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12 月 22, 2003
Merry Christmas & Happy New Year!

クリスマスから年末にかけてCozumelにダイビングに行きますので、年明けまでblogはお休みします。皆様もよいお年を!
なお、年末のおまけで、下記は「私が何度もDVDで見た映画」です。基本的に「大衆的ハリウッド壮大系」が好き。せっかく映画なんだから、どーんと盛大にやって欲しい、ということで。年末DVD鑑賞のご参考に(なるかは不明ですが)。
Gladiator
暗記するほど見ました。Russell Crow扮する、ローマの将軍転じて剣闘士奴隷の孤独な戦い。ローマがいかに進んだ文明を持っていたか、というのも見もの(歴史考証的には少々間違っている部分もあるようですが)。
Lord of the Rings-The Two Towers
3作目も見ましたが、私は2の方が好き。個人的に、Aragorn役のViggo Mortensenという役者さんは、ボロボロでドロドロでグチャグチャな方がかっこいいと思うんですが、3より2の方が彼がグチャグチャなんですね。Helms Deepはこのシリーズ一番の戦いだ、と私は思います。ちなみにViggo Mortensenは絵も描き、写真も撮り、個展を開いたりしてます。
The Matrix
もちろん最初の、です。Morpheus救出が見ものかと。「Guns, lots of guns」から、ビルの外から機関銃乱射するところ、Trinityがビルの外壁に激突してガラスが衝撃波で砕け散るところとか。
The Fifth Element
Chris Tucker演じるdrag queen・DJのRuby Rhodが必見。このキャラクターがいなかったら、ただの2流SFになってたと思います。はい。特撮はちゃちだし(特に謎の生き物系)、Blade Runnerのパクリっぽいシーンもあるし。
Le Grand Bleu
いわずと知れた名作ダイビング映画。。。。ロングバージョンのdirector's cutを見ると、いろいろ謎が氷解。
Notting Hill
director's comentaryが面白くて、全部じっくり聞いてしまいました。Julia Roberts以外は、役者・監督・脚本家などみんなイギリス人なんですが、イギリス人って中々味のある人たちなんですねぇ。「車椅子の女性の家の暖炉の上に、彼女がまだ健常だった頃のスキーの写真が飾ってある」みたいな、ちょっと見ただけでは気が付かないところまで作りこんであるのが、commentaryを聞くとわかります。テーマは実は「恋愛」じゃなくて「友達」。Julia Robertsは刺し身のツマです。
The Cell
グロテスクなのがだめな人は絶対見ないように。峻烈な映像美ですが。石岡瑛子が息を呑むような衣装の数々をデザインしています。写真集にもなっているくらい。director's comentaryがまた強烈。。。何が強烈って、とんでもなく恐ろしいグロテスクなシーンをクスクス笑いながら解説してくれるんですねぇ、この監督。「ここのところ、最初に内臓がピチャって飛び散るようにしたら、試写会でみんな気分が悪くなるほど怖がったから、少しカットしたんだ。そんなに怖いかな、クスクスクス・・・」とか。
Galaxy Quest
Dream WorksとILMが、まじめに作ったパロディSF。死ぬほど笑いました。知り合いにStar Trekオタクがいると、腹がよじれるほど笑えます。Sigourney Weaver、こんなコミカルな役もできたのね、というのも見もの。
とりあえずこんなところで。それではよいお年を!
