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2 月 28, 2006
ライフスタイループログラマ編
友達が婚約した。相手は、性格良好な男子。年のころは40あたりだが、見た目はとっても若い。ルックス的にはジョージクルーニーを金髪にして健康的にしたタイプとでもいいましょうか。
「こ、こんなステキな人が今まで独身だったとは・・・・。何か隠れた問題があるのでは」
と最初会ったときはちょっと疑ってしまった。
で、いろいろ話して判明した彼の「問題」は、あまりに「自由人」であったことのようだ。プログラミングの仕事をしながら、世界の好きな場所を点々としていたのである。インターネットさえあればどこでも働ける仕事の特典だ。
オーストラリア、スペインや、エーゲ海の島々など、気に入ったところを住居とする。時々アメリカに戻って、仕事を請ける。
「収入さえあれば、簡単に永住権をくれる国が結構あるんだよ」
ということで、いろいろな国の永住権を持っているとのこと。正社員になるより、テンポラリの社員として仕事を請け、好きな場所で働く、というライフスタイルが好きなんだそうだ。
「『きっと君は僕たちの会社が気に入って、正社員になりたくなるよ』と仕事先の会社からよく言われるんだけど、一度もそんな風に思ったことないんだよねぇ・・・」
と。もちろん、優秀なプログラマだから、こういうことができるのだと思うが。
かようにすばらしい彼のライフスタイルだが、その代償は配偶者探しの難航にあったようだ。私の友人と出会ったときも、サンフランシスコで2度デートして、結構いい感じだったが、すぐその後ギリシャに移り住んでしまったので、なんとなくなし崩し的にそれきりになったそう。
しかし、その後偶然再会、Skypeで話をするようになり、とんとん拍子に話は進んだようだ。
そして、決定的瞬間もSkype中に訪れたらしい。
私の友人は中国本土出身なのだが、彼に
「中国に親に会いに帰る予定」とSkypeで言ったところ
「僕も中国行ってみたいなぁ」
「じゃ、一緒に来れば?」
「え、行っていいの?」
「いいよ」
「じゃ行く」
というすごい会話で、カジュアルな付き合いから、いきなり親兄弟一族郎党に紹介される大ツアー実行に至ったとのこと。
多分彼は、こういうファンキーで自由な女子を求めていたのであろう。めでたしめでたしである。
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2 月 27, 2006
ロボットは敵か味方か
テレビSFドラマシリーズBattlestar Galactica。Season2もずいぶん見進んだ。(Galacticaについては、24をしのぐ傑作「Battlestar Galactica」 Battlestar Galactica 続きを読んでください。)
違和感を感じるのが、人間そっくりに作られたサイボーグたちを
「機械だから愛せるわけがない、心を割って付き合えるわけがない」
と決め付ける点。もちろん、「そうは言ってもやはり人間そっくりな見た目、行動パターンの相手を、機械として切り捨てることはできない」といった心の揺れを持つ登場人物も出てくる。しかし、「機械だから信用ならない」というのが大前提。
で、思い出したのが、EconomistのJapan's humanoid robots: Better than people 。
Few Japanese have the fear of robots that seems to haunt westerners in seminars and Hollywood films. In western popular culture, robots are often a threat, either because they are manipulated by sinister forces or because something goes horribly wrong with them. By contrast, most Japanese view robots as friendly and benign. Robots like people, and can do good.
西洋人はロボットは怖いものだと捕らえているが、日本人はロボットを「友好的で害がなく、人間のことが好きで、よいことをしてくれるもの」と考えている、と。
日本人がロボット好きな理由のひとつとして宗教が挙げられている。
Most Japanese take an eclectic approach to religious beliefs, and the native religion, Shintoism, is infused with animism: it does not make clear distinctions between inanimate things and organic beings. A popular Japanese theory about robots, therefore, is that there is no need to explain why Japanese are fond of them: what needs explaining, rather, is why westerners allow their Christian hang-ups to get in the way of a good technology.
