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7 月 23, 2004
News Bits
最近目に付いたニュースの断片集:
■San FranciscoのBlinxが新しいサーチエンジンを発表。ダウンロードしてインストールすると、利用中の画面に表示されている内容に関連あるインターネット上のサイト・自分のPCの中の文書などを自動的に表示するそう。自分のPCのハードディスクはサーチできない普通の検索エンジンバージョンは上記のサイトでトライできますが、案の定Operaでは動きませんでした。
■Microsoftが750億ドルを上限として配当金を支払うことを発表。MSも成熟企業になった、ということ。Googleの上場を間近に控え、「Googleほどの成長はもはやありえません」という意思表明でもあるか。まずは一株あたり3ドルの配当を即座に支払う。この結果、大株主のBill Gatesには30億ドルの配当収入が。しかし、全て慈善事業に寄付。
■「サーチ」×「Microsoft」ということではMicrosoftがサーチ技術のLookOutを買収。LookOutは、もとNetscapeでChief Technology Officerをしていて、現在ベンチャーキャピタルInventures Groupを運営するEric Hahnが余暇で自らプログラムしたもの。Outlookのサーチをしてくれるそうな。確かにOutlookのサーチは腐っている。しかし、やっぱり余暇でプログラムしたくなるような人にはかないません。
■デジタル写真ポータルサイトのWebshots.comがCNETに7000万ドルで売却される・・・が、WebShotsは、もともと99年に8250万ドルで今はなきExciteに買収されたもの。その後Exciteがつぶれた際に、最初のファウンダーが240万ドルでExciteから買い戻して再度事業を育成。2年後にまた売却。7000万ドル全額キャッシュ(ただし、うち1000万ドルは3年後)。以前書いたシリアルアントレプレナーの種類で言うと、短期記憶障害型ですね。
Exciteで働いていた友達と話しましたが、
「たかが写真サイト。ラッキーだけでバブルの絶頂にExciteが高額で買ってくれたものを、240万ドルも払って買い戻すなんて、ファウンダーは単なるバカ、とExciteの社員たちは鼻で笑っていた。それがたった2年で7000万ドルになるなんて・・・絶句。」
とのこと。世の中何が正しくて何が間違っているかなんて、誰にもわからない・・・。eBayのビジネスを「ペッツをオンラインで売る?なにそれ、バカ?」と1995年に笑った私は思うのでした。
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7 月 22, 2004
人間はサルの病気?
イスラエルはテルアビブ近くのサファリパークで、サルが直立歩行を始めた、というニュース。おなかにくる風邪のひどいのをひき、死線をさまよった後、元気に復活したが、なぜかその後まっすぐ立ってしか歩かなくなったそうです。スタスタ感のある写真が笑えます。
「病気で脳に障害が出たのではないか」とのこと。ということは、病気のサルが人間の起源?
(とは言いましても、人間が現存のサルから進化したわけじゃないんですが、もちろん。。。。)
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7 月 20, 2004
移民と結婚
先々週はインド人の知人の結婚式に行ってきた。インド風の催しで、結婚式そのものが2時間、披露宴が6時間という長大なもの。しかも待ち時間のカクテルアワーもある。トータル7時間で失礼してきたが、なかなかエネルギッシュでした。
新郎氏はうちのダンナの会社のfounder/CEO。もともとSunでコンパイラの開発をしていたという人である。今のベンチャーは起業二つ目。新婦はOracleで働いている・・・のだが、写真の通りお姫様のようである。彼女に会うと、インド映画で踊って歌うヒロインの女優(複数。でも全員同じ顔に見えます。)をいつも思い出す。新郎氏はアメリカ生まれ、新婦はインド産まれのアメリカ育ちだ。
結婚式は、本当は5時間以上に及ぶのを、はしょって2時間におさめた、というもの。式を務めるミニスター氏は、ヒンズーで何か言っては、英語で参列者に向かって
「今言ったのはこれこれで、その背景はかくかくしかじか」
