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7 月 27, 2006

ミドルクラスの地盤沈下

アメリカでは、「貧富の格差拡大」じゃなくって、真ん中層が1人負け、という話。超リッチな層がさらにリッチになるなか、今までずるずると下がってきた社会の底辺の方の人たちの収入は底をうち、一方それと比較すると、真ん中あたりの収入が伸びていない、と。
EonomistのInequality in America (ちょっと前の6月15日のもの)
記事自体は、「スーパーリッチがもっとリッチになってしまって、こんなので大丈夫アメリカ?」というありがちなテーマだったが、それより、冒頭にも書いた
「4大の学卒の収入上昇率<高卒以下の収入上昇率」
っていうのに瞠目しましたです。はい。過去5-10年くらいの、まだ新しい現象ということで、統計の取り方次第で違う結果になってしまう程度のものではあるようではあるが。

実際、シリコンバレーの生活実感としては「4大卒の落ち込み」は結構そうかな、という感じ。

ちょっと断っておくと、まずそもそもシリコンバレーには4大卒のみ、という人が少ない。大学院まで行っている人がやたらに多いので。

プログラマなんかみたいな「腕一本」系の技術者だと、学歴と関係なくすごい人はいるが、そういう人は逆に大学もまともに出てなかったりする。・・・が、技術者の多くを占める移民では、大学院まで出ていないとビザを取るのが難しい。加えて、ビジネス系の職につくのは、たとえアメリカ市民でも大学院を出てないとかなり厳しい。大学院まで行ってはじめてスタートラインに立つ、という感じ。(今40代半ばより上の人は、学歴ナシで腕一本で渡ってきた人たちも結構いるが、それより下は困難)。

この間も、最近MBAを取ってGenentech(バイオ系の超一流企業)で働いてる人に、
「シリコンバレーって学歴社会だよねぇ。」
と言ったら
「いや、学歴なんて関係ない。自分も採用面接するとき、そんなの見ないし」
と力説。だが、
「じゃ、一流大学のマスター持ってない人で、最近採用された人いる?」
と聞いたら
「うーん、誰もいないなぁ・・・・」
・・・・彼のところに来る前に、学歴がパッとしない人はハネられてしまっているのだよ。Genentechともなれば、莫大な数の応募がくる。実際に同僚になるかもしれない社員(=私の知人)が採用面接に登場する頃には、応募者は既に難関をかいくぐってるんである。(このスクリーニングをするのが、アメリカのヘッドハンティング会社の重要な業務。)

数年前の話だが、シリコンバレーはCupertinoの公立小学校、Fariaの親の81%は院卒、というのもありました。

一方で、トップ層の収入レベルがあがれば、彼らが私生活で使うお金も増える。しかし、その需要にこたえてサービスを提供する人たち(多くが高卒)は減少気味なので、その対価は上がっている。たとえば、家の建築コストは急上昇してるが、これは建設労働者の賃金がガンガン上がっているから。(ここの市場向けに不法移民がどっと流れ込むわけだが、それでも追いつかない、ってことですね。不法な人ではできない仕事もあるし。)

ま、学歴は、仕事の高度さの代替指標なのだが、学歴抜きにしても「社会の真ん中辺がここ5年くらい一番苦しくなった」という感じは大いにするのである。

例えば、オフショアリングで、ローエンドのエンジニアの仕事はインドや中国をはじめとした海外へ流出した。そうやって仕事を失った人たちの中には、それまでより何割も低い給料でしか次の仕事がないというケースも数多くあった。シリコンバレーの給与水準再びでも書いたけれど、シリコンバレーの技術系の仕事では、平均給与はあがっているが、雇用数は減っている。技術系の仕事っていうのは、そもそもシリコンバレーで最も収入が高い仕事群なわけで、その中でローレベルの人たち(つまり、シリコンバレーの中間層)は切られていなくなっちゃった、と。中途半端なスキルはヤバイ、ってことなんですねぇ・・・・。

なお、元のEconomistの「真ん中へン苦しい」ということを記述した部分は下記の通りです。ご参考まで。

The gap between the bottom and the middle—whether in terms of skills, age, job experience or income—did widen sharply in the 1980s. High-school dropouts earned 12% less in an average week in 1990 than in 1980; those with only a high-school education earned 6% less. But during the 1990s, particularly towards the end of the decade, that gap stabilised and, by some measures, even narrowed. Real wages rose faster for the bottom quarter of workers than for those in the middle.

