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5 月 27, 2003
ルックスはビジネスと関係あるか?
この間パーティーで話していて「見た目は出世にどれくらい役立つか」という話題になった。結論から言うと「結構役に立つ」。特に男性では背が高いことが有利じゃないか、という雑談に。ここで背が高いとは、185センチ超の見るからに大きい人のこと。会った瞬間に「縮尺が違う」と思わせるタイプ。
私のビジネススクールの同級生でも身長2メーター近くて(もしかしたらもっとあるのかもしれない)、世の中を3分割したらトップ3分の1に入るであろう顔かたちのAshleyは確かにめきめき出世してSiebelのVPになった。同級生で唯一起業した会社をIPOまで持っていったZiaはPeople誌の「アメリカで最も素敵な独身男性」の一人に選ばれた。そもそも、ビジネススクールに来てるアメリカ人って、見た目のいい人が多いのだが・・・。それ以外でも「アメリカの男子では、10代半ばでの身長と、大人になってからの収入には相関関係がある(10代の頃背が高い方が、大人になってから収入が高い)」という調査結果を見たこともある。この原因として、
1)そもそも、頭のいい人・経済的に成功している人はルックスのよい伴侶を選ぶので、才色兼備な子供が生まれる確率が高い
というpolitically incorrectな説を唱える人が時々いるのだが(特に日本人でこの説を言う人が多い。)、
2)見た目がよいということで子供の頃からなにかにつけて自信があり、より大きなことにチャンレンジして早く成功していくから
という説もある。
Economistの5月22日号にはThe right to be beautifulとThe Beauty Businessという記事が載っている。化粧から整形手術までのBeauty Businessについてのものだが、有料コンテンツなので、面白いところだけピックアップすると・・・・
1)good-looking women with a flat tyre get rescued first
まぁこれはそうなんだろうなぁ・・・・
2)when Barry Harper of London Guildhall University looked at 11,000 British 33-year-olds, he found that the pay penalty for unattractiveness was around 15% for men and 11% for women.
33歳のイギリス人11000人の調査では、魅力的でない男は魅力的な男より15%収入が低いのだそうだ。女性では、その数字は11%ということで男の方が差が大きい。意外だが、これは恐らく男の方がそもそも収入が高いので、差も開きやすいせいではないか。(Economistはそこまで言及していない)
3)A baby of three months will smile longer at a face judged by adults to be “attractive”.
私は赤ちゃんに泣かれることが多いのだが、そこには深い理由があるのだろうか。うーむ。
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5 月 22, 2003
アントレプレナー・ドア
ダンナの会社は過去1ヶ月くらい、とあるVCのオフィスを間借りしている。増資契約が終了して、体制が整って、新たなオフィスを借りられるまでの間ということで、投資元VCのところにヤドカリしているのであった。
このVCはシリコンバレー的には超一流でもないが、2流でもないというところなのだが、ダンナたちの部屋からは、オフィスへの入り口がよく見えるので、どんな人たちがやってくるかよく見えるのだそうだ。すると、増資を求めるアントレプレナーはみんな同じカッコウでやってくるらしい。ジャケットにスラックスにコットンシャツ、手にはブリーフケース、数名で何か相談しながらゆるゆるとやってくると。「どういう戦略でこのVCとは話そうか」とか最後の詰めをしているのだろう。私のオフィスの一階にもVCが入っていて、確かにそういう一段の人たち(2-4名くらい)がうろうろしてることがある。 (ちなみに、シリコンバレー的ワーキングカジュアルのルールはSilicon Valley Chicで書きました)
話は突然飛ぶが、飼い猫が口に動物をくわえて家に入ってこようとしたときはあかない「猫識別ドア」を開発したエンジニアがFlo Controlというサイトを持っている(Floは猫の名前)。開発方法や原理も解説されていて、「ねずみを加えて入ろうとしたので拒否されたFlo」とか「Floのふりをして家に入ろうとして拒否されたスカンク」とか、いろいろな写真が掲載されていて笑える。現在開発者は、複数の猫を飼っていて、識別ソフトはそれぞれを横顔の輪郭で識別。毎日、本物の猫の出入りの写真がウェブにアップデートされるようになっている。
閑話休題、増資を求めるアントレプレナーがみんな同じ外見的特徴であれば、Flo Controlと同じ原理で「アントレプレナーを識別して開くドア」が作れんじゃないか。それとも、今のご時世だと「アントレプレナーを識別して開かないドア」の方が需要があるのか、などとくだらないことを話しながらふけていく今宵であった。
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5 月 20, 2003
半導体産業のこれから
Churchill Clubというシリコンバレーのテクノロジー・ビジネスのフォーラムが開催する 2003 Annual Semiconductor Forecastから帰ってきたところ。最近ちょっとばたばたしているのと、体調がイマイチだったので、最後まで行こうかどうか迷ったのだが、結局「やっぱりいこう」と思い直して、パネルディスカッションの始まる直前に滑り込んだ。会場は、オフィスと自宅のちょうど中間くらいにあるHyatt Rickeysというホテル。こうしたコンファレンスが近場で頻繁に行われていて、軽い気持ちであれこれ参加できるのがシリコンバレーで働く強み。
