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8 月 31, 2006
アメリカにフリーランスが多い理由
昨日書いたとおり、シリコンバレーにはフリーランスの人がたくさんいる。アメリカ全体ではさすがにシリコンバレーほど多くはないが、でもやっぱりいる。
なんでフリーの人が多いのか、、、というのにはいろいろ理由があるが、そのうちの一つが「能力の個人差が大きい」ということ。会社に頼んでも、来る担当者によってデキが全く違うことが多い。それくらいだったら、最初から頼りになる個人に頼んだ方がよいである、ということがある。
どれくらい個人差があるかのよい例が、今朝のSan Jose MercuryのActionLineコラムに載っていた。このコラムは、Dennisというおじさん記者が、読者の困った事態を解決してくれる、というありがたいもの。シリコンバレー在住の人は知っておくと役に立つかも。様々な故障やサービス不備についてのトラブルを actionline@mercurynews.comにメールすると、読者に代わって企業や役所にかけあってくれるというスバラシイもの。
今日の読者からのレターは、苦情というより他の人たちへの注意事項。いわく、
1)DirecTVがアップグレードしろ、と言ってくるが、うかつにアップグレードすると、設置にやってくる担当者のレベルが低くてトラブルは必死(→必至;-p)なので気をつけよう。↓
The subcontractor's technicians are trained to install only a simple upgrade, and haven't a clue how to upgrade any kind of customized system, resulting in at least three hours of utter frustration while the technician tried to figure out how to even get sound to our TV, let alone how to change channels.
Incidentally, our original installers told us they receive at least one call a day with the same complaint.
2)同じく衛星放送のDish Networkを取り付けたが、何度工事の人がきても、そのときは一旦映るがすぐにダメになってしまう。4ヶ月の間に6人がやってきて、あれこれ直していったがダメ。最後に「これでダメだったらサービスキャンセルするぞ」と言ったら、Johnという人がやってきて「トラブルは家の中のケーブルが劣化してるせい。ケーブルを全部交換すれば直る」ということで、ケーブルを全交換。それでぴたりとトラブルは収まった。ありがとうJohn。↓
That is when they sent a wonderful technician, John, on the hottest Sunday this summer.
John reiterated what the other technicians had told me: that my 14-year-old house had ``old cabling'' that was not compatible with their dish. He asked if I'd let him run new cables.
Since I was desperate, I let him do it, albeit with little hope.
But lo and behold, I haven't had any problem for more than a month!
I want to thank Dish Network for taking care of my problem and John in particular for doing the hard work on a hot day.
私だったら、「はじめからJohnをよこせ」と怒りを感じるところであるが、「Dish Networkありがとう」とは良い人であるなぁ。
というわけで、どっかの電気会社に頼むより、Johnさん個人にお願いしたい、と思うのも道理。。。なのでした。
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8 月 30, 2006
アメリカ人の4人に1人が刺青、シリコンバレーの5人に1人がフリーランス
18~50歳のアメリカ人の24%が刺青をしているとのこと。18~29歳だと36%も。
一方、シリコンバレーでフリーランスで働く人は総就業人口の15-30%。(The New American Workplaceより)。完全にフリーという人もいれば、会社で働きながらサイドビジネスとして受託仕事をする人もいる。そういう人の合計。フリーって何だよ、という人は以前の私のエントリーの世界をまたにかけるプログラマ、タホで過ごすメディカルコンサルタントなどご参考あれ。昔住んでた家の隣の家の夫婦も、お向かいの夫婦も、全員フリーランスだったから、言われればそうかなぁーという感じだが、それにしても4-7人に一人というのは多いですな。
どっちの統計に驚きます?