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12 月 18, 2003
高速ビデオCodec Sightspeed
Technology Review 12/1月号のOnline Meeting
高速ビデオ転送用Codecを開発したSightSpeedの話。一秒あたりのフレーム数が30と多いため、映画よりなめらか。(普通のビデオ会議システムは20フレーム以下)。しかも、遅延(latency)が11milisecondと一般の電話かそれより早いくらい、ということで、非常にスムーズなビデオ電話体験ができるそう。現在4万3千人がダウンロードしたそうです。
もちろん、何かの情報を捨て去らなければ速く送ることはできないはずで、SighSpeedは人間の脳の処理をまねて、「必要ない情報」を捨て去り、「必要な情報」だけを送ることで高速にしている。例えば、対象物が動いているときは、その動いているものの輪郭だけクリアに送り、その真ん中あたりはぼやーっといい加減に転送。すると脳が勝手に真ん中辺は類推して埋めるので、全部クリアなまま動いているように見える、と。
脳が映像・画像をどう処理しているかは、RamachandranのPhantoms In The Brainに詳しい。この本は前にも触れたことがあるけれど、いろいろな「えっと驚く脳神経障害の事例」が満載されていて、人間の「知覚・認識」の不思議さに圧倒される。
例えば、「ものを見る」というとき、脳はまず目から送られてきた情報を受け取り、一旦「特に重要な情報」だけを残して後は捨てるのだそうだ。例えば、「動いているもの」をみるときは、その輪郭が重要情報。で、それをさらに30種類の違う処理系に回す。「形」「色」「動き」「輪郭」「表面のテキスチャ」などを、バラバラに専業化された脳の部分が担当。で、最後にそれを総合して「見た」ということになる。
「どうせ脳が捨てる情報は最初から送らない」というSightSpeedの処理方法は、こうした人間の脳の処理方法を先回りしているわけで、結果としてまるでスムーズに見えることになるのであろう。
最近Panasonic SV-AS10という超小型カメラを買ってから、日常生活の中でぱちぱちと写真を撮ってみるのだが、それで驚かされるのが、
「私が見ている通りに、全然写らない」
ということ。写真が元々趣味の人には当たり前かも知れないが、
「あ、あの標識面白い」
とか思ってパシャリと撮ると、その面白いと思った標識はまるで米粒のように小さく、しかもぼやけていて、全然面白くない。
人間の目に比べて、カメラはダイナミックレンジが狭いので、明るいものと暗いものが同時に写らないということもあるし、望遠が効かないから、なんでものっぺり平たい背景の中に飲み込まれてしまう、ということもあるかもしれないが、どうもそういう簡単なことではないように思われる。
それで、よーく自分の目の動き、認識の動きを観察してみたのだが、どうも目と言うのは全体を見てるわけではなくて、個別の対象物を一つずつスキャンしているような気がする。目の前の全体画像を一つのものとして捕らえるのではなく、全体を構成する個別のものを一つ一つ、ぱっぱっぱっと見て、それを勝手に頭の中で全体像に合成している、という感じ。例えばいまだと、「パソコンの画面」「その中の文字」「キーボード」「自分の手」「机」「机の上の雑誌」「ペン」「ソファ」「ソファの上で寝てる猫」などが、構成要素。
例えば、猫は2メートルくらい先にいる。「猫を見よう」と思うと、猫は3倍ズームくらいにクリアになる。しかし、だからといって、目の前にある自分の手が3分の1に縮んでは見えない。全部がバランスをとったまま、なぜか興味の対象だけが望遠で見たかのようにくっきり、という写真では中々実現できない状態になる。
不思議だねーと思ったのだが、SightSpeedはこういう脳の「選択的情報処理機能」を有効活用してるわけですね。
ちなみに、Phantoms In The Brainには、脳溢血などで、30の視覚構成要素のうち一部だけが破壊された人の、変わった症例がいろいろ出ている。例えば、「動き」を認知する部分がやられた人は、全てが「ぱらぱら漫画」みたいにしか見えない、という困った状態に。道路を渡ろうとすると、やってくる車は見えるのだが、それがどのくらいのスピードかわからないのでとても怖い、とか。
あと、「空想の視覚イメージ」を「真実の視覚イメージ」と混乱してしまう症例も出てくる。人間は、いろいろなことを「視覚イメージ」として思い出す。しかし、通常は、外部からの視覚刺激が「現実」だとわかっているので、思い出の方は「単なる空想」と一瞬で理解される。しかし、盲目になると、外部刺激による「修正」が入らないので、思い出映像を真実と思ってしまって混乱することに。特に、部分的に盲目になると、残りは正常視覚のまま、盲目部分にだけ幻覚が跋扈する、という奇怪な状態になることもあるらしい。
登場するある患者は、交通事故で脳に激しい損傷を受け、2週間昏睡状態となる。目が覚めると、ベッドの脇には医師や看護婦に交じって、フットボール選手やハワイアンダンサーが、わらわらとたくさん立っているのが見えて激しく混乱。(後者二種類の人たちはもちろん幻覚)その後だんだん意識が明確になると、視野の下側だけ盲目で、そこだけに幻覚が出るという状態に落ち着く。本の作者のRamachandranと話しているときも、