コンファレンスに行く前は、スタンフォードのビジネススクールのライブラリーに行って、ちょっと調べ物をしていたのだが、大学のファシリティーが使えるのも便利。各種のanalyst reportから、有料データベースなど、幅広く揃っている。ソファーもあって、ゆっくり考えごともできる。ビジネススクールは、卒業生だったら無料で図書館が利用できるし、工学部の図書館は一般に開放している。キャンパスでは、かなり専門性の強いセミナーも、無償か、そうでなくても手軽な金額でちょくちょく行われている。
経済は、基本的には労働力(人間)か、資本の投下量でその発展が決まる。当たり前だが、1人より2人働いた方がたくさん成果が出る。設備投資をすればもっと成果が出る。ところが、労働力も資本投下量も一定でも、地理的に近いところに似たような産業が集まると、その集積だけで相互作用が働き、相乗効果的にその産業が発展する"network effect"が起こる。これがシリコンバレーが発展してきたポイントの一つとされているのだが、実際こうして容易に業界情報にアクセスできることもnetwork effectの現われと言えるだろう。
パネルディスカッションが終わって会場を出ると、9時ちょっと前だったのだが、まだ西の空が明るかった。夏至を前に、そろそろ夜8時半までスポーツができるシーズンになってきた。これもこの辺に住むよいところ。
ちなみに、パネルディスカッションでは、パネリストが皆これから1年間上がる株、下がる株を選択したが、同じSilicon Laboratoriesについて、Morgan StanleyのMark Edelstoneはがあがるといい、Crimson VenturesのDrew Peckは下がると宣言。モデレータのCharles River VenturesのBill Taiはデジタルカメラ向けのメディアカードなどを作っているLexarがあがり、embed用開発ツール・ソフトのWind Riverがembedded Linuxの流れに抗うことはできず下がる、と。さて、どうなるでしょうか。
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5 月 19, 2003
シリコンバレー最新VC事情
SJ Mercuryの記事Burned up or burned out, they elect to get by on their ownはVCからの投資を受けないベンチャーが増えている、という話。ベンチャー側がVC投資を嫌がるのが、VC投資総額が減っている理由の一つ、と。
Here's one reason why venture capital investing keeps falling: A growing number of entrepreneurs are shunning venture capitalists.
その理由は、VC投資を受けると、経営に口出しされうるさいから。しかも不況で投資条件がアントレプレナー側に非常に悪く、そんなことだったら、と既にハイテクで富を築いた個人(シリアル・アントレプレナー)が自己資金でベンチャーを育てることが多くなっている、という。このあたりの事情は、私が以前Angel Chief Officersに書いた通り。
TribeNetworksを自己資金でスタートアップしたMark Pinkusは、TribeNetworksとは別に、起業をサポートしたオンラインデートサイト事業があるのだが、そちらの会社に投資したいのでオフィスに来いと電話してきたVCを笑い飛ばした、とインタビューに答えている。(ちなみに、シリコンバレー・デート事情とオンライン・デートについては以前のエントリーをご参照あれ・・・)
a VC recently called him wanting to invest in another company Pincus helped form, Friendster, an online dating outfit. Relying on word-of-mouth advertising, and a shoestring budget, the company doesn't require capital. But the VC asked Pincus if his team would come to the VC's office to present Friendster.
``I had to laugh,'' says Pincus, referring to the assumption that the start-up needed money that badly. In fact, Pincus didn't even tell Friendster's chief executive.
entrepreneurに嫌がられる投資条件については、VCがたった4M程度の出資で会社の半分持って行ってしまう、という最悪な状態だという。
a typical example would be for VCs to negotiate a deal by setting a value of about $4 million on the young start-up. They then offer the entrepreneurs $4 million more, bringing the company's new value to $8 million. That gives the VCs ownership of half of the company. That's a tough deal. In 1999, by comparison, Sequoia Capital paid $5 million for a mere 8 percent stake in eToys.