(訂正→タイトルが「シリコンバレーの3人に1人が」となっていたのを「5人に1人」に訂正しました。半分寝ながら書いたため、本文とタイトルの数字が乖離していた。うーん、数字に弱いのぉ。)
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8 月 29, 2006
トマトが好きなので庭でトマトを作るの巻
トマトが好きである。なので、庭でトマトを作っている。夏は雨が降らず乾燥、日差しが強烈ながらそれほど暑くない、という当地の気候はトマトにとって最適らしく、うまくいくと、なーんと高さ2メートル近くなるらしい。ジャックと豆の木か。
また、「逆さトマト」という育て方も流行っている模様。トマトはびっしり実がつくと枝がたわんでしまったりするので、逆転の発想で、高いところにぶら下げた鉢の底の穴から逆さにトマトを育てるのでした。(コレを試した新聞記者の報告によると、鉢をぶら下げた、家の軒(ノキ)がたわんだそうです。気をつけよう。)
えー、私は今年初めてトマトに挑戦。いまいち日照時間が少ない場所を選んでしまった、植える前に土の整備を怠った、といった理由によりこじんまり50センチほどにしか育たなかったけれど、一応3本大きくなった。フルーツトマトはなぜか皮が硬くなってしまうが、普通のトマトは美味です。アメリカでは(少なくともカリフォルニアでは)heirloom tomatoなる高級トマトが人気。その苗を植えた・・・と思ってたけど、なるのは普通のトマトばかりなり・・・。まぁおいしいからいいけど。
←heirloom tomato。いろんな種類があり、緑と深緑のシマシマというスイカみたいなのもある。巨大でごつごつしており、しっかり古風な味がする。単にスライスしてちょっとドレッシングをかけるだけでご馳走風になります。
さて、私の愛する簡単トマト料理の数々。
1.フレッシュサルサ
トマトとたまねぎを大きめにみじん切り。SerranoとかJalapenoなど唐辛子(っていうのか?)もみじん切り。チラントロ(香菜)をざくざくと大雑把に刻んで全部まぜまぜしてライムを絞り、塩を多めに振っておしまい。サルサというとしばらく寝かせてマリネ状になってるイメージがあるけど、メキシコでは、「いま混ぜたばっかりです」みたいなサクサク感があるものがよく出てきました。材料も、トマト、たまねぎ、ハラペーニョ、チラントロ、塩だけ、というシンプルなのが多かったでございます。
2.トマトとにんにくのサラダ
トマトを一口大に切る。にんにくはみじん切り。ボールで混ぜてオリーブオイルと塩をかけて冷蔵庫へ。しんなりしたら、バジルの葉を適当に手でちぎったものをまぜる。「きりっと冷えた白ワインによくあうよ」と、お友達のアキさんに教えてもらったレシピで、本当はさらにモッツァレラチーズを混ぜるのだが、私はトマトとにんにくだけでがつがつと食べております。
3.焼きトマト
トマトを半分に切りフライパンで焼く。おしまい。
***
ちなみに、バジルは、Trader Joe'sで$2.99で売ってる鉢植えのを買ってくると、思い立ったが吉日でいつでも簡単に新鮮な葉っぱを利用可能。水さえやっていればひと夏持つ。家で育てない場合、バジルの葉は、スーパーでパックで売ってるのを買ってくることになるが、これがやたらに多い。1ドルとか2ドルと非常に安いのだが、馬に食べさせるほど入っており、絶対に使い切れない。(ペストソースを作るしか用途が思いつきませんが、ペストソースあんまり好きじゃない。)それより鉢植えで買っちゃったほうが便利です。
庭ではチラントロとかミントも簡単に育ちます。はい。オレガノも。ローズマリーは庭の隅っこでぐりぐりとトグロを巻いた木になってますな。
あと、スイスチャードなる、赤い茎に緑の葉っぱの野菜を植えたらみるみると育ったんですが、これ、炒め物以外にどうやって食べたらいいんでしょうね?いい食べ方があったら教えてくださいませ。
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8 月 28, 2006
インターネット時代に本屋はどうやって生き残るのか
スタンフォード大学から車で5分ほどのところに、Kepler'sという本屋がある。このKepler'sが経営難を理由に突然閉店したのが去年。その後資金を集め再スタート、「レギュラーのお客さんからの会費制度」を導入して、なんとか1年乗り切りました、、、という記事がフリーペーパーPalo Alto Dailyに載っていた。