After 2000 most people lost ground, but, by many measures, those in the middle of the skills and education ladder have been hit relatively harder than those at the bottom. People who had some college experience, but no degree, fared worse than high-school dropouts. Some statistics suggest that the annual income of Americans with a college degree has fallen relative to that of high-school graduates for the first time in decades.

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7 月 26, 2006

萌え~美形元シスコのエンジニア

Viennateng スタンフォードのコンピュータサイエンスを卒業し、その後シスコでソフトウェアエンジニアをしていたVienna Tengさん。今は、3枚目のアルバムDreaming Through the Noiseを出したミュージシャン。本日のSan Jose Mercuryにインタビュー記事が出ておりました。子供のころからやってたクラシックピアノと甘めのボーカルをジャズやカントリー風にアレンジしたそうな・・・・。

コンサートに、昔のシスコの同僚がルータを持ってきて、「これにサインして」てなこともあったとのこと。
"a Cisco engineer actually brought a Cisco router that I worked on. He brought it to the show, and he said, ``Could you sign this, because I just think it's so funny that you used to work on this product.''

シスコ時代、周りの人は「萌え~」となっていたんじゃないですかね。それとも、びびって近づけなかったかな。

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7 月 24, 2006

熱波と停電

シリコンバレーは、観測史上最高気温の週末であった。私の家の周りは104度まで上がりました。摂氏40度。しかも停電した。地球温暖化のプレビューか。

近隣全域で、熱波による電気の使いすぎで変圧器がふっとぶ等の故障が1100箇所でおこり、結果として35,000世帯で停電。そんな緊急事態の中、我が家の停電は「近くの木が倒れて電線を切断」という迷惑な理由。嵐が来る冬場は倒木停電は頻繁にあるが、夏には珍しい。珍しいが激痛だ。

仕方ないので、我が家では、昼間はさ迷えるオランダ人のごとく、クーラーの効いた場所を求めてうろついた。同様の人たちで、Mountain Viewの新しい図書館、ウォールマート、イケア等は大混雑。(そもそも、クーラーがない家が多いので。店舗でも小さいところや古いところはクーラーなし。)イケアでは、展示品のいすやソファに意味もなく座っている人たちが大勢いて「単に涼んでるんです」という気配が濃厚であった。

そして、夜は扇風機で耐えた。「停電なのに、何で扇風機が使えるのか」って?それは、トヨタのプリウスを発電機代わりにしたからである。

プリウスは、ガソリンエンジンと電池を両方使う自動車で、電池が足りなくなってくるとガソリンが起動する。逆転の発想で、DC/ACコンバータをかませれば、普通は車を走らせるために使われる電池を電力そのものとして使うこともできるわけです。プリウスは、ガソリンベースのミニ自家発電機としては最高の効率らしい(ダンナの受け売りだが)。なんといってもトヨタ様が40年くらいかけて開発されたものであるからして素晴しいのである。

とはいうものの残念ながら1アンペアほどにしかならないので、クーラーはとても無理。が、扇風機ならOK。

****
さて、加えて、停電して困ったのが湯も出なくなったことである。

我が家はガス湯沸し機なのだが、1年ほど前に湯沸しタンクに穴が開き、代替としてついに念願の「瞬間湯沸かし器」を導入した。あの、日本では当たり前の「瞬間湯沸かし器」は文明の利器として、ごく一部の人が使う高級品なのである。

普通の人はどうしているかというと、ドラム缶のような巨大なタンクにガスバーナー(または電熱線)が合体したタンクを利用している。このドラム缶に中では、年がら年中ガラガラと湯が沸かされ、24時間熱湯がたまっている。使おうが使うまいが関係なくガラガラ。地球に全然優しくない。しかも、一気にタンク内の湯を使うと、どっとタンクに水が補給される。よってぬるま湯、ひどいときは冷水になってしまう。アメリカの家庭で、シャワーに続けて入ると冷たくなってしまうことがあるのはこのせいだ。とんでもない製品だが、瞬間湯沸かし器の10分の1くらいの値段なので、エネルギーのことなどどうでもよいアメリカ人に愛されてきた。

我が家の瞬間湯沸かし器は高木産業のです。(アメリカで瞬間湯沸かし器といえば、ノーリツなどの日本製かヨーロッパ製)。基本的には素晴しいのだが、ひとつ大きな難点がある。それは、「電気制御」であるという点。ガス湯沸し機なのに、停電すると使えなくなっちゃうんです。しかも直接結線されており、コンセントに差し込む形式でないので、プリウスから引っ張るのも難しい。