「先生の膝の上にはサルが座ってます」
と報告。もちろんサルは幻覚です。
この人の症例に習えば、「脳のどこかを刺激するだけで、実はそこにはいないものもくっきり見える」ということにもなるわけで、それが実現できたら、それはテレビ会議どころか、映画Matrixの世界。ちなみに、Phantoms in The Brain、日本語訳脳のなかの幽霊もあります。
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12 月 17, 2003
Nanotech gets real
最近、ナノテク(を標榜する)Nano-Texの話が何度かあちこちで出た。
Silicon Valley Biz InkのNifty Nanotech(12月12日)
と
San Jose MercuryのNanotechnology gets real(12月15日)
1998年に創業、ナノレベルの細い「ひげ」を繊維にくっつけることで、液体をはじくNano-Careを販売中。しみにならない洋服、などに使われ始めており、Levi's系のDockersとかGapなどがクライアント。1ヤード当たり25セントから1ドルとのことで、ズボン1着分で1-2ドル、というのがこの会社の取り分。
確かに堅実なナノテクではあるのだが、でも、これをナノテクと言ってしまったら、なんでもナノテク・・・(私だってナノテク、という話を以前書きました)。IBMのAlmaden研究所のdirector、Robert Morrisも
``It's really just better chemistry,''
といっているとSan Jose Mercuryの記事には書いてある。化学反応はどれも原子・分子レベルなワケで、これをナノテクといってしまったら、何でもナノテクじゃないか、となる。とはいうものの、まぁ広義でナノテクと言い切って、分野が盛り上がれば、それも世のため人のためでもある。
ちょっと面白いのが、Nano-texのこれまでの起業の歴史。1998年にLevi'sを説得して資金を獲得して起業、その後Levi'sの興味が薄れてしまい、Burlingtonから500万ドルの投資を仰ぐ。(あの「バーリントン」ですね)しかし...
Burlington filed for bankruptcy protection in November 2001. Industrial conglomerate W.L. Ross & Co. purchased Burlington.
そのBurlingtonも倒産、Nano-texはBurlingtonとともに、巨大ファンドW.L.Rossの手に渡る。
このW.L. Rossファンドについて詳しく書かれているのがBusiness Week12月22日号のIs Wilbur Ross Crazy? 。価値が落ち込んだ業界のみターゲットに、「底値買い」をするのが特徴のファンドで、高収益。例えばアメリカの製鉄業、Burlingtonのような繊維業といった「誰も見向きもしない資産を買い叩く」ので有名。日本の銀行などもターゲットとしている。
というわけで、Levi's -> Burlington -> W.L. Rossと、七転び八起きで走り続けるNano-Texでした。
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12 月 16, 2003
アメリカ生活のインフラ
年末である。
2002年の税金の申告は2003年(つまり今年の)夏までかかってしまって深く反省。今年は1月になるや否や申告するべし、とせっせと数字を整理し、会計士に報告。
「これくらい年金積み立てをすると、税金はこれくらい、年金積み立てをこれくらい増やすと税金はこれくらい」
などなどと解説を受ける。
「どうせ税金に持っていかれるなら、限度額ぎりぎりまで積み立てる」
と伝えると、そのために必要ないくつかのポイントを指示される。
で、久しぶりに弁護士とも会って、会社の書類などチェックしてもらう。と、弁護士が
「ビジネス保険はどうしてる」
というので、
「じ、実は、ずっと延び延びになっていて、入ってない」
というと、
「これだから日本人は・・・・」
と頭を抱えられ、説教される。(彼は奥さんが日本人)いわく
「オフィスの掃除人が、足を滑らせて転んで骨を打って、訴えられたらどうするんだ」
いや、わかってるけど、めんどくさくてついつい、というと、保険ブローカーの電話番号を渡され、「帰ったらすぐ電話して即座に保険に入ること。」
保険の項目を見ると「売掛金未回収」てなものから、「消防車出動時の消防署サービスフィー」とか、「放火の際の犯人通報者懸賞金」なんていうものまであり
「そうか、いざというときにはいろいろ費用がかかるんだなぁ。」
と勉強になります。
後は、年金積み立てをどうするかをフィナンシャルアドバイザーに相談しないといかん。相談というより、面倒くさいから適当にやっといて、という感じなのだが。
というわけで、アメリカの生活では、様々なスペシャリストが登場、もちろんみんな有料なので、生活のインフラコストがかさむ。