Kepler'sは、去年で50周年を迎えた由緒正しい本屋で、Grateful DeadのJerry Garciaが無名だった頃に演奏したりしてたこともある。「出版時の講演&サイン会ツアー」はアメリカの文学界ではつき物なのだが、ちょっとした作者のものがベイエリアで行われるときは必ずKepler's。単なる本屋というより地元の名所。
しかし、そんなKepler'sも、Amazon.com、CostCoなどの安売り大チェーン、Border'sなどの大手全国チェーン本屋等に押され、倒産寸前となり去年の8月に突然閉店。Amazonその他では、20%位の値引きが普通。アメリカの本は高いので、20%は結構大きい。新書で3000-4000円、文庫(ペーパーバック)で2000円近いのは当たり前、という感じなので、3-4冊買うと結構な額になる。で、独立系の本屋は軒並みつぶれていったのだが、Kepler'sの閉店は大きな話題を呼んだ。
自動車社会のアメリカでは、「通勤途中で時間つぶしに本を読む」という習慣がない。(そういう意味で、日本の「本」の役割を果たしているのがアメリカの「ラジオ」。)なので、本は本好きの人のためのもの、という感じが強い。(なので、大衆娯楽的有象無象的面白い超ジャンルみたいなものが中々ない。SFといったら宇宙人とかナノテク、純文学と言えば愛と青春と老化と孤独、みたいな傾向が強い。)で、その本好きの人がしみじみと時を過ごすのが本屋。あちこちにソファやベンチがあって、皆どっかりと腰を下ろして本を読みふけっていたりする。だから、センスのいい本が揃っていて、しかも雰囲気がよい本屋は本好きの心のよりどころ。なので、Kepler'sが閉店したときは地元の本好き人間には動揺が走った。
で、Kepler'sが新たに編み出したのが「会費運営」。メンバーシップページにある通り、年会費を払うと、その額に応じて割引クーポンなどいろいろなメンバー特典がある。下は20ドルから。250ドル出すと「本の筆者と会えるレセプションご招待」、2500ドル以上出すと「本の筆者と会えるイベントの際の特別駐車スペース提供」がある。「駐車スペース」は結構いいなぁ、、。以前Oliver Sacksが話に来た時、行ってみたらKepler'sの周囲2ブロックのどこにも止められず断念したことがあったので。
(なお、閉店から再オープンに至る経緯はSan Francisco ChronicleのThe end -- or is it?; Investors trying to reopen independent bookstoreなどご覧あれ。)
私は、以前はKepler'sから車で10-15分くらいのところに住んでいたのでよく行ったのだが、今は片道30分かかるのでめったに行かなくなってしまった。近くだったら会費払ってもいいなぁ、と思います。はい。メンバー特典もさることながら、近所の優良書店は心のオアシス。オアシスキープ費用として何がしか払うのはやぶさかでない。Kepler'sでは、「筆者イベント」以外にも各種チャリティイベントなどの催しに注力している、と今日のPalo Alto Dailyの記事に出ていた。「心のオアシス化」を推し進め、文学的イベントの中核となる、ということでありましょう。経営状態の方は、まだまだ予断は許さない状況ながら今年はぎりぎりで黒字、だそうです。
で、思ったわけだが、独立系本屋がアメリカで生き残るとしたら、こういう「コミュニティからの会費(もしくは寄付)による運営」というのが一つのモデルのなるのではないかと。殆ど公共事業。アメリカでは、ラジオ局やテレビ局で、「視聴者からの寄付金による運営」というモデルが事業として成立しているが、本屋もそうなるのでは、と。
ちなみに、Kepler'sは「本好きのナンパ場」としても機能している。
「あ、その本、面白いですよね」
みたいな会話から出会いを生み出すという、老若男女の真摯な試みが日夜行われている場所なのだ。(これホント。平日夜、土日など試すあるよろし)。
コミュニティのハブとして優良な本屋が生き残っていくための最後の切り札は「出会い強化」・・・・・んなわけないか。
ちなみに、Kepler's「筆者イベント」の9月20日は、ソフトウェア会社UpShotを創業してSiebelに売却したアントレプレナー、Keith Raffelがゲスト。Raffelによる初のミステリー小説、Dot Deadの発売記念だそうです。いろんな人がいますなぁ。
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8 月 24, 2006
チップ相場がいつのまにか20%になっていた