当地では、停電が数日間続くこともある。電気が使えなくても、せめてシャワーくらい浴びたい。それなのに・・・・。

高木産業の製品開発担当者も、まさか近代国家で停電が日常茶飯事、などとは考えなかったのであろう。であろうが、アメリカってのは電気は来たり来なかったりするものなんです。高木産業様、アメリカ市場向けには是非「停電しても使える」仕様にしてください。よろしくお願いいたします。はい。

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7 月 20, 2006

シャンパンを数日に分割して飲む方法

夏はシャンパン(かスパークリングワイン)がすっきり美味。だが、一杯しか飲まないのにビンを開けるとすぐ気が抜けてまずくなる。そんな時一番泡泡状態をキープできるのが
サランラップ
・・・ピチっとくっつくやつであれば他のブランドでもOK。(私はStretch-Titeを愛用)4日目くらいになると、結構しょぼい泡になるが一応泡立ちまっせ。いろんな「栓」を試したけど、今の所ラップが一番。コストパフォーマンスも最高に高し。

普段用には、10ドルちょっとで買えるDomain Chandonがよろし。Costcoで売ってます。

なお、数年前、ナパのスパークリングワインの製造元に行った時に聞いたんですが、「シャンパンはフランスのシャンパン地方で作られたもののみ、と決まっているが、アメリカは『うちの国で作ったものはシャンパンと呼びません』という協定をフランスと交わしてないので、アメリカで作ったスパークリングワインはシャンパンと名づけてOK」とのことでございました。ちょっとずるい。今はどうなんでしょうか。

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7 月 19, 2006

パリの臭い研究所(by人間)

Smell_panel Suezというフランスの会社が、今年はじめパリ郊外に嗅覚ラボを設立。Suezは、世界で汚水処理プラントを運営する大企業だが、このラボでは「変なにおいがする」というトラブル発生時に、その原因が何かを

実際に人間が嗅いで突き止める

そうです。同社のプレスリリース(19ページもあるぞなもし)によれば、今年の2月時点で25人が「臭い嗅ぎ担当者」としてトレーニングを終了したそう。

なぜにして人間かといえば、「機械のセンサーより人間の鼻の方がより低濃度の臭いを感知することができ、しかも臭いの性質を言葉で表現することができるから」とのこと。「発酵臭」とか「腐敗臭」とか。

ちなみに、私、結構鼻には自信あります。特に腐ったもの関係の臭い。普段フケツ道のトレーニングをしてるので。(フケツ道のその後もある)。いざとなったらSuezで雇ってもらおう。

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7 月 18, 2006

中村うさぎ著書にみるビョーキに対する日米差異

昨日に続いて、日米文化論でございます。

最近、中村うさぎさんという作家の方が週刊文春に連載している「ショッピングの女王」、転じて「さすらいの女王」というエッセイをまとめた文庫本を4冊まとめ読みした。

なぜかというと、気圧が低下するせいか、飛行機の中でつらく悲しいものを読むと、ひじょーにつらく悲しくなるので、その対策として「笑うのをこらえるのが大変なくらい楽しいものを」と、日本からアメリカに帰ってくる直前に買ったもの。結果として、大いに笑ったんだけど、その実、エッセーの中身は、うさぎさんの人生におけるかなりつらく厳しく痛い話の連続。面白おかしく書かれてはいるんだけど。

というのも、この方、買い物依存症なんですね。私が買った4冊は、1998年から2002年の期間に書かれたエッセーをまとめたものなのだが、その間に、うさぎさんの興味はブランド品からホストクラブへ、さらに美容整形へと移っていく。が、買う対象がモノからサービスに移っただけで、依存体質に変わりはない。一日で200万円以上のブランド品を買い込んだり(シャネルのスーツにエルメスのバッグに・・・みたいな)、ホストクラブで一晩に110万円使ったり。港区の住民税滞納整理マンに追われ、借りてるマンションの敷金、電話、銀行口座等が差し押さえになる。ガスまで止まり、夜中に電気のホットプレートで焼肉を作って食べたりとか。その一方で、腎臓が300万円で売れると聞き、
「300万円あったらオーストリッチのバーキンがふたつ買えるよ」
なんて思ったりしてるご様子。

これぞ、ビョーキ文学。

明らかにビョーキであることはご本人も承知で、なんども「買い物依存症」という言葉が出てくる。なんと「買い物依存症女」としてテレビ番組にまで出演なさっている。

そして、そのビョーキに関して、いろんな人に説教される話が出てくる。

一般読者からは
「贅沢しまくってんじゃないのよ!不愉快だわっ!」
とか
「とうとうのっぴきならないところまできてしまったのですね。可哀想に・・・というのは冗談で、実はちょっとスッとしてます。だって、こっちはまじめに税金払って暮らしているのですから」
とか投書が来る。