まぁ、いろいろと見識があり、しかもマメな人は、ファイナンス関係は自分一人でもできるだろう。が、「弁護士」は1年に1回は話しておいた方がいい。隣の家との境界の木を剪定したくらいで訴えられる可能性のあるここアメリカでは、基本的自己防衛が必要。「家の保険を買う」というように、やるべきことが明らかだったら、その専門家に出向けばいいのだが、そもそも何をすべきかの指示をしてくれる人が弁護士、という感じかな。
前に海外で暮らす場合のトイレ逆座り的問題について書いたが、私のようなガイジンの場合、アメリカ人が当然と思って淡々と実行していることを、全く知らないでいる可能性もあるわけで、弁護士費用はそれを教えてもらう経費、と思うことにしている。
映画、Fifth Elementでも、しがないタクシーの運ちゃんのBruce Willisがソバ屋のオヤジとの雑談で
「うちのカミサンは、俺の弁護士と駆け落ちした」
とぼやいているシーンがあるが、それくらい弁護士は普遍的なわけで。
この間、「米国の研究機関からサンプルを盗んで日本に持ち込んだ」というスパイ容疑を受け、今日経バイオに手記を連載中の芹沢さんと、ばったり道で出会ったのでランチをご一緒した。最終的に芹沢さんご本人は罪は免れているが、その芹沢さんも、事件から学んだ最大の教訓は
「普段から弁護士に相談する」
ということだそうです。。。
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12 月 14, 2003
ローカルレストラン情報Brigitte's
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このあたりに住んでいる人にしか意味のない情報ですが、Santa Claraのフレンチ・ビストロBrigitte's。
フランス人の奥さんを持つオランダ人のJan(ヤン、と読む)に教えてもらった。シンプルだけどおいしい・・・・というビストロの基本条件を満たしている以上に、いろいろ小技が効いている。メニューも「小」と「普通」があるものが多く、「小」だと、ちょっとだけ。「アペタイザー食べたところで満腹」、といういつもの「困った」がない。前菜とメインを食べた上に、チーズを食べて、まだデザートが食べられる、この感動!!(といっても、日本に住んでいる方には「?」かもしれませんが、当地はなんでもとにかく量が多くて、前菜だけで、天丼一杯分の満腹感に至るようなことが多いのです。)
ワインにも「多」と「少」があって、ちょっとずついろいろ飲めます。手ごろなフレンチワインが豊富にあって、飲んだ後、買って帰ることも可。
ワインは、4種類を少しずつサーブしてくれる「flight」もある。赤・白・チーズ・デザート用にそれぞれ違うワインの組み合わせのflightがあって、値段も10ドルちょっととお手ごろ。一番上の写真は、Red Flight。ウェーターは、ワインを置くと、やおらポケットからサインペンを取り出して、テーブルクロス代わりの白い紙の上に、ワインの種類を書いてくれる。これ、私にはとてもありがたくて、なぜならウェーターがみんなフランス人なので、本格的な発音でいろいろ言われても、わからなかったりするので。
実はシリコンバレーにはフランスから働きに来ている、正真正銘のフランス人が2-3万人いるとのことで、探すとフランス的なものがある。何の変哲もない八百屋なのに、なぜかたくさんチーズを置いてる店とか。。。(例えばSan Antonio Shopping CenterのMilk Pail)
Brigitte'sは近所に一つあったらとても嬉しい、という感じのカジュアルな店。予約した方がいいと思います。テイクアウトも可。
351 Saratoga Ave, Santa Clara tel: 408-404-7043
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12 月 12, 2003
Mastiff犬(でかいです)
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今日Palo AltoのダウンタウンにあるTamarineで夕食をした後、ぶらぶらと歩いていったRestoration Hardwareという雑貨屋兼家具屋兼兼いろいろ屋にて。
写真だとイマイチわからないのですが、超巨大です。子牛くらいある。(顔が人間の倍くらいある)別の人が連れていたスピッツみたいな小さな犬と鼻を突き合わせて尻尾をフリフリして、おとなしそうであったが。(スピッツは単に気を失っていたのかもしれない。)
何の犬と聞いたら
「English Mastiff」
と。マスチフと聞いた瞬間に私の頭に浮かんだのは:
1)花村萬月の小説。(確か「二進法の犬」)やくざが、とことん飢えさせたマスチフのいる檻に、いたぶって殺すために人を投げ込む。
2)去年、サンフランシスコのアパートの廊下で、住人の飼い犬のマスチフが、近所の女性をかみ殺した事件
そう、マスチフは、世界のやくざ・マフィア・ギャングが、ボディガード代わりに飼うあのマスチフなのでした。ということで、一応飼い主に「フラッシュたいても大丈夫?」と聞いてから写真撮影。突然襲い掛かられたら死んでしまうからなぁ。。。。(比喩でなく)