今日、NPRラジオのTalk of the Nationで誰にいくらチップを出すべきか、という話をしていた。美容院のチップは最近は20%だそーです。私はいつも20%払ってて、「私って太っ腹~」とかこっそり思ってたんだけど、これが普通だったんですなぁ。。くすん。レストランも、15-20%というのが相場、、と言われてきたが、最近では限りなく20%に近づいている模様。
ラジオ番組では、匿名でウェーターのつぶやきブログ、WaiterRant.netを書いているウェーターや、新聞の人生相談Ask Amyの回答者、地球の歩き方英語版的ガイドLonely Planetのエディターなどがコメント。
「そもそも、チップが18%か20%か、そういう細かいパーセントなんて、もらう側はわかってるの?」
という質問には、WaiterRantのウェーター氏は
「もーちろん!!伝票を渡す時点で、頭の中で18%だったらイクラ、19%だったらイクラ、と全部計算済み」
ということで、細かく見られているようでございます。
レストランでテイクアウトをオーダーしたときにチップを払うか、は論争になってました。日本ではあんまりないですが、アメリカだと普通のレストランで注文して、パックにつめてもらってお持ち帰り、というのができる。このときチップはどうするかは生粋のアメリカ人の間でも悩ましい問題。私の友人たちは「チップを払う」という総意になってましたが、今日のラジオでは「払わない」と。
チップって、他人がどうしてるか見えにくいから結構困りもの。アメリカに生まれ育った人たちですらラジオのトーク番組のテーマになるくらい悩んでるのに、外国人にわかるはずがない。一番いいのは
「ねぇ、私はあなたにチップって払うもの?」
と聞くこと。はっきり相場を言ってくれます。「外国人はチップを払わないかも」と、相手は戦々恐々としているので、聞くと喜ばれると思います。はい。クレジットカードで払う際のチップの書き方なんかも、わからなかったら相手に聞くのがよろし。特にウェーターは、時給2ドルなんていう涙金で働かされてることも多く、チップに生活がかかってるので適当にすると恨まれます。
一度、日本からの旅行者の人にご馳走してもらったことがありましたが、この人がチップを払わなかった・・・。で、会計後、席を立ち、店を出る前にその人がトイレに寄ったので、店の入り口でボーっと待っていたら、ウェーターが深刻な顔でやってきて
「チップがないけど、ボクは何かおかしなことをしたか?」
と。支払った主がトイレから戻ってくる前に、急いでチップを多めにウェーターに渡して
「悪気はないのだ。ごめんね」
と追い払いましたが。。。。。まぁ、日本から来ると、仕方ないですなぁ。アメリカ人ですら、日本に長く住んでいると忘れたりするし。日本在住歴の長いアメリカ人がベイエリアに帰ってきたときに、ご飯を一緒に食べたらチップをおかずに出ようとしたので「おいおい」と止めたら、「ア、そうだ、忘れてた」と、いうこともありました。
ちなみに、メキシコでスキューバダイビングの際のチップは、ボートの船長に5ドル、ダイブマスターに5-10ドルくらい。これは、1日2ダイブで、ダイバー一人当たり。1日のダイビング代は40-50ドルと格安なので、15-20%をダイブマスターに渡して、船長さんには心づけ程度、って感じ。(ダイバーが二人だったら倍になります。)一般的に、アメリカ人がたくさん行く場所のチップは、「心づけ」というよりはかなり大目。「元の値段の20%」と思った方がよろしいようでございます。
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8 月 22, 2006
アメリカでのスーパーでの心得
日本から妹家族が尋ねてきており、一緒に近くのスーパーに行った。卵を買うのに、私はいつものとおりパックを開けて中身をチェック。割れてるかもしれないし。すると、中身が3つなかった。私は、何の感慨もなくパックを棚に戻そうとしたが、横で妹のダンナが
「おおっ」
と声を上げて驚いた。「中身が欠けてるなんて!!」と、とってもびっくりした模様。(その前に、私がパックを開けたところでぎょっとしたらしい。)
そーいえば、日本から来た当初は、スーパーで食料品一つ買うのもいろいろ失敗があったなぁ・・・卵が割れてる、ってのも。レジの人がチェックしてくれると こも多いが、レジのところで割れてることに気づいたら、また卵売り場まで戻らないとならないので、手に取ったところでチェックしたほうがよろし。
ついでに、私はこ こで、尖ったほうが下になるよう入れ替え。卵はこの向きで保管すると持ちが何倍も違うので日本では必ず正しい向きで整然とパックに入っているが、アメリカではいい加減 に入っていることも多いので。(さらに言うと、アメリカの卵はどちらがとがっているか判然としないものも結構ある。なぜ~?)