さらにとある読者から「相談に乗ろう」という持ちかけがあって、会ってみたらヤクザで、ところがそのヤクザさんからまで
「買い物は税金払ってからにしろ」
と説教される。

お金の神様、邱永漢と対談すれば
「お金を大事にしない人のところからは、お金はすぐ逃げ出すんです」
と、これまた説教される。

うーん、みな血も涙もないのぉ。そういう問題じゃないだろう。本人に「無駄な買い物をしている、このままではヤバイ」という自覚が激しくあるわけで、要はアルコール依存症と同じく本物の病気です。このエッセーを読んで、それでも尚説教してくる人々、借金を申し込んでくる友達(うさぎさんは借金を断れない)、みな病人に鞭打つ鬼のようじゃ。

病気なんだから、絶対効くとは言わないまでも治療方法がある。だから、まずは精神科へ~というのが王道だが(女王道?)きれいさっぱりそういう話は出てこない。どうして、誰も勧めてあげないの?それとも日本では治療できないの?もしかして行ったけど書いてないだけ?それとも、2002年以降にいっていらっしゃるのかしらん?と、勝手にハラハラ。

ちなみにアメリカでは、全人口の2-8%が買い物依存症とのこと。グループセラピーや抗鬱剤による治療がなされるようです。

まぁ、このなんでも「病気」として治療の対象にするアメリカのやり方は、それはそれで行き過ぎが問題になってはいる。

例えば注意欠陥・多動性障害(ADHD)にはRitalin、またはそれに類する薬が処方される。そして、この薬を飲むと集中力が上がって勉強の効率があがる。この薬、覚せい剤をおとなしくしたようなものなので、当然の成果である。「シャブを打って48時間運転し続けるトラック野郎」よろしく、ガリガリ勉強するのだな。ということで、「高校生・大学生の3割がADHDの薬を飲んでる」、なんていうまことしやかな噂が流れたりする。

(最近のちゃんとした調査では、「18歳以下の子供のたった2.9%、中でも多いクラスターであるところの6-12歳の子供でも4.8%しかADHDの薬を飲んでいない」とのこと。4.8%ってことは、20人に1人。それってかなり多い気がするんだが、アメリカ的には、「ふー、たったこれだけだった、よかったよ」という状態のようだ。)

ちなみに、私も脳内物質をいじる薬としては睡眠薬愛用してます。時差ボケのときとか本当に素晴らしい効き。昔と違って、飲んですぐ効いて、一定時間後すっきり効果が消えて爽快に目が覚め、しかも常習性が殆どないという、世にも不思議な睡眠薬があれこれある。AmbienとかLunestaとか。慣れれば「2時間だけ寝る」なんていうワザも可能。いやー、技術の進歩だ!文明だ!アメリカでお医者さんに
「海外旅行するからAmbien(またはLunesta)くれ」
と指定すれば、簡単に処方してくれます。

というわけで、もし、うさぎさんのエッセーがアメリカで連載されていたら、いろんな読者から
「この薬が効く」
「このセラピーを試してみて」
みたいなお手紙がくるんだろうなぁ、と想像する。

とはいうものの、うさぎさん的には、
「うるせー。治していらん。私の病気は私そのもの、私の想像力の源泉じゃ。民草よ、勝手に破壊しないでくれたまえ」
ということになるようにも思うな。余計なお世話か。日本的にビョーキをそのまま抱えていくことで、そこから突出した芸術が誕生するということもあるし。ただ、「いい気味」みたいな投書はひどいと思うんだけどなぁ・・・・。

***

ちなみに、私もオリジナルの路線はうさぎさんに近いです。脳内体質的に近い。(多分)。例えば、うさぎさんのエッセーにドラクエ的ゲームをやりだすと止まらなくなる話がある。いわく

努力すれば誰でも必ず達成できるわかりやすい目標(勇者になって魔王を倒すとか)と、戦えば戦うほど経験値が入る単純なリワード (報酬)システム。このふたつのポイントが与えてくれる強烈な達成感は、現実の人生で女王様が求めながらも味わえないでいる究極の歓びであり、ゆえに、私 のような人生欲求不満女は時間を忘れてその快感に溺れてしまうワケである。

