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2006/01/31

On , Press | オンラインゲーム帝国の誕生

1月26日に日経産業新聞に掲載頂いたコラムです。

「オンラインゲームは、新たな国家の誕生か?!」という話。オンラインゲームの中の資産売買の儲けだけで、リアルの世界でも生きていける人が誕生、オンラインゲーム通貨が、まるで実在の国の通貨のようになってきつつある、と。円とドルが兌換できるように、オンラインゲーム通貨とドルとの交換レートも設定されたりして、オンラインゲーム運営者の役割も「単なるゲームの場貸し」から、「中央銀行」へと変わってきていて、いや、大変ね、というようなこと。

では、以下本文です。

多人数が同時に参加できるオンラインゲームの世界的な普及を背景に、オンラインゲームの「内側」での電子商取引に関連する市場が膨張している。ゲームを楽しむのに必要な架空の武器や不動産をプレーヤー同士がオンライン上で売買するもので、「オンラインゲーム・エコノミー(経済)」が様々な業界に波紋を広げている。

オンライン・エコノミーはゲーム用の武器をやり取りする単純な取引がスタートだ。ゲームを通じて個人技が上がると、様々な武器を手にすることができる。それを他人に譲渡することが可能になると、「苦労せずに優れた武器を手に入れたい」というプレーヤーたちがイーベイなどのオークション(入札)を活用し、様々なアイテムを買い求めるようになった。

売り手は個人ばかりではない。中国など人件費の低い国では、多数の人を雇ってゲームに参加させ、獲得したアイテムを販売するといった組織的な事業まで生まれた。

その後、「ディベロッパー型」と呼ばれる取引が誕生する。ゲーム内の架空の不動産をゲーム運営者が販売し、購入者はその土地を開発して付加価値を加えて販売するのだ。

昨年十月には「プロジェクト・エントロピア」というゲームで、十万ドルを投じて島を購入した人が登場、話題を呼んだ。「魅力的な音楽や戦いがいのあるモンスターを提供してプレーヤーをひきつけ、参加するプレーヤーから税金を徴収する」というのが購入者の事業モデルで、「年間売り上げは少なくとも百六十八万ドル」と豪語している。

オンラインゲームといっても銃撃戦を繰り広げるようなものばかりではない。参加者が自らの家を建て、近所の人とコミュニケーションをし、職業を持つ「コミュニティー型」も存在する。

その代表的なゲーム「セカンド・ライフ」では、「セカンド・ライフのロックフェラー」と呼ばれるディベロッパーもいる。ドイツに住む三十三歳の中国系女性で、ゲーム経済収入は年間十五万ドルは下らないと想定されている。まず、まとまった土地を購入して川や山などの自然、しゃれた店舗を作りこむ。次に住人が守るべき公共ルールを整備したうえで、他の参加者に分譲する。

オンラインゲーム経済の市場規模について、インディアナ大学のカストロノバ教授は二億ドルから十億ドルと推定する。同経済の規模が大きくなるに連れ、ゲームの場を提供する企業の役割も変わらざるを得ない。プレーヤーやディベロッパーが安心してゲームに参加し続けられるよう、インフレ率を抑制し、経済のオーバーヒートやバブル崩壊を防ぐ必要がある。

そのためには、新しく流通させるアイテムや不動産の量を規制し、ドルなど実体経済の通貨との交換レートの設定にも注意を払わなければならない。「独立国家の中央銀行としての役割」を果たす必要が出てくる。

この架空経済を、実体経済でどうやって課税するか、という問題も生じる。「タックスヘイブン(租税回避地)に運営企業があるゲームの世界で、ドイツ人が日本人にゲーム内通貨で支払いをし、その日本人が儲けた通貨を米ドルに変換した」といった場合、どこの国が、どのタイミングで、誰に課税するのか。

オンラインゲーム経済が今後、健全に発展していくには、クリアしなければならない課題が山積しているようだ。

08:20 午後 Onアーカイブ , Pressアーカイブ | 固定リンク | コメント (9) | トラックバック(5)

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コメント

OLゲーム(勝手にOLに略してしまいました;)がバーチャルからリアルな通貨として取引されはじめたという話は一年ほど前から耳にしていました。まさか、こんなスピードで拡大しているとは。。。ゲームメーカはこの動向を黙認していくのでしょうかね?教授の予測する市場規模10億ドルという数字は相当なサイズだと思うのですが。

ゲームをしない私は、ゲームをするよりこの儲ける手段とマーケットサイズの方に断然興味が沸きます。ただし、自分が手をだすことはないですね。

Posted by: integrity at 2006/01/31 22:23:48

そういえば『日経エレ』(1/16)で「RMT がゲームを揺さぶる」って特集やってまして、そこにも登場してたH-Yamaguchiさんが↓んなエントリ書かれてました。コメント欄も盛り上がってるなあ。:)