などと饒舌に説明。
「この英語の説明がなければ1時間で終わるな。ということは、本式の5時間は何をしているのか」
と思ったが、まぁしかし、インド人というのは饒舌なものです。インド人が多い会社では、会議の議論が延々続いて非インド人は疲弊、という噂もよく聞く。
このミニスター氏も例外ではなく、式の半ばで火をともし、その周りでグルグル新郎と新婦が回る時の説明にも、こんな余計な説明が。
「本当は、この何倍も大きな火をたくんだよ。しかもインドは暑いからね。しかも新郎新婦はその前で5時間ずっと座ってるんだからね。大変だよ。あ、そうそう、アメリカだとスプリンクラーがあるかどうか確認しないとね。これまで何度かスプリンクラーが作動して、参列者全員ずぶぬれ、なんてことがあったから、はっはっは。」
しきたりがたくさんあってそれを厳格に守るから式が長いのだろうが、厳粛な感じはない。あんまり。式の途中では、「あ、新郎のケープがない」とかいって、親戚が控え室まで取りに行き、その間約10分中断し、その間ミニスター氏の雑談オンステージとなったりとか、かなりいい加減な感じ。本物のインドの結婚式では、いい加減さがさらにパワーアップ、会場の外に食べ物の屋台とか、サーカスとかが出て、参加者はザワザワと出たり入ったりするそうな。しみじみ、「日本人的常識」が世界に通用しないことを思います。
新婦が登場するところでは新郎と新婦の間に布がたらされ、互いの顔が見えないようになっている。そして、あるところでバッとその布が取り払われるのだが、ミニスター氏は
「ゴタイメーン!どう、気に入った?ここで始めて新郎と新婦が顔をあわせる、というのが伝統だからね。わっはっは。」
と。いや、新郎・新婦は既に5年付き合ってるんですけど。。。。まぁ日本の角隠しみたいなもんでしょうか。
披露宴の最後はアメリカの結婚式ではお定まりのダンス、で、一応普通のチークダンスみたいなのを新郎と新婦が踊った後、参列者も出て普通にゆらゆら踊っているところで、突如親戚らしいインド人が大きなドラムを肩から提げて登場、いきなり乱打しだした。一気に音楽もアップテンポなインドの民族音楽にかわり、親戚・友人一同で、グルグル踊る踊る。両手を挙げてぶらぶら振りながらグルグル。阿波踊りを早まわしにした感じ。開始から既に6-7時間が経過しているのに、みんな元気でした。
ターバンを巻いているのはシーク教徒。ターバンの中には小刀が入っていて、これをターバンから取り出すのは、名誉が汚されたときのみ。その時は、血を流すことなく刀をターバンに戻してはいけない、と聞いたんですが、本当でしょうか。
ちなみに、「二人の初デート感想」、というのを友人代表がスピーチで話していた。新郎・新婦それぞれが、初デートの後、相手についてどう思ったかを友人に告白したセリフ、である。新郎は
「She was stunningly beautiful!」というもの。そりゃそうでしょう。(写真参照)
新婦は
「He was……normal」。
ま、シリコンバレーですから。みんなオタクですから。Normalは褒めことば、ということで。
この二人を紹介したのはインドのお見合いババァ、、、ではなく、私のビジネススクール時代のクラスメートVivianである。Vivianはコロンビア生まれ。日本人であるところの私と、中国系のダンナが座った披露宴のテーブルには、コートジボアール出身でフランス経由シリコンバレー在住という女性、そのダンナのドイツ人、中国系カップル、キューバ系、およびインド系、という、いつもながらのシリコンバレーの多ルーツさ加減がいかんなく発揮された。
***
日本に住んでいた頃、
「外国に移住するとその国の様式に同化するものだ」
と何の疑いもなく思っていた。「異人さん」の歌よろしく、「青い目になっちゃう」みたいな。しかし、実態はそうでもない。
Bend it Like Beckamという映画はイギリスに移民したインド人の家族の話。サッカーがしたい、という娘と、女の子がサッカーなんてとんでもない、という親との間の軋轢。インド人家族の家には、やたらとでかいヒンズー教の聖人の絵が掛かっていて、何かというと娘は、その像に向かって誓いを立てさせられる。彼女のお姉さんは、ぴちぴちのミニスカートにブランド物のバッグでうろうろする遊び人なのだが、結婚相手はヒンズー教徒のインド人、と固く信じている。(しかし、この映画、邦題の「ベッカムに恋して」はひどい)
