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2 月 28, 2005

アメリカの報道

土曜日にBTKという連続殺人犯が捕まった。70年代から80年代にかけて10件(以上)の殺人を犯し、警察に自ら通報したり、ニュースメディアに証拠写真を送ったりして関心を集めたが、今になってやっと逮捕された。BTKという名前は犯人自らが"bind, torture, kill"の略として名づけたもの。「縛って、拷問して、殺す」。しかし、逮捕された犯人は、教会のPresidentを勤めたこともあるという人で、周囲には衝撃が。

かようにおどろおどろしい連続殺人犯なのだが、うーむ、と感心したのは、ローカル新聞であるところのSan Jose Mercuryには全然この件の記事が載らないこと。かろうじて日曜版の6面には載っていたが(ただし他の新聞からの配信記事)、今日月曜は全くなし。

最近、日本では子供の犯罪、悲惨な事件が相次いでいると、みな嘆いているようだが、犯罪大国アメリカでは、国内(アメリカ)で起こる悲惨な事件の話が身近に感じられない。テレビも新聞もローカルニュースがメインで、遠くで起こった悲惨な事件より、身近なたいしたこと無い話題の方が主体なので。悲惨な話に耳をふさげばいいというものでもないが、あんまりネガティブに衝撃的なことばかり集めたニュースは見たくないので、個人的好みに合っている。

San Jose MercuryがBTKのかわりにどんな記事を一面に載せたかというと、大きい順に下記の通り:

1)昨日のアカデミー賞の話
2)サダムフセインの兄弟が捕まった話
3)ベイエリアの公立高校のロボットクラブが活動停止になった話
4)ベイエリアの議員がカリフォルニア州の財務ディレクターになった話
5)ベイエリアのインド人の家が強盗に狙われている話

以上。(念のため、これ以外に「Peninsula」という、地元のニュースばかり集めたページがあります。そちらの方はさらにローカル度が高まり、パロアルトの公園に市外の人が入れない話し、などなど)

しかし、上記3なんて、「それなんだよ」ですなぁ。しかも、かなり長い。パロアルトのGunnという名門公立高校のこれまた名門のロボットクラブで、生徒同士のいじめ・ストーカー的行為があり、その対処に失敗した顧問の先生は心労で休職中、クラブは活動停止でロボット選手権に出られない、という話。

でも、まだこれは事件といっても良いかもしれないが、この間なぞ、「とある小学校でお弁当の交換が禁止になった」という話が延々書かれていた。San Jose Mercuryは学校新聞か。

しかし、ふむふむ、と読んで納得してしまうのであります。不思議なもので、BTKみたいな恐ろしい事件が報道されても、ローカル新聞の一面に出ていないと、「なるほど、世の中には狂った人間がいるものなのだな」と第三者的な感慨で終わり、それほど暗い気持ちにならない。

こうしてみると私という人間はずいぶんメディアに感化されやすい。日本で、電車のつり広告、本屋に並んでいる雑誌、新聞の一面などを見れば、「あー、悲惨な世の中だ・・・・」と感じ、電車にのらず本屋にもいかず新聞が学校新聞チックだと心が平安。だからといってアメリカの方が日本より平安な社会というわけでもないのだが。というか、全然そうではないのだが。ということは単なるメディアの影響。

ちなみに、なぜアメリカの(多くの)メディアが「遠くで起こっているセンセーショナルなことより、地域内の雑事優先」なのか、という点について私が想像するのは・・・

1)社会構造

いつも本屋・新聞スタンドの前を通って、目に付いた記事・雑誌を買う、という「移り気な消費者」は少ない。車社会なので、家から目的地に直行してしまうから。(もちろん、マンハッタンで働くような人は別ですが、それは特別)なので新聞・雑誌は定期購読中心。定期購読だと、新聞だったら少なくとも一ヶ月、雑誌だったら一年単位で好ましいものを選択する。一方、一つ一つの号を見比べて目に付くほうを買う、という場合は、よりセンセーショナルなほうを買ってしまう。(「高校のロボットクラブ活動停止」という見出しの新聞と「BTK連続殺人犯捕まる」という見出しのもの、どちらを買うかといわれれば、やっぱり後者を買うに違いない。)

2)地理構造

国がでかくて遠くの地域は同じ国としての連帯感が薄い。距離で言えば、日本で香港とかフィリピンの事件を聞くようなもの。BTKなんていうカンザスのド田舎の殺人犯が捕まろうが、自分に関係ない。

他にどんな理由があるんでしょうね?