日本人の宗教観では、無生物と生物の間にクリアな境界線がないから、と。(確かに、便所の神様とかもいるし。そういえば、バリでも、「すべてのものに神様が宿る」と考えると言っていた。電話やらパソコンやらといった、電化製品の神様もいるそうである。で、すべての神様にお祭りの日があるので、毎日どこかでお祭りなんだそうだ。)
もうひとつの日本人のロボット好きの理由として挙げられているのがポップカルチャー(=漫画・アニメ)。
Japanese popular culture has also consistently portrayed robots in a positive light, ever since Japan created its first famous cartoon robot, Tetsuwan Atomu, in 1951.
「鉄腕アトム」に始まるキャラクタがロボットのイメージを向上している、と。
前者の宗教観、は常々そうだなぁ、と思う点。Galacticaでも
「サイボーグに魂(Soul)があるか」
がやたらと議論されるのだが、
「そんなのどうでもいいじゃん」
と私は思う。魂があるから人間はほかの動物よりえらい、みたいな価値観は、アメリカ的には非常に普通なようだが、どうも私の感性には合わない。私に魂があるなら、うちの猫にも魂があると思うし、猫にないなら私にもないと思う。
昔Angel Heartという映画を見た。ミッキーローク主演の恐怖映画なのだが、最後の最後は(おっと、ネタバレだが)、
「実は主人公は悪魔に魂を売っていたのでした、あなオソロシや~」
というのがオチであった。どうも、それが本当に恐ろしいことのようなのだが、そもそも私は魂などどうでもよいと思っているので、そのどうでもよいものが売られようが、まったく恐ろしくない。
「これだけストーリーを引っ張っておいて、これかい」
とがっくりしたのを覚えている。非常にまじめに作られた映画なのであるが、ま、私的には「犯人は実は身内のヤスでした」という、大昔のファミコンのゲーム「ポートピア殺人事件」みたいな印象であった。
***
ちなみに、Economistの記事、冒頭がおかしいです。
HER name is MARIE, and her impressive set of skills comes in handy in a nursing home. MARIE can walk around under her own power. She can distinguish among similar-looking objects, such as different bottles of medicine, and has a delicate enough touch to work with frail patients. MARIE can interpret a range of facial expressions and gestures, and respond in ways that suggest compassion. Although her language skills are not ideal, she can recognise speech and respond clearly. Above all, she is inexpensive. Unfortunately for MARIE, however, she has one glaring trait that makes it hard for Japanese patients to accept her: she is a flesh-and-blood human being from the Philippines. If only she were a robot instead.
「安くて、高性能で、介護機能も豊富なマリーには一つだけ欠点がありました。マリーは人間だったのです・・・・」というもの。介護ロボット作るより、フィリピンから看護婦さんに働きに来てもらえばずっと安上がりなのに、と。でも、やっぱり日本は「もち肌ロボット」の方が向いてるんでしょうね。
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2 月 23, 2006
ダンスダンスレボリューションで体育
Business WeekのClass, Take Out Your Games:
Game developers estimate that at least 10% of the classrooms in the nation's 2,500 major school districts use mainstream titles for learning, up from only a handful five years ago.
全国の2500学区のうち、10%が店で売っているような普通のゲームを授業に導入しているとのこと。
Among the most popular are Firaxis Games Inc.'s Civilization games, Take2's Railroad Tycoon, and Carte's new favorite, Dance Dance Revolution from Konami Corp.
Civilization、Railroad Tycoonと並んでコナミのダンスダンスレボリューションが人気ゲームとのこと。ダンスダンス・・は体育に使うそうな。
West Virginia began rolling out Dance Dance Revolution as a fitness tool to all 163 middle schools, part of a $600,000 program to equip all state public schools by 2009.