My Big Fat Greek Weddingという映画もあった。白人アメリカ人(何系か忘れた。長いことアメリカにいる人たち)の男と、アメリカ在住ギリシャ移民の娘が結婚する話である。ギリシャ生まれの新婦の父親は、娘の選んだ相手がギリシャ人ではないことで病気寸前。ついに結婚を許可するが、結婚式から新居まで全て父親が手配。(結婚式の招待状は、なんとギリシャ国旗柄)。ギリシャ人側は、「またまたいとこ」まで仲良しの大家族で、みんな陽気で人情もろくて、騒がしくて、ちょっと図々しい。彼らは、「結婚する以上は相手の家族も自分の家族」ということで、ひんやりと他人行儀な新郎の両親を歓待しようとするが、何をやってもちぐはぐ・・・という話。
いずれも、移民たちは、自国のカルチャーをそっくり持ってきて、移民先の国に根付こうとしている。
最たるものはユダヤ人。国を追われてウン千年、今だにユダヤの風習を守っている。戒律に厳格でないユダヤ人でも、クリスマスを祝ったりはしない。(クリスマスはキリスト教徒のお祭りですので)。
かように、「どこの国に住むか」、と「どんな文化を守るか」は別もんなんである。しかし、他の民族の血が入ると自分の文化が薄まってしまう可能性があるので、みななるべく子供は自民族と結婚して欲しい、と思うわけです。知人のアイルランド系アメリカ人(既に3世代目)も、非アイルランド人と結婚したら、アイルランド系コミュニティから「裏切り者」扱いされた、と言ってました。前述の、新郎・新婦を引き合わせたコロンビア人の友人もユダヤ系で、「ステキなユダヤ系の男性がいたら紹介してね」と言っていたし。
***
ちなみに、日本の文化においては、「周囲に溶け込む」というのが重要なしきたり。なので、日本の文化を厳格に守ると、海外に行くとあっという間に移民した国の文化に溶け込んじゃう、という危険を感じる人もいるのでは・・・。
この間も、JTPAでパーソナルファイナンスのセミナーをしたのだが、その中で
「日本では引退したら地味に暮らすものだが、アメリカ人は引退してからクルーズに行ったり元気一杯。どういう風に引退生活を送るべきなのか」
という質問をした日本人の参加者がいた。講師で来ていたフィナンシャルアドバイザーのアメリカ人は、
「・・・どういう風に引退生活を送りたいか言ってくれ。そうしたら、それにあったファイナンス設計をするから」
ということで、全然質問と答えがかみ合っていなかった。
『「自分のしたいこと」が先にあって、それを実現するためにプランを立てる、「したいこと」が少々常識はずれでも気にしない』
というアメリカ人と、
『回りに期待される役割を果たす』
ことに慣れている日本人の間の理解が難しいことの典型、か。
でも、海外に移住したって、別に相手の国に完全に同化する必要は全然ないし、実際ちゃんと日本のしきたりを守ってる人もいる。ハワイ在住の私の義理の兄(ダンナのオネエサンのダンナ)は半分日系3世なのだが、結婚式でははるばるブラジルから日系移民のおじさんがやってきて、万歳三唱をしてくれた。乾杯のポーズをしながらの万歳、というなんだか変なものだったが、万歳三唱は万歳三唱だ。結婚式の記念に、花嫁である義理の姉は、千羽鶴を折っていた。「日本では結婚するとき花嫁が千羽鶴折る」とハワイでは固く信じられているらしい。
ちょっと間違ってるが、まぁ大筋において日本の文化ではある。
ということで、どこにいっても、日本人らしく生きていくことはできるものなのです(・・かね)。
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7 月 15, 2004
JTPA Silicon Valley ツアー
私がスタッフを勤めるノンプロフィットのJTPAにて、9月にシリコンバレーツアーを開催します。学生・大学院生を中心に、シリコンバレーでのキャリアについて知りたい人が対象です。ただいま応募受付中ですので、われはと思わん方はご応募ください。なお、応募要綱は上記のサイトにあります。
5 Reasons why you should attend JTPA Tour
■シリコンバレーの企業を訪ねることができる
■シリコンバレーで働くいろいろな日本人に会い、外国で暮らしても獲って食われるわけではないことがわかる
■シリコンバレーで働く複数の日本人が、みなそれぞれ勝手に違うことを言うのを聞いて、キャリア構築に正解はないことがわかる
■スタンフォード大学を歩いて回るのは大変なことがわかる
■リスはキュイーキュイーと鳴くことがわかる
We at JTPA look forward to seeing you!