日本でもSan Jose Mercuryのような「ほのぼの新聞」があったら受けるかな?「××社の社員食堂に新しいシェフ登場!」みないなのが一面になっちゃうようなの。だめそうだなぁ・・・・。

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2 月 22, 2005

不老不死

先月号のTechnology Reviewの表紙はDe Greyという人。怪しい顔・・というか、怪しい髪形・ひげである。まるで宗教家だが、彼は「人間は5000年生きられるようになる」という説を唱えている。記事はDo you want to live forever?

現在41歳コンピュータサイエンティスト・・・だが、1991年に結婚した19歳年上の奥さんは遺伝学者で、本人も1995年から生物関係の文献を読み始め、数ヶ月後にはミトコンドリアの変異に関する新説を発見した、という人。さらにばりばりと知識を得、それに基づきこのページにある7つの問題を解明すれば不老・不死になる、と表明。

なんでそんなに長生きしたいかわからないのだが、それは私の想像力(または野望)が欠如しているからだろうか。老後は元気にのんびり過ごしたい、、、とは思うのだが。

さて、そんなことよりも、目を引いたのがこの一文。

I never once found myself looking anywhere but directly at him, except when going to fetch food—a full lunch for me and only potato chips for him

De Grayにインタビューにいった人の言葉。De Grayさんのランチは「ポテトチップ」だったとのこと。「5000年生きるとか言う前にまともなものを食いたまえ」と思いませんか。

大学院のクラスメートでも、ディナーを食べる時間がもったいないからポテトチップ一袋食べて終わり、という人がいましたが。せめてコーンフレークにした方が健康的な気がするんですけどねぇ。

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大学が卒業生を値踏み

先週、スタンフォードのビジネススクールの寄付金集め担当の人に会った。「日本人卒業生からの寄付をどうやって増やすか」についてのブレーンストーミング、ということで。それで知ったのだが、アメリカの大学はどこも卒業生の「値踏み」をしているのである。
「この卒業生は生涯総額いくらの寄付をくれる可能性があるか」
ということを、見積もっているのだ。

どの大学にも専門のチームがいて、世の公開情報を常に分析、どの卒業生がどれくらい公開企業の株を持っているか、どこかの会社で重要な地位についていないか、などを調査し、それに基づき「卒業生の(大学から見た)生涯価値」を決めているのだそうだ。

「生涯価値」が高い人には特別な寄付のお願いが行くことになる。「学長とのランチ会にご招待」とか。

で、「これまでの寄付金額」「過去3年間の寄付金額」などと「生涯価値」が一覧で出るようなデータベースがあって、「ふーむ、このあたりを攻めよう」などと戦略を練っているのである。

スタンフォードのビジネススクールでは、この分析結果に基づき、今は原点に戻って「みんなから広く少しずつ集めよう」という戦略になった模様。たとえ小額ずつでもみんなが寄付してくれれば総額はそれなりのものが期待できるのに加え、毎年寄付をする癖がついていれば、大儲かりした年には「今年はどんと寄付するか」といった決断も下しやすい、ということのよう。

同校では、生徒の払う学費はかかる費用の半分しかカバーしておらず残りは寄付でまかなわれている。2004年の学費が3万8千ドル、約400万円だから、生徒一人当たり毎年800万円かかっているのである。

ちなみに、日本の大学ではどれくらい使っているのだろう。。。Googleで調べたところ、こんなページが。国立では東大が一番高くて、一人当たり消費支出が500万円強、国庫補助費が370万円とのこと。(前者がかかる費用全部、後者はそのうち国が出している分、と思われるのですが、ご存知の方がいたら教えてください)私学では慶応が一番高くて、人件費・教育研究費計学生一人当たり190万円とのこと。

ふーむ。スタンフォードのビジネススクールと東大で、経費が6割しか違わない、というのはなんとなく違和感あるなぁ。ビジネススクールで驚いたのが「教育に金がかかっている!」ということだったので。設備より、人材とか教材。人材では、クルーグマンがひょこひょこサポート教員で登場したり、インテルのアンディ・グローブやノーベル賞受賞者が教員として立つ授業があったり。

