアメリカ人の男はまず100人に1人もいないでしょう。(しかも、彼がTiffanyで検討した指輪は1万2千ドルと1万7千ドル、と記事にはある。この値段のモノを買おうとして冷たくあしらわれたら怒りを感じる、確かに。)

ちなみに、私の愛する新聞の人生相談、Dear Abbyによりますと、「婚約指輪は女性と一緒に買いに行くもの、なぜなら女が気に入るようなデザインを男は選べないから」とありましたが、うーん、東海岸ではそうなのか?でも、Sex and the Cityでは、主人公の女性が、彼氏が買った婚約指輪を盗み見て、そのあまりの醜悪なデザインに眩暈がする、というエピソードがあったし。私の周りでも、Mark同様、男が決意して買ってるケースが多いです。(ちなみに、うちのダンナは、石だけ買って仮の指輪に仮止めしたのをくれた。その後私がデザインを選んだ。この辺が落としどころかな。)

話をBlue Nileに戻すと、Tiffanyの最悪の経験のあと、Markはオンラインでリサーチ、シアトルにあるオンラインショップから6000ドルの指輪を買う。

By chance, Mr. Vadon was in Seattle on business a few weeks after he bought his engagement ring, and he stopped at Mr. Williams's store. When Mr. Vadon offered that he had probably been a very good customer, Mr. Williams told him not really: he sold one or two diamonds a day online, and at just under $6,000, Mr. Vadon's purchase was more or less an average sale.

購入から数週間後、たまたまシアトル出張の機会があったので、オンラインショップをやっている店に出向いて、
「6000ドルもする指輪買う人ってあんまりいないのでは」と聞いたところ、「いや、それくらいが平均単価で、毎日1つか2つ売れてる」という返事。

Standing inside Mr. Williams's modest, two-employee store near the Seattle airport, Mr. Vadon did a quick calculation in his head. At that point he may have known little about diamonds, but he recognized that an Internet site that cleared $250,000 a month in revenue despite no advertising budget and a bare-bones design could be extremely valuable. So at dinner that night, he offered Mr. Williams $5 million, which he did not have, for an 85 percent stake in his company -- a deal penciled on a napkin and contingent on his raising the money.

ということは。月あたり売り上げが25万ドル。広告宣伝ゼロ、サイトは最低限の機能のみ。(しかもこれ、1998年のお話。)「これはすごい」と思ったMarkは、その夜、ショップオーナーと食事をし、その場で

「会社の85%を5百万ドルで買う」

とオファー。ただし、5百万ドルはこれから集めてくる、と。言葉どおり、ベンチャーキャピタルから6百万ドル集めて会社を買い、1999年にBlue Nileと改名、現在に至る。

というわけで、「会社を買って起業する」。

これ、ビジネススクールのアントレプレナーシップを教えていたGrousbeck教授がかなり強調してました。いわく、

「アイデアなどなくてもアントレプレナーになれる。ビジネスを買えばよいのだ」

と。「サーチファンド」という、会社を買うための資金調達方法も彼のご推奨。「何を買うかわからないけど、私が買って経営します」という「会社買収プラン」だけを元に、お金を出してくれるところを探してファンドを作る。その上で買う対象の会社を探しましょう、と。当時は「テキサスの石油富豪とかに頼むといいです」てなことを言っていたが、private equityもventure capitalも豊富にある昨今は、その手の投資家から集める方が楽そう。それに、買収対象が決まってから資金調達する方が説得しやすそうでもある。ま、どういう業界をターゲットにするかにもよるとは思いますが。

Grousbeck本人は、ハーバードのビジネススクールを出て20代でケーブルテレビの会社を始めて一山当てて楽隠居的教授業をやっている人。楽隠居といっても本格的で、最初ハーバードで教えていて、その後引き抜かれてスタンフォードにやってきた。その教えの一つが

「『誰かに指示されるのではなく自分のために働きたい。だからアントレプレナーになりたい』という願望も十分立派なアントレプレナーシップの種」

ということ。「すばらしいアイデアを持ち、それを実現するために起業する」というばかりがアントレプレナーではない、と。

Markはそれを実現したわけですね。

余談ながら、9/11のあと、うちのダンナが仕事でBlue Nileに行ってMarkやら、CTOの人やらに会ってきたのだが、その時

「9/11以降婚約指輪の売上がものすごく伸びた」

と聞いたそうな。9/11というクライシスを見て、「愛する人と過ごせる時は限られているかもしれない。早く結婚しよう」といった人が、当時は全国的に非常に増えたのでした。