こんな状態だから、WebTVとMoxi DigitalのファウンダーのSteve Perlmanは"doesn't know anyone taking VC money for new ideas"という。
ふふふ、しかしいるんですね、そういうdealを受け入れるentrepreneurが。しかも身近に。というのも、うちのダンナが過去2ヶ月ほどとあるpre fundingのチームに加わって、初回の増資を受けるべく、あれこれ画策していたのだが、先週月曜にやっと銀行に資金が振り込まれたのである。その条件は上記の記事の内容とあたらずといえども遠からず。メンバーは、MITのtenure professor(終身雇用の教授。アメリカ・アカデミア的には偉い)やら、上場企業のVP Engineeringやら、かなり成長した未上場企業のCTOやらが集まり、画期的なIPを核に作られた会社なのだが、誰一人大きな富を持った人がチームにいないので、どんなにひどい条件でもVC投資を受けるしかない。しかも会社ができる前に、VCの意向で西海岸と東海岸二つのチームが合併して一つになって投資を受ける、という会社側にとってもVC側にとっても力技的ディールであった。(ちなみに、西海岸と東海岸って、東京から香港に行くぐらい遠い。もっとだろうか。時差だって3時間もある。)
それでも、資金がなくてはお話にならないので、会社側にとっては成功なのであった。めでたし。
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5 月 18, 2003
記名発言のアンチテーゼとしての山田BBS
これ、超笑いました。発言者が全員山田の山田BBS。全国の山田がblogについて考えるスレッドもある。といっても、もちろん(多分)山田さんが集まっているわけじゃなくって、全員が無記名で、無記名だとデフォルト山田になる、というそういうことなんだが、500以上もの発言が山田名でなされているのは壮観である。
以前に、blogと自己紹介、blogと自己紹介-2というエントリーで、なぜidentityが明確でないblogが日本語に多いのか、という話題を取り上げたのだが、基本的には私は「人間は、その経験によって形成されたフィルターを通された主観的な考え方しかしない。だから、その主観フィルターがどんなものであるかがうかがい知れるような経歴情報があると、特定の意見のポジションが理解できる。」と思っている。もちろん、世の中にうそつきはいる。経歴情報を含めどんな内容でも鵜呑みにしてはならない。でも知らないよりは知っていた方が理解が深まることが多い。もちろん、経歴によって偏見をもたれるのがいやだから匿名で意見を言いたい、という人の気持ちはわかる。しかし、だとしたら、意見自体に「なぜそう思うのか」「それを証明する事実は何か」みたいなことをきちんと書いて欲しい。日本語blog(や掲示板)のもう一つの特徴は、一つ一つの書き込みがやたらと短いことなのだが、「これ、むかつくよね」「うん、まじ、やだ」みたいな短いコメントでは、その妥当性・正当性をどう考えていいのか全然わからない。
・・・とまじめなことを書いてしまったが、そういう私が持つ記名性に対する「思い込み」「偏見」みたいなものを思い切りパロディーにしたのが「山田BBS」と感じた。ので、笑ってしまった。なんか、「おじゃまんが山田くん」に出てくる山田くんが、何百人も集まっておんなじ口調、おんなじ声音で議論しているのを想像してしまうのだが、ここまでいくと匿名性のパロディーでもあって、アートに近い。えらい!!山田!!