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7 月 13, 2004
ジャーナリストは大変だ(Google)
San Jose Mercury Newsといえば、シリコンバレーの社内新聞。ハイテクのこと+超ローカルなニュースが紙面を占める。
最近では、Googleについて毎日書かなければならない、という使命を負っているようだ。紙媒体で掲載される全記事が載ったSan Jose Mercuryのサイトで過去7日間分につき「Google」というキーワードで検索すると20件もの記事が出てくる。その中で、読む意味があったものトップ二つ、なかったものものトップ二つを挙げると次の通り。
意味があるもの
1.Job hunters, Google this
フリーウェー101の脇に立つGoogleの求人広告。「eの中で最初に出てくる10桁の素数」.comとURLに入れなさい、とある。答えはhttp://www.7427466391.com/なんだが、そこにいくとこう書いてある。
Congratulations. You've made it to level 2. Go to www.Linux.org and enter Bobsyouruncle as the login and the answer to this equation as the password. f(1)= 7182818284 f(2)= 8182845904 f(3)= 8747135266 f(4)= 7427466391 f(5)= __________
www.Linux.orgでLogin=Bobsyouruncle, Password=5966290435と入れると
、この問題ができた人だけが入手できるEメールアドレスがある画面に行く。で、そのアドレスに履歴書を送る、という仕組み・・・って、いや、私が解いたわけではなく、San Jose Mercuryに載っていたんですが。
the billboard, on southbound 101 just before the Ralston Avenue exit in Belmont, is part of a national campaign to lure top engineers to Google. Ads are also running in publications such as Mensa Bulletin, the magazine for people with high IQs, and the MIT Technology Review.
ということで、このビルボード以外では、IQが高い人用雑誌(!)などに同じ広告を出しているのだそうだ。「頭のいい人求む」というのがありあり。
2. Google to list shares on Nasdaq
上場するのはNasdaqに決まりました、ということ。そうですか、という感じではあるが、意味がない情報ではない。
読む意味がなかったもの
1. Google offers cautions to would-be investors
Googleが新たにSECに提出した書類で、再度自分の会社の株はリスクが高い、といっているというもの。
2. Google's IPO silence frustrating investors
IPO株をどうやって買うのかに関する情報が不足している、というもの。
どちらも、前々から言われていることにもかかわらず、7月8日の新聞に結構大きく載った。San Jose Mercuryの記者の人たちは、「毎日何かGoogleについて書け」と厳しく申し付けられているのではないか。しかし上場前はquiet periodでもあり、うかつなことを発表すると上場延期となるので、Google側は静か。で、ほとんど意味のないことでもがんばって記事にしているのであろう。仕事としてやるのは何事も大変なものである。
***
ジョークばかりの新聞Onion.comでNo Jennifer Lopez News Todayという冗談記事があった。いわく
NEW YORK–Despite herculean efforts to somehow include her in the day's reportage, journalists, magazine editors, and TV-news producers across the nation have been forced to concede that there is no (news about Jennifer Lopez>.