いずれにせよ、「学費では費用がまかなえない」というのは、アメリカの大学はどこも同じで、ひたすら募金活動を行っている。イギリスでもオクスフォード大学が「創立1000年記念」という凄いセールスピッチで卒業生に寄付を迫っているという噂を聞いたが本当か・・・・。

・・・ちなみに、あまりこれまで大した寄付をしていない私としては、冒頭の「ブレーンストーミング」はちょっと冷や汗。会っている相手が私の値段も知っているかと思うと、なんとなく後ろめたく。「他人からの寄付を増やす算段の前に、自分が寄付しろ」という無言のプレッシャーを感じてしまったのは弱虫でしょうか。

なお、スタンフォードMBAの皆さん、今年度(8月締め)は「寄付率向上」(寄付額ではなく)が目標だそうですので、小額でも良いので寄付してください。私もします・・・・ので、よろしくおねがいします。。。

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2 月 17, 2005

この世で最も悲観的なアントレプレナー

去年Technology Reviewの記事のタイトルをそのまま和訳して地球上で最もホットなベンチャーキャピタルという大げさな題をつけてエントリーを書いたが、それにもじって「この世で最も悲観的なアントレプレナー」。(「上手くいっているベンチャーを経営しているのに」というのが頭につきます)

それは私の知人のAさん。香港出身、半導体関連のエンジニアからアントレプレナーに。半導体設計自動化ツール(EDA)業界の人。10年ほど前に最初のベンチャーを数名で起業、業界大手企業に約6億ドルで売却。しかも全て現金。で、今また別の会社を立ち上げ、メジャーなVCからの増資も受け事業は順調に進展中。先日ランチを一緒にしたが、彼の自分の会社を語るときの熱のなさ加減といったら・・・・・。

こんな感じです。

私「会社のほうはどう?」
A「Good」
私「シリーズBはどうだった?」
A「OK」
私「セールスのほうはどう?メジャーなお客さんはゲットできた?」
A「So so」

(いつ会ってもこの調子。最初の頃は、「もしかして今回のベンチャーは上手くいっていないのかなぁ」と思い、あまり深追いしなかったのだが、会社は結構それなりに人も増えている様子。なので、今回はちょっと突っ込んでみた。)

私「会社の話するとき、いつも本当につまらなそうだけどどうして?」
A「アップサイドは知れてるから。かなり確実にそれなりの成功をする自信はある。自分たちはこの業界の肝がわかっているから当然だ。でも、成功したってそこそこだ。EDAは業界としてもう成長しない。だから、ベンチャーが成功するって言ってもたいしたことない。ボクの金銭的アップサイドも大体見えてる。まぁその程度のもんだってことだよ。」
(推測では、彼のアップサイドは数億円というところ。)
私「たいしたことないって言っても、アイダホかどこかの田舎の人が聞いたら腰を抜かすような金額でしょ」
A「まぁそれはそうだけれど、シリコンバレー的にはたいしたことない」

というわけで、彼ほどほんとーにつまらなそうに自分が起業した会社のことを語る人にあったことがない。とはいうものの、彼もアントレプレナーに不可欠な「しつこい」という点に関しては、決して人に負けることはない。今回のベンチャーも最初の資金調達では1年近く粘りに粘っていろいろな案を練り直していたし。淡々と、しかし成功するまでやめない、というタイプか。

また、野望もある。前述の会話の続きはこんな感じでした。

私「EDAがダメだったら、じゃぁ何がしたいわけ?」
A(突然目を輝かせて)「インターネット関係とか、そういうガーっと伸びるような事業がしたい!!Googleみたいな」
私「でも There is only one Google」
A「There was Yahoo too!」

ということで。野望はあるんですね。アントレプレナーというのは、「野望」と「しつこさ」さえあれば、残りの資質はなんでもあり、ということでしょうか。

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2 月 16, 2005

金縛りの津波化

[インターネットで聞ける英語素材を利用したヒアリング練習サイトListen-ITを作りました。(2005年5月)]