West Virginiaでは、2009年までに全中学校にダンスダンス・・を導入するそう。パイロットプログラムで肥満に効果があることが実証されたからだそ う。同学区は43%の子供が肥満。記事では、学校でダンスダンス・・を使って10キロやせた13才の例も紹介されている。
導入予算は60万ドルとのこと。ま、ゲーム産業の規模からすると、微々たる額ではある。
しかし、カリフォルニアでの導入は厳しいだろうなぁ・・・。
というのも、カリフォルニアの義務教育は貧乏。シリコンバレーですら、
「体育の予算がカットされ、体育の先生の給料もカットになり、気が付いたら体育の先生がホームレスになっていた」
「設備や用具の予算がないので、体育の授業はランニングだけ」
という冗談のような話を聞く。学校には必ず体育館、プール、バスケコート、バレーのネット、跳び箱に平均台に、と様々な設備があるのが当然と思っていたが、日本は恵まれていたのだな。当地は、父兄による寄付で買い揃えてる状態とのこと。
一方で、「小学生の子供の体育の成績を上げるために、家の庭に全長20数メートルの本物のバッティングセンターを設置」というPalo Altoの親ばかの話もあったりして、バランス悪いことおびただしいのだが。
***
しかし、考えると、体育の先生より、ダンスダンスレボリューションを置いておく方が安上がり。もしかして、
「体育の授業は、先生なしで、生徒がダンス・ダンス・・・をしてるだけ」
というシュールな近未来が待っているのかも。
他の体力系ゲームもあれこれ設置されたら、ゲーセンと見まがうばかり。
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2 月 22, 2006
Born to Kvetch
Born to Kvetch : Yiddish Language and Culture in All Its Moods
Yiddishというのは、ユダヤ人の言語。イスラエル語、じゃなくって、モーゼの十戒とか、ああいう話の頃に国を負われたユダヤ人たちが、以降数千年、様々な国を転々とするうちに培われた言語である。
とはいっても、ユダヤ人でも話せる人は限られる。が、Yiddishの単語はアメリカ英語の語彙に食い込んでいるので、それと知らずに耳にしていることもあるかも。ニューヨークなんか特に。
この本は、そのYiddishについて、大学講師兼コメディアン兼小説家兼自らを「Yiddish National Treasure(Yiddish国宝)」と名乗る作者が書いたもの。(もちろんYiddishには国はない。)
なかでも、Yiddish的表現の根幹を成す「Kvetch(クヴェッチ)」=「不平をたらたら言う」、について、ありとあらゆる角度から書かれているのである。
例えば、旧約聖書の時代からユダヤ人はKvetchしまくり。エジプトでの奴隷生活から解放されたユダヤ人たちが、せっかく解放してくれたモーゼに
「こんな砂漠でひどい生活をするくらいなら奴隷だった方がよかったのに。食い物が悪い。肉がない」
などとクドクド不平を言う。ついにモーゼは
God's going to give you meat and you're going to eat it.
Not one day,
Or two days,
Not five days,
Or ten days,
Or twenty days,
But for a month you're going to eat it, until it's coming out of your noses.
「そんなに言うなら、食べ過ぎて鼻から出てくるまで、神が肉をくれるだろう」と語る。ユダヤの民は、その後死ぬほど肉を手に入れるが、肉と一緒に疫病ももたらされる。
・・・というめでたい出だしのユダヤの歴史だが、その後も懲りずにひたすらkvetchし続ける。
第5章のサンプル会話集が笑えます。こんな感じ。
How was the movie?
Eh.How are you?
Old.How's your brother?
Dead.