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1 月 15, 2007

JTPAツアー&セカンドライフ

JTPAシリコンバレーツアーの参加者20名が決定。今回はたくさん応募頂き6倍という狭き門でした。(JTPAは私が関わっているNPOです。)

「ツアーがどれくらい参加者の方の将来にどれくらいインパクトを与えるか」
「ツアーに参加し た結果として参加者の方が将来シリコンバレーで働くことになる可能性がどれくらいあるか」
「他の参加者とのバックグランドの違いはあるか(参加者全体のバラ エティーを増すか)」
といった観点も考慮しての選択で、「上から順に20人」という訳ではありません。選に漏れた方ゴメンナサイ。

なお、JTPAでは毎月何ら かのセミナー等の会を催しています。どなたでも参加OKですので、今回選に漏れた方も、スケジュールの都合がつかなかった方も、シリコンバレーに立ち寄ることがあれば、いつでも参加ください。

また、ニュースレター編集会議(実態は雑談会に限りなく近い)でも、スカイプ参加を試験的に受け付け始めました。

今月のスカイプ参加は定員に達してしまったのですが、こちらも毎月やりますのでよろしかったらどうぞ。

さらに、

「ギークサロン@Second Life」

も近いうちに実施したいと思っています。集合場所はSecond Life上のどこか、ですので、インターネット接続があればどこからでも参加可能ですので、こちらも是非。(Second Lifeは会員数260万人の仮想空間です。)

JTPAが開催するイベントの全ての告知は、JTPAのサイトおよびメーリングリストで行います。メーリングリストは、こちらの申し込みページから登録ください。こちらもどなたでも可。

ちなみに、SecondLife、アカウント設定してトライしてみましたが、

  • 着替えの仕方がわからなくて、しばし裸でうろうろすることになった(最初はデフォルトパターンの中から服装を選べるが、「こんなのやだ」と脱いでしまったら、新たに着る方法がわからなくなった)
  • わけわからんアダルト系サービスの営業のお姉さんがティンカーベルみたいに空から飛んできた
  • 購入した分譲住宅の中にこもって「ダビンチ柄のすりガラス」のスクリプトを書いてる人の家に乱入

といった謎の体験。しかし、バーチャルワールドで、家を買ってそこにこもってるって、かなりシュールだなぁ、、、でも私もやってみたいような気もする、、、でもめんどくさい、そうだ、ダンナにやらせてみよう!と
「Second Lifeで2人で家を建てよう!」
と提案したところ、
「リアルライフの家でおなか一杯」
とのことでした。そりゃそうだ。

が、しかし、JTPAでは「セカンドライフ支社」を設立するかも。ミーティング、イベントはセカンドライフでも開催、とか。「支社建設は面倒だから何もない荒野で立話」、なんてことになるかもしれませんが。

↓Second Life内クラブで踊るワタシ。意味不明。

Dancing in Second Life

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1 月 09, 2007

ミーアキャットのペンギン化

この冬は「ペンギン」ブーム。2005年夏につらく悲しい南極大陸の皇帝ペンギン・ドキュメンタリー、March of the Penguinsが人気になり、その余波でクリスマスをターゲットにペンギン映画がいくつも登場、ペンギン君がタップダンスをするHappy Feetは大人気だった模様。

して、ペンギンの後釜候補が「ミーアキャット」なのである。「Meerkat Manor」というテレビ番組がマイナーながら地味にヒットしたお陰と推測されます。ちなみに、Meerkat Manor、日本でもミーアキャットの世界、というタイトルで放映してるようですね。

ミーアキャットの魅力は昼のメロドラマ顔負けのドロドロの人間関係・・じゃない、ミーアキャット関係です。

前もエントリーで書いたが、Meerkat Manorを魅入られるように見てしまった私。以前書いたものから抜粋すると

カラハリ砂漠に住むミーアキャットの生活を、ドラマ仕立てで追うドキュメンタリー。ケンブリッジ大学が過去10年間研究してきた一家の物語。全員名前がついていて、
「ああ、シェークスピア、死んでしまったのか?」
とか
「群れから追放されたかわいそうなトスカ」
とか感情移入して見てしまいます。10年分の知識の蓄積もあって面白い