とにかく何でもいいからJennifer Lopezの記事を取り上げ、セクシーな洋服で知られる彼女の写真を出すことを至上命題としたメディアをからかったもの。「Jennifer Lopezに関するニュースがない」というニュースに、彼女の写真が3枚もついている。(サイトの記事は有料、私、実はこのOnionを本にしたものを持っておりまして、そこに載っているのです)
***
San Jose Mercuryは現在、「No Google News Today」というニュースを出さなければならない状態なのです。
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7 月 06, 2004
豪邸に住むためにどこまでするか
昨日まで3連休。日曜の7月4日(July Fourth)はアメリカ独立記念日であった。庶民的には、BBQをして花火を見る日だ。ダンナの会社の人の家に招かれたので行ってきた。高級住宅地の町の一部ではあるが、人里離れた山の中に、21エーカー(84,000㎡、このサイトによると東京ドーム1.8個分)の土地を買って、8年がかりで建てられた家である。やっと完成したので、お披露目をかねてJuly Fourth Partyとあいなったのだ。
この家というのが
1)ふもとから山を切り崩しつつ道路を引き
2)水道もガスも電気も下水も全て自前で設置
というもの。詳しくは設計図から工事中の写真や開発の経緯を追ったサイトをご覧ください。
パーティ参加者は、ふもとに車を置いて、家まではシャトルで送り迎え、というセッティングになっていた。帰りのシャトルで乗り合わせた参加家族の子供が
「どうしてこの家のドライブウェーはこんなに長いの?」
と聞いていたが、確かに車で5分以上かかりました。「悪者がまず電話線を切ってから潜入、家族を人質にとって恐怖のどん底に陥れる」という類の恐怖映画の舞台に使えそうな家だ。新聞配達・郵便配達は家まで来てくれるんだろうか?
開発にかかった8年の間には
1)開発許可が下りないので、所在地であるLos Altos Hillsの町の開発許認可コミッティにダンナさん自らが立候補して当選、インサイダーとして政治力を行使(いいのか?)
2)バブル崩壊で開発資金がピンチに、一旦工事を中断、敷地を一部切り売りして乗り切る
という力業を行使、しかも工事の隅々に渡るまで予算削減努力を惜しまず、「台所のレンジフードはカスタムメードだと高いから、既製品を買ってきて親戚に溶接させて改造」という細やかさ。
体力あるなぁ。
そんな面倒なことをしてまで豪邸に住みたくないや、と思っちゃう私は凡人なのであります。
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7 月 05, 2004
イーベイ経済
日経産業新聞2004年7月6日に掲載されたコラムです。
インターネットオークションのイーベイで生計を立てる人が増えている。昨年一年間に同サイトでの取引に参加した人の総計は三千万人で、取引額総計は二百四十億ドルに及ぶ。四十万人以上がイーベイでの取引を継続的ビジネスとして手がけ、うち十五万人はこれだけで生計を立てていると推測されている。
その中には、育児のために仕事をやめ家庭に入った後、アンティークの販売で月商十万ドルを上げるようになった二児の母親もいるし、三人の子供を抱えて離婚した後、イーベイ・ビジネスの稼ぎで家を買った人や、音楽CDの販売で年収十万ドルとなった人もいる。
ネット・オークションでの販売ビジネスが女性に人気なのは、時間が柔軟に使えるから。頻繁に顧客対応をする必要はあるが、ほとんど家でできるし、一日のうち自由になる時間を割けばよいので、子供の面倒を見て家事をする時間も十分に取れる。
最初は、身の回りの不用品の整理から始め、かなりのビジネスになることに目覚めて、骨董(こっとう)・希少品、ブランド物など、分野を絞って商品を扱い事業を拡大する人が多いようだ。
ビジネスに関心を持つ障害者にとっても大きなメリットがある。米国には、障害者にイーベイでビジネスする方法を教えるDisabled Online Users Associationという非営利団体まである。代表のマージー・スミス氏自身も障害者で、月商一万ドルの販売事業をイーベイを通じて行っている。
こうしたビジネスが盛んになるにつれ、イーベイ上で「間違ったつづりで出品されている商品」を安値で買おうと目を皿のようにして探す人たちも現れてきた。
名称のつづりを間違って掲載すると、買い手が商品名を検索しても見つからない。結果的に入札が少なくなり、市価より安くしか売れない。しかし、無論つづり間違いがあっても商品の中身は通常と変わらない。正しいつづりで再度イーベイで売ればもうけられる。
「再販狙い」の人たちは、オンラインのみならず、現実の店舗でも「安く買える機会はないか」と虎視眈々(こしたんたん)と狙っている。
例えば、昨年末にデジタルビデオレコーダーのリプレイTVが間違って安く売られる事件があった。サービス年間契約料込みの価格体系から、ハードだけ売ってサービス料は別という価格体系に変更したのに、「サービス込み」という表示のままだったのだ。
インターネット上では掲示板などを通じて即座に「お買い得情報」が流れ、「再販狙い」の人々が全米の店舗であっという間に買い占めてしまった。イーベイで再販すれば高く売れるという見込みがあってのことだ。
イーベイ最高経営責任者(CEO)のメグ・ウィットマンは二〇〇一年に「イーベイはダイナミックで自律的な経済だ」とアナリスト向け発表で語ったが、ほとんどの人はそれを聞き流し、「ちょっと大規模な蚤(のみ)の市」くらいにしか思っていなかった。