ちなみに、上記2の事件は、なんだかとんでもない事件であった。詳しくは上のリンク先にありますが、
何の変哲もないアパートの同じフロアにいろいろな人たちが住んでいるものだ。でも、この事件がなかったら、それぞれの変わったところは覆い隠されたまま、ごく普通に時が過ぎていただろう。
この間のエントリーで書いたEconomistの表現を借りれば、この事件は「稲妻」みたいなもので、別に事件がおきたから異常が生じたのではなくて、事件という「閃光」で周囲の人々の特異性が一瞬照らし出された、ということか。
ちなみに、この事件ではさらに
など、さらなる不思議・奇怪なことがいろいろと起こって、「こういうニュースだけ見たら、本当にアメリカって危ない国に見えるだろうなぁ」と思ったのでした。
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12 月 11, 2003
Stanford社会人講座
数日前、Stanfordからスパム、もとい、宣伝emailがやってきた。1月からの冬学期社会人講座の勧誘である。
その中にsocial networkingをテーマにしたものが。
Throughout history, networks have emerged to support the social and economic aspects of human society. It is possible to study networks arising in the context of telecommunications, transportation, epidemiology, social networking, and the Internet. These networks vary widely in scope, in physical composition, and in the technologies they employ. Many researchers now believe that networks, despite such differences, share certain abstract properties. Knowledge of these properties can be used to understand and engineer networks more effectively. Relying on historical examples and the key insights of researchers in both natural and social sciences, we will study those properties and their consequences.
通信・交通・疫学・インターネット、そしてsocial networkingなど、全てのネットワークに共通する特徴を学ぶ、というもの。「お友達の輪の拡大サポート・ウェブビジネス」のsocial networkingがこのあたりの一部の人たちの間で流行っていると先日のエントリーで書いたが、Stanfordは世の流行に敏感であります。個人的には、かなり心惹かれるが、5回も講座に出るほどではないなぁ。。。一回に濃縮してエッセンスだけやってくれたら絶対行くのだが。
なお、これ以外の社会人講座、冬学期のクラスはStanford Continuing Studiesに。ただいま申し込み受付中。ダンスや写真から、ギリシャ悲劇、科学的文章の書き方や製薬開発のイロハまで、いろいろ楽しそうなのがあり、かつ、アメリカの大学にしては超お値打ちなので、近辺にお住まいの方は一度ご覧下さい。
無料の半日セミナーというのもいくつかあって、例えば、工学部長が語るWhat's Hot in Engineering: A Look at the Next 25 Years など。アメリカはきっと他の大学もこんな感じだと思いますが、大学のそばに住めて、アー幸せ。
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12 月 10, 2003
San Francisco新市長

昨日は、サンフランシスコの市長選の決選投票だった。
新しい市長になったのは、1967年10月生まれのレストラン経営、Gavin Newsom。1887年以来、最年少の市長。が、それ以上に注目されるのが「good looking」なこと。カッコイイのだ。
彼の経歴(とさらなる写真は)こちら。
テレビで話しているのを見ても、映画俳優のよう。所属は民主党で、党では「いずれ、カリフォルニア州知事、その後大統領に」と期待。アメリカの選挙はテレビ受けが大事。同じ中身だったら、見た目は悪いよりいい方がいい。同じく派手めの奥さんがいるが、彼女は弁護士。将来大統領になる準備は万端か。
同じ日にやはり選挙で当選したサンフランシスコ市のDisctrict Attorney(市検察検事約250人のトップ)は39歳の人種不明(一応黒人ということになっているが、どうも東南アジア系などもまじっているらしい。)Kamara Harris。現市長Willie Brownの元彼女、でもあります。こちらもやはり若くてgood lookingである。