スバラシィ!こういう人と是非お友達になりたい。何を聞いても「Fine」「Great」「Beautiful」と、万年躁状態のアメリカン。当たり障りのなさではきわめて優れているのだが、中々本心が知れない人たちでもある。時には、Yiddish風の皮肉に満ち満ちた人と、サシで心から辛らつな話しをしたい。
「どうやって、相手をののしるか」という章もおかしい。特に「身体的・解剖学的特徴や病状により相手をののしる」というのがYiddishでは好まれるのだそうである。ののしり言葉の例はこんな感じ。
may your gallbladder burst (胆嚢が破裂すればいいのに)
you should have angina (狭心症になっちまえ)
your brain should dry up (脳みそが干上がっちまえ)
may your eyes crawl out of your head (目が頭から這い出しちまえ)
you should turn yellow and green (黄色と緑になっちまえ)
ま、「お前の母ちゃんでべそ」というのと似たようなもんでしょうか。
また、こんなトンでもない格言もあるそうな。
oni khoshev ke-meys = a poor person is considered as dead
「貧乏人は死んだも同然」。ユダヤ人の面目躍如ともいえる表現ではないか。
さて、Born to Kvetch、買って読むほど面白いか。
うーむ、私は面白いと思ったが、かなり粘着質な中身なので、
「他民族の習性について、ハタから見たら殆ど異常なまでの、執拗な興味がある」
という人以外にはお勧めしません。はい。
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オリンピックの聞きまつがい

アメリカのオリンピック選手のJoey Cheek。テレビやラジオで彼の名前が出るたびに、はっきりと
「じょういち」
とまごうかたなく聞こえるんですが。耳おかしい?
しかし、日本はどうしちゃったんでショ。前回の夏のオリンピックで力尽きちゃったのかな?オリンピックメダルのエントリーで書いたとおり、人口と一人当たりGDPで大体メダル数は決まる、という統計的予測があるんだけど、人もたくさんいて(これからは減っていくにしても)、お金持ちの日本、どうしたのかー。
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2 月 21, 2006
健康保険を民営化してはいけない
結論から言うと
「医療行為では、原因と結果の間に何年、何十年もの開きがあることがある。だから、医療保険を民営化してはいけない」
ということ。この結論の説明だけに興味がある人は、末尾に飛んでください。
さて、「民営化してみたらこんなんなっちゃいました」というのがアメリカの医療保険制度。(というか、一度も国営だったことがないのだが。)崩壊しております。「崩壊している制度」というと、日本だったら年金制度などが思い浮かぶかもしれない。しかし、その比ではない。
保険を民営化した結果、どんな風に滅茶苦茶化しているか、ということについては、アメリカに集約するヘルスケアのイノベーション でも書いた。
Economist1月26日号のAmerica's health-care crisis Desperate measures (有料)も
The world's biggest and most expensive health-care system is beginning to fall apart.
と始まる。
America's health system is a monster. It is by far the world's most expensive: the United States spent $1.9 trillion on health in 2004, or 16% of GDP, almost twice as much as the OECD average
ちなみに、対GDP比では、2位のスイスが12%以下。16%のアメリカがダントツだ。
The government picks up the tab for 40m elderly and disabled Americans (through Medicare) and about 38m poor (through the state-federal Medicaid scheme). That leaves around 46m uninsured, though many of these, whether students or workers, go without insurance by choice.
65歳以上は政府が提供するMedicare保険でカバーされ、貧困層には同じく政府提供のMedicaid保険がある。それ以外の人は勤め先の企業からの保険を使うのだが、零細企業だと保険がない。また、パート・バイトなども保険なし。ということで、「それなりの収入があるがMedicaidの対象にならない」という人が、一番悲惨な無保険状態となる。これが全国で4600万人もいるのである。
ちなみに、Starbucksで週20時間以上働くと保険が付く。(Business Week: How to get your health-Care参照)独立して事業をはじめたが、保険のカバーのためだけに、Starbucksでバイトしている、という笑えない話も聞いたことがある。
Although the pace of medical spending has slowed slightly recently (to 7.9% in 2004), spending has risen by 40% since 2000. Typical insurance premiums have gone up by more than 60%.
2000年からだけで、国全体の医療費は40%増、保険料は60%増。
Add together Medicaid, Medicare and other publicly financed health care, such as that for ex-servicemen, and the public sector already pays for 45% of American health care. (The total is nearer 60% if you include the tax subsidies.)