「かなしばり」に相当する英語はない、という話。金縛りについて語りたい場合は、どういう現象かを長々と説明しないとなりません。「眠りの中で体は麻痺しているのに心が起きている状態で・・・」みたいな。ということで、「津波」が英語でもTsunamiというのと同様、「金縛り」はKanashibariなのでした。と言っても、Tsunamiと違ってよほどの専門家でなければ知らない言葉ですが。年末にThe Best American Science Writing 2004という本を読んでいて発見。

本の119ページにはこうあります。

Sleep paralysis is a common phenomenon - up to 60 percent of people have at least one episode, in which the brain and body momentarily desyncyronize when waking from REM sleep.  (中略)The Japanese call it kanashibari, represented as a devil stepping on a hapless sleeper's chest; the Chinese refer to it as gui ya, or ghost pressure.

中国語はあるんですね。

ためしにKanashibariでGoogle検索をかけてみました。やっぱりカナシバリに相当する英語はないよう。最初のほうに引っかかるのはこんなページ:

Joseph Watersという作曲家はKanashibariという曲を作曲したそうで、ご本人のサイトによれば

Kanashibari is the Japanese term that describes an intense and often frightful experience, common in Japan, but rare in the west

とのこと。

イギリスの大学院生はSleepless in Japan: the kanashibari phenomenonという論文を書いてます。(論文の出だしはいきなり村上春樹の引用)

The Journal of Psychologyに発表された論文The structure and correlates of kanashibariでは、kanashibari (sleep disorder)となっています。単なるSleep Disorderか。

ふーむ。しかし、冒頭の本にあるとおり60%の人は経験している、ということは、英語圏にも存在する現象だけれど、単に名前が無いだけなんですね。

まぁ、振り返ってみれば「存在する現象だが名前が無い」というのは往々にしてありますな。たとえば「頭がキーンとする」という状態をあらわす日本語の名詞ってないですよね。英語ではbrain freezeといいます。誰でもが経験する現象なのに「頭がキーンとした」というしかないって、英語を知った時に改めて変に感じたんですが・・・。brain freezeも大差ないけど。和訳したら「脳凍」かな。

ちなみに、冒頭の本のエッセーはCracking the Harvard X-Filesというもので、「宇宙人にさらわれたと主張する人たち」について研究しているハーバードの教授の話。「金縛り」にあった状態で体の自由が利かず恐怖にとらわれているときに宇宙人にさらわれる幻覚(というか夢というか)を見る、という説もあるということで。

そういえば、日本で「宇宙人にさらわれた」って言う人、あんまり聞かないですね。昔は「宇宙人話」といえば、必ずテレビに出てくる矢追純一さんという人がいましたが、彼は今は未知現象研究学部を有するIond大学の学長さんになっておられる模様。なぜかハワイにあります。そして姉妹校はフィリピンのミンダナオ島に。未知現象研究学部にはユーフォロジー学科・超能力学科・心霊現象学科・超考古学科・ 超常現象学科・超科学科などがあるそうです。宇宙人より不思議です。

元の話に戻ると、金縛り現象にあったとき日本人(や中国人)は「幽霊が体の上に乗っている」と思い、西欧の人たちは「宇宙人に手術台にくくりつけられる」と思うということでしょうか。

それにしても、あんまり役に立ちそうも無い英語豆知識ですね。

「昨日金縛りにあっちゃったー」

と英語で雑談したいときには役立つかもしれませんが。

"I felt paralyzed during sleep last night; my mind was fully awake but my body wouldn't move. "

とか言うんですかな。もっと良い表現がありそうですが。こういうのは、Ask Naotakeで聞けばいいのかな・・。

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2 月 15, 2005

アメリカのブロードバンド

以下、2月8日の日経産業新聞掲載のコラムです。インタラクティブTV、コンテンツのオンライン販売、といった市場が見えてきてやっとアメリカのブロードバンドも普及するだろうか、という話。過去10年以上言われ続けていたシナリオがやっと本物になるのか・・・と、昨日から降り続く雨で、ブロードバンドどころか普通の電話も途切れがちなシリコンバレーの傾斜地からのレポートです。

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アメリカのブロードバンド普及は遅れている。加入者数でこそ世界最大だが、普及率では世界のトップテンにも入らない 。国土が広大なこともあってインフラ整備が隅々までいきわたりにくいのも一因。シリコンバレーの只中の我が家ですら、雨が降ると電話すらかかりにくくなるという状態だ。広い国土に点在する家庭の一つ一つにインフラを引く莫大なコストを正当化するビジネスが見えず、投資は見送られてきた。