シュワルツェネッガーと、NewsomとHarrisが3人で話してたら、なんだか映画の1シーンのようだなぁ。
そういえば、ルックスとビジネスの関係について、以前こんなエントリーを書いたこともありました。。。。。
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12 月 09, 2003
自動的専業分業アリ社会
今朝は"Ants at Work: Organization Without Management"という7時半からの朝食セミナーに行ってきた。スタンフォードのFaculty Clubで毎月行われてセミナーシリーズの一つ。今回は同大学の生物の教授、Deborah M. Gordonの20年のアリ研究の成果の発表。誰でも参加できる(有料だが)。
かなり前からすごい楽しみにしていた。昨日など
「はっ、もしかしてあのセミナーは今日だったのでは」
といつもより早く目が覚めてしまったくらい。Biographyにも書いたとおり、動物生態が好きなので。(今日のは昆虫ですが。)
思ったとおり面白くて、嬉しくなってしまい、ずっとニヤニヤしながら聞いていた。でも、周りの人も大笑いしながら聞いてたからOKか。
「働きアリは、どうやってタスク分担をするか」というテーマである。
1.アリのキャリアパス
■働きアリには、食べ物を探したり外部の異常を感知する偵察アリ、食べ物を運んでくるアリ、巣の修復を行うアリ、ゴミ掃除をするアリ、の4種類がいる
■それぞれのアリは専業で、修復アリが食べ物を探しに行ったりしない
■特定業務に特化したアリが生まれるわけではなく、約1年の生涯を通じ、一定のキャリアパスに従って仕事を移っていく
■巣の表にいる時間が増えると、その風に当たることで体の表面が乾き、体表面の化学組成が変化する。で、その化学組成によって、違う「匂い」が生じる
■体の匂いによって、どの仕事をするか決まる。例えば、巣の中にいることの多い修復アリが、外に土を運び出したりしながら表にいる時間が増えることで、食べ物アリ、偵察アリへと「昇進」していく。
まず、ここまでで「なるほど!」という感じだが、ここからがポイント。
2.アリのタスク分担
■偵察アリが帰ってこないと、食物アリは行動しない。巣の周りに障害物があって修復アリがそれをどけている間は、偵察アリは巣の中にこもっている。つまり、「異業種間での仕事量連携」が行われている
■しかし、「さぁ、修復だ」とか「偵察部隊出動!」などと指示を出す指令アリはいない
■アリは業務ごとに違う匂いだが、特定のアリが自分の仕事をするかどうかは、「どの匂いのアリに」「どれくらいの頻度で出会うか」という二つだけで決まっている
■試しに、偵察アリの匂いのビーズを巣にポコポコと落としたら、食べ物アリがぞろぞろ出動してきた
(こうした生態学を、人間向けのマーケティングに適用したアイデアが出てくるのはBuzz: Harness the Power of Influence and Create Demand)
ちなみに、「全然何もしていないアリ」というのも莫大に巣の中でゴロゴロしているんだそうだ。どうもずっと何もしていないらしい。(ここで聴衆一同 大笑い。)理由は今のところ不明で、「匂いによる出動情報伝達メカニズム」において、何らかのバッファーとなっているのでは、ということだった。
(そういえば、指揮者のいないオーケストラの組織マネジメントに関する本っていうのも話題になりましたね。)
なんでこれが、ずっとニコニコするくらい嬉しかったかというと、話し手が本当にアリ社会研究を愛し、しかもその道の真の専門家であることがしんしん と伝わってきたから。アリ専門家ではない人間が心から楽しめるように話せるということは、本当に理解の底が深いということだ。平易な言葉で話すというのは ものすごい難しいことなのである。
20年間営々とアリの研究をしてきた人が、そのエッセンスを拾い出して話してくれたのだから、面白くて当たり前かもしれないが、世の中長いこと何かをやってきて、何一つ面白い話が出てこない人というのもたくさんいるわけで。
セミナー終了後は、会場の入り口でウキウキと、セミナーの元ネタ本のAnts at Workも買ってしまった。
「私も感動を与えられるような話ができるよう精進しよう」という、前向きな気持ちになった朝でした。(「なれるのか」という暗い気持ちも湧いたが、それよりウキウキ度が上回った。)
なお、Deborah M. Gordon教授の研究室はこちら。
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12 月 08, 2003
ばい菌回路
IEEE(アイ・トリプル・イー。世界に38万人の会員のいる電子・電気工学協会)の会報、Spectrum11月号のGerms that Build Circuit (IEEE会員オンリー・・・だと思います。申し訳ありません。)
「ばい菌で半導体回路を作る」という研究についての記事。半導体は、ムーアの法則にしたがってどんどん小さくて高性能になっているけれど、そのうちに、いくらなんでも今の製造方法ではミニチュア化の限界がくるということで、次はナノテクやバイオを応用しようという動きが進んである。
「DNAをいじって、自動的に回路が生えて来るようにしよう」