しかし、これだけの代償を払っている医療保険の民営化だが、結局Medicare、Medicaid、退役軍人向け医療を足すと、全体の医療費の45%、さらに保険料の税金控除分を足したら60%が政府負担なのである。ばかばかしいこと極まりない。
Since most bills are paid by a third party (the insurance company or the government), neither patients nor doctors face real pressure to control costs.
このポイントは、日本では誤解している人もいるのでは。「アメリカでは、医療にも資本主義的競争原理が導入されているので、患者は、費用対効果の高い医者や医療行為をを選ぶことができる」という美しき誤解。が、実際には、Economistの言うとおり全然そうなっていない。
そもそも、お医者さんに見てもらったら、料金も払わずにそのまま帰る、というのが普通。手術をしようが入院しようが一緒。これに慣れるまで随分かかった。今でも帰り際に受付の人につい「このまま帰っていいの?」と聞いてしまう。が、通常、料金請求は、数週間たってから郵送でやってくるのであります。(copayという自己負担分が決まっているタイプでは、その分だけ帰りがけに払うこともある)
The most interesting innovations, however, have come less from think-tanks or politicians' offices than from within the health-care industry. One trend, called “Pay for Performance”, is to shift doctors' and hospitals' incentives towards providing more efficient and better care, by measuring quality and adjusting payments accordingly. According to Karen Davis, president of the Commonwealth Fund, a health-care research foundation, there are now around 100 “Pay for Performance” initiatives in place. Early evidence suggests that they are having some effect.
実際、「パフォーマンスベースの支払い」という競争原理の導入は、「イノベーション」の最たるものとして扱われている。それくらい例がないわけ。100ケースしかないとのこと。
And some of the cost saved by employers can be put into special Health Savings Accounts (HSAs), which workers can tap to pay routine health costs. Once the account is empty, workers are responsible for paying for their health care until their deductible is reached. This should make them think twice before visiting a specialist when they get a sore throat.
最近では、新たな方法として、HSAという保険と貯蓄の合体が誕生している。年間の自己負担総額が高い保険。家族だったら年間2100ドルまでは全額自 己負担、とか。ただし、自己負担額分を貯蓄すると、その分税金控除となる、というもの。(ちなみに、アメリカは税金も高いので、効果大)
High-deductible insurance policies are attractive to the young and healthy. But as these workers leave traditional insurance, the risk pool in other insurance plans will worsen and premiums will rise even faster. The real losers will be poorer workers with chronic illnesses.
が、しかし、HSAは若くて健康な人に好まれ、そうした人が脱退して年寄りで病気もちの加入者が増えた普通の保険は、今よりさらに保険料が高くなってしまう。実際それが起こっている、という記事もBusiness Weekに出ていた。
Mr Bush's health-care philosophy has a certain political appeal. It suggests incremental change rather than a comprehensive solution. It reinforces existing industry trends. And it promises to be pain-free. Unfortunately, it will not work. The Bush agenda may speed the reform of American health care, but only by hastening the day the current system falls apart.