あと、スーパーで買うときは、牛乳パックは漏れてないか底を見てチェック。また、パックが膨らんでいるものは日向に放置されたりして発酵気味だったりするので、これも確認。
また、これは趣味の問題だが、ヨーグルトは脂肪分が減らしてあるnon fat、low fatのはまずい。ほぼすべてのヨーグルトがそうなので、一生懸命探さないとfull fatのものはない。今のところ一番のお気に入りはPavel'sのOriginal Russian。さらっとした牛乳のやさしい味。これは大きいパック入りの無糖。個別パックの味つきのものでfull fatのものが食べたいときは、ベビー向けのものがよい。Yobabyとか。一番「日本的普通のヨーグルト」の味に近いと思います。
こういう日常の「普通のもの」を買うのにつまづかなくなったころからアメリカ暮らしも楽になりました。
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8 月 21, 2006
Never Let Me GoとAlcatraz
夏休みの宿題の読書感想文に、Never Let Me Go。日本語訳もあって、こちらのタイトルはわたしを離さないで。
えー、気をつけて書きますが、ネタバレぎみなので、もし興味があるかも、という方は、本を読んでからこのエントリーをお読みください。短い小説ですが、全く内容を知らないまま読んだ方がずっとよい類のモノ。作者は、長崎で生まれて5歳でイギリスに移り住んだKazuo Ishiguro。
どういう人向けかと言えば、多分海辺のカフカが好きだったら面白いかな。The God of Small Thingsというインドモノ小説も、違うジャンルながら近いものを感じた。ま、とにかく短いから、カバーを見てむむ、と思ったら読んでみて損はないという長さ。
まずはなんでそのNever Let Me GoとAlcatrazが関係あるのか、ということで、Alcatrazの話。
Alcatrazは、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジの脇にある監獄島。周囲の海流が速く、年中水温が低いため脱獄が不可能に近く、他の監獄では収容しきれない凶悪犯が懲役に服した場所。1859年から1963年まで監獄として利用されたが、今は観光地。Fisherman's Wharfのすぐそばから出るフェリーで10分ほどでつく。(夏休み中や土日に行く場合は、唯一のフェリーオペレータ、Blue and Gold Fleetのサイトで予めチケットを買ってから行くよろし。当日券はない可能性大。)
Alcatrazに到着すると、ヘッドフォン付きのオーディオガイドで監獄についての説明を聞きつつ歩き回る、という仕組みになっている。オーディオガイドには、ホンモノの囚人の思い出話インタビューもあり非常に興味深い。で、1946年の暴動の話もビビッドに入ってます。これは、囚人が看守を2人殺害して監獄を占拠、3日間にわたって立てこもった末に制圧された、というエピソード。最後は、天窓から手榴弾を投げ込み、スナイパーが首謀者を狙撃、という映画のような暴動である。暴動の最中には、対岸のサンフランシスコで見物客が大勢いたそうだ。
で、ふと思ったのだが、日本の刑務所で暴動が起こった話ってあんまり聞かないなぁ、と。もしかしてワタシが無知なだけだろうか、と3分ほどインターネットをサーチしたところ、昔囚人が炭鉱で強制労働させられてた頃は暴動が頻発した、という話は発見した。しかし、これは、炭鉱という民間施設が舞台だからできたことかも。一方「もと囚人へのQ&A」というサイトには下記の記述あり。(いろいろなサイトがありますなぁ。)
Q. 日本の刑務所は外国と違い暴動がない点で優秀だといわれますが、その点と刑務官による人権侵害との関係をどうみるべきでしょうか?
A. 日本の刑務所で暴動がないのは、他国よりもはるかに厳しく受刑者が管理されているからでしょう。日本の受刑者は肉体的にも精神的にもまったく自由がない。暴動が起きないことをもって優秀な刑務所というなら、受刑者の人権を全く認めない方が優秀な刑務所になると思います。
・・・・うーむ、ほんまか?という気がするのであるが。肉体的にも精神的にもまったく自由がない、っていっても、独房に入ったまま監禁されてるわけではあるまい。Alcatrazなんかも、それはひどい扱いだった模様である。問題を起こすと、殆ど暗闇の独房に閉じ込められた模様であるし。(当時のSan Francisco Chronicleの引用など参照あれ)
Alcatrazでは、「スパゲッティがまずい」という理由で暴動状態になったこともあるそうだが、今でもアメリカの刑務所では暴動が起こる。テレビドラマ「24」でも、お騒がせJackが刑務所の暴動に出くわすシーンがあったが、まさにああいう感じみたい。
そもそも、アメリカの「暴動」は、日本の「暴動」に比べてかなり過激な気がする。SWAT部隊が重火器やらヘリコプター等を使って制圧。これって、日本語で言うと「戦争」に近いんではなかろうか。Alcatrazの暴動でも、「海軍」が「手榴弾」で「制圧」。かぎカッコ内の言葉は、どっちかっていうと内戦に使われる用語じゃありませんか?