山田がいっぱい、で思い出したのだが、昨日封切直後のMatrix2を見に行った。Agent Smithがいっぱい登場して、一人のNeoと戦うところがあって、ちょっと山田BBS的。映画のデキは期待が大きすぎたせいもあるかもしれないがイマイチ。。これから見る人のために詳しい描写は控えるが、「水戸黄門」と「Star Trek」を足して割ったみたいな感じであったぞよ。
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シリコンバレーの景気が上向いてきた・・・
シリコンバレーの景気がよくなってきた。アメリカという国は、地域・州によって全く異なる産業構造なので、景気も全然違う。日本の感じだと理解しづらいのだが、シリコンバレーが大不況でも南部のほうは結構好調だったりとか。なので、他の地域はわからないが、シリコンバレーはよくなってきた。とはいうもののマクロの数字的にはまだだ。失業率は高いままだし、消費者・事業経営者のconfidenceは低迷。州の財政難は激しく、公立学校の教師の大々的なレイオフが予定されている。
しかし、いろいろな人と話をしていると、ハイテク産業の状況が好転している兆しが感じられる。今年の頭には、5人に1人くらいが明るいことを言い始めたのが、だんだんと5人に2人になり、今は5人に3ー4人くらいは明るい兆候を語る、という感じ。残りの人も、過ぎ去った栄光は忘れて、現状をベースに努力していこうというモードに落ち着いた感が強い。AMT*(末尾参照)という税金が払えずに数千万、数億円の税金を滞納しつつも「景気が一発逆転で復活すればチャラだ」という一縷の望みにすがっていた人たちが、「もうそんなことはない。」と諦めたり。
enterprise softwareに関しては、eCommerce系インフラで新規需要が始まっている、というのはECommerce復活にも書いたが、それ以外でも吉凶あるもののじわじわと明るい話が増えはじめている。しかし、特に吉兆なのが、半導体が上向きつつあるという話。半導体はハイテクの大本のインフラ、なので。スタートアップ、パブリック含め複数の企業の人たちが「注文が上向いている」という。特にテレコム系のハードコアのopticsチップでも、見通しが明るくなってきている、という人がいて、(もちろん業界全体の話ではなく、あくまでその会社が、だが)これは結構インパクトがある。なんといってもoptics系チップには、テレコムバブルの一環で、超がつく過剰投資が行われたので。しかし、とはいってもこういう話の元はごく限られた数の企業(仕事で関係のある相手は「景気はどう」と聞いたら「いい」と答えるに決まっているので、数に入らない)なので、統計的に意味のある数字ではないし、グローバルな半導体企業に勤めるある人は「去年は史上最低だったけど、今年はそれより悪いことが既に明らか」と言っていた。が、これは「5人に1-2人の、調子が悪いという人たち」の方。
というわけで、今年の4Qくらいには、底を脱するんじゃないかな、という気がする。当たるも八卦当たらぬも八卦であるが。GoogleのIPOがきっかけになるのか・・・。
*AMT: Alternative Minimum Tax
ストックオプションは「安く買う権利(option)をもらう」→「安く買う」→「高く売る」ということができて始めてキャッシュになるのだが、この二番目の「
安く買う」、というところでその時点での株の市場価値との差額分に税金がかかる。ところが、3番目の「高く売る」の前に株式市場がクラッシュしてしまうと、結局全くキャッシュにならなかったのに税金だけ数千万、数億円とかかってしまうという、恐ろしいことが起こるのである。シリコンバレーでは、CEOからセクレタリーまで、ありとあらゆる人にこれが起こった。うちのダンナも頭を抱えていた。カリフォルニア州税局から逃れるために、他の州に引っ越してしまった知人もいる。
ちなみにアメリカの国税局(IRS)は厳しいことで知られるのだが、それより怖いのがカリフォルニア収税局とのことで、「ゲシュタポ並」だとSan Jose Mercuryに書いてあった。この世の果てまで追ってくるんだそうだ。
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5 月 15, 2003
水晶玉
昨日、ECommerce復活というエントリーを書いた。
2001年春ごろ、私はECommerceの着実な成長を全く疑わなかった。いったんEmailを使い始めたら二度とEmailなしで仕事ができなくなるのと同様、いったん始まったECommerceは止まらないはずだ、と確信していた。しかし、その前提の中で何が起こっていくかのミクロ予測ははずれた。はずれた予測はこういう感じだ。
1)ECommerceは確実に伸びるが、(2001年当時までの)ECommerce企業への資金投資は大幅に過剰。過剰な期待と資金により、元の取れない過剰設備投資が行われた。
2)過剰投資に見合うリターンがないことが明らかになり新たな資金調達はできなくなるが、事業が黒字転換しないためECommerceベンチャーは苦境に
3)ECommerceベンチャーは倒産、またはそれに近い状態になり、brick and mortarの既存大企業が、ベンチャーの持つECommerceインフラを元の価格の何分の一かで買取る。例えばAmazon(の持つ物流倉庫やITインフラ)はBordersなどに叩き売られ、Webvan(の持つ倉庫、トラック、ITインフラ)はSafewayなどに叩き売られるだろう。
