« 2005年6 月 | Main | 2005年8 月 »
7 月 11, 2005
中国人とユダヤ人
先日、Washington DCで、ダンナの友人に会った。彼は、もともとベトナム在住の架橋(じゃなくて華僑)で、ベトナム戦争時にアメリカに逃れてきた、という人である。ベトナム語・北京語・広東語・英語ができる。現在はNASAのエンジニアでありながら、週末は中華料理屋のオーナー店長となるという、テレビドラマ「必殺仕事人」で藤田まこと扮する中村主水のような人だ。主水は、職場ではうだつがあがらず、家では「婿殿」と馬鹿にされるが、実は暗殺団を束ねる必殺の仕事人、という役どころ。
友人氏は、結構流行っているハイエンドの中華料理屋を経営しており、車はベンツ(華僑だから)、家は広くて家具を買いきれないくらい、最近ポトマック川近くの高級住宅街にも土地を買った、という生活ぶりなのだが、NASAのエンジニアは貧乏というのが定番。なので、通勤用にはアコードかなにか、ごく普通の車を持っている。
その友人氏に会うため、週末彼の中華料理屋に行った。本人は、バーのカウンターの隅で、ラップトップに何かをせっせと打ち込んでいた。何をしているのか聞いたら
「明日必要なNASAの設計の仕事」
うーむ、中華料理屋の隅っこでNASA。必殺仕事人は大変なのだ。
で、その後一緒に夕食を食べていると、友人氏が
「ユダヤ人の客の中にはひどいやつがいる」
と愚痴をこぼし始めた。
「ちょっと気に入らないからといって、400ドル近いディナーをタダにしろとか、自分のせいでワインをこぼしたくせに、洋服を弁償しろとか言うんだ。そういう客はことごとくユダヤ人だ。なんて金にがめついんだ、あいつらは」
と。私は黙っていたが、ダンナ(中国人)が
「でも、俺たち中国人だって世界中から『あいつらはなんて金にがめついんだ』と思われてるよ」
と。そうそう。
帰り道、とことことDCの夜道を歩きながら、ダンナに
「日本には『目くそ、鼻くそを笑う』ということわざがある。」
と、教えてあげた。私の訳は、Eye booger laughes at nose booger
booger(ブガー)は鼻くその子供言葉。一応広く通用します。で、うちのダンナ、およびその家族は目くそを「eye booger」と呼ぶのですが、カリフォルニアで生まれ育った人に言ったら「そんな言葉知らない」とのことなので、これはだんなの育ったハワイのローカル表現か、またはダンナ家ローカル。目くそ、の本当の訳はsleep。
さらに言うと、目くそ鼻くそを・・・と同じ意味の、正しい英語のことわざは
The pot calls the kettle black.
です。なんだかいきなりお茶目で高尚。
Permalink | Comments (18) | TrackBack (0)
7 月 10, 2005
茶叶蛋36個
先週からダンナの両親(ハワイ在住中国人)が遊びに来ている。「義理の母親が来る」となると、大変な騒動になる方もいると思うが、うちは別に大変じゃありません。日々の食料品も、両親が買い込んできて冷蔵庫に詰め込んでおり、
「冷蔵庫の中のもの、遠慮しないでどんどん食べて」
と言われるのは、私のほうなのであります。
今日は、Tea Egg(茶叶蛋)を義理の父親がせっせと作っていた。(彼は料理人)。いろんなものが入ったスープで殻にひびを入れたゆで卵を煮込み、味をしみさせたもの。家中が五香粉としょうゆの匂いで満ちている。タマゴは、な、なんと、36個もある。ダンナのお姉さんとその娘も一緒に遊びに来ているとはいえ、両親は「コレステロールが高いから卵はあまり食べない」ということで、一人8個くらい食べる換算ですなぁ。
冷蔵庫も冷凍庫も中華料理で一杯の今日この頃でした。
Permalink | Comments (3) | TrackBack (0)
7 月 07, 2005
シリコンバレー夏のベートーベン:Music@Menlo
Music@Menloというクラシックイベントがある。William and Flora Hewlett Foundationと、 David and Lucile Packard Foundationからの寄付を核に2003年に始まったもの。高級住宅地Athertonの、これまた高級な学校Menlo Schoolのホールで、約2週間にわたって行われる。コンサートだけでなく、演奏者の話のセッションや、アーティスト・選曲に関するレクチャーなど、盛りだくさん。