「わかりやすい目標と単純なリワード」・・・すんごいよくわかります。私もこの手のものにハマりがち。RPGより、もっと短時間で結果が出るもの(つまりよ り単純なもの)の方が好きですが。そのハマり方ときたら、(ちょっと古い話だが)対戦ゲームの鉄拳タッグや、単純なパズルであるサイのゲームソフトを、ゲーム機から遠く離れた倉庫にワザワザし まった位である。イライラしてる時に慣れ親しんだゲームをすると、明らかにドバッと快感を導く脳内物質が放出される感じがして、
「こういう脳内構造が『依存体質』『強迫神経症体質』なんだろうな」
とよく思う。

加えて、うさぎさんの、2000年ごろのエッセーに
「出版社への前借、サラ金と質屋の借金があわせて1196万円、これに加えて住民税の未払いが850万円」
という記述が出てくるのだが、へへーん、その頃の私はもっと借金があったぜ、自慢じゃないけどな。(と、うさぎさんの文体をまねてみる)。というのも、買ったマンションの価値が半額に下落したところで、住宅ローンを借り替えなければならず、やむなく数千万円分損切り、プラス会社を辞めたんで社費派遣で行ったビジネススクールの学費を返済することになったからである。その後全部返したけど。 (参考:Bay Areaの住宅相場・金利・日本の経済

当時思ったことは、

「私はリスクテーカー。サラリーマンという仕事はリスクが低すぎてリスク欠乏症となり、ついつい取らんでも良いリスクを私生活で取ってしまう。この先、同じ失敗を繰り返さないためには、もっとリスクを取る仕事に移らなければならない」

ということ。その後、それなりにリスクある自営業となり、さらに緑溢れるシリコンバレーでロハスな暮らしに突入、今では割とバランスある人生を送るまでに社会復帰したが、あのままサラリーマンを続けていたら今頃破滅してたかも。

うさぎさんはいまだに文春にエッセーを続けているので、まだ破滅してないようですが、私が読んだ分の2002年より後はどのような生活になっていらっしゃるのでしょうか。続きの本も、近いうちに入手して読ませていただきます。

ということで、皆さんもよかったら本を買っていただけると、うさぎさんの家計に貢献する、、と思います。もう、とっくに立ち直ってて、余計なお世話かもしれませんが、一番新しい週刊文春によれば、整形手術に凝ってるようなので、その費用の足しにはなるかな、と。

中村うさぎ著書一覧

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7 月 17, 2006

嘘と手続き:ストックオプションのバックデート

本日は、日本は「手続き至上主義」、アメリカは「嘘つき許さない主義」というお話。サラッと書こうと思ったら随分長くなっちゃいました。ふー。

さて、磯崎さんのblogより、ストックオプションのバックデートとは

株価が底の日に遡ってストックオプション関係の書類を捏造する方法 

ちなみに、当地ではこのストックオプションバックデート問題は結構大事件で、シリコンバレー株式会社の社内報であるところのSan Jose Mercury Newsにこの話が載らない日はないってくらい。とある調査では1996年から2005年にかけて付与されたストックオプションの10%(会社数にして3割)が幹部社員(CEOとか)へのストックオプションをバックデートしてた、と。

ちなみに、ストックオプションを出した後に企業価値が思い切り下がってしまい、行使価格よりも実際の株価が低くなると、そのオプションはunderwaterと呼ばれます。水没、です。2001年-2003年頃のどん底景気の頃はunderwaterのオプションが多く、バックデートなんかしたらオプションの価値が下がる、という情けない事態も多発。なので、バックデートしようが何しようがあんまり問題にならなかったんじゃないでしょうか。

ということで、backdatingが問題になること自体
「景気が良くなってよかったねぇ~」
なんて思ってしまう私。

で、このバックデートについて先述の磯崎さんのblogではさらに

少なくとも日本では登記の期限(2週間)や適時開示(適時開示規則第2条第1項第1号uおよびaなど)との関係上、この反則技は、ちょっと使えないかと思います。
つまり、ストックオプションについては、日本の開示規則の方が、アメリカよりしっかりしている、ということでしょうか?

ということなんですが、この手の「規則」はアメリカは滅茶苦茶です。はい。全くもってしっかりしてません。別にストックオプションなんかに限らず、一般ピープルの日常生活でも同じこと。

「ルールはあるが、それを見張る手続きが全然ない」

ということがものすごく多い。

例えば「婚姻届」。

私は、日本は港区役所にて婚姻届を出したのみで、アメリカでは何も手続きをしてないんですな。アメリカには戸籍というシステムが存在しないので「ダンナの籍に入る」なんていうプロセスはそもそもなく、「婚姻届」一つで結婚状態が決まる。で、その婚姻届データベースは全国リンクしていないので、「ラスベガスで結婚」なんていう場合は、ラスベガスに問い合わせないと本当に結婚してるかどうかわからない、という状態になります。