しかし、イーベイはその圧倒的な規模により、個人の零細事業者にも大企業並みに顧客に到達することを可能にし、主婦や障害者といった人たちにも新たな機会を与えつつある。
インターネットが経済に本格的な影響を与えるのはまだこれから。「イーベイ経済」は、その影響の一つを垣間見ることのできる先端事例なのだ。
ベンチャーが止まって見える人
先週、とある仕事でMir Imranという人に会った。過去25年で、自ら起業したか、またはシード資金を投資した会社が19社。うち3社がIPOし、8社は他社に売却、という経歴。現在は、Draper Fisher JurvetsonのePlanet Venturesファンドのベンチャーパートナーでもある(ファンドの投資先の取締役になったりする)。In Cubeというインキュベーションラボを持っているが、これは彼自身のアイデアを具現化するもので、ビジネスプランを持ってきた会社に不動産を貸す普通のインキュベータとは違う「頭脳集約型」のインキュベータである。(In Cubeのサイトには、外部からのビジネスプランも受け付ける、とは書いてあるが、殆どやっていないそう。)
そうやって、自分で頭をひねって作り出しインキュベートしたベンチャーのうち、最近3社について3200万ドル、1600万ドル、1500万ドル、総額6300万ドルの増資を受けるのに成功。のみならず、その三つのクロージングを全て先週木曜一日で行ったと。(ちなみに、3社ともそれぞれ別の投資家グループ・別の弁護士事務所とのことで、契約書にサインするだけでも手間がかかりそうだ。)
「資金調達記録樹立が目的?」と冗談で聞いたら、「偶然だ」と言っていましたが。
ちなみに、彼はGoogleのエンジェルインベスターでもある。(Googleのエンジェルでは、SunのファウンダーのAndy Bechtolsheimが有名だが、複数が10万ドルずつ投資したようだ。)
加えて、100以上の特許を持ち、年間20件以上出願したこともあるとのこと。しかも、5人の子供も居て家族との時間も大切にしているのだそうだ。
時間有効利用の秘訣はLucid Dreamだそう。寝る前に「今夜はこのビジネスまたは技術的問題を解決しよう」と決意して寝ると、夢の中で解決、起きたときには解けていると。
というわけで、川上哲治は打率.377で首位打者になった年に「ボールが止まって見えた」と言ったそうだが、Imran氏は「ベンチャーが止まって見える」という感じだろうか。
教訓としては、そんな人でも19社中10社しか成功せず、残りの9社は失敗だったということ。それだけベンチャーというのは難しいものなのです。
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7 月 01, 2004
マイクロソフト人体をパテント
Economist7月1日号のThe skinny on IT
IT SOUNDS like an April Fool's Day joke, but it isn't. Microsoft, that imperialist of the information-technology world, has actually succeeded in patenting the human body as a computer network. US Patent 6,754,472, issued to the company on June 22nd, is for a “method and apparatus for transmitting power and data using the human body”
携帯電話やPDAなどの持ち物をつなげるpersonal area network (PAN)は、通常赤外線やBluetoothなどのワイヤレス通信を通して行おうとされているが、マイクロソフトのパテントは、人間の皮膚をコンピュータバスとして使おうというもの。
別に自分の体がパテントにされたわけではないのだが、マイクロソフトに体の使い方をパテント化されるのは気持ち悪い、と思うのは私だけでしょうか。
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遺伝子ドーピング
強力な筋肉ができる遺伝的変異を持って生まれた子供と、その変異遺伝子がThe New England Journal of Medicineで発表された。写真は7ヶ月当時。CNNニュースによれば、4歳の今は、普通の子供の二倍の筋肉を持ち、腕を伸ばしたままで3.5キロのバーベルをらくらくと持ち上げられるとのこと。筋肉の発達には、その発育を促進するinsulinlike growth factor I(IGF-I)と、発育阻害因子のMyostatinの二種類がかかわっている。変異を起こした子供の母親はMyostatinを作る遺伝子ペアのうち一つが変異していた。子供はペアの両方が変異しており、まったくMyostatinを作ることができない。よって、筋肉がどんどん育つ。
Scientific American7月号のGene Dopingでは、人為的に遺伝子を改変して筋肉を増強する方法について解説されている。写真は、上の写真の赤ちゃんと同様の遺伝子変異を持つBelgian Blue Bull。筋肉モリモリである。Myostatinが欠落した動物は筋肉が発達することはわかっていたが、今回のドイツの子供が発見され、Myostatin欠落が人間でも動物同様の筋肉発達を起こすことがわかった。
これにどんな意味があるか?