去年行った人が「小さなホールで一級の演奏を聞くと、細部までが手に取るように見え・聞こえて、本当にすばらしい」と絶賛していたので、今年はチケットが売り切れる前に速攻で買った。オンラインで買ったチケットが送られてき封筒の中には、プログラムの背景の解説や、演奏者のインタビューが入ったCDまで付いてきましたです。ひょえー。
7月28日のHaydn piano trio E major、Mozart Horm Quintet、Beethoven Septet
E-flat majorというのと、8月7日のBeethoven Grosse Fuge, Charles Ives Piano Sonata
No.2というのに行きます。。。
ちなみに、Hewlett FoundationとPackard Foundationというのは大変えらい。このあたりで、「オーすばらしい」という文化的・社会貢献的なものの多くは、この二つが資金源。Palo Altoのダウンタウンにある古い映画ばかり上映しているレトロな映画館とか、Montereyの水族館とか。
クラシック音楽は、非常なる才能がある人が、死ぬほどお金をかけて長い間教育を受けた上でやっとこなれるものであるにもかかわらず、ほとんどの演奏家は経済的に結構苦しい、という構造になっている。
貧富の差が激しかった昔々は、お金持ちの貴族が、才能ある音楽家のパトロンになることで、音楽家が育った。
そして、今また貧富の差が広がることで、Music@Menloのような場が可能になっていく。貧富の差の広がり方が激しいアメリカでは、お金持ちの最後のゴールは福祉活動で、HewlettとPackardのみならず、Bill GatesにしろTed Turnerにしろ、競ってフィランソロフィーに励む。これは実は、社会構造が、「一部の大金持ちと、大多数の労働者」という昔の形に揺り戻っていることの現われなのだろうか。
Permalink | Comments (2) | TrackBack (1)
7 月 06, 2005
RSS特化ベンチャーキャピタルファンド
RSS関連技術・サービスだけに出資する$100 Millionのベンチャーキャピタルファンドができた。その名もRSS Investors。San Jose Mercuryは「もしかして、Kliner Perkinsが90年代にやって失敗したJava Fundの二の舞?それとも・・・・?」SiliconValleyWatcher blogは「自分たちもRSSで仕事してるから、ラッキーって感じ」とのことですが。
「ハメルンの笛吹き」にならないといいんですが。
Permalink | Comments (0) | TrackBack (0)
7 月 05, 2005
Innovative Silicon(とコンデンサとキャパシタ)
今日とあるマッキンゼーのヒトからメールをいただいたのですが
「ONの方は私の軟弱頭では、煙が出そうなくらい難しい」
と書いてありました。これはつまり
「お前の書き方は要領を得てなくて頭に入ってこない」
ということでございましょう。ふむ。しかし、最近Onと言えば、「先週のベンチャー投資」しか書いてないなぁ。というわけで、「先週一番たくさん増資したベンチャー」と「先週一番たくさんストックオプションを現金化したシリコンバレーの人」だけに簡単化します。7月で、バカンスシーズンということもありますし。
さて、先週一番たくさん増資したのは、Innovative Siliconという会社で、増資額はUS$16Mでした。Innovative
Siliconは新しいメモリ技術を開発する会社。通常のDRAMに比べ面積が半分で済むので、小型化できる、というのが売り。半分にできる理由は、普通
はトランジスタと電荷を蓄積するコンデンサ(キャパシタ)でできているDRAMを、キャパシタなしでできるから。これを同社では、Zero capacitor DRAMということで、Z-RAMと呼んでます。
メモリは、古いけれど新しい領域で、いろいろな新技術が出てます。たとえば、分子レベルで記憶させる、molecular memoryなるものを開発するZettacoreもあり。電荷蓄積を行うキャパシタの役割を電子が果たす、と。分子から電子を奪うことで「記憶」させ、どれだけ電子が奪われているかを読み出すことで「記憶読み出し」。一つの分子から複数の電子を奪うことができるように設計してあるので、1と0という二つの状態よりも多くの情報を記憶することができるとのこと。(つまり、一つのセルで複数ビットの情報を保持できる)。Zettacoreはナノテクのチアリーダー的ベンチャーキャピタル、Steve Jurvetsonの投資も受けており、「今すぐにでも製造可能」と、一昨年くらいから言ってますが、今でもまだ「2005年後半には製造可能」とか言ってて、ちょっと蕎麦屋の出前気味・・・ですが、そういうベンチャーは多いですから、資金が続く限りよいのですが。