ということで、一応アメリカに来るとき、日本の婚姻届を英訳して、わざわざアメリカ大使館まで行って、「この婚姻届と、その訳は正しい」という証明のサインをしてもらったものを何通か作りました。
「きっとアメリカに行ってから、結婚してることを証明しなければならないこともあるだろう」
と思ったわけです。納税とか、保険とか、家を買うとか。

と、ところが!結婚してはや6年。一度も誰にも「結婚していることを証明せよ」と言われたことがない。
「結婚してます」
と言うだけで、「あ、そ」と通ってしまう。

(絶対証明がいらない、とはいいきれないので、これからアメリカ人と結婚してこちらに来る人は婚姻届の英訳を持ってきておくことをお勧めしますが。)

もちろん、どこかで嘘がわかると、大変なことになる・・・のだろうが、途中経過においては、「きちんと書類をチェック」という機構がないわけ。アメリカでは、この手のことはとっても多い。納税申告だって、税務署はほんの一部しかチェックしてなくて、後はスルー。残りは本人の自己申告だけでなりたってるわけです。

つまり、日本ではごく普通の、「手続きを厳格にし、それをきちんと守ったらズルのしようがない」というシステムではなく、

「原則に則って勝手に個々人で正しいと思うことを粛々と進めるべし。途中でチェックはしないが、嘘を付いたら(そしてそれがバレたら)大変なことになるぞよ」

というシステムなんですな

して、このアメリカのシステムが上手く運用される鍵は

「嘘はいけない」

という原則が徹底していること。「嘘ついてもばれなきゃいいやー」となったら、大変です。

クリントンが浮気で裁判になったときも、浮気したことじゃなくて、「浮気してないと嘘をついた」ことが責められてたわけですが、それは「嘘を許したら社会システムが崩壊する」から。

もちろん、「アメリカ人は清教徒だからうそを嫌う」なんていうのはいい加減な総論。非常に崇高で心正しい人もいれば、自分勝手なうそつきもいる、という普通の人間社会。実際の運営上は、「嘘がバレたら、社会的・経済的・刑法的罰則を非常に厳しく課す」というので成り立ってるんですな。

一方、日本だと、書類提出義務、報告義務、みたいな「手続き」を淡々と守っていれば、少々の嘘(裏、っていうか)があるのは許されることが多いんじゃないでしょうか。日本の手続きはいろいろと煩雑だけど、それをきちんとこなしさえすれば、逆にルールが守ってくれる、みたいな。

(このあたりは、多分もっときちんと実例を挙げて証明しないと納得してくれない人もいると思うが、まぁまたおいおい、例を挙げていきたいと思います。)

ちなみに、村上さんとか堀江さんがしたことは、程度の差こそあれ結構他の人もしてたこと、と聞く。日本の「手続き」の方が現実に追いついていなかった中、
「原則的には悪いことだけど、手続き上は(ほとんど)OK」
というのは他の人には許されてきたのに、この2人だけ引っこ抜かれて罰せられた、と。
「それって、ルールの運用が曖昧じゃないか」
という議論も日本では耳にしました。

ひるがえって、アメリカという国は、フツーの人でも
「手続き上OKでも、原則的に悪いことをしてはいけない」
というプレッシャーがかけられている感じがヒシヒシ。
(例えば、婚姻証明を必要としないからといって、結婚しているという嘘を言ってはいけない、みたいな。)

ちょっと大げさに言うと、アメリカのフツーの人は、村上さんや堀江さんが直面したような曖昧さに、常日頃さらされているわけです。曖昧なアメリカの私。

これはこれで、アメリカという国を運営するにあたって、すごいコスト。とはいうものの、これで国の基本ができちゃってるし、実際問題として

「アメリカ人は厳格な手続きシステムを運用する事務処理能力がない」

ということもあるので、仕方ありません。はい。

***おまけ***
なお、ご参考まで、元の磯崎さんのblogはspring-loaded optionについてのもの。こちらは、

株価が跳ね上がるようなネタを公表する前(株価が上がる前)にストックオプションを付与し、その後株価が跳ね上がって短期的に大もうけ、ということを狙ったストックオプション

なんですが、これも「新しい提携話など、社内の人しか知らない情報を元にストックオプションを出すのはインサイダー取引」という嫌疑がかけられている。磯崎さんは下記のコメント。