他にもいろいろあって、Economistの結論は、「Bushがやろうとしている『現在の保険制度の改善』はうまくいかない。必要なのは本当の改革(=国民皆保険化)」ということ。
***
冒頭に述べたように、私も保険は政府による国民皆保険しかなりたたない、と思う。(そもそも、医療行為は軍隊に似たpublic goodではなかろうか。public goodについては、こちらのエントリーの「オマケ:P2Pとpublic goodについて」という末尾を参照ください。)
アメリカの保険は、どんどん違うものに乗り換えることができる。勤め先が提供する保険でも、毎年、いくつかの選択肢の中から別のものを選択できる権利がある。
しかし、医療行為では、原因と帰結の間に長い長い年月がかかることがある。予防医療や、長期的疾病(成人病とか)の管理をちゃんとすると、長い年月の後にその成果が出て、トータルでみた医療費が減ることにな る。
しかし、現在のアメリカの状態では、年取ってから差が出るような医療行為を、民間保険で提供するインセンティブがない。65歳以上はどうせ国の保険だから。
また、健康な間は、長期でメリットが出るような医療行為はカバーされないが保険料が安い保険に入り、病気になったら、カバレッジがよい保険に入る、といった乗り換えも当然起こる。
例えば、糖尿病では、従来だったら生活習慣の改善だけでOKとされた軽い時期からインシュリンを定期的に取る方が長期的に見て健康が保たれる、とか、高価なインシュリンポンプで常に血糖値を一定に保った方が将来の健康悪化が少ない、といったことは医学的に知られているが、中々保険は降りない。何年、何十年もたってから、失明や足切断、といった状態に進行していくことがわかっていても、である。
とはいうものの、国民皆保険もそれほど上手に機能しているわけではない。カナダは崩壊、イギリスも苦しい。しかし、先進国で唯一の民営化策をとっているアメリカほど滅茶苦茶な例は他にない。
恐らく落としどころは
「国民皆保険に改善を加え、なるべく上手に運営する」
といった所なのだろう。その点、「最大多数の最大幸福」という目標から見ると、日本の医療保険制度は世界的に見ても相当いい線行ってると思う。超先端医療では、やはりアメリカですけどね。
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2 月 20, 2006
Presidents' Day
今日はアメリカは祭日。Presidents' Dayなるもので、毎年2月の第3月曜日がお休みになる。しかし、はたしてPresidents' Dayとは何ぞや?ということで、ちょっと調べてみました。
「1)建国の父、Washingtonの誕生日2月22日
2)偉大な大統領、Lincolnの誕生日2月12日
を合体、3連休になるように2月の第3月曜日と定めた」
ということらしい。
むむ、せっかくの祝日をなんで半減させるのか?
在スウェーデン米国大使館のサイトによると
In 1971 President Richard Nixon proclaimed one single federal holiday, the Presidents' Day, to be observed on the third Monday of February, honoring all past presidents of the United States of America.
とのことで、ウォーターゲート事件で悪名高きNixonが、2つまとめて1日にし、しかも大統領全部を押しなべて祝う日にしてしまったということ。いかんなぁ・・。日本のように「みどりの日」とか適当な名前をつけて、どんどん歴代の天皇の誕生日を祝日にして、いつか一年中祝日になるようにしないと。(なお、Wikipediaを見たら、来年から「みどりの日」は「昭和の日」に改名されるようですね。)
(ちなみに、ウォーターゲート事件を知らないワカモノの皆さんは、Katherine GrahamのPersonal Historyなど読んでみてください。私の書評はこちら。英語版で600ページ超ありますので、日本語版は二巻に分かれてるかもしれませんが。)
さらに、このスウェーデンの米国大使館のサイトでは、President's Dayの説明書きの注釈として下記が続く。
Please Note: The Federal statute designates this day as Washington's Birthday, President Nixon issued a proclamation declaring the holiday as "Presidents' Day" in 1971. President Nixon erroneously believed that a Presidential proclamation on the matter carried the same weight as an Executive Order.