一方、ワタシの日本の母親いわく
「江戸時代は、火事になると、牢屋を開放して囚人を逃がした。その際、戻ってくる期日を伝えたが、殆どの囚人は期日になるとおとなしく牢屋に戻ったものである」
確かに、そういう話を聞いたことがあるような気がする。
ということで、ここからNever Let Me Goの話。こちらは、
「生まれもって定められた宿命を持つ人々が、与えられた運命の中で精一杯の尊厳をもって生きる」
という小説。牧歌的な出だしから、だんだんと宿命の黒い雲が立ち込めていく。美しく見えた世界の外側には、残酷な現実が厳然とある。そして、何層にも守られたinnocenceの世界の壁が、遠くのほうから、一つまた一つパタン、パタンと倒れて、守られた世界はどんどん狭まっていく。そして・・・・・・
という話。なお、上記の記述は全て抽象的なもので、小説には別に壁は出てきませんのでよろしく。
非常に「非アメリカ的小説」なので、アメリカ人であるところのダンナの感想が聞きたくて、
「早く読め、今日読め」
とつついてダンナにも読ませた。
何が「非アメリカ的」かといって、登場人物がみな黙って宿命を受け入れるところ。
アメリカ人だったら、
1.決起して戦う
2.逃げる
3.ダンプカーにわざと轢かれて自殺するなどして嫌がらせをする
といった代替案を実行しそう。私は1と2を考えたが、3はダンナ案で、コイツはやっぱりアメリカ人だなぁ、という感を深めた。Amazonのアメリカ人のコメントを読んでも、「なんで逃げないんだ?」というのが結構多い。Amazon.co.ukのコメントでも同じことを言っている人もいるが、数は少なく、それよりも自分の人生に重ねて考えている人のコメントがちらほらあるのが目に付いた。(アメリカのAmazonの方のコメントでは、自分の人生を重ねている人はほとんどいない。)
江戸時代の日本の囚人が結局戻ってきたもの、どうせ逃げても社会の中に自分の居場所がない、と思ったからでは?アメリカだと、国土が広いので、追っ手がこないくらい遠くに逃げられる可能性がある、ということに加え、山中にこもり他人との接触を殆ど絶って獣のように暮らす、という逃亡生活も可能。
もちろん、日本でも脱獄犯はいるわけだが、しかし
「社会の秩序からはずれ、自分だけの掟の中で孤独に暮らす」
ということへの嫌悪感(または恐怖感)は相当に強いように思う。
イギリスも階級社会。階級社会っていうのは、要は生まれ持った宿命を抱えて生きていくということで、そういう「社会の秩序」からは逃れられない、という諦念が人々の心のどこかにベースとしてあるのでは。・・というのは私の推測だが。
一方、アメリカは抵抗の国である。わが愛するパロディSF映画、Galaxy Questで何度も出てくるセリフに
「Never give up! Never surrender!」
というのがあるが、これこそアメリカ。能天気なアメリカ人にも書いたが、アメリカ人というのは
国民の19%が「自分は国でトップ1%の稼ぎ」と思ってるのだそうだ。さらに、その次の20%も「一生のうちいつかはトップ1%の稼ぎができる」と思っている。つまり、国民の2人に1人近くが「今既に、もしくはやがて、大金持ちになれる」と信じている
という超おめでたい人たちなのだ。そもそも、それぞれの国で与えられた「宿命」に背いて自らの意思でやってきた人たちと、その子孫で成り立つ国。「運命に敢然と立ち向かう」タイプが著しい濃度で存在する。よって、運命を黙って受け入れる、という発想があまりない。「社会の中の自分の居場所を探す」というより、「自己実現して社会を変える」、という中華思想が基本。
Never Let Me Goという、日本で生まれイギリスで育った作者のインナーワールドを旅しながら、日本で生まれ育ってアメリカで暮らす私の心象世界を考えて、いろいろ興味深かったのでありました。最後は泣いたが。あと、小説に出てくるイギリスの荒涼とした風景を見たくなりました。
ちなみに、日本の小説は純文学のようなSFのような推理小説のような、という超ジャンルモノがたくさんあるが、英語文学はジャンルがきっぱりと分かれている傾向が強い。Kazuo Ishiguroが日本の小説をどれくらい読んできたかわからないが、Never Let Me Goは超ジャンルゆえ、英語の純文学しか読んだことのない英語圏の人たちに衝撃を与えている模様。そういえば、去年Costcoで村上春樹の本が売っていてびっくりしたが、日本の超ジャンル小説のスバラシさが世界に広まるのは嬉しい。
Kazuo IshiguroがNPRでNever Let Me Goについて語っているインタビューもあります。生い立ちの話や、日・英・米の文化についての話などもあり。
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8 月 09, 2006
ゲイのお友達に双子誕生
以前ゲイのカップルに関する素朴な疑問で登場したインド人・小柄・気が利くお友達に、双子のベビーが誕生。ゲイのバイオロジカル・クロックで書いたとおり、ゲイ(男性)のカップルで子供を作るケースが増えているのだが、な、なんと一度に2人~。「卵子ドナーから卵子をもらって、体外受精で代理母に産んでもらった」とのことです。私の友人・そのパートナー、共に小柄で細っこいので、イメージとしては、まるでおままごとみたいにカワイラシイ家族。。。。おめでとう!