付与する実務としては、個別の役員や従業員ごとに誰がどこまで重要事実を知っているか、といったことを調べて各自バラバラに付与するなんてことは無理です し、「行うことについての決定」といったアイデアに近い段階まで含めれば、企業内にそういったネタは常時存在しない方がおかしいから、ストックオプションを付与するだけでインサイダー取引になるってんなら、もー、ストックオプション制度自体、「なんかやるのアホらし」というモードになるの必至、という感じであります。

このあたりは、
「果たしてそれはインサイダー取引なのか、マネジメントから市場に発せられるシグナリングなのか」
という境界線が微妙かな。

実際、「CEOにストックオプションが出される」ということを「シグナリング」と捉え、CEOへのオプション付与が公表されたらすぐその会社の株を買い、180日間持ち続けていると、株式市場全体平均よりも5.2%儲けられまっせ、という調査結果も出てます。(1700社が出した4290のストックオプションを調べまくった結果だそうだ。面倒な調査、ご苦労様でした。)

しかし、こういう「シグナリング」が「インサイダー取引」とみなされ、許されなくなってくると、ますます「株式会社」としての大企業という形態の意味が薄れてきますな。

先日日本で磯崎大兄とランチして
「個人単位で働く方が、企業単位で働くより意味のある仕事って増えてますよね」
という話になりました。「インターネットの発展により、個人でも入手できる情報が増えた」とか、「通信技術の発展により遠くにいても隣にいるかのように仕事ができるようになった」という「仕事の仕方」という話がメインの理由ではありますが、「会社の情報は何もかも市場に公開」という圧力が高まると、
「そんなことするくらいなら公開しない、公開しないなら大規模なオペレーションにする必要ない」
っていうのも、個人事業的仕事の仕方を追求する一つの理由になるかも。

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ムスビとコテツ

ムスビ柄の猫のぬいぐるみを博品館で発見。その名はコテツ。このパターンの猫は全員ふっくらなのかしらん?

(念のため、左が我が家のムスビさん。右がコテツさんです。)

Musubi and Kotetsu

Musubi and Kotestu 2

ムスビさんのために50グラム刻みの体重計も購入。(んなもん、アメリカには無いのだ。)結果、ムスビさんの体重は6.75キロであることが発覚。5キロ・・・は難しいかもしれないがせめて6キロまではがんばろう、ダイエット。

当地に住む知人の猫は17歳だが、cardiomyopathy(心筋症)で心臓の専門医にかかっているそうな・・・。獣医で心電図やらエコーやらを撮ってもらい、2年くらい毎日薬を飲んでいるそう。獣医は、うちの猫のかかりつけの医者と同じところなのだが、心臓専門医までいたとは知らなかった。もしかして糖尿病の専門医であるところの内分泌科医なんかもいるんでしょうか。

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7 月 11, 2006

東京にビジネス温泉旅館を強く求める会

1週間、東京に出張してきております。いつも思うこと、それは
「ビジネス対応万全の和風温泉旅館が東京にあればいいのに。」
条件はこんな感じ。

  • 高速インターネット、室内WifiまたはLAN
  • 都内の普通のホテル同様の各種サービス(ルームサービスとかいろいろ)
  • 成田空港&都内ビジネス中心地へのへのグッドなアクセス
  • 24時間オープンの温泉、露天風呂つき
  • 浴衣でうろうろできる館内動線

ちなみに、私が愛用しているのはロイヤルパーク汐留タワーというホテル。理由は

  • 成田からのアクセスがよい(車で、大渋滞する首都高の環状線に入らずに到着)
  • Kinkosがある(普通のホテルのビジネスセンターよりずっとお役立ち
  • 部屋にPCがある
  • 大浴場がある

「大浴場」は実はマンダラ・スパというおしゃれなものなのだが、私は大浴場として愛用。4種類の風呂に2種類のサウナ完備。そして、バリ風の休憩室にはガムランが流れ、ちょっと甘い生姜のお茶が飲み放題である。成田から来ると、大体4-5時ごろ到着するので、まず一風呂。成田からの道のり、ずーっとマンダラスパのことを考えている。(というのは嘘だが、マンダラスパのためにこのホテルに泊まっているというのは結構本当)

しかし、マンダラスパには二つ難点がある。ひとつは、風呂場内に休憩できるところがないので、風呂とサウナを繰り返しているとすぐのぼせて、長時間入っていられない。擬似屋外でいいから、岩風呂風露天風呂空間を設けていただき、そこで(擬似)外気にあたって涼めたりすると非常によい。

もうひとつの難点は、部屋からスパにいたる宿泊者専用の通路がないこと。24階のロビーを通り抜け、いったんちょっとだけだがホテルから外に出た地下二階の通路を通らないとマンダラスパにたどり着かない。大浴場のあとは浴衣でスリッパでしょ、やっぱり・・・と思うんですが。せめて、短パンにビーサンで歩きたい。