というのが概要。して、その「面白い」ところがミーアキャットの社会の成り立ちとその厳しい掟であります。

Meerkat Manorの主役は、ケンブリッジ大学が10年間研究してきたWhiskersという群れ。Whiskersの暮らしから見るミーアキャットの社会は・・・・

  • 10-40匹位の群れで生活。群れの縄張りは数キロにおよび、そこには数百、数千の隠れ家がある。(数字は記憶に頼っているのでいい加減です。)
  • 砂漠の暮らしは集団でなければ生き残れない。凍える夜は縦横無尽に張り巡らされた穴の中で重なり合って暖を取る。夜の間に入り口には砂漠の砂が積もるので、朝一番に群れ全員で砂をかき出さないと埋もれてしまう。
  • エサ集めでも集団であることが重要。エサとなる昆虫は地面を深く掘らないと見つからないが、地面に頭を突っ込んで一心不乱に掘っている間は注意がおろそかになる。ここで天敵の鷹やフクロウに襲われたらひとたまりもない。そこで、みんなが穴掘りをしている間、一匹が見張りに立つ。(これがおなじみの二本足ポーズ)。見張りは天敵が近づいてきたら大きな声で注意を喚起、群れは一斉に近くの隠れ家に逃げる。でないと食べられてしまう。
  • 乾季のエサ事情は厳しいこともあり、縄張りを接する他の群れとの戦いは激しい。全面戦争で殺しあうこともあれば、相手の群れがエサ探しに行っている間に住家の穴に乱入、まだエサを探しにいけないような生まれたばかりのベビーを見つけると引きずり出して殺す。

こういう、厳しい環境では、集団社会の掟も厳しい。

  • リーダーは、群れの中で唯一子供を生む権利を持つメス。そのメスとH権を持つオスは、これまた一匹のみ。このオスがサブリーダー。それ以外は、基本的にこのツガイの子孫。
  • Whiskersのリーダー、Flowerのパートナーは元々はYoussarianだった。しかし、その後Youssarianの兄弟のZaphodがパートナーになる。(うぉぉ、昼メロだ。)しかし、大事な妻を取られてしまったYoussarianも群れに残っており、FlowerとZaphodの子供の子守などしている。
  • FlowerとZaphod以外のペアが子作りをすることはない。
    (なぜないのかは不明。常に群れ全員にZaphodが「匂い付け」をしているので、同じ匂いのペアでは交尾しない、とかではないかと疑っているのですが。同じ匂いがすると発情しない、という仕組みとか???うう、もっと知りたい)
  • リーダー以外のメスも、時々よその群れのオスと、リーダーの目を盗んで隠れデート。結果として妊娠することもある。
  • リーダー以外のメスが妊娠すると、群れを追放されることが多い。ところが時々なぜか許されて子供を生む。ここで、リーダーが生まれた子供を全員殺してしまうこともある。(つまり、孫殺し。)しかし、そのまま群れでちゃんと育てることもある。
  • 一方、リーダー以外のメスが妊娠中に、リーダーに子供が生まれると、妊娠中のメスがリーダーの子供を皆殺しにすることもある。(つまり、兄弟殺し)。リーダーの子供がいなくなれば、自分の子供が殺される確率が下がるから、らしい。(しかし、子供を殺されたリーダーとの関係がどうなるかは不明。)
  • オスがサブリーダーになるには、他の群れのリーダー・メスとHをし、そのままその群れに居つく、というのが一番王道、らしい。しかし、「他の群れ」は常に相互殺戮を繰り返す敵なので命がけ。
  • 群れを追放されたメスと、単独行動中のオスがたまたま出会えば一夜の関係となることも。しかし、次の日オスはメスを置いて出て行ってしまう。一人ぼっちのメスと暮らしても生き残れないから。オスは、他の群れのリーダー・メス狙い、という高望み一筋。

「らしい」とか「知りたい」というのは、私がテレビを見た範囲ではわからなかったこと。もっと深く知りたい、とミーアキャットの生態を書いた本を探しているが、見つからない。ご存知の方がいたら教えてください。

というわけで、
「人間社会ならではの入り組んだ関係」
だと思ってきたことが、なーんと小さなミーアキャットの世界で起こる。シェークスピアも顔負けではありませんか。。さらに「いじめ」の起源を髣髴とさせる事件も番組では起こるのだが、続きはまたの機会に・・・。

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