4)インフラを叩き売り価格で購入したbrick and mortar企業は、投資金額が低いゆえに高収益のECommerceが可能になり、その後は順調かつ安定的にECommerceが成長する
ところが。Amazonは好調で誰にも叩き売られず、Webvanは逆に誰にも買われずに単に消滅してしまった。(時々Bay Areaでは、「むむ、これは昔Webvanだったんじゃないか」というサイズのトラックが走っているが・・。オークションでいろんな人の手に渡ったので。)
というわけで、マクロな将来予測ができ、それが当たったとしても、ミクロな予測が当たるとは限らない。というか、マクロはわかりやすいが、ミクロは難しい。大きな方向性は、適切な洞察力があればわかるけれど、ミクロは様々な偶発要因に左右されるからだ。そんな中でマクロ洞察力を生かすには、二つの方法があると思う。
1)マクロ予測自体を商売にする
「ECommerceは今後も伸びる」という大所高所の予測を回りに説くことを商売にすること。コンサルタント的。いい例はドラッカー。少なくともECommerceがだめになると予測して行動を起こすよりはましなので、マクロ洞察なんかしている暇がない人に教えてあげるというのが仕事になる。
2)自分がmovers and shakersになる
「ECommerceは今後も伸びる」という想定の中で、じゃぁ自分がそれを実現してやろうじゃないか、と実際にプレーヤーになる。アントレプレナーはこっち側の人。自分が作り出した製品やサービスによって、ECommerceがより一層伸びるようにする。
ちなみに、Stanfordのビジネススクールの教授、Grousbeckはアントレプレナーシップを教えながら、優秀な生徒が起業するときは自ら投資もしてしまうという2)型教授であった。ちょっと天動説チックではあるが、世の中の波に乗るより、世の中の波を起こそうというタイプ。一方1)型は、波が起こり始めた後、それがまだ小さなうちに、波に気づかない人の注意を喚起して、波を増幅させる。
1)と2)が適当なバランスでいることが、trendを作り出していくには必要なのだろう。
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5 月 14, 2003
ECommerce復活
ECommerceが好調。記事を幾つか拾うと:
■Business WeekのE-Biz Surprise
Remember those starry-eyed projections in 1999 that had U.S. e-commerce between businesses reaching a staggering $1.3 trillion by 2003? Turns out they were too low. Networked business-to-business transactions now stand at $2.4 trillion, says Forrester Research Inc.
バブルの絶頂の頃の1999年のBtoB ECommerce成長予測は「小さすぎた」ということ。2003年に1.3兆ドルになると言われていたのが2.4兆ドルになる予定。(とはいうものの、予測値にも大きな幅があったのは確かだが)
Forrester's bold 1999 prediction that U.S. consumer e-commerce would reach $108 billion by 2003 wasn't so far off. Despite recession, terrorism, and war, the number is expected to come close, at a projected $95 billion this year.
BtoCの方も1080億ドルの予測のところ950億ドルくらいは行きそうで、まぁ予測どおりに成長しているんである。
■Benchmark CapitalのWilliam Gurlyの書いたDot-com Double Take(4月24日)
The stock market has certainly awakened. Amazon's market capitalization has climbed 79 percent in the past year to $9.7 billion. Yahoo, over the same time period, has climbed 63 percent to reach a corporate value of $15 billion. And eBay, the cream of the crop, is up 61 percent to reach a whopping $28.4 billion. Cumulatively, that is more than $50 billion in value for the top three players in this newbie industry, which seemed very un-business as we crashed to earth in late 2000.