 -ゲーム内資産への課税の是非について
http://www.h-yamaguchi.net/2006/01/post_20b9.html

Posted by: ゾフィ at 2006/02/02 21:23:11

integrity-san,

ゲームメーカーは、中央銀行としての自覚を持ちつつあるところもあるようです。Second Lifeの運営会社なんかは特に。。。。

ゾフィ-san,

ほほー、そんなところに書かれてしまつていたのですか。なるなる。

ちなみに、「マイレッジのマイルは課税されないのが当然」となってますが、実はこれ、結構大論争があったんですよね。ビジネススクールのケースにまでなってました。ケースになっていたのは、「マイレッジ提供側の航空会社はマイレッジを同会計処理すべきか」というものでしたが。マイレッジを使う側の消費者は、現実問題として、マイルを航空券に変換するところで税金取られます。少なくともアメリカでは。

また、リンク先エントリでのコメントで
>ゲーム内詐欺、ゲーム内窃盗もしくはサーバプログラムの不具合を利用して手に入れたゲーム内アイテムを販売した場合はどうなりますか?

というのを読んで、ふと思い出した話。

数年前、ハッカーがアイテムを偽造・販売して問題になり始めた頃、Electronic Arts社がFBIを呼んで調査を依頼したとのこと。が、FBIは
「???バーチャルなアイテムが、オンライン取引で盗まれ、バーチャルな世界で利用されている???そのどこが問題あるデスか?」
と困惑、説明が大変だった、と聞いたことがあります。(いや、もちろん、もっと知的に困惑したんだと思いますが、要約すると、ね。)

Posted by: chika at 2006/02/02 22:24:09

再度chikaですが、うむ、ちょっと待てよ、マイレッジについては、マイルをredeemする時とられるtaxは空港使用税とかだけかな?むむ??よくわかりませぬ。

ちゃちゃっとサーチしてみると、95年にカナダでは「会社の金で行ったビジネストリップで貯めたマイルを使って個人で旅行したら、その航空券の価値分を会社からの給与とみなして課税する」というrulingがされた模様。

RMT一般について言うと、ゲーム運営会社・プレーヤーがともに同じ国にあれば問題ないけど、そうじゃないと、いろいろ国際課税の問題が出てくると思います。例えばゲーム運営会社がケイマンにあるとします。プレーヤーはフランスに住んでいて、フランスのインフラ(公共施設とか保安とかいろいろ)を享受している。が、収入は全てゲームからのみなので、フランスには全く税金を納めていない。というようなことになると、フランスはぶつくさ言うことでしょう。

Posted by: chika at 2006/02/03 0:12:16

いやあ、↓んなん出ちゃいましたね、オランダ王国ですけれど。
 ・ゲームの仮想通貨を現金で引き出せるATMカード
http://cgi.itmedia.co.jp/g/02_0805061c10_/news/articles/0605/03/news009.html

少し遠ざかりますが日本の現実でもEddy/Suicaが50円玉や5円玉にインパクト与えてるようだったり。
 ・電子マネー(貨幣流通量を減らす?)
http://www.fin-bt.co.jp/comment323.htm

動いてますねー。:I

Posted by: zoffy at 2006/05/08 7:14:08

RMTは相当大きな経済規模に発展してきているようですね。韓国ではKAISTなどが中心になって、Culture technologyを造語し、国家的に研究開発を進めているようです。まだコンセプトだけでですがね。

Posted by: Tom at 2006/11/26 13:53:44

ゲームで便利に使用できる補助装置を紹介します。
[Half-Auto] : ゲーム画面を認識して決まった動作(攻撃、スキル、バッフ等等)を録画して使用
[M-Key] : ゲームで反復的に使われるキーの集合を一つのキーに登録して使用
[PC-Game JoyStick] : PCゲームの操作をキーボードではないレバーとボタンで簡単に使用
[自動クリックマウス] : ゲームでマウスの左/右ボタンを決まった時間間隔で反復クリック
詳しい情報は -> (www.automouse.jp)

Posted by: Gamer at 2006/11/29 1:47:30

はじめまして。オンラインゲームでお金儲けができるという話は聞いたことがありますが、実際どのようなものがあるのかそのサイトも知りません。実際に投資をしたり土地を購入したりなど試してみたいのですが、紹介して頂けないでしょうか。

Posted by: 山田 久 at 2007/06/12 22:27:18

Second Lifeはいかが?新しいエントリー書きました。
http://www.chikawatanabe.com/blog/2007/06/second_life.html

Posted by: chika at 2007/06/12 22:34:21






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