正式なアメリカのルールでは、いまだに2月の第3月曜日は「ワシントン誕生日」となっている。ニクソンはどういうプロセスを踏めば、きちんと「Presidents' Day」に変更できるか理解しておらず、間違えて無効な変更令を出してしまった、と。
これを書いた人、よっぽどニクソンが嫌いか、政令オタクか、どっちかと見た。真相やいかに。
なお、
"Presidents' Day"
"President's Day"
のどちらのスペルも見かける。どっちが正しいのか・・・とGoogleにお伺いを立ててみたところ、Presidents' Dayが693万件、President's Dayが282万件。ということで僅差でPresidents' Dayの勝ち!・・・というのもいい加減なので、アメリカ政府ドメインの.govだけに絞ってGoogleに聞いて見る。結果は
- "Presidents' Day" 134,000件
- "President's Day" 59,500件
ということで、やはりPresidents' Dayみたい。由来から行っても複数形の方が正しいはず。が、政府のサイトですらPresident's Dayとなっていることもあるわけで。例えばホワイトハウスの子供向けサイトなんかそう。
というわけで、アメリカ人もみんな混乱してるようです。
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2 月 16, 2006
インターネット普及で暴露しそうになる過去の悪事
ががーん・・・・、そ、そんな!!私が所属していた(ような気がする)大学の研究室が、過去の卒論をPDFにしてオンラインで公開している!!
や、やめてー。。
心の底からひどい卒論を書いたのです・・・タイトルからして
「リゾートについて」
というしょぼさ。これじゃあんまり、ということで、教授が
「リゾートの実態と開発のあり方に関する研究」
と変更してくれた。
「先生として僕が恥ずかしいから」
という理由でした。ゴメンナサイ。で、その暗い過去がオンラインになっているデスと?!
クラクラしながら、都市交通研究室・研究内容なるページをスクロールダウン。すると・・・・
公開されているのは2000年以降の卒業生だけでした。
おおう、、、よかった。若者は大変だのう。
しかし、卒論リストを見ると最近の学生にもオキラクな人がいるみたい。中身は読んでいないので、タイトルだけで判断するに
「オープンカフェの魅力に関する研究」
あたりは著しく怪しそうだ :-)
ちなみに、アメリカでは小学校から大学まで、やたらに文章を書かせられる。そんな中、オンラインでゲットした文章をコピーペーストしただけのものを提出する生徒が増えていることが問題になっている。が、インターネットの普及は、それとは逆に、自分のしょぼい卒論もどきが世に公開されてしまう、という危険もはらんでいるのである。
もうひとつオマケだが、私が卒論もどきを書いたとき、JTBに行って過去のハワイツアーのカタログを見せてもらったことがあった。(なんといっても、「リゾートについて」だから、ハワイははずせない。)
1964年の海外渡航自由化から何十年分かのツアーカタログ。発見は、
「ツアー価格はほとんど変わっていない」
ということだった。昭和30年代でも15万円、平成になっても15万円、みたいな。全然価格が変わっていない、という意味では「卵」みたいなもんなんでしょうか。
ちなみに、JTBでは、ツアコンのお姉さんたちが引継ぎをする部屋の片隅でカタログを見させてもらった。過去のツアーで起こった問題や、気をつけなければいけないことなどが引き継がれていた。びっくりしたのは、結構心霊話が出たこと。
「XホテルのY号室は出たのよ~!!ベッドに座って、鏡を見たら、私の隣におじいさんが座ってるのが映ってる!ぎょっとして、そのおじいさんがいるはずのところを見たら、まるで人が座ってるみたいにベッドのクッションが沈み込んでるの!」
とか。あと、ツアー参加者が発狂した話とか、インドツアーに数百万円腹巻に入れて持ってきた人があせもになった話しとか。そっちのほうが面白くて、カタログ見るフリして、ずーっと聞いておりました。
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2 月 15, 2006
いいまつがい(日本のサラリーマン編)
むかーし、まだ私が三菱商事に勤めていた頃聞いたいいまつがいです。
- 業界紙で三井物産に関する記事をじっくり読んでいた社員A氏。リーンとなった机の電話を取るなり
「はい、三井物産です」
周りは呆然。しかし、「えっ、三菱商事さんじゃないんですか!?」と聞き返してきた(であろう)相手に向かって、A氏は何事もなかったように平然と、
「はい、三菱商事ですが」
と言い放ったそうな。