しかし、「オンラインコンテンツ販売」という市場が視野に入ってくる中、やっとその状況が変わりつつある。映画や音楽は、オンラインで購入、ハードディスク上にダウンロードして保有、という形態が主流になっていくと考えられ、この市場は今後5年で一気に2兆円に拡大 するとされている。その中で主導権を握るべく、「線」「コンテンツ」「箱」といった異なる分野のプレーヤーが入り乱れてしのぎを削っている。「線」は家庭への接続を握るケーブル・衛星放送事業者や通信事業者、「コンテンツ」はレンタルDVD事業者など提供ノウハウを持つ企業、「箱」はテレビ受信機やデジタル・ビデオ・レコーダーなどのコンテンツ受信機企業だ。

まず、「線」対「箱」の戦いの一つの争点にケーブルカードと呼ばれる小さなカードがある。アメリカのほとんどの消費者がケーブル放送に加入しているが、これまではその受信機はケーブル会社が独占的に供給していた。これを、どんなハードメーカーからでも提供できるようにし、特定のケーブル放送を受信するには指定のカードを入れるだけでよくするのがケーブルカード。ケーブル受信機に競争と技術革新をもたらすことを目的に米連邦通信員会が制定したルールで、2006年までには全ケーブル放送事業者にケーブルカード対応が求められている。

このケーブルカード導入にケーブル放送事業者側は強く抵抗している。ケーブルカード導入後も放送受信料は変わらず入ってくるものの、「ケーブル放送事業者は放送コンテンツを提供するだけ。ダウンロード販売などの新たなビジネスはセットトップボックス側でコントロール」というシナリオが可能になってしまい、主導権が「線」から「箱」へと取られてしまう可能性があるからだ。

一方、「箱」であるデジタルビデオレコーダーを提供するティーボは、「線」を蹴って「コンテンツ」とのアライアンスを発表した。契約締結寸前と噂されていた米国最大のケーブル放送事業者コムキャストとのアライアンスを破談とし、その代わりにDVDレンタル事業者のネットフリックスとの提携を発表したのである。ティーボは、これまでの230万台の販売実績の6割を「線」事業者であるディレクTVとの提携に頼っており、本来であればコムキャストとの提携は喉から手が出るほど欲しいアライアンス。しかし強気なコムキャストに主導権を奪われることを嫌い、1年がかりの交渉の末NOの決断を下したというのがもっぱらの噂だ。

「コンテンツ」のネットフリックスは、現在は「注文はインターネット、DVDの配達は郵送」というレンタルモデルの会社だが、これからはインターネット経由でティーボのセットトップボックスにダウンロード販売しようというわけだ。

もちろん、この乱戦にはマイクロソフトも噛んでおり、SBCやベライゾンといった大手通信事業者に対し、光ファイバー経由でコンテンツ配信を行うソフトウェアを提供することを次々と発表している。

こうしてコンテンツ販売というビジネスモデルが見えてきたことで、さまざまな事業者が本気になって参画し始めた。今後5年間で米国のブロードバンド事情がどう変わるのか。現状の粗末なインフラに耐える一ユーザとしても非常に楽しみだ。

***

上記のコラムに関連していくつか。(以下は日経産業に掲載されたわけではありませんのであしからず。)

  • 米国連邦通信委員会、ドラえもん盗作
    The FCC Kids Zoneに「Broadband君」として載っています。さすがFCCです。「ブロードバンド大国日本からお借りして来ました」とか言ったらかわいげがあるんだが。