とか。植物園じゃないんだから、、、という感じだが、真剣です。
この手の話を聞くと、いつも不思議に思ったのが
「原料の生物が死んじゃった後の回路はどうなるんだろうか」
ということ。しかしこの記事を読んで納得。生きてるまま回路として使うわけじゃないんですね。。。あたりまえか。
とがったロケットのような形のウィルスを基盤にくっつけて、その後半導体結晶でコーティング、一気に熱して中身のウィルスが死んだ後は、外側のコーティングだけ残って、極細の回路ができる、というしかけ。
原理はこんな感じである。
Here's how it works: first, a solution of bacteriophage is poured onto a piece of crystalline semiconductor. Then the chip is rinsed. Most of the viruses are washed away, but a few stick. This sticky subset is removed from the chip, allowed to multiply (by infecting bacteria with them), poured back onto the chip, and then subjected to a more stringent (that is, more acidic or more basic) wash. After several cycles in which the wash becomes stronger and stronger, the viruses sticking to the wafer are those whose peptide coats have a tight fit to the semiconductor crystal.
Belcher and her students have since shown that engineered viruses not only stick to semiconductors but can also be made to form nanometer-scale semiconductor crystals themselves. When mixed with precursor chemicals containing a semiconductor's elemental ingredients, the virus's engineered peptides act as a template, hustling atoms into the same crystal structure to which the peptides were engineered to bind. The result is an organic/inorganic hybrid: viral particles, 7 nm wide and 850 nm long, sporting 2- to 3-nm semiconductor crystals wherever the engineered peptide is found.
1)GaAs(ガリ砒素)やInP(インジウム燐)など、半導体に使われる特定の素材にくっつきやすいウィルスを遺伝子操作で作る。
方法は意外に原始的で、ウィルスをくっつけたい素材の上に載せて、ざっと洗い流す。素材の上に残ったウィルスを集めて、増殖させる。で、また同じ素材の上に載せて、洗い流す。これを何度か繰り返すと、その素材に強力にくっつくウィルスに「進化」する。
(この進化過程の音楽付きアニメーションがここで見られます。下は出だしの画面をキャプチャしたもの。このアニメーション、いきなりファンキーな音楽で始まりますのでご注意。)
2)ウィルスはまた、自ら半導体素材を作り出すように「進化」することも。周囲に原料となる元素を撒くと、それを集めてきて、ちゃんとGaAsやらInPやらの鎧を作り上げる。
***
攻殻機動隊もびっくり、であります。ウィルスが半導体に進化できるのだったら、人間だって、地球にガリウムとか砒素とかがあふれていたら、みんなガリウム砒素で覆われた体に進化してたかもしれないわけで。環境の成分次第では、誰でもそのままマジンガーZだったり。
また、「回路用の生物がどんどん進化して、人類の敵になったら」という、SF的心配もないではないが、この際それはそれで見ものである。ガリウムアーセナイド対インジウムフォスファイドの戦い、という具合に、敵同士をぶつけることもできるかもしれないし、、というのはゴジラ対モスラの発想か。
ちなみに、この研究をしているAngela Belcherは大学では分子生物学を専攻、Ph.D.は物性化学、ポスドクは電気工学という「歩く三位一体」みたいな人である。IEEE Spectrumの同じ号には、BioEE:The Next Job Frontierと題して、「Belcherのように、バイオもわかる電気電子工学エンジニアが今後は求められる」という記事も載っていた。彼女のような人材は、少なくともしばらくの間、インドや中国にアウトソースされることはないであろう。
まだ学生の皆さん、がんばってください。