ちなみに、コンデンサは、最近は、日本語でもキャパシタということが増えていますが、英語ではcapacitor一本やり。Wikipediaを見ると、condenserは"another (old-fashioned) word for capacitor"とのことで、アメリカでは日本より先に古語になっちゃったということでしょうか。なぜ、condenserからcapacitorに変わったのか、ご存知の方がいたら教えてください。
話を戻すと、Innovative SiliconもZettacoreも、「既存のCMOSプロセスで作れる」と言ってます。これ、半導体の世界では重要なキーワード。「CMOS=安い」ということで、「新しいけど、安い」ということ。安いということをプッシュしなければならない成熟産業は大変だなぁ・・・
- 先週の最大のインサイダー取引
これまた半導体のTrident MicrosystemsのCEO、Frank LinのUS$6.6M。Tridentは、バブル崩壊前の株価にほぼ完全に戻った珍しい半導体企業の一社。Sunnyvaleにあり、社員300名、企業価値US$600M強。
95年に25ドルだった株価が、一旦1.5ドルまで落ちこんだものの、今では24ドル超。競争が激しいラップトップ向けをやめ、デジタルテレビ向けにフォーカスしたのが成功の秘訣。LCDテレビメジャー6社中4社が顧客だそうです。
1.5ドルといえば、上場取り消しのがけっぷち。Tridentは「よく生き残ったで賞」の会社ですね。
Permalink | Comments (7) | TrackBack (0)
7 月 04, 2005
欠点のない夏
ベイエリアの夏は欠点がない。毎日晴れている。暑くない(うちはクーラーなし)。夜はひんやり。蚊はほとんどいない(網戸なしでも大丈夫)。ゴキブリはいない。強いて言えば、乾燥して、紫外線が強いのが欠点でしょうか。なれますけど。
今日は、独立記念日でお休み。写真は、昨日近くのMountain Viewのfarmers marketで買ってきた野菜と果物。
↓ farmers marketの光景。
↓ 猫も夏。
Permalink | Comments (2) | TrackBack (1)
7 月 03, 2005
人違い

先週、ギタリストOttmar Liebertのコンサートに行ってきた。写真は、Ottmar Liebert本人のblogから。いわく
What a wonderful evening at the Mountain Winery yesterday! The weather was perfect and we had a great time.
今ベイエリアは夜9時ぐらいまで明るく、夕暮れの屋外コンサートはとても気持ちよい。今回は、うちから、ほんの15分ほど車で行ったところにある、SaratogaのMountain Wineryというところが会場。Ottmar Liebertは裸足でありました。ちなみに、Ottmar LiebertはCreative CommonsのSampling+ライセンスで作品を公開している。彼がこれを説明すると、基本的にみんなシリコンバレーの人である会場は大変喜んでいた。
さて。
間の休憩時間にボーっと木の根元に座っていたら、微笑みながらスタスタと歩み寄ってくる男性一名。私の目の前で立ち止まると
「You are Tanya, right?」
・・・・ち、ちがーう。
Noと私が言っても
「え??いや、僕はSavvionで働いているんだけど、去年ブラジルからインターンが来て、それがTanyaで・・・」
と説明が続く。そういう風に説明すれば私が
「あ、そうそう、去年は私はTanyaで、Savvionにインターンしにいったよ」
とか言うと思ったのかね。
私が、「その人、Japanese Brazilian?」
と聞いたら、そうそう、というので、
「I am Japanese Japanese, and not Tanya」
と言うと、ついにあきらめて「Enjoy the rest of the concert」と言って去っていった。