一つには、老人の筋力低下を防ぐ遺伝子薬の開発への活用。Myostatinを作り出す遺伝子を抑制するか、IGF-Iを作る遺伝子を促進できれば、筋力を向上できる。
遺伝子を他人の体に植えつけるには、ウィルスを使う。ウィルスはそもそも遺伝子だけでできた殻のようなもので、自分たちだけでは増殖することができず、寄生する相手細胞にもぐりこんで自分の遺伝子を広める不気味な物体。このウィルスの特性を利用し、ウィルスに改変遺伝子を仕込んで、生体内にもぐりこませて相手の遺伝子を改造できる。改変遺伝子を運び込むウィルスはベクターと呼ばれる。
筋肉の生成をコントロールする実験のため、上記のScientific Americanでは、特に筋肉に「寄生」しやすく、しかもあまり害がないadeno-associated virus(AAV)というウィルスを活用する例が載っている。(そんなウィルスがいるのか、とちょっと不気味)
老人の筋力低下以外にも、筋ジストロフィーの治療も期待できる。
しかし、こうした医療目的以外に、スポーツ選手のドーピングでも使われてしまう危険が高い。現状のドーピングと違って、遺伝子そのものを改変してしまったら、それを発見するのは難しい。「生まれついての変異だ」と言われたら元も子もない。
実際、スポーツ選手で生まれつき遺伝子変異がある人は結構いるようだ。記事でも、1964年にオリンピックのクロスカントリースキーで金メダルを二つ取ったフィンランドの選手の例が載っている。彼は赤血球量が普通の人より多いため、有酸素運動に非常に有利だった。ただ、あまり注目を集めたくないということで、遺伝子変異がわかってもそれを公表する人は少なく、今回の子供のように発表されるケースは稀。
ツールドフランス6連覇を狙うLance Armstrongも、休息時の心拍数32-40(普通の人の平均が72)、肺活量83ml/kg/min (かなり運動している人で40台、50で相当高い)という、常人とはかけ離れた能力だが、この辺りもアヤシイ。
***
遺伝子改変といえば、吉田秋生のマンガ、YASHA。人為的な遺伝子改変で神経増殖因子を仕込まれて生まれた天才の双子が戦う話。
双子は、受精卵の段階で神経増殖因子を仕込んだベクターによって「天才」に改造される。しかしその実験の途中で、ベクターの一部が突然変異。非常に高い致死率のインフルエンザに似た病気を引き起こす猛毒ウィルスとなり、近隣の町Cats Killに広まり、その住民の多くが死亡。このウィルスは、被害が起こった地名を取ってCats Kill Fever, CKVと呼ばれる。
やがて双子の一人は、CKVを利用し、特定のターゲット人口を「間引き」するジェノサイド計画に加担。一方の双子はそれを阻止するために死力を尽くす・・・・という全12巻。
何がすばらしいって、出てくる男子がすべて美形なことです。主人公の双子は、もちろんのことながら見る人が呆然とする見目麗しさ(で運動神経万能で、ちょっと超能力があって、天才。進化した人類だから)。いいほうの双子の忠実なボディガードの日系アメリカ人も、超渋い。少女漫画はいいですねぇ。