  • P2Pがんばる
    巨大コンテンツをインターネットでみんながダウンロードするようになると、回線容量が足りなくなる可能性が。ミラーサーバーをあちこちにおいて何とかする、というAkamaiみたいのでは、ローカルなニーズに耐えられない(かも)ということで注目されるのはP2Pであります。動画配信を主眼としたP2PベンチャーではKontikiなどあります。NetscapeでVP MarketingをしていたMike Homerがファウンダー。
    おとといのSan Jose MercuryではPLUGGING INTO YOUR HOMEと題して、Konkitiや、その他ビデオコンテンツのオンライン流通用ベンチャーとして 、スマートアンテナ技術でWiFi家庭内ビデオ配信を可能にするVideo54、動画配信高速化のArroyo Video Solutionsなど紹介されておりました。
  • テレコム屋さんがんばる
    Business Week2月21日号のTelecom: To Buy or To Build?は米国通信事業者が積極的な施策に出ているという話。SBCがAT&Tを買収、QwestはMCIを買おうとする一方、BellsouthとVerizonは自社で投資してブロードバンドネットワークを構築中、ということなのですが、この号が発売されてすぐの2月14日、VerizonがMCIを買収することが発表された。投資もして買収もするVerizonが一番積極的ということか。Verizonといえば、テレコム不況の真っ只中の数年前、インフラ構築に数千億円規模の投資をして話題になってましたね。
  • では。


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2 月 11, 2005

日米大人買いアイテム

アメリカという国は土産に苦労する国である。たいしたものがなにもないので。その中で最近買ってくると日本で人気のアイテムをいくつか。あと、アメリカから日本に来て、ここぞとばかり買い込むアイテムもいくつか。どちらも、

「子供のころはちびちびとひとつずつしか買えなかったが、大人になった今では山のように思い切り買っても大して痛くないアイテム」(かそれに順ずるもの)

です。

アメリカ大人買い

- 子供用お姫様ドレス。ウォールマートとかターゲットとか、そういうスーパーで一着1500円くらいで売っている。マーメードとか、白雪姫とか、その他いろいろ。小学校以下の女の子が「お姫様ごっこ」をするのに使える。お姫様の格好をさせておけば、あんまり騒ぐことも無い。パーティー靴、ティアラなども、一個300円くらいでたくさん売っている。たくさんそろえて、みんなでとっかえひっかえ着る「お姫様ごっこパーティー」というのも乙なもの。

- 歯を白くするストリップ。これまたスーパーで購入。バンドエードくらいのシール状で、裏に歯を漂白するジェルがついている。1週間くらい毎日30分くらいつけると、歯が白くなる。私は歯の質が悪いせいか、2日で白くなります。1週間分か2週間分で2000円くらいかな?

日本大人買い

- 文房具。アメリカでも日本から直輸入の文房具屋(Maidoという)を愛用しているのだが、日本では伊東屋にGo。特に忘れてはならないのが「伊東屋オリジナルクリアホルダー」であります。10枚300円セットで売っている透明なプラスチックのフォルダです。適度な硬さと豊富な色彩が、ちょっとした資料の整理に最適。(アメリカにも似たようなものはあるが、素材がへろへろ過ぎていまいち使えない。)「えっとあの資料は赤いクリアフォルダに入っていたな」とカラーコーディングして記憶することも可能。すばらしー。できればA4でなく、レターサイズで作っていただければさらに良いのだが。A4だと、アメリカ製の他のフォルダからちょっと丈がはみ出しちゃうんですよね。

これ以外にも、ホッチキスとか、一枚だけ紙が切れるカッターとか、名刺入れとか、文具は日本ものに限ります。(ただし、アメリカで買うと馬鹿安のリングフォルダを除く)

- ユニクロ。今回はTシャツ大人買い。普段の生活がTシャツだけで事足りるので。ちょっとしっかりしたTシャツさえあれば、その上に何か羽織ってビジネスもOK。しっかりしたスーツなど着る機会が殆ど無い。フリースももちろんグッドです。

- 陶器・漆器類。これはまぁ重いのであんまり大人買いすると持って帰るのがつらいのだが、時々。昔住んでいた東横線の学芸大学駅周辺にはたくさんよい陶器の店がある。漆器は、代官山の山田平安堂を愛用。アメリカでのちょっとしたプレゼント用に、黒地に金模様のモダンな漆器の皿をたくさんかって帰ることも。ついでにかまわぬに寄って「手ぬぐい」を買うのもよろしい。古典的な柄から新し目のものまでいろいろあって楽しい。いくつかアバンギャルドな柄を見繕って額縁に入れて飾っても。

- 少女マンガ。Banana Fish全巻とか。ブックオフで買ったら、肩が抜けるほど買ってもたいしたこと無い。(買わないけど)

ではでは・・・・。

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