AmazonとYahooとeBayの企業価値は昨年1年間にそれぞれ79%、63%、61%上昇し、総計で500億ドルを超している、ということ。
一般的な見方をすれば「死んだかと思ったらどっこい生きていたECommerce」ということか。GartnerのアナリストAvivah Litanの言葉を借りれば、"The hype is gone, but the numbers are in."ミクロに見ても、当地のEcommerce系のアプリ企業の人と話していても、今年の1st quarter位から業績が伸び始めている(今まで生き残ってさえいれば、だが)ので、ECommerceの売上げの伸びが技術投資に回るという健全なサイクルが立ち直ってきている。
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5 月 13, 2003
熊的Google
先週末、友人たちとTahoeにスキーに行ってきた。openしているスキー場はもう2つしかないが、その一つのSquawでは、山頂のほうに行けば4メートル近い積雪がまだあった。このスキーを企画したのはGoogleをお休み中のRay。Googleがangel investorから10万ドル集めたばかりで、まだ4人しかいない頃に加わった。梅田さんのblogの表現に従えば「天才」なんであろうか。いや、全く知らなかった。
Rayは、Googleファウンダーと同じく、父親が数学の大学教授である。本人も数学を専攻、カリフォルニア工科大学からハーバードに転籍してundergraduateを終えた後、MITで純粋数学のPh.D.を取得、その後別の仕事を経て29歳でGoogleに入社。4年働いたところで現在は長期休暇中。
Rayはまた私が最近のエントリーに書いたような「熊的体力」の持ち主でもある。例えば:
1) スキーに行く前の週はIronman Race(トライアスロン)を完走。
2) 春の湿雪の急斜面を、ほとんど直滑降に近い猛スピードで一日中滑りまくり、宿に帰ったあと、皆が口も聞けないほど疲れて崩れるように一眠りする中、一人ランニングのトレーニングに出発(ジョギング、というスピードじゃないのだ)
3) その上、趣味の料理を追求、初日の待ち合わせ時には、作りたてほかほかのイチジク・バナナパンを持って登場した上、上記のスキー・ランニングの後は、フランス仕込みのクレープを作ってふるまう
4) 翌日は一番に起きて、またトレーニング&コーヒーを入れてみんなが起きるのを待っている
まぁ、これくらいの体力だったら時々いるので熊とまで呼んでは言い過ぎか。アライグマくらいかな?しかし、いざというときには自分の腕をぶちきるかもしれない。よくわからない。特徴は、超元気でお肌つやつやなのに加え、少年のようによくしゃべること。
しかし、そのRayと同じペースでスキーをしたら、1日目の終わりには足の筋肉が麻痺して感触がなくなるくらい疲労困憊してしまった。しまった。熊的人間と同じ土俵で戦ってはいけない、ということをうっかり忘れていた。帰ってきた翌日は、疲労で頭がぼーっとし、ほかの事に集中しようとしても、ふと気づくと
「筋肉に溜まった疲労物質の乳酸が脳にまでやってくることはあるのだろうか、そうしたら私は人間ヤクルトみたいなもんなのだろうか」
などというわけのわからない夢想をしている自分に気づき、やはり知力には体力が重要、としみじみ反省したのである。Rayはあの体力でぐわーっとサーチアルゴリズムなんかを組み立ててるんだろうなぁ、やはり。。。
ちなみに、Rayはダンナの高校時代からの友達である。Rayはうちのダンナに1年遅れて同じ街にたどり着くという因縁があるんだそうだ。まず高校があったハワイから、ダンナはMITに行くのでBostonへ。RayはCaltechでLAに行ったが、1年でHarvardに転籍したのでBostonにやってくる。その後ダンナがWashington DCで就職すると、1年後にやはりDCの会社に就職、ダンナがStanfordに来た1年後にBay Areaにやってきた。「次はどこに行こうか」という話になっていた。それにしても、うちのダンナの友達には文系の人が極端に少ない。超オタクだから当たり前か。今回のスキーも、Ray以外にやはり純粋数学のマスターの奥さんと専攻は不明だが理系の大学院卒のダンナさんというカップルと5人であった。私の周りも理系が多い。文系の人はどこにいるんでしょうか。
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5 月 07, 2003
Small businessとHigh growth venture
以前、ベンチャーと中小企業の違いというエントリーを書いた。その中でこんなことを書いた。
■「high growth venture」は、核となるコンセプトや技術があって、それを市場にもたらすことを目的とした若い会社。
■「中小企業」は、核となるコンセプトや技術はあることはあるが、「それで世の中を制覇しよう」という野望は薄い。仕事を受注しながら、利益がでたらだんだん業容を拡大して成長していく。
■「small business(中小企業)でじわじわと成長してきた会社が、突如気が変わってVCから資金調達、high growth venture(ベンチャー)に鞍替えすることもある。」
今日ちょうど鞍替え途中という会社のCEOと会った。この会社の場合、鞍替えを象徴するのは二つのイベント。
1)VCから増資する
2)下請け仕事を断る
2)が最も重要で1)はその副産物といってもいい。「下請け」では、できた製品のIPは発注元の企業に渡してしまい、自社には受注費しか残らない。high growth ventureの特徴である「自社固有製品販売」ではもちろんIPは自社で保有する。自社にIPがあるから、将来の大きな成長が期待できる。だからVCから資金調達が可能になる。
といっても、この会社では、運転資金の問題もあって、きっぱり下請け仕事を断れない事情もあり、受注額を下げる代わりにIPの一部だけを自社保有とし、その部分に関しては発注元企業にロイヤリティーを将来払ってもらう形式にしていた。まさに、「下請け」から「自社固有製品販売」への過渡期、という感じでしょうか。