- 大阪配属になった新人B君。「大阪では電話を取ったら『マイドッ』と言う」と習い、なるほど、とばかり、かかってきた電話を取って一言
「オイドッ」
(ちなみに、関西弁で「おいど」=「お尻」) - (この話は、前にJTPAでも書いた気がするが・・・)
ふんぞり返って超偉そうに英語で電話していた社員C氏。
「OK, my number is・・・」
と自分の電話番号を言う段になっていきなり
「ゼェロサァンノォ、サンニィイチゼロォ・・・」
と英語風の発音で、でもしっかり日本語で数字を読み上げ。周りの人が笑い転げる中、本人は気づかず、恐らく「beg your pardon?」と聞き返してきた(であろう)相手に向かってもう一回
「ゼェロサァンノォ、サンニィイチゼロォ・・・」
(ちなみに、数字は日本語と英語でそれぞれ音として記憶され、それがしかも脳の別の場所に格納されるらしく、日本語で覚えた数字は英語で言えない、逆も同様、という問題があります。完全にバイリンガルで育った人でも同じ問題があるとのこと。ゆえに、この人の間違いはわからんでもない。
中には、数字は、言語とは独立した純粋な記号で記憶していて、英語・日本語、どちらからでもアクセス可能な人もいるかもしれませんが。)
オアトがよろしいようで・・・テケテンテンテンテン。
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2 月 14, 2006
バレンタインの贈り物
ふふふ、皆さんバレンタインはどう過ごされましたか?アメリカでは、カップルが相互にプレゼントを交換し合う日らしいですが、特に男性が女性にロマンチックなプレゼント&ディナーを提供、というのが重要なようで、月曜・火曜は滑り込みでプレゼントの買い物に励む男子がデパート等でアタフタと宝石やら香水を買い込んでいて、涙ぐましい。
さて、そのバレンタインがらみで、San Jose Mercuryのコラムを二発ご紹介:
Show you care with a gift of household drudgery
女性のコラムニストによるもの。「女友達へのヒアリングに基づく『彼女・奥さんが喜ぶバレンタインのサービス』リスト」ということなんですが、ひょー、むずかしー。いきなりこんな感じ。
When you come home Tuesday night, tell her you've been wondering about the relationships of all of her friends. Are they with the right partners? Do they complement each other? How do they make it work? Tell her you'd like to make some popcorn and talk about this all night.
ぎー。「バレンタインの日に家に帰ったら、奥さんに『君の友達の結婚生活や恋愛がどんな風なのか、みんなどんな困難を抱えているのか気になってたんだよ!ボクがポップコーンを作るから、二人で、朝まで君の友達について語り合おう!』と言ってあげる」
うおー、難しい。うちのダンナだったら、「全く興味のないことを聞き続ける」という過度の負荷によるストレスで、1時間後には脳溢血で死亡することでしょう。ま、私自身、友達の恋愛についてそんなに深く知らないから、話すこともないんだけど。世の女性は難しいニーズを抱えているんですねぇ。
一方、男性コラムニストによるものがWake up, Romeo!
こちらはバレンタインデー当日に「やばっ、何も用意してない!」という男性への
「最後に一発大逆転で彼女をうっとりさせる作戦」
のガイドです。
Look for a small green, flowering plant in an attractive pot. The point to pass along to your sweetheart is that flowers soon wilt and die, but a plant, if given loving care and attention, will get stronger and indeed flourish. (Pause.) Just like a relationship!
花束の一つも買ってなかったら、この際バラの花束などというありきたりのものはやめ、鉢植えの花を渡す。そしてそこで
「切花はすぐにしおれて枯れてしまうけれど、愛情をこめて手入れを続ければ、鉢植えはどんどん強くなって豊かになる・・・(ここで間を置く)・・・君とボクとの間も一緒だ!」
と語る。おおう!この後さらに、夕食を作ってあげたりと、いろいろな作業が発生。
男性諸君、日本人に生まれてよかったでしょう?金で買えるプレゼントの方がずっと簡単ではないか。
アメリカの女性は要求が高いんであるなぁ・・・。

