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2005/07/19

On , Press | 制約されないメディアの未来

日経産業新聞7月19日に掲載されたコラムです。Podcastingなどを含んだメディアに関してですが、関連して、「アメリカでは映画興行収入もDVD売り上げも下がってきて大変」というのを書いたDVDと映画の未来もあります。ご参考まで。

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 インターネットによるコンテンツ(情報の内容)流通が、米国のメディア産業を大きく揺さぶっている。何よりも「音楽はインターネットからダウンロードするもの」ということが常識になりつつある。

 米パソコン大手アップルコンピュータでは、携帯型音楽プレーヤー「iPod」の販売が絶好調で、業績をけん引している。一方、ネット上で音楽や映画を交換するファイル交換ソフトが著作権の侵害行為を助長した場合、ソフト開発会社にも責任があるという判断を米連邦最高裁が下した。コンテンツ流通がしっかり利益を生むビジネスとして成長する素地も整ってきた。

 コンテンツを制作する側にも変化が起こってきている。自主制作したコンテンツを誰でも簡単に発信できるようになってきたのだ。

 その一つが昨年後半から一気に人気が高まったポッドキャスティングだ。作り手は自分で作った音声をインターネット上のサイトに載せるだけ。聞く側のコンピューターにインストールされた専用ソフトが登録されたサイトを自動的にチェックし、新しいものを自動的にダウンロード、iPodに転送してくれる。ポッドキャスティング対応のラジオ局まで誕生した。

 音楽だけでなく、動画の世界でも同様の動きが広がっている。たとえば個人から投稿されるコンテンツを放送することにフォーカスした放送局だ。ゴア元副大統領が支援するカレントTV(サンフランシスコ)や、カナダのZeDなどが始動しつつある。

 映画の興行収入が前年同月比比を下回るなど、影響も出始めた。視聴スタイルが「映画館で封切時に」という伝統的な見方から「ホームシアターで好きなときにDVDを」へ変化しているため、というのが有力な見方だ。

 また、ブロードバンド(高速大容量)通信の普及とともに、ネット経由で好みの映画をダウンロードして楽しむことも可能になる。テレビ番組の自動録画サービスを手掛けるティーボも、映画をダウンロードする事業を始めると発表している。

 こうした様々な動きの一つの共通項は「コンテンツ事業で時間や場所、資本力の制約は弱まった」ということだ。店舗の陳列棚や開店時間、映画館のスクリーンや上映時間といった制限は、ネット上でのダウンロードでは関係ない。

 流通コストも安いから、ほとんど誰も見ないコンテンツでも、ひっそりネットワークの片隅で誰かのリクエストを待つことができる。コンテンツ制作に必ずしも資本の多寡は関係なくなる。小規模なチームや個人でも参入が可能になる。

 この結果、音声や動画で従来より格段に多数のコンテンツが世の中に誕生しつつある。これと並行して「マイナーな音声や動画でも見る、聞く」というユーザーも増えている。

 文字メディアが、従来の「一部の発行者と固定的な読者」という形態から、「世界中にあふれるウェブサイトとその間の自由なリンク」というネットワーク構造へと移行したのと同じような変化が、音声・動画メディアでも起こりつつあるのである。

 この新しい構造のコンテンツ流通社会では、果たして人々は何を見て、何を聴くことになるのだろうか。

05:17 午後 Onアーカイブ , Pressアーカイブ | 固定リンク | コメント (6) | トラックバック(1)

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Tracked on 2005/09/04 0:01:14

コメント

この先、日本のテレビ番組もインターネットを通じてダウンロッドできるようになって、テレビCMなどが消える日は来ると思いますか?
そして、そのとき、広告代理店はどうなると思いますか?