よっぽど私がTanyaに似てたらしく、最後まで納得のいかない顔をしてた。実は私には、ブラジルに移民した遠縁の親戚がいる。一度も会ったことはないのだが。もしかしてその血縁だったりして。
なお、今回はJapnaese Brazilianということで、少なくとも日本民族であった。タイ人とかフィリピン人に間違えられることもあるので、同民族であるだけ近い。10年以上前の話だが、マニラのショッピングセンターを一人で歩いていたら、
「Citibankの窓口の人でしょ?」
と声をかけられたこともある。「僕、よく行くんだよ」と。ほんまか。
世界に同じ顔の人は3人いるというが、私と同じ顔の人は、フィリピン人と日系ブラジル人なのか。
***
さて、翻って私はというと、他人を別人と取り違えたことが何度もある。一番思い出深い間違いは、高校生のとき。
当時、井の頭線で吉祥寺から通っていた。吉祥寺が始発なので、朝は電車に乗り込みしばらく発車を待つことになる。
その日も、いつもどおりホームにとまっている電車に乗り込むと、そこには叔父のミツオが立っていた。叔父さんではあるのだが、私が生まれたときまだミツオは高校生で、一緒の家に住んでいた。(我が家はサザエさんのような家族構成だったのだ。私がタラちゃん。ミツオは私の母の弟なので、カツオ。)家族がみんな「ミツオ」と呼び捨てにしていたので、私も「ミツオ」と呼んでいた。
ちなみに、ミツオは、内装工事屋サンで、いつも割と作業着チックな服装で、車で移動していた。それがその日は、アイロンのきいたコットンパンツにポロシャツなど着て、背筋まっすぐ電車の中に立ち、銀縁めがねをかけて文庫本を読んでいる。ミツオは本なんか読むタイプではないのに。しかし、その特徴的なギョロ目、特徴的な大きい鼻、その他全てがミツオである。
私は何の疑いも持たず、ミツオの腕を人差し指でツンツンと突付き、
「ミ・ツ・オ、おはよう!」
と声をかけた。
ミツオは私のほうを向き、無表情に銀縁眼鏡越しに私の顔をじっと見ている。
「どうしたの?朝っぱらからこんなとこで本なんて読んじゃって。」
と私はニヤニヤしながらさらに畳み掛けた。
すると、その人は
「わたしは、ミヤシタ ミツオさんじゃありませんよ」
と言った。(そう、私は「ミツオ」としか呼びかけてないのに、彼は「ミヤシタミツオ」と私の叔父の名前を正しくフルネームで言ったのである。)
私はとっさに事態が把握できずに、一瞬呆然としたあと、
(どこからどう見てもそっくりだが、確かにミツオがこんなカッコウでこんなところにいるはずがない!)
という事実を認識、赤の他人をツンツンしてしまった恥ずかしさに、われを忘れ、「すみません・・・」と一言だけつぶやき、まだホームに止まっていた電車から降りてしまった。
いやー、しかし、なんであの人は叔父の名前を知っていたんだろうか。
私の勝手な推測は、彼はそれ以前にも何度かミツオに間違えられ、時には、彼がミツオではないことを信じられない人から、しつこくしつこく、
「お前、ミヤシタだろ?ミツオだろ?」
などと言われたのではないか、ということ。今だったら、電車に残って、「え、どうしてミツオの苗字を知っているんですか?」と聞けると思うが、当時はまだ15歳くらいだったので、赤面して去ってしまったのであります。
***
ツンツン間違いでは、もう一つ、幼稚園くらいのときに、銭湯で知らないオジサンのお尻をツンツンしてしまったことがある。その日はお父さんと二人で男湯に行ったのだが、パンツをはこうとしたとき、どっちが前かわからず、お父さんと思われるオシリをツンツン指で突付き
「パンツ、どっちが前?」
と聞いたのだ。しかし、振り返ったオジサンは他人だった。
***
二度あることは三度ある。私は次は誰のどこをツンツンしてしまうのだろうか。
Permalink | Comments (4) | TrackBack (0)
7 月 01, 2005
スパム100メガ
ボランティアでやってるNPO、JTPAのサイトをリニューアル中。その中で発覚したのは、
「現サイトには、本物のコンテンツは2メガ分しかないのに、スパム・コメントが100メガ分ある」
ということ。このサイト、コメントは表示されないので、誰にも見えないのだが、実は、バイアグラだの、大きくしてあげるだの、細くしてあげるだの、ありとあらゆるスパムコメントがびっしりとフジツボのように付いている。
管理画面を見て、フジツボの存在は知っていたんだけど、まさか100メガ分もあるとは思わなかった。すごい。こんなしょうもないものをサーバーにキープしていたわれわれもすごい。
ストーレッジ関係の会社の株でも買うか。