あと、このホテル、何度泊まっても一見さん対応なんですよね。フロントの対応もそうだし、マンダラスパ二日続けていってもご丁寧に

「こちらのご利用は初めてでしょうか」

みたいな。たぶんこのあたりは、館内顧客管理情報システムをリアルタイムでリンクさせれば改善することだと思うんですけどねぇ・・・。友達に文句を言ってたら、「でも、3年前に一回泊まっただけなのに、『XX様、今回もご朝食はポーチドエッグになさいますか』みたいに、克明に覚えてられるのも不気味」とのコメント。確かにそうだ。ま、「常連さん扱いされたい」というのは、私も年寄りになった証拠でございましょう。

ということで、サービスレベルは現状のままでOKなので、大浴場との宿泊者専用動線だけは欲しい。どなたか、都内にビジネスにも快適な温泉旅館風ホテルを建ててください。よろしく。

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7 月 07, 2006

ゲイの男子が生まれる確率

「お兄さんが一人増えるたびに、生まれた弟がゲイの確率が33%増す」
そうな。
Homosexuality-Brothers in Arms
(有料)

1)302人のゲイの男性と、同数のストレートの男性を調べ
2)さらに、数百人の男性を母集団として、腹違いの兄と育った人と、同じ母親から生まれた兄と育った人の差を調べる

というステップを経て得られた結果だそう。腹違いの兄がたくさんいても関係なく、同じ母親から生まれたお兄さんの数だけで決まるのだそうな。

つまり、 「たくさんの男子と一緒に育ったから」といった生活要因は関係なし。母体が、それまでにどれだけ男子を産んだかのみが影響する、ということなんです。

ちなみに、記事によれば世間平均のゲイの確率は2%とのこと。この数字、少ないなぁ、というのが私の正直な感想。これまでにアメリカでいろいろな統計データを耳にしてきたけど、一番低いので3%、多いのだと14-5%、というのだったので、「へー、2%しかいないのか」という感じ。

でも、2%でも、日本の人に話すと結構びっくりされる数字では。
「えー、50人に一人ですか!」
と。

東洋人と白人で(といっても、アメリカは白人ばかりがいるわけではないのだが・・)ゲイの誕生確率が違う、という可能性もある。(いつかまた話しますが、ソシオパスの確率はアメリカ人と、日本人や台湾人とで何十倍も違うと言う統計データをみたことあります。)

のだが、やっぱり日本では、ゲイであることを隠しているか、もしかしたら本人も気づいていないか、というケースが多いんじゃないのかなぁ・・・・。

さて、話を戻すと、

「なぜ母体が男子をたくさん産んでいると、次に生まれる男子がゲイになる確率が増すのか」のHowとWhyは不明だそうです。

Howは、ゲイ増加のメカニズム。Howにさらに二つのなぞがあって、ひとつが「どうやって母体が、何人男子を産んだかを記憶しているのか」と、「どうやってそれがゲイ誕生に結びつくのか。」

これについては、「男子を生むことで、母体の免疫系が段階的に変化し、次に生まれる男子はより強い抗体にさらされるからでは?」という仮説があるそうな。

Whyは、なぜそうなるかの目的・・・・というか理由。男の子をたくさん産んだ母親にとって、次の男の子がゲイだとよいという生物学上の理由は何?と。

ちなみに、私の妹のダンナは8人男兄弟の末っ子である。ということは彼がゲイとして生まれたかもしれない確率は15%。なるほど~。なお、全然関係ないが、8人兄弟のお父さんは、本人は次男なのに名前が八太郎である。里見八犬伝みたいな家庭ですね。

***

数年前、某日本の知事さんが
「子供が産めなくなったメスがやたらに長生きするのは人間だけ。だからオバハンは世の無駄。」
みたいな発言をしてたが、これ、「・・・人間だけ」のところまでは、変であることに私も同意。確かに生物学的にみてあんまり意味がない。

しかし、これも調査した人がいて、
「長生きをした女性の娘の方が、たくさん子供を生み育てる」
という統計結果があるそう。おばあちゃんが長生きすると孫の面倒見たり、娘の子育てを指導したりとか、いろいろできるからじゃない?と。確かに私も育ててくれたのはおばあちゃんだしなぁ。。。。母親はずっと働いていたので、私のおばあちゃんが育児をしなかったら二人(私と妹)も生んだりしなかったかも。納得。

生物っておもしろいですねぇ。

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