Posted by: haru at 2005/07/19 23:51:50

こんばんは。

ここら辺の動きにはとても関心があります。動画・音楽・ゲ
ーム・電子書籍のようなコンテンツで、課金の仕組みが固ま
りつつあるようにも思います。どこがデファクトを握るかで、
各社が鎬を削っている事でしょう。

昨年、西海岸の Contents Guard という会社に行ったので
すが、ご存知ですか?その際は MS の資本が入るような話が
あったので、Windows Media の仕組みばかり薦められてつ
まならいなと思ったのですが、やはり MS が押さえてしまう
のでしょうか...う~む。

Posted by: lysander at 2005/07/20 9:38:18

CMについてですが、、、、

CMはコンテンツそのものの中に入るのでしょう。
既に番組の中でスポンサーの製品などが使われて
いますがこれなどは、最も単純な広告だと思います。
番組自体が、あるものを買いたくなる、Subscribe
したくなるという様になったり、逆にライバル会社の
製品を買いたくなくなるなど。これが行き過ぎたり、
思想にまで影響を与えるコンテンツが多くなると
新たな規制にまで発展するのでしょう。
これまでのTV CMは番組の途中に割り込むという
あまりに原始的、乱暴な方法で長年工夫が少ないまま
過ぎてきたのではないでしょうか?
更に、こういう時代になると視聴率の調査が難しくなり、
Copy Rightsのコントロールと視聴率の調査が一緒に
出来る、つまり誰が(anonymousのはず)が正しい
copyをいつどれだけ見たかとか。

Posted by: giveme5x2 at 2005/07/20 14:13:44

haru-san,

うーん、当面は、全てがインターネットでダウンロードされるようにはならず、他のメディアが共存すると思います。一つのコンテンツを同時に多数に提供するには、あんまりインターネットって適してないですよね。しばらくは、ブロードキャストとナローキャストで、住処と住み分けがおこるんじゃないでしょうか。20年後ぐらいには、どうなるかわかりませんが・・。

広告については、giveme5x2-sanがおっしゃるとおり、コンテンツの中に入ってしまう広告が多いと思います。既に「映画で商品を使わせる」というための広告代理店(というのか・・)もありますし。Jim Carreyが出たThe Truman Showという
映画がありました。「本人に全く知らせず、一人の人間の人生そのものをテレビ番組として世界に放映。彼が周辺のものはすべからく宣伝」というもの。ああいう感じでしょうか。

広告代理店は、広告を「物を売るために多くに知らしめるための告知行為」と広く捕らえ、そのための専門家になることで生き残っていくと思います。将来的には、広告を出す側の代理店よりも、広告を出してもらう媒体側の代理店、という性格が強まる可能性もありますね。

lysander-san

Contents Guard、知りませんでした・・・。腐っても鯛、よどんでもマイクロソフト、この領域でも侮れないと思います。。。

giveme5x2-san,

そういえば、最近、Tivoがコマーシャルにタグを追加する、というのを発表しましたね。
http://www.latimes.com/business/la-fi-tivo19jul19,1,2577745.story?coll=la-headlines-business

Tivoでテレビを見ていると、広告の片隅に会社のロゴが表示され、ユーザーがそれをクリックすると、ユーザー情報が広告主に送られる、と。GMのロゴをクリックすると、車のカタログが送られてくる、と。ポイントは、早送りしてもこのロゴが消えないこと。。。どうやって「原始的・乱暴」な広告を、新しい視聴形態にあわせてmodifyするか、という試みでしょうか。

Posted by: chika at 2005/07/20 23:36:17

chika san

ありがとうございます。

そうですね。すべてがインターネットを通じてダウンロードされるわけじゃないですね。

そのうち、衛星テレビが違法なチューナーをなんとか無くすことができれば、伝統的なテレビCMは消え、視聴者がスポンサーをの商品を買うことによって、間接的に番組制作費を支払うのではなく、観たい番組にだけに料金を支払うようになるでしょう。

Posted by: haru at 2005/07/21 9:58:02

chikaさん

TiVoの知りませんでした。面白いですね。このように効率的にユーザの情報と嗜好を集めるという手もありますね。ただ、私はこれは少しやりすぎでこの個人情報の収集にやや抵抗があります。TiVoは苦しいのでいろいろ考えているところなんでしょうけど。
そのうち、このロゴを消すとか、ユーザ名をJohn Doeにするなどのパッチソフトがでたりしながら、またそれに対抗した方法/アイデアが出てくることでしょうね。ちょっと楽しみ… --giveme5x2

Posted by: GiveMe5x2 at 2005/07/21 12:07:59






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