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8 月 08, 2006
水戸黄門・動物版
最近、きな臭い話が多くてがっくりきませんか。そんなときはAnimal Planet。ケーブルテレビの動物専門チャンネルです。その番組の一つが、夜10時からやってる、虐待動物のレスキュー・シリーズ。
アメリカでは、たいていの地域に、虐待されている動物や野良犬・野良猫を救う専門のNPOがある(Humane Societyが一番メジャーだが、それ以外にもいろいろ)。その職員たちが、どんな風にレスキューするかのドキュメンタリーです。Animal Cops Houstonとか。
番組の進行は大体いつも一緒。
1.「虐待されている動物がいる!」という通報で、救出に向かう
2.見るも無残な動物(多くは犬)がいる。やせ衰えて骨と皮だったり、ひどく短いチェーンでつながれているので、座ったまま横になることもできなかったり。銃で撃たれて血を流してたり、なんてのも。
3.あまりにもひどい場合は、オーナーがいなくても問答無用で救出、医療施設つきのセンターにつれて帰る
4.動物を虐待した主がその後起訴された、などの後日談が説明される
5.救出された動物が元気になって、里子に出された先の家庭で楽しく過ごしている様子が写される
そう、これは、「水戸黄門」です。
3の「問答無用でつれてってしまう」というところが、「スケさん、カクさんが、いきなりスラリと刀を抜く」という「力技」を思い起こさせ、4の「起訴されて裁かれる」というのが、ご隠居が「印籠を出す」ところみたい。「正義は勝つ!」みたいな。拍手、拍手~。
アメリカのほとんどの州で、動物虐待は違法。児童虐待同様、本当に後ろに手が回り、悪質な場合は禁固刑になる。番組では、罰則を恐れ海外逃亡した飼い主までいたぞよ。
とはいうものの、ドキュメンタリーゆえ、フィクションほど単純な勧善懲悪になってなくて、4で誰が虐待したか見つからなかった、という落ちだったり、5で、救出したけれど、治らない病気だったり攻撃的な性格だったりで安楽死となった、なんていうがっくりする最後もある。ゆえに、結構ハラハラ見ちゃうんですよねぇ。ハッピーエンドじゃなかったときは、だまされたような気になるが、それゆえに、ハッピーだったときの最後はすごい嬉しい。
というわけで、アメリカ版水戸黄門的ドキュメンタリーでした。
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8 月 06, 2006
船便で調味料を送るのはやめよう
昔、アメリカ留学から日本に帰ったときのこと。家財道具一式を船便で日本に送った。その中に一味唐辛子もあった。唐辛子だけがフレーク状になってるヤツですね。
帰国後しばらくして、野菜スープを作り、持ち帰ってきた一味をばばば、と入れ、即座に本を開いて読みながら食事開始。すると、何かプチプチとした噛み応えの丸いものが口の中に。「???」とスープをみてみると、直径3ミリくらいの黒くてまん丸でつるつるしたものがぷかぷかと複数浮かんでいる。「あれ、七味唐辛子だったっけ?」と、さらにしげしげと見たら、全員足が生えておりました。黒くてまん丸でつるつるの「虫」が、船便で送られる間にわいたんですね。
一瞬、激しい葛藤の中で自問自答した末に、「見なかったことにする」と決定。何事もなかったかのように、飲みかけのスープを廃棄いたしました。プチプチ食べちゃったんだから、叫んでもはじまらないし。教訓は、「船便で調味料を送るのはやめよう」